タマチョレイタケ目はサルノコシカケ目ともいわれ、タマチョレイタケ科はタコウキン科(多孔菌科)ともいわれる。
Fomitopsis roseaは1978年の報告でケニクアミタケFomitopsis cajanderi、ニクアミタケ Fomitopsis
carnea、Fomitopsis cupreo-rosea、Fomitopsis docmia、モグサタケ Fomitopsis feei、Fomitopsis
lilacino-giva、バライロサルノコシカケFomitopsis roseaの7種の複合であるとされた。ニクアミタケは2011にバライロサルノコシカケに統合された。バライロサルノコシカケとケニクアミタケは似ていて混同されやすい。バライロサルノコシカケは亜寒帯、より高所に分布し、傘が貝殻形~馬蹄形で、ケニクアミタケは棚形で隣と融合することが多い。肉はバライロサルノコシカケの方が淡色。胞子はケニクアミタケの方がやや幅が狭い。古くなると、ツガサルノコシカケにもに似るが樹脂状の泡をつけない。
傘は半背着生、幅2~6(12)㎝、奥行4~12㎝、厚さ0.2~5㎝の半円形(貝殻形)~馬蹄形、幼時、細かい毛があり、後に無毛になり、基部にしばしば刺状突起があり、割れ目やしわが出来る。縁はピンク色~クリーム色、成熟すると、褐色を帯びたピンク色~褐色~灰色~ほとんど黒色に近くなる。管孔面は新鮮なときローズピンク色、古くなると褐色を帯びたピンク色~褐色になり、孔口は(3)4~5個/㎜、円形~角形。管孔は多層、孔長は深さ5㎜以下。柄は無い。肉は銀色を帯びたピンク色~灰色を帯びたピンク色、コルク質~木質、臭いは不明瞭。KOHで肉は暗灰色~黒色に変色する。胞子は無色、長さ5~8µm、幅2~3µm、円筒形、平滑、非アミロイド。菌糸は2菌糸型(結合菌糸は少ないがあり、3菌糸型とする文献もある)。
ケニクアミタケFomitopsis cajanderi は世界に広く分布する類似種。針葉樹の枯木、まれに針葉樹林の広葉樹の枯木に発生。また生木に寄生する。褐色立方体形の腐れを引き起こす。単生~群生、多年生。傘は半背着生~側生、時に単一で、しばしば他の傘と融合し、棚状に着生する。幅2.5~10(20)㎝、奥行10㎝以下、厚さ1.5~2(7)㎝以下、扁平~広饅頭形、フェル状の細かい毛があり、古くなると無毛でしわ状になり、初期にはかなり軟らかく、厚い殻状にならない。傘の色は幼時の新鮮なときにはピンク色~ピンク色を帯びた紫色、後に暗色のピンク色を帯びた灰色~暗褐色~まれに黒色になり、普通縁は淡色。管孔面はしばしば、半背着生で広がり、新鮮なときはローズピンク色、古くなるとやや汚れ、孔口は(3)4~5個/㎜、円形~角形。管孔層はかなり明瞭、深さ2㎝以下。柄は無い。肉はピンク色を帯びた褐色、コルク質~皮質、古くなると木質になる。臭いは芳香。肉と傘のKOH反応は黒色に変色する。胞子は長さ5~7µm、幅1.5~2µmの円筒形~ソーセージ形、平滑、非アミロイド。菌糸は2菌糸型、クランプがある。l
ニクアミタケFomitopsis carnea はバライロサルノコシカケに統合された。
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