きのこ図鑑
Flora of Mikawa 
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 カエンオチバタケ  火炎落葉茸
別  名 カバイロオチバタケ
学  名 Marasmius opulentus Har. Takah.
分  類 坦子菌門 ハラタケ亜門 ハラタケ綱 ハラタケ亜綱 ハラタケ目(Agaricales)
科  属 ホウライタケ科  Marasmiaceae  ホウライタケ属
 照葉樹林内の落葉上に発生する。傘は直径 14~22㎜、饅頭形~ほぼ平開, 通常、中丘は無く、しばしば微細な皺があり、 周縁に微細な溝線を表出する、傘の背面は乾き、光沢は無く、細かいビロード状の毛が密生し、濃橙色、古くなるとやや退色する。.柄は長さ25~33㎜、幅0.8~1.5㎜、上下同径、中空、しばしば偏圧し、丈夫、表面は粉状~微毛状~ビロード状、 頂部白色、下部は下方ほど濃色、帯褐橙色~褐色~暗褐色、基部に白色の菌糸体がある。ひだは上生, やや疎~やや密 、白色、少し連絡脈がある。縁部は全縁、赤橙色~橙色に縁取られる。肉は質が薄く、類白色、無味、無臭。胞子紋は白色。胞子は長さ8~10µm、幅3.5~4µm、楕円形~アーモンド形、平滑、無色、 非アミ ロイド、薄壁~やや厚壁。 担子器は長さ22~25µm、幅5~7µm、棍棒形、4胞子性。縁シスチジアは群生し、側シスチジアは無い。
カエンオチバタケ
カエンオチバタケ初期
発生時期 初夏~秋
大 き さ 小型 直径1.4~2.2㎝
栄養摂取 腐生菌
発生場所 照葉樹林内の落葉堆積上
分  布 本州中部, 沖縄県石垣島
食  毒 不明
撮  影 蒲郡市 15.8.22
カエンオチバタケ傘
カエンオチバタケ幼菌
カエンオチバタケ柄
 類似種
 1 ミヤコホウライタケ Marasmius echinatulus Sing. 日本、中国、南アメリカ(ボリビア、ブラジル、アルゼンチン)に分布する。草地又は林地(アカマツ混成林など)の落葉上、地上に群生、束生する(南アメリカ産のものは束生しない)。中国名は硬刺小皮伞。傘は直径1~3.5㎝、朱がかったオレンジ色、 微毛(傘上表皮のシスチジア)が密生する。南アメリカ産のものは傘の縁に溝線があり、やや吸水性があり、湿時、長い半透明の条線が表出する。ひだは直生、密、白色、不等長。柄は中実、長さ18~36㎜、幅1~5㎜、下部がやや太く、ときに扁圧され、傘とほぼ同色、微毛(柄シスチジア)が密生し、基部に白色の菌糸体がある。肉は類白色。胞子は長さ7~8µm、幅3~3.5 µm。
 2 ミヤマオチバタケ Marasmius cohaerens (Alb. et Schwein.) Quél. 北半球温帯に広く分布する。 初夏~秋に広葉樹林の落葉、枯木に発生する。針葉樹林にも見られ、針葉樹の枯木に発生するものはvar. lachnophyllus。傘は直径1~3.5㎝、饅頭形~広饅頭形、平滑又はやや小じわがあり、ときに縁に条線があり、黄褐色~赤褐色、ときに縁が劇的に色あせる。ひだは直生、疎~やや疎、初めは淡色、後にタン色~淡褐色になり、ときに縁が褐色になる。柄は長さ3~8㎝、幅3㎜以下、上下同径、乾き、直線状かやや曲がり、初め、帯白色~黄褐色、すぐに基部から暗褐色~暗赤褐色になる。普通、基部に白色の菌糸体を多数つける。肉は質が薄く、淡色、味は温和又はわずかに苦く、後味が刺激的、臭いは温和又は刺激臭、不快臭。KOHにより傘表面は淡オリーブ色に変色する。胞子紋は白色。胞子は長さ7~10µm、幅3~5.5µm、楕円形、平滑、非アミロイド。シスチジアは形が様々で、しばしば長さ20~110µmの紡錘形、厚壁、偽アミロイド。箒状細胞がひだと傘表面にある。
 3 キホウライタケ Marasmius aurantiacus I. Hino =Gymnopus aurantiacus 日本、中国、南北アメリカに分布する。広葉樹の落葉に発生。傘は直径2~2.7㎝、黄褐色~暗褐色、条線と細かいしわがあり、細毛状。ひだは白色~帯黄色。柄は黄色~帯褐色、繊維状。Section Sicci Sing. Marasmius abundans var. aurantiacus
 4  サビイロオチバタケ(アメリカ南東部産) Marasmius fulvoferrugineus Gilliam ハナオチバタケに近いものとされることもあるが、Marasmius fulvoferrugineusはハナオチバタケとは違い、ハリガネオチバタケMarasmius siccusに近く、北アメリカ南東部に分布する。6~11月、林内の腐葉上や腐植土上に群生する。傘は直径2~4.5㎝、初め、クッション形~鐘形、後に饅頭形、小さい中心突起がある。傘表面は乾き、光沢が無く、わずかにベルベット状、放射状の深い溝条があり、黄褐色(tawny brown)~シナモンブラウン(cinnamon brown)~錆褐色(rusty brown)。柄は中空、長さ2.5~6.5(8)㎝、幅0.8~1.5㎜、非常に細く、丸く、直線状又は曲がり、ときに脆く、軟骨質、表面は平滑、光沢があり、頂部のピンク色の部分を除いて下部は褐色~黒褐色、基部に綿状の白色の菌糸体の房がつく。ひだは直生~上生又は湾生~離生、疎につき、しばしば密、黄白色、薄く、幅6㎜以下、標準では23~28個つく。肉は薄く、強く、粉臭又は無臭。胞子紋は白色。胞子は長さ15~18µm 、幅3~4.5µm、倒披針形~曲がった棍棒形、無色、平滑。担子器は長さ35~38µm 、幅8~12µm、棍棒形、4胞子性。シスチジアは普通無く、あっても光を屈折する内容物をもたない。ハリガネオチバタケ(チャハリガネオチバタケ) Marasmius siccus とよく混同されるが傘の色が異なる。(参考: Mushrooms of the Southeastern United States など)
 5 マダラホウライタケ Marasmius maculosus Har. Takah. 日本(本州中部)に分布する。広葉樹(コナラ属、シイ属)の落葉の間に厚い白色の菌糸マットを形成する。傘は直径2~5㎝、初め、半球形、後に広饅頭形、吸水性。傘表面はビロード状、初め濃赤褐色、後にやや淡色になり、明瞭な淡色の斑点模様を表出する。肉は厚さ1㎜以下と薄く、傘より淡色、無味、無臭。柄は中空、中心生、長さ5~8㎝、幅1.5~2.5㎜、上下同径、表面は微粉状、傘と同色で頂部は類白色、基部は発達した剛毛状~綿毛状の菌糸体に覆われる。ひだは上生、やや疎(柄に届くもの14~17個)、幅5㎜以下、白色、縁は赤褐色の縁取りがあり、わずかに連絡脈がある。胞子紋は白色。胞子は長さ8.5~11µm 、幅4~5µm、類紡錘形、無色、平滑、薄壁、非アミロイド。担子器は不明。偽担子器は棍棒形。縁シスチジアは密生し、縁に不稔帯を形成する。側シスチジアは無い。子実層托は並列型、菌糸は傘実質に似る。傘上表皮は子実層状被、ハリガネオチバタケ型の細胞からなり、細胞は付属糸を除いて長さ20~30µm 、幅7~12µm、細胞壁厚さ1µm以下で赤褐色、偽アミロイド。傘実質の菌糸は円柱形、幅5~10µm、並列し、厚さ0.5µmのやや厚壁、非アミロイド~弱偽アミロイド、クランプがある。柄シスチジアは長さ20~55µm 、幅5~8µm、円柱形~類棍棒形、褐色、厚さ0.5µmのやや厚壁、偽アミロイド。柄の実質は菌糸が縦に並び、菌糸は幅4~9µmの円柱形、無色、薄壁、偽アミロイド。実質の菌糸はクランプがある。
 6  ミヤマホウライタケ(仮) 夏~秋に深山のブナ、ダケカンバ樹林の落葉上に発生。傘は直径1.5~2㎝、半球形~饅頭形~ほぼ扁平、乾き、橙黄色~橙褐色、縁が淡色。柄は長さ3~5㎝、幅2~3㎜、下部次第に細く、中空、表面色は上部淡黄褐色、下部ほど濃くなり、暗褐色。ひだはやや疎、上生~離生、白色。肉、白色、無味、無臭。胞子は長さ7~8µm、幅4~4.5µm、長楕円形。
 7  カバイロヒメホウライタケ(仮) 群生する。傘は直径0.5~1.5㎝、半球形~陣笠形~扁平、乾き、橙褐色~赤橙色、粉状。柄は長さ1.5~3㎝、幅約1㎜、中空、傘と同色、光沢があり、下部やや細く、暗色。ひだはやや疎、直生、白色~帯灰白色。肉は類白色、無味、無臭。胞子は長さ6~7µm、幅3.5~4µm、長楕円形~紡錘形。
布。
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