特徴 |
湿地などの抽水水生植物(emergent aquatics)。多年生草本。無毛、芳香がある。樹脂道や束晶(raphide)は無い。通気組織(aerenchyma)がある。根茎は這い、多数分枝し、空隙があり、分化した芳香油細胞をもつ。下面に根を出し、先端に葉をつける。葉は二列生(distichous)、基部は重なり、単面になり、剣形(ensiform)、葉柄と葉身の区別はできない。鞘内小鱗片(
intravaginal squamules)が葉軸にあり、平行脈。花序は単生、頂生、葉のような花茎の上に側生する(花茎は普通、花序柄と仏炎苞
spathe として解釈され、花序柄は2個の維管束系をもつ)。花序の前の葉軸に繋がって、シュートが生じる。仏炎苞は肉穂花序(spadix)よりかなり長く、直立し、宿存性(ただ、葉状の花序柄の垂直の延長として表れるにすぎない)。肉穂花序は花序柄から斜めに突き出て、無柄、円錐形、円柱形、指状又は細い尾状、基部から先へと順に開花する。花は両性、花被(perigone)を持ち、密につき、苞がなく(bractless)、3数性。花被片(tepal)は6個、2列に3個ずつつき、分離、薄く、アーチ形。雄しべ6個、2列に3個ずつつく。花糸は線状長楕円形、扁平。葯は内向き、葯室(thecae)は球状楕円形、ほぼ向かい合い、縦の隙間から裂開し、接合は不明瞭。花粉は単長口型(monosulcate)、楕円形、小さい(15~20
µm)、外膜は薄く、離れて又は密に小穴(foveolate)があり、なければ平滑( psilate)。外膜の開口(apertural)はほぼ平滑。雌しべ=雌ずい群(gynoecium
)は倒円錐状円柱形、花被片からわずかに突き出し、子房は2又は3室。胚珠は室に数個、直生胚珠(orthotropous ovule , atropous
ovule)、頂生胎座に垂れ下がる。珠皮は毛状突起をもち、内珠皮は外より長く、珠孔を形成する。柱頭は小さく(点状)、ほぼ無柄。果実は液果、長楕円状倒卵形、薄い革質の果皮をもち、花被片に包まれ、帯白色、新鮮なとき帯褐色の柱頭の残物があり、すぐに乾き、わら褐色になり、1~5(~9)個の種子を入れる。種子は長楕円形~楕円形。外種皮は淡褐色、小さな穴がある(ショウブ)又は平滑(セキショウ)。セキショウは珠孔時に珠皮に長い毛状突起があり、ショウブには無い。外胚乳と豊富な胚乳をもつ。
2n= (22), 24, 36, (44), 48。 |