きのこ図鑑
Flora of Mikawa 
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 ビロードツエタケ  天鵞絨杖茸
別  名 アシナガタケ
中 国 名 黄绒干菌 huang rong gan jun
学  名 Xerula pudens (Pers.) Sing.
Oudemansiella pudens (Pers.) Pegler
Collybin longipes (Bull. : Fr.) Quel.
分  類 坦子菌門 ハラタケ亜門 ハラタケ綱 ハラタケ亜綱 ハラタケ目(Agaricales)
科  属 タマバリタケ科  Physalacriaceae  ビロードツエタケ属
 夏~秋に広葉樹林の地上に散生し、北半球などに広く分布する。傘は直径2~6㎝、丸山形~中高扁平~扁平、茶褐色~淡灰褐色、細毛が密生してビロード状、しばしば放射状の小しわがある。柄は長さ6~20㎝、幅3~5㎜、下部は次第に太くなり、基部で肥大し、地中に太根状に長く伸びる。柄の表面は傘とほぼ同色~淡色、細毛が密生し、ビロード状。ひだは疎、離生、白色。肉は質が薄く、白色、無味、無臭。傘と柄の表皮層のシスチジアは長さ110~300µm、幅5~12.5µmの槍形、厚壁。胞子紋は白色。胞子は長さ10~12.5µm、幅9~10µm、球形、平滑。坦子器は4胞子性、長さ34~52µm、幅9~15µm。縁シスチジアは長さ35~45µm、幅8~12µm、円柱形~棍棒形、先端突出、平滑。側シスチジアは長さ70~100µm、幅20~33µmの紡錘形、先が円形。
 ツエタケ類の類似種は多く、傘が平滑なツエタケなどツエタケ属(Hymenopelli )、傘がビロード状のビロードツエタケ属(Xerula )、傘が強粘性のヌメリツバタケ属(Mucidula)などがあり、正確な同定には胞子やシスチジアなどの顕微鏡による観察が必要。
 コブリビロードツエタケ(ビロードツエタケ)Xerula sinopudens は日本、朝鮮,、北ボルネオなど東アジアに分布し、夏~秋に広葉樹林下に発生し、ツエタケに似て柄が根状に長くなる。従来のXerula pudens(ビロードツエタケ)及びXerula longipes(ビロードツエタケ)などと区別された。傘は直径2~3.5㎝、背面は粘性なく、淡灰褐色地に銹褐色のビロード状の細毛が密生する。柄は長さ6~15㎝、幅3~3.5㎜、中空、軟骨質、下部ほどやや太いほぼ上下同径、基部は膨らみ、根状に地中深く伸び、根状部(偽根)は長さ10~15㎝。柄の表面は帯褐橙黄色~暗褐色地に銹褐色の細毛が密生し、下部が濃色、上部ほど淡色で、頂部は乳白色。ひだは疎につき、離生、白色、幅が広く、厚く、小ひだがある。肉は薄く、白色、無味、無臭、柄の肉は2層に分かれ、内層は類白色、外層は帯褐色。胞子紋は白色。胞子は長さ11~13µm、幅9.5~12µm、球形~類球形。縁シスチジアは厚壁、長さ32~137µm、幅10~22µm、紡錘形~類紡錘形、頭状にならない。側シスチジアは長さ(97)104~120µm、幅(24)28~34µm、bluntly rounded 広紡錘形、便腹形、棍棒形、いわば球形~類頭状など多形。坦子器は4胞子性、長さ35~43µm、幅13~16µm、基部にクランプはない。傘表皮細胞は淡褐色、ほぼ棍棒形、有柄、傘の細毛は黄褐色、長さ106~108µm、幅14~15µm、槍形、厚壁。柄の細毛は褐色、長さ250~390µm、幅14~15µm、槍形、厚壁。
ビロードツエタケ
発生時期 夏~秋
大 き さ 小型~中型 直径2~6㎝
栄養摂取 腐生菌
発生場所 広葉樹林の地上
分  布 北半球、オーストラリア、ニューギニアに広く分布
食  毒 可食
撮  影 豊田市 06.5.30
ビロードツエタケ傘
ビロードツエタケ横
ビロードツエタケひだ
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