地中~半地中生。幼時は腐葉中に埋生する。子実体は直径2~3㎝、球形、緑褐色~黄褐色、表面にささくれがある。基部に黒色の短根状菌子束がつく。成菌になると皮質の厚い外皮が、頂部から4~7片に裂けて星形に開き、外皮(殻皮)の内層が環状に割れて、襟巻状になる。内層はベージュ色。基本体(グレバ)は直径1.5~2.5(4)㎝の扁球形、無柄。表面は灰褐色~汚褐色、細毛があるか平滑、頂部にはくちばし状の孔縁盤と広い円座がある。中に一様に坦子器がつき、熟すと淡褐色の粉状の胞子塊となる。胞子は褐色、直径(3)3.5~6µmの球形、表面に微小疣がある。弾糸は幅2~6µm、淡褐色、厚壁、分岐は無い。
ヤブレツチグリ(ヤブレツチガキ) Geastrum rufescens Pers. エリマキツチグリによく似ているが、新鮮なときに外皮の内面が赤褐色など赤色を帯びる。日本、ヨーロッパ、北アメリカ、オーストラリアに分布する。英名は
rosy earthstar。主に針葉樹の腐葉上に発生する。子実体は幼時、直径2~3㎝、灰褐色、熟すと外皮が頂部から6~9片に裂開して開き、アーチ状に反転する。広げると直径5~8㎝。外皮の内面は厚さ2~3㎜の肉厚で淡ワイン赤色~赤褐色、乾くと剥がれやすく、黄土褐色(ochraceous
brown)になる。基本体は内皮に包まれ、直径1~2㎝の扁球形、無柄、灰褐色、頂部には円座があり、ささくれ状の孔縁盤が突出する。基本体の内部は白色~暗色の胞子塊。胞子は褐色、直径3~4µmの球形、表面に円柱状の微細突起がある。弾糸は幅2~5µm、褐色、厚壁、分岐は無く、クランプがある。
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