アジア、ヨーロッパ、オセアニア、北アメリカに分布するコスモポリタン種。各種の広葉樹、針葉樹に発生し、主に広葉樹のコナラ属に発生する。病菌としても知られている。
子実体は多年生、無柄で基部で広く着生、ときに背着生。傘は凸面形~密着して反曲~馬蹄形(ungulate)、しばしば不整形、奥行1~16㎝ x幅3~25㎝
x厚さ2~15㎝、木質、表面(内側の古い部分)は初め黄褐色の綿毛状、すぐに、無毛、灰褐色~黒色、普通、あまり深くない環溝があり、溝の幅は広く、全体に疣状に凸凹になり、細かい亀裂が入るが、目立つ殻皮には発達しない。縁(周辺の成長部)は初め同色又は黄褐色、後にかすかに綿毛状になり、厚く鈍形。肉は厚さ1~4㎝、明るい黄褐色、KOHで黒くなり、
絹のような輪紋状(基部を中心に濃淡の環紋を表す)、硬く、木質。傘の下面の管孔面は黄褐色~灰褐色、孔口は規則正しく、類円形、4-6 (-8) [又は7~9]個/㎜、直径10~200µm、隔壁は厚さ35~80µm、縁は全縁。管孔は明瞭な層状、20層以下、各層は長さ4~7㎜、肉より淡色、古い層は白く詰まる。胞子は長さ6~8µm、幅5~7µm、類球形~球形、無色、平滑なわずかに厚壁、屈折する
油滴を含む。担子器は長さ13~17µm、幅9~11µm、広棍棒形、4胞子。剛毛体があり、長さ20~23µm、幅8~10µm、ごくまれに、ときに欠くことがあり、先が尖り、便腹形、歪、厚い栗褐色の壁がある。剛毛体菌糸は無い。菌糸は2菌糸型、非膠着、原菌糸と骨格菌糸をもつ。原菌糸は直径1~5µm、無色又は褐色、普通、薄壁、ときに厚壁、細かく分枝し、1隔壁。骨格菌糸は直径2~6µm、分枝せず、際限なく成長し、壁は厚く、黄褐色又は赤褐色、厚さ2.5µm以下、毛細管状の細胞間隙(ルーメン)があり、隔壁は無い。(参考 Pegler,
D.N.; Waterston, J.M. 1968. Phellinus robustus. CMI Descriptions of Pathogenic
Fungi and Bacteria. 197 )
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