世界に広く分布する普通種。変形体は白色。子嚢体は褐色の膜状の変形膜の上に房状につき、高さ6~20㎜。柄は黒色、光沢があり、高さ1~4㎜(全高の20~45%)。子嚢は先が丸い円柱形、紫褐色~暗褐色~暗赤褐色、下部が紫色を帯び、胞子を出すと淡色になる。軸柱は暗褐色~帯黒色、先近くまで伸びるか、先まで達する。細毛体は軸柱の全体から出て、多数分枝し、網状になり、最終の分枝は密な網目の表面網になる。表面網は角張り、刺があり、網目は直径3~20µm。胞子塊は暗褐色。胞子は紫褐色、著しいか又はわずかに疣状の網目状隆起(稀に刺状~乳頭状)があり、直径7.5~9µm、球形。
ホソミムラサキホコリ var. rufescensは胞子が小さく直径5.5~7.5µm。
イボムラサキホコリ var. papillosa は胞子が完全な疣型。
サビホコリ(サビムラサキホコリ) Stemonitis axifera も枯木に発生し、世界に広く分布する。変形体は白色、まれに淡黄色。子嚢体は狭円柱形、直径1~5㎝の大きな房状になり、柄があり、普通、曲がり、鉄銹褐色、全高7~20㎜。子嚢は直径0.2~0.3㎜。柄は黒色、高さ3~7㎜、膜質の変形膜から立ち上がる。軸柱は子嚢の頂端より下で終わる。細毛体は平滑で普通、表面のネットが閉じ、数個の丈夫な枝で柱軸に接続し、やや硬い連結糸から構成され、普通、円い小さな(大きくなることもある)網目になる。胞子は褐色、直径5~7µm、ほぼ平滑(わずかに点状)。
オオムラサキホコリ Stemonitis splendensも枯木に発生し、世界に広く分布する。変形体は白色、まれに淡黄色。子嚢体は全高6~20㎜、先が丸い円柱形、柄があり、紫褐色、密に束状配列し、大きな、コロニーを作る。柄は黒色、細く、長さ1~4㎜、銀色~紫色を帯びた変形膜から立ち上がる。軸柱は子嚢の頂端にほとんど達し、硬い。細毛体は紫褐色の連結糸、主枝は柱軸から間隔を開けて生じ、初めはほとんど分枝なく、急に枝分かれして、平滑な網目を作り、表面網の網目は円形~角形、幅20~70µm。胞子は淡赤紫色、細かい又は粗いいぼ状、直径7~9µm。
|