夏~秋に林内の腐木上や地上に発生。傘は直径1~2㎝、中高扁平、暗灰褐色の微細な鱗片状、中央が暗褐色、しばしば放射状に裂ける。柄は長さ1.5~3㎝、幅1~2.5㎜、中空~髄状、つばより下部に繊維状の鱗片がある。つばは上部~中部にあり、白色、縁が暗灰褐色。ひだは密、離生、白色、後にクリーム色。肉は質が薄く、脆く、白色、変色性なく、無味無臭。胞子は長さ4.5~6.5(7.5)µm、幅2.8~3.5µm、卵形~楕円形、無色、平滑、非アミロイド。縁シスチジアは長さ21~34µm、幅8~10µm、棍棒形~便腹形。 傘表面が黒っぽい細鱗片状になるキツネノカラカサ属やキヌカラカサタケ属も多い。小形のものが多く、ひだが紅褐色にならない。
<キツネノカラカサ属Lepiotaやキヌカラカサタケ属Leucocoprinusの類似種>
●ナカグロキツネノカラカサLepiota atrosquamulosa Hongo 夏~秋に林内の腐葉上に発生。傘は直径1.5~4㎝、鐘形~中高扁平、黒褐色の細鱗片状、中央が黒褐色で周縁は細鱗片がまばらで淡色。柄は長さ2.5~6㎝、幅2~4㎜、逆棍棒形、中空、白色~帯黄赤色、ほぼ平滑、わずかに帯褐色の条線がある。つばは白色、膜質、消失しやすい。ひだは密~やや疎、白色~黄白色。胞子は長さ(5.5)6~9µm、幅(3.5)4~5.5µm、楕円形~卵形。
●ナカグロヒメカラカサタケ Lepiota praetervisa 夏~秋に林内の腐植土上、コケ上に発生する。傘は直径0.5~1.5㎝、広饅頭形~中高扁平、白地に褐色の微細な鱗片があり、中央で密生する。柄は白色、つばも白色。ひだはやや密、白色。
●マルミノヒガサタケLeucocoprinus subglobisporus Hongo 夏~秋に林内の腐植土上、朽木に発生。日本、朝鮮に分布。傘は直径2~5㎝、円錐形~扁平、汚褐色~暗紫褐色の細鱗片状、中央が淡赤茶色、周縁は鱗片がまばらで、溝線がある。柄は長さ4~7㎝、幅0.15~1㎝、白色、細かい綿毛状、基部方向に淡茶色が濃くなる。つばは白色、環状、落ちやすい。ひだはやや密、白色、隔生。胞子は長さ5.5~6.5µm、幅3.8~4µm、惰円形、平滑。
●ナカグロヒガサタケLeucocoprinus brebissonii (Godey) Locq.夏~秋に林内の腐葉上に発生する。傘は直径2~4㎝、卵形~中高扁平、中央は暗褐色~黒褐色、周縁は細鱗片し、淡色。柄は長さ4~6㎝、幅約3㎜、逆棍棒形、中空、白色の細鱗片がある。つばは上向きにつき、白色、膜質。ひだは密、離生、白色。
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