きのこ図鑑
Flora of Mikawa 
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 ハナオチバタケ(褐色型)  花落葉茸(褐色型)
中 国 名 褐红小皮伞 he hong xiao pi san
学  名 Marasmius pulcherripes Peck
分  類 坦子菌門 ハラタケ亜門 ハラタケ綱 ハラタケ亜綱 ハラタケ目(Agaricales)
科  属 ホウライタケ科  Marasmiaceae  ホウライタケ属
 ハナオチバタケは傘が淡紅色~紫紅色であるが、ときに橙褐色になることがある。これによく似ているのがサビイロオチバタケであり、学名がMarasmius fulvoferrugineusとされた。
 Marasmius fulvoferrugineus は北アメリカを基準産地としている。ハリガネオチバタケMarasmius siccus とよく間違われ、ハリガネオチバタケより大きく、ハリガネオチバタケの傘色がオレンジ色であるのに対し、褐色であると解説されている。
 日本のサビイロオチバタケ(銹色落葉茸)は次のように解説されている。北アメリカのものとは明らかに異なっている。どちらかというとハナオチバタケに近く、ハナオチバタケの褐色型ではないかとも思われる。
 ●ハナオチバタケ Marasmius pulcherripes Peck: 日本、中国、台湾、北アメリカに分布する。夏~秋に針葉樹又は広葉樹の腐葉の上に発生する。傘は直径0.8~1.5㎝、鐘形~低い円錐形、放射状に深い溝条があり、中央に小突起がある。背面は乾燥し粘性なく、淡紅色(pink)~紫紅色~(pinkish brown)、ときに橙褐色(brownish orange)のものもある(褐色型)。柄は長さ3~8㎝、幅約1㎜、針金状、上部は淡色、下部は黒褐色~濃紫紅色、基部に白色を帯びた菌糸体がつく。ひだは疎に16~19個つき、直生~離生。肉はごく薄く、皮質、味はわずかに苦く、無臭。胞子紋は白色。胞子は無色、長さ11~15.5µm、幅3.5~4µmの棍棒形、平滑。縁シスチジアは長さ9~13µm、幅4~7µmの箒状。傘シスチジアは長さ8~15µm、幅5~6µmの箒状。側シスチジアは長さ20~60µm、幅2~11µmの円柱形~棍棒形。
 ●サビイロオチバタケ(日本産)Marasmius fulvoferrugineus 夏~秋に林内の腐葉上に発生する。北半球温帯に広く分布。傘は直径 8~15㎜、鐘形~低円錐形、橙褐色~黄褐色。柄は長さ4~8㎝、幅約1㎜、針金状、角質。ひだは直生又は離生、疎。胞子紋は白色~灰黄色。胞子は長さ10~15µm、幅6~9µmの棍棒形、アミロイド。縁シスチジアは長さ13~22µm、幅9~12µm、箒状。側シスチジアは長さ28~45µm、幅7~9µm、棍棒形、先が長く尖る。傘シスチジアは長さ8~13µm、幅6~9µm、箒状。。*アメリカのものと数値が全く違い、次に示す。
 ●サビイロオチバタケ(アメリカ南東部産) Marasmius fulvoferrugineus Gilliam ハナオチバタケに近いものとされることもあるが、Marasmius fulvoferrugineusはハナオチバタケとは違い、ハリガネオチバタケMarasmius siccusに近く、北アメリカ南東部に分布する。6~11月、林内の腐葉上や腐植土上に群生する。傘は直径2~4.5㎝、初め、クッション形~鐘形、後に饅頭形、小さい中心突起がある。傘表面は乾き、光沢が無く、わずかにベルベット状、放射状の深い溝条があり、黄褐色(tawny brown)~シナモンブラウン(cinnamon brown)~錆褐色(rusty brown)。柄は中空、長さ2.5~6.5(8)㎝、幅0.8~1.5㎜、非常に細く、丸く、直線状又は曲がり、ときに脆く、軟骨質、表面は平滑、光沢があり、頂部のピンク色の部分を除いて下部は褐色~黒褐色、基部に綿状の白色の菌糸体の房がつく。ひだは直生~上生又は湾生~離生、疎につき、しばしば密、黄白色、薄く、幅6㎜以下、標準では23~28個つく。肉は薄く、強く、粉臭又は無臭。胞子紋は白色。胞子は長さ15~18µm 、幅3~4.5µm、倒披針形~曲がった棍棒形、無色、平滑。担子器は長さ35~38µm 、幅8~12µm、棍棒形、4胞子性。シスチジアは普通無く、あっても光を屈折する内容物をもたない。ハリガネオチバタケ(チャハリガネオチバタケ) Marasmius siccus とよく混同されるが傘の色が異なる。(参考: Mushrooms of the Southeastern United States など)
 ●ハリガネオチバタケ(チャハリガネオチバタケ) Marasmius siccus 日本、中国、北アメリカに分布する。夏~秋に広葉樹林(稀に針葉樹林)の腐葉上に散生~群生する。傘は直径5~30㎜、半球形~鐘形~クッション形、中央は盛り上がるものから凹むものまであり、明瞭なひだ状のしわがあり、平滑~わずかに粗、乾き、無毛、新鮮なときにオレンジ色、古くなると淡褐色に退色する。ひだは直生~離生、ごく粗、白色~淡黄色。柄は長さ2.5~6.5㎝、幅約1㎜、上下同径、乾き、針金状、上部は帯白色~帯黄色、下部は褐色になり、基部に近いほど濃色になる、基部の菌糸体は白色。肉は質が薄く、無臭、味は温和又はわずかに苦い。KOHによる傘表面の変色性は無い。胞子紋は白色。胞子は無色、長さ15~23.5µm、幅2.5~5µm、紡錘形~円筒形~棍棒形、平滑、非アミロイド。側シスチジアは長さ約70µm、幅約15µm、紡錘形~紡錘状腹便形。縁シスチジアは薄壁、偽アミロイド、箒状細胞。傘上表皮層は子実層状被であり、偽アミロイドの箒状細胞がある。
ハナオチバタケ(褐色型)
発生時期 夏~秋
大 き さ 小型 直径0.8~1.5㎝
栄養摂取 腐生菌
発生場所 林内の腐葉上 
分  布 日本、中国、台湾、北アメリカ
食  毒 不食
撮  影 岡崎市 05.10.16
ハナオチバタケ(褐色型)傘
ハナオチバタケ(褐色型)傘2
ハナオチバタケ(褐色型)ひだ
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