日本、ヨーロッパ、北アメリカに分布し、秋に広葉樹(ハンノキ、ブナ、ナラなど)の倒木、枯木、材上に群生する。子嚢果は無柄の子嚢盤のみである。子嚢盤は幼時に子実層面が凹んだ球形、成長して直径(0.8)1~3(4)㎝の洋こま形、高さ0.5~1㎝、膠質、柔軟、半透明、子実層面はわずかに凹む~ほぼ平ら。内面の子実層は平滑、白色~ばら色~淡紫色、縁は、縁は(やや波状~)わずかに鋸歯状。外面は内面よりやや濃色、顆粒があり、粗面。子実層托の外被層は内外の2層。外層はゼラチン質に埋まった細い菌糸。内層はゼラチン化しない矩形菌子組織、細胞は薄壁。髄層は絡み合い菌組織、菌糸はゼラチン質に埋まる。子嚢は円柱形、長さ70~95µm、幅8~9µm(中国:長さ56~66µm、幅4.5~6µm)、下部は細く、8胞子、1列(上部2列)。胞子紋は白色。胞子は無色(中国:淡黄色)、1室、楕円形、長さ6.5~9µm、幅3~4.5µm、(中国:長さ5.1~6.5µm、幅2.8~3µm)2個の油滴を含む。側糸は幅1~2µmの糸状、先端がわずかに太くなり、隔壁が無い。
※中国経済真菌大全に掲載されている紫螺菌は子嚢や胞子の大きさが異なり、( )内の数値。
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