きのこ図鑑
Flora of Mikawa 
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 アカウスバタケ  赤薄歯茸
学  名 Steccherinum laeticolor (Berk. et M.A. Curtis) Banker
Irpex laeticolor (Berk. et M.A. Curtis) Kotir. et Saaren.
Hydnum parasitans Berk. et M.A. Curtis
分  類 坦子菌門 ハラタケ亜門 ハラタケ綱 タマチョレイタケ目(Polyporales)
科  属 ニクハリタケ科  Steccherinaceae  ニクハリタケ属
 シイタケ栽培のほだ木に発生しすることも多く、特に高温多湿の6月下旬~7月上旬に多い害菌。子実層托が橙色で、鋸歯状であるため、アカウスバタケと判断した。
 アカウスバタケ 子実体は1年生、背着生~半背着生、傘をもつ。傘は縁につき、小さく幅2~6㎜。腹面は橙黄色~赤褐色、古くなると退色する。子実層托は針状、長さ1.5~4㎜、3~4個/㎜、互いに癒着し、鋸歯状になることも多い。周縁部は白くなり、毛羽立つ。胞子がニクハリタケより短い円筒形、長さ(2.6)2.7~3.5(3.6)µm、幅(1.7)1.8~2.1µm、非アミロイド。坦子器は4胞子性。偽シスチジアは無色~淡黄色、幅7~10µm。
 ● ニクハリタケ Steccherinum ochraceum は初期には背着生し、半背着生~側着生、無柄。傘は幅1~3㎝、薄い革質、半円形~扇形。背面は短綿毛を密生し、白っぽく、環紋が明瞭。腹面はやや淡色、肌色~淡紅褐色(肉色、黄色、橙色などもある)。子実層托は針状(spine)。針は長さ1~2(3)㎜、幅約0.2㎜の扁平~円錐形~円柱形、密につき、5~7個/㎜。胞子は無色、長さ3~4(5)µm、幅2~2.5µmの卵形、平滑。厚壁シスチジア(skeletocystidia)は多数つき、長さ20~100µm、幅4~10µmの狭紡錘形~円柱形、厚壁、上半部に多数の結晶物を付着する。
 ● Steccherinum robustius はヨーロッパ、ロシア、北アメリカに分布し、よく似ている。明るい橙褐色の腹面。胞子は長さ(3.5)~3.5(4)µm、幅(2.7)2.8~3.2µm。偽シスチジアがあり、大きく幅8~15µm。坦子器は長さ35µm以下。
 ● Steccherinum bourdotiiははヨーロッパ、ロシアに分布し、背着生~半背着生、小さい傘があり、背面に毛がある。腹面は淡ローズ色~帯赤色、子実層托は円筒状~やや扁平、帯灰色~帯褐色、3~4個/㎜。胞子は大きく、長さ(4.2)4.4~5.1(5.6)µm、幅(3.2)3.4~4.2µm。
 ● ダイダイタケ Hymenochaete xerantica = Inonotus xeranticus 湿気の多い場所を好み、中型で半背着生、多数重生する。傘は幅3~10㎝、半円形。背は黄褐色、短毛が密生し、環紋があり、成育中の縁は黄色になる。腹面は鮮黄色~黄褐色、管孔は長さ2~3㎜、孔口は小さく、4~5個/㎜。肉は柔らかい革質、薄い。胞子は長さ2.5~4µm、幅1.2~1.7µm。
 ● ウスバタケIrpex lacteus 子実体は背着生し、成長すると辺縁が反巻きし、反卷部は腎臓形~不規則、長さ0.8~1.5㎝、幅0.5~3.5㎝、厚さ1~3㎜。背面は白色、短い綿毛を密生し、環紋は不明瞭、辺縁が薄く、波打ち、起伏がある。腹面は白色~乳白色、子実層托の管孔は2~3個/㎜、裂けて歯状突起(薄歯状)になる。歯状突起は長さ1~5㎜。肉は白色、丈夫な革質、乾くと硬くなる。胞子紋は白色。胞子は無色、長さ5~7µm、幅2~3µmの楕円形、平滑、非アミロイド性。シスチジアは明瞭、多数つき、長さ50~110µm、幅5~10µmの紡錘形、上部に結晶物を付着する。菌糸にクランプは無い。
アカウスバタケ
アカウスバタケ2
発生時期 夏~秋
大 き さ 小型 
栄養摂取 白色腐朽菌 
発生場所 広葉樹の枯木
分  布 日本、朝鮮、ロシア、ヨーロッパ
食  毒 不食
撮  影 西尾市 14.11.27
アカウスバタケ背面
アカウスバタケ腹面
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