シイタケの榾木(ほだ木)によく発生する害菌。
子実体はブナ科のコナラやシイなどの倒木や枯木に群生する。子実体は無柄~ほぼ無柄、幅1~5㎝、高さ1~2.5㎝、初期には杯形~洋コマ形、後に上面が平坦~凹面になる。側面(外面)は褐色~暗褐色、短毛又鱗片で覆われる(しばしば、古くなると黒くなり、やや平滑になる)。上面は子実層面、光沢があり、平滑。肉はゼラチン質~ゴム質、中に菌糸が埋没し、断面は暗褐色の大理石模様状、無味、無臭。子嚢は長さ130~140µm、幅11~13µmの円筒状棍棒形、8胞子。先端の4胞子は暗褐色、KOH中で1個の油滴状になる。底部の4胞子は発達が悪く、多油滴状になり、無色。胞子は長さ9~17µm、幅6~7(8.5)µmの惰円形~半円形(ややレモン形)、平滑。側糸は淡褐色、糸状、幅1~1.5µm、多数の隔壁がある。
オオゴムタケTrichaleurina tenuispora=Galiella celebica はピロネマキン科Pyronemataceae
に属し、世界の温帯~熱帯に分布し、湿った腐朽材上に単生又は群生する。子実体は幼時、球形、頂部が開孔し、半球形~逆円錐形になり、直径1.5~6(7)㎝、高さ1~3.5(4)㎝。子実層面は平滑、ほぼ黒色。側面は褐色~暗褐色の短毛が密生し、ビロード状、しわがある。縁にも同様の短毛がある。肉はゼラチン質~ゴム質、中に菌糸は埋没し、半透明の灰白色、無味、無臭。子嚢は長さ400~530µm、幅12~18µmの円筒状棍棒形、厚膜、8胞子、胞子は1列に並ぶ。胞子は長さ28~35(45)µm、幅11~18µm、左右不相称、無色~帯黄色、3油球を含む物が多く、表面にはCB+の細かい疣状突起がある。
. 側糸は糸状、幅3~4µm、隔壁があり、 先端はやや膨らみ幅約6µm、上方に褐色顆粒を含む。托外皮層は毛状菌糸が長さが数百µm~2㎜以上で、やや淡色で幅9µm以下の細めの平滑な毛と、濃色で幅18µm以下の太めの直線的な粗面の毛の2種類がある。
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