きのこ図鑑
Flora of Mikawa 
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 ヒメロクショウグサレキン  姫緑青腐菌
学  名 Chlorociboria omnivirens (Berk.) J.R. Dixon
Peziza omnivirens Berk.
Chlorosplenium omnivirens (Berk.) Cooke
分  類 子嚢菌門 チャワンタケ亜門  ズキンタケ綱 ズキンタケ亜綱 ビョウタケ目(Helotiales )
科  属 ビョウタケ科  Helotiaceae  ロクショウグサレキン属
 以前はロクショウグサレキンと区別されていなかった。ロクショウグサレキンモドキもロクショウグサレキンによく似ている。3者はいずれも、朽木に発生し、菌糸がxylindeinを色素を持ち、材を緑青色に染める。これらの子嚢果は杯形、直径2~6㎜、柄は短く3㎜以下。ロクショウグサレキンモドキはロクショウグサレキンやヒメロクショウグサレキンより胞子が明らかに小さく、柄が側生~扁心生。ヒメロクショウグサレキンは普通に見られ、ロクショウグサレキンよりやや小型で大きいものがなく(直径2~4㎜)、子嚢盤が白っぽく、子嚢のアミロイド反応が顕著であり、托外被層の毛が分岐する。ロクショウグサレキンは柄が短い。のついた椀形のものがロクショウグサレキン,柄が 椀の端の方についてシャモジ形になるのがロクショウグサレキンモドキ,そしてやや小型で 椀が浅く,ほとんど画鋲のようになるのがヒメロクショウグサレキン。
 材を緑青色に染め、夏~秋に林内の腐木上に子嚢果が発生する。子嚢果は直径2~4㎜、こま形、短柄は中心生。子嚢盤は横から見ると逆三角形、上面は白青色、他は緑青色。子嚢盤の上面に子実層を形成する。托外被層の外面細胞につく毛は不規則に屈曲分岐し、表面に緑青色の顆粒を密につける。子嚢は長棍棒形、長さ80~93µm、幅8~9µm、上半部分がアミロイド、頂孔が顕著、胞子は8個、2列に並ぶ。胞子は紡錘形、無色、長さ13~17µm、幅3~4µm。側糸は糸状、幅1~2µm、隔壁がなく、先端は幅約4µmの紡錘形に肥大する。
 ヒメロクショウグサレキンの学名はChlorociboria omnivirens (Berk.) J.R. Dixon, Mycotaxon 1 (3): 216 (1975)とされている。タスマニアの木の上ではっけんされ、最初に限定的な報告がされたもの(Peziza omnivirens)は子嚢盤が大きく、頑強で、よく伸びた柄がある。胞子は1975年にDixonにより報告され、長さ(18-)19~21(-25)µm、幅(4.5-)5~5.5(-6)um(平均20.1 x 5.2um, n = 27)、円筒形、わずかに先が細くなるか、先が広く丸くなる。日本のヒメロクショウグサレキンとは異なっている。ニュージーランドではChlorociboria omnivirensと報告されたものがあったが、現在では認められていない。(Chlorociboria (Fungi, Helotiales) in NewZealand 2010)
 
 ●ロクショウグサレキン Chlorociboria aeruginosaはロクショウグサレキンモドキに非常によく似ていて、やや小型、柄が中心生で、胞子がやや大きい。世界の温帯に広く分布する。広葉樹の朽木に群生する。子嚢果は直径2~5(6)㎜、不生椀形~椀形、短柄(3㎜以下)は中心生、全体が緑青色。子嚢盤(傘部分)の上面に子実層を形成する。托外被層の外面細胞につく毛は分岐せず、表面に顆粒が付着して粗面になる。子嚢は長さ100~110µm、幅7~8µm。胞子は長さ(9)10~15µm、幅(1.4~2.8)2~5µm。
 ●ロクショウグサレキンモドキChlorociboria aeruginascensは世界の温帯に広く分布する。広葉樹の朽木上に群生し(アメリカでは針葉樹にも発生)、緑青色に染める。子実体は直径2~6㎜、不正椀形~扇形、偏心生~側生(アメリカでは中心生もあるとしている)、短い柄(長さ1~2(3)㎜)をつけ、全体が緑青色、子嚢盤の上面に子実層を形成する。托外被層は錯綜菌組織であり、外面細胞に毛があり、毛の表面は平滑。子嚢は長さ40~52µm、幅4~6µm、棍棒形、胞子は8個、2列に並ぶ。胞子はソーセージ形、黄緑色、長さ5~9µm、幅1.5~2µm。側糸は緑青色、糸状、長さ70~80µm、幅約1µm、平滑、先端が幅(1~1.5)約2µmに肥大する。菌糸は緑青色。
ヒメロクショウグサレキン
ヒメロクショウグサレキン2
ヒメロクショウグサレキン3
ヒメロクショウグサレキン子嚢盤
ヒメロクショウグサレキン子嚢盤横
発生時期 夏~秋
大 き さ 小型 直径2~4㎜
栄養摂取 腐生菌 
発生場所 林内の腐木上
分  布 日本、(タスマニア)
食  毒 不明
撮  影 豊川市 16.10.18
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