きのこ図鑑
Flora of Mikawa 
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 ムラサキゴムタケ  紫護謨茸
英  名 purple jelly drops
学  名 Ascocoryne cylichnium (Tul.) Korf
分  類 子嚢菌門 チャワンタケ亜門 ズキンタケ綱 ズキンタケ亜綱 ビョウタケ目(HELOTIALES)
科  属 ビョウタケ科  Helotiaceae  ムラサキゴムタケ属
 ヒメムラサキゴムタケAscocoryne cylichnium (Tul.) Korf はよく似ており、肉眼での区別は難しく、同じ腐朽木上に混生する事もあるといわる。ヒメムラサキゴムタケ方がやや淡色、肉厚で柔らかいともいわれるが、確実ではなく、胞子等の観察が必要である。ヒメムラサキゴムタケは外観が全く異なるアナモルフ(anamorphic 無性世代)の発生がある。
 広葉樹と針葉樹の湿ったよく腐朽した材上に発生する腐生菌、秋~冬に群生、束生する。子実体は径5~22㎜、盤形~カップ形~ワインカップ形、ゼラチン質、上面は紫色、無毛平滑、下面は上面と同様又は淡色で細かいけば状(fuzzy)、不完全な柄のような構造のものがあることもある。胞子は長さ18~27µm、幅4~6µm、紡錘形、平滑、多油滴、成熟すると数個の隔壁をもち、しばしば小さな、類球形の分生子を特に端にもつ(分生子は鎖状に合体しない)。子嚢は8胞子、長さ220µm x 幅15µm以下、メルツァー試薬で先が青くなる。側糸は糸状、先は類棍棒形~棍棒形~類頭状、幅1~3µm。

 ヒメムラサキゴムタケAscocoryne sarcoides (Jacq.) J.W. Groves & D.E. Wilson は広葉樹のよく腐朽した材上に群生又は束生する。秋~冬に発生し、広く北アメリカに分布する。子実体はアナモルフ(anamorphic 無性世代)の段階では初め、ゴツゴツし(lumpy)、不規則、その後やや棍棒形、ゼラチン質、ラベンダー色~紫色~ワイン赤色、脳のような集まり になり、幅20㎝まで伸びる。テレオモルフ(teleomorph有性世代)の段階では子実体は径5~10㎜、カップ形~盤形、ゼラチン質、紫色、上面はほぼ無毛平滑、下面は淡色、無毛平滑又は細かいけば状(fuzzy)、不完全な柄のような構造のものがあることもある。無臭。胞子は長さ13~21µm、幅3.5~5µm、紡錘形、平滑、初め、2油滴、その後、多くの油球をもち、やがて隔壁(まれに1隔壁より多い)ができ、まれに胞子からレモン形の分生子を生じる(そして、分生子が発達すると鎖状に合体する)。子嚢は8胞子、普通、4個ずつが2列に詰まり、長さ130µm x 幅10µm以下、メルツァー試薬で先が青くなる。側糸は糸状、先が類棍棒形~単に丸形、幅1~2µm。
ムラサキゴムタケ
ムラサキゴムタケ2
ムラサキゴムタケ5
ムラサキゴムタケ
ムラサキゴムタケ
ムラサキゴムタケ
ムラサキゴムタケ
発生時期 秋~冬
大 き さ 小型 直径5~22㎜
 栄養摂取 腐生菌
発生場所 湿った湿広葉樹、針葉樹の腐朽木上
分  布 日本、ヨーロッパ、アメリカ
食  毒 不明
撮  影 岡崎市 16.10.18
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