ベニタケ目は旧分類のベニタケ属、チチタケ属、タコウキン類(サルノコシカケ類)、コウヤクタケ類とされたもの及びホウキタケ類として扱われてきた菌の一部などを含んでいる。
フサヒメホウキタケは旧分類ではフサヒメホウキタケ科のフサヒメホウキタケ属(Clavicorona)であった。旧分類のフサヒメホウキタケ属はDNAの塩基配列を用いた分子系統学的解析によりハラタケ目に属するものと
ベニタケ目属するものに分けられるようになった。フサヒメホウキタケはベニタケ目に残留し、マツカサタケ科のフサヒメホウキタケ属(Artomyces)となった。
子実体は針葉樹(主にマツ)の腐朽材に発生し、多方向に分岐を繰り返し、高さ約15㎝、幅約15㎝、厚み約15㎝のほうき状(ホウキタケ型)、基部は短い。色は初期に淡黄土色、次第に淡赤褐色になり、終期には黒色を帯びる。子実層は全体につく。肉は白色、柔らかくて弾力があり、やや辛味があり、温和臭。乾くと、黒変し、異臭がする。胞子は無色、長さ4~5µm、幅2~3µmの楕円形、平滑。シスチジアは長さ46~55µm、幅5~6µm、紡錘形。菌糸にクランプあり。
コトジホウキタケ Cantharellus lateritius は広葉樹の腐朽材に発生し、やや小型。子実体の分岐は三叉分岐を繰り返し、枝が細い。肉は無味、弱い佳臭がある。食毒不明。
ホウキタケは Ramaria botrytisはラッパタケ目(Gomphales)、ラッパタケ科、アカマツやコナラ樹林の地上に発生する菌根菌。子実体はカリフラワー状、基部の柄の太さが1.5~4㎝と明瞭、ほうき部は淡紅色~淡藤色。肉は佳臭があり、美味。
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