別　　名	クシノハタケモドキ
中 国 名	于稀褶黑菇 yu xi zhe hei gu
英　　名	blackening brittlegill , blackening russula
学　　名	Russula pectinatoides Peck
分　　類	坦子菌門　ハラタケ亜門　ハラタケ綱　ベニタケ目 （Russulales）
科　　属	ベニタケ科　 Russulaceae 　ベニタケ属

　傘は直径6～20（25）㎝、中央が窪む饅頭形～浅い漏斗形、表面は粘性なく、平滑、初期に汚白色、後に暗褐色になり、最後に黒色になる。表皮は剥げにくく、辺縁の条線は不明瞭。柄は長さ3～8㎝、幅1～2.5㎝、上下同径～下部やや細く、中実～髄状、表面は傘と同様。 ひだは離生～やや垂生、疎、幅約7㎜、ほぼ白色～乳白色、傷つくと赤褐色になり、後にゆっくりと黒色に変わり、古くなるとほとんど黒色になる。肉は堅くてもろく、無味無臭、傷はひだと同様の変色性を示す。胞子紋は白色。胞子は長さ7～9µm、幅6～7.5µmの類球形、無色、多数の微細疣と不完全な網目に覆われる。縁シスチジア、側シスチジアともに少なく、長さ30～52µm、幅5～10µm、棍棒形、先細もあり、無色～淡黄色、ヨウ素溶液で黄褐色～橙褐色、硫酸バニリン液では黒褐色に変色する。傘上表皮層はゼラチン化せず、不規則にもつれ合った菌糸（黒褐色の内容物を含む）、菌糸の末端細胞は円筒形～丸みのある円錐形。菌糸にクランプはない。
　クロハツモドキRussula densifolia 北半球に広く分布。傘は直径5～10㎝、湿時、粘性があり、汚白色～灰褐色～黒褐色。ひだは離生し、密、幅2～4㎜。傷つけると赤褐色、後に黒色になる。肉は白色、弱い辛味～無味。胞子は長さ7～9.5µm、幅6～9µmの類球形、多数の微細疣と不完全な網目に覆われる。
　Russula dissimulans 北アメリカに分布する。傘は直径5～20㎝、初期白色、すぐに褐色～灰褐色になる。ひだはやや密生し、傷つけるとゆっくり赤色、後に灰色～黒色に変わる。胞子は長さ 6～11µm、幅 6～9 µm、表面の紋様がやや不明瞭。
　ニセクロハツ Russula subnigricans　本州（愛知県以西）、四国、九州、中国に分布する。中国名は亚稀褶黑菇。傘は灰褐色～暗褐色、乾燥し、ややビロード状。ひだは垂生し、疎、幅6～9㎜、白色、傷つけると赤く変色したままで、黒色にならない。猛毒