ナヨタケの学名はPsathyrella corrugisとされているが、Psathyrella graciiisの同義語とする見解がある。ナヨタケモドキの学名はPsathyrella
caudata とされているが、これもPsathyrella corrugis の同義語とする見解がある。
ナヨタケは林内や林縁に生える。傘が直径1.5~3㎝、円錐形~鐘形~中央が突出した半球形~中高盾形、湿ると縁に条線が見え、乾くと不鮮明になり、淡紅色~白色。柄は長さ4~10㎝、幅1~2㎜、下部がやや太く、中空、色は白色、平滑、基部に白毛が密生する。ひだは上生、やや疎で、白色~黒褐色~黒色、縁部は淡紅色の粉状。肉は薄く、白色、無味、無臭。胞子紋は紫褐色。色。胞子は長さ11~15µm、幅7.5~8µm、厚さ6.5~7µm、惰円形(平面)、非対称紡錘形((側面)。縁シスチジアは長さ22~44µm、幅8~12µmの紡錘形~便腹形。側シスチジアは同形、やや大。北アメリカ産はひだが密につき、側スチジアが長さ54~75µm、幅10~16µmであるという報告もあり、シスチジアでもナヨタケモドキとの判別は難しいようである。
ナヨタケモドキPsathyrella caudata は日本、ヨーロッパに分布し、草地や芝生に生える。傘が直径1.5~3(5)㎝、卵形~鐘形、成熟すると盾形~縁部やや反転、表面は平滑、橙黄褐色~汚黄褐色~暗褐色、湿ると縁に条線が見え、乾くと不鮮明になり、淡肌肌色。柄は長さ3~8㎝、幅1~2(4)㎜、上下同径、中空、色は類白色、上部は粉状、下部は平滑。ひだは直生、やや疎で、白色~帯紫褐色~黒色、縁部は白色の粉状。肉は薄く、白色、無味、無臭。胞子紋は黒色。胞子は紫褐色、長さ11~13(15.5)µm、幅9~11µm、厚さ6.5~9µm、惰円形(平面)、非対称紡錘形((側面)。縁シスチジアは長さ40~45µm、幅8~12µmの先端が伸びた紡錘形、側シスチジアは長さ38~80µm、幅9~15µmの長首の紡錘形。柄シスチジアは長さ25~37µm、幅7~12µmの徳利形~紡錘形。
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