ヒトヨタケCoprinus atramentarius の変種とする説もある。新分類では旧ヒトヨタケ科 Coprinaceae は廃止され、ハラタケ目に含められた。多くはナヨタケ科 Psathyrellaceae に変更され、旧ヒトヨタケ属 Coprinus の多くはヒトヨタケ属 Coprinopsisに変更された。ヒトヨタケもヒトヨタケ属 Coprinopsis となった。新分類のCoprinusはハラタケ科ササクレヒトヨタケ属となり、
ササクレヒトヨタケだけの1属1種である。
傘は直径2~3(6)㎝、幅1.5~2.5㎝、卵形~狭円錐形、傘は開いたときでも幅5㎝以下。幼菌は傘表面全体が淡灰褐色の細鱗片に覆われ、傘中央部に暗褐色~黒褐色の細粒が密につく。成熟するとほぼ平滑になり、周縁の条溝が見え、古くなると、ときに縁が裂開し、縁から黒色になり、やがて液化する。柄は長さ5~13㎝、幅3~6㎜、基部が棍棒状、中空、表面が白色、平滑、かすかにつばの痕跡がある。ひだは密につき、上生~離生、初期に白色、次第に灰色~紫黒色になり、胞子が成熟すると液化する。肉は白色、質がごく薄く、無味、腐木臭。胞子紋は黒色。坦子器は長さ14~26µm、幅6.5~8µmは4胞子性。胞子は長さ 6.0~8.9(10.6)µm、幅4.1~5.3(5.7)µm、惰円形~卵形、暗赤褐色。側シスチジアは長さ80~140µm、幅18~28µm、狭円筒形~小嚢形。縁シスチジアは側シスチジアと同形、長さ60~100µm、幅18~28µm。菌糸にクランプがある。