きのこ図鑑
Flora of Mikawa 
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 アラゲコベニチャワンタケ  粗毛小紅茶碗茸
中 国 名 红毛盘菌 hong mao pan jun
英  名 eyelash cup , Molly eye-winker , scarlet elf cap
学  名 Scutellinia scutellata (L.) Lambotte
分  類 子嚢菌門 チャワンタケ亜門 チャワンタケ綱 チャワンタケ亜綱 チャワンタケ目(Pezizales)
科  属 ピロネマキン科  Pyronemataceae  アラゲコベニチャワンタケ属
 湿った朽木、湧水地付近の湿った裸地に群生する。子実体は幼時は球形、淡紅色、短剛毛を散布し、成熟した子嚢盤は直径3~15㎜の皿形、無柄、表面は紅赤色~明るい橙色、平滑、縁に褐色の長い睫毛状の剛毛(根状毛)を密生する。剛毛は数個の細胞からなり、長さ360~1600µm、幅20~50µm、厚壁、先が尖る。外面は帯褐色~淡橙色、微細な暗褐色の毛がある。子嚢は長さ250~270µm、幅16.5~18µmの円筒状棍棒形、非アミロイド。胞子は長さ17~23µm、幅10.5~14µmの惰円形、無色、未熟なときは平滑、成熟すると小疣と肋骨状に凸凹になる。側糸は幅3~4µmの糸状、先端は太く幅6~10µmの棍棒形。
 ベニサラタケMelastiza cornubiensis 初夏~秋に湿った裸地に群生する。子嚢盤は直径5~15㎜の円形、皿状、無柄、紅色~紅赤色、縁に短い剛毛があるが目立たない。裏面は淡色、微毛を散生する。子嚢は長さ270~410µm、幅11~13µmの円筒状棍棒形、非アミロイド。胞子は長さ16~19µm、幅10~10.5µmの惰円形、無色、網目模様がある。側糸は幅2~3µmの糸状、先端は直径7~8µmの球形。
 Melastiza contorta 裸地に発生する。子実体は初期に球形、後に開き、直径10㎜以下の杯形、朱色~赤橙色、外部は淡色。毛(刺)はほぼ透明~黄色に汚れ、わずかに先細、先は鈍形、多隔壁、縁につくものが最も長く、平均長さ300µm、幅12µm、薄壁。子嚢下層と外皮層は錯綜型菌糸であり、大型細胞の実質の皮層につながる。子嚢は先が鈍い円筒形、8胞子、長さ300µm、幅14~15µm。胞子は長さ23~25µm、幅約12µm、楕円状、平滑、無色、油滴は無い。側糸は赤色、細く、先は急に丸くなる。
 コベニチャワンタケScutellinia cubensis (Berk. et M.A. Curtis) Gamundí=Ciliaria cubensis
 熱帯~赤道付近に分布し、腐木に秋~春、群生する。子実体は幼時、ややコップ状、その後開き、ほぼ扁平又は皿状になり、無柄、直径10㎜以下。表面は平滑、鈍い橙赤色。外面は同色、暗褐色の毛があり、単一~2~3分岐、長さ400µm以下、幅35µm以下、隔壁があり、厚壁。子嚢盤の縁は平滑、全体に剛毛がある。剛毛は長さ1100(1344)µm以下。肉は柔軟、壊れやすく、淡赤色。胞子は長さ15.5~18.5µm、幅 11.5~14.5µm (長さ11.6~14.5µm、幅14.4–19µm)、広惰円形、不規則な疣(幅3µm以下、高さ1.5µm以下)、無色、数個の油滴があり、子嚢の中に1列に並ぶ。子嚢は長さ250~270µm、幅16–20µm、円筒形、非アミロイド、8胞子。側糸は幅2~2.5µm、円筒状、先が幅7~8µmに太くなり、単一まれに分岐する。
 アラゲウスベニチャワンタケScutellinia umbrorum (Fr.) Lambotte=Lachnea umbrarum =Peziza umbrarum
 ヨーロッパ、南北アメリカに分布する。春~秋に地上や腐木上に発生し、アラゲコベニチャワンタケと似ている。子嚢盤は直径8~15(20)㎜、厚さ2㎜以下、皿状、無柄、表面は平滑、橙色~黄橙色~赤橙色、縁に根状毛の剛毛がある。剛毛は長さ200~720(950)µm、基部の幅広い単一かフォーク状。8胞子性。胞子は長さ17~25µm、幅12.5~17µm、高さ1~2µmの疣に覆われる。
  コベニチャワンタケモドキ(シロキツネノサカズキ属) Microstoma protractum はヨーロッパ、アジアに分布し、落枝や土中に埋まった朽木に春、発生する。菌糸は黒色、子実体は初期に球形、後に開き、幅5~15(20)㎜、高さ約10㎜の杯と柄があり、全体の高さ4~5㎝、上部の縁は鋸歯状、子嚢盤の上面は鮮赤色、外面は白色のうぶ毛(綿毛)で覆われる。柄は細く、長さ1~2㎝、幅1~2㎜、毛がある。胞子は長さ(35)40~45µm、幅12.5~15µm、楕円形~長楕円形、平滑、厚壁、2~4個の油滴があり、無色。
 シロキツネノサカズキ Microstoma floccosum は初夏~夏に広葉樹の枯枝や丸太に散生~群生する。子実体は柄があり、ゴブレット形~杯形、幅5~10㎜、高さ約4㎝、上面は無毛、明るい赤色、外面は赤色、密に白毛で覆われ、縁は先の尖った束の白毛で縁取られる。柄は高さ1~3㎝、幅2~5㎜、帯白色~帯灰色、密に毛がある。肉は質が薄く、帯赤色。胞子は長さ20~35µm、幅 14~17µm、狭楕円形、平滑、新鮮な時には厚い無色の外皮膜がある。子嚢は円筒形、8胞子、KOH中で無色、非アミロイド。側糸は分岐し、網状。子嚢殻の表面の毛はKOHに溶け、薄壁の幅4~5µmの隔壁細胞の断片の芯につき、メルツァー試薬中で明瞭になり、厚壁、長さ1000µm以下、幅20µm以下。
 シロキツネノサカズキモドキ Microstoma macrosporum シロキツネノサカズキに非常によく似ている。 春~初夏に広葉樹林内などの落枝に発生する。傘の径3~10mm、杯の内側は明るい赤色、外面は白色の長毛で覆われる。
アラゲコベニチャワンタケ
アラゲコベニチャワンタケ2
アラゲコベニチャワンタケ3
発生時期 初夏~秋
大 き さ 小型 幅3~15㎜
栄養摂取 腐生菌 
発生場所 湿った朽木、湿った裸土上
分  布 世界に広く分布
食  毒 不食
撮  影 新城市 15.9.26
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