ウスユキソウ 薄雪草
Flora of Mikawa
キク科 Asteraceae ウスユキソウ属
中国名 | 薄雪火绒草 bao xue huo rong cao |
学 名 | Leontopodium japonicum Miq. |
花 期 | 7~8月 |
高 さ | 25~50㎝ |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 山地の岩場 |
分 布 | 在来種 北海道、本州、四国、九州、中国 |
撮 影 | 美ケ原高原 09.8.21 |
高山型は小型のミネウスユキソウ。頭花の柄がないか、あってもごく短い。
ハッポウウスユキソウは葉が斜上する。
ウスユキソウ属
family Asteraceae - genus Leontopodium多年草、叢生し又は匍匐茎があり、普通、白色の綿毛がある。葉は互生し、単葉、全縁。茎葉は少数~多数。根生葉は普通、ロゼットにつく。頭花は頂生、単生又は3~12(~20)個、束生(散房花序又は団散花序につき)普通、目立つ広がった苞葉(bractealleaves又はbracts)に取り囲まれる。苞葉は、茎葉との色の違い、サイズや毛の違いがあり、星形につく。小花単性、頭花は中心小花頭花(discoid:同性の筒状小花だけからなる頭花)で雌雄異株、又は、円盤型頭花(disciform:中心小花は両性又は機能が雄性、周辺の筒状小花は雌性)。総苞は鐘形。総苞片は暗褐色、多列。花托は平ら又は凸面、パレアは無い。周辺小花は雌性、中心小花より数が多く、糸状、花冠は黄色、3~4歯がある。中心小花は機能的に雄性、筒状鐘形、花冠は黄色、黄色、5歯がある。葯は線形、尾状。痩果は長円状楕円形、まばらに毛があるか無毛で、短いこん棒形又は粘液を出す双生の毛(myxogenic twin hairs)をもつ。冠毛は剛毛の房で、基部は合着し、脱落性。(参考3)
世界に約30種があり、ヨーロッパ、アジア、北アメリカに分布する。
【Flora of Chinaの解説】
多年草、まれに亜低木。茎は師管部(phloem)に繊維をもち、樹脂道(resin canal)は無く、外環形成層( pericyclic cambium)は無い。葉は互生、無柄、綿毛~絨毛があり、腺は無く、縁は平ら、全縁。頭花は異形配偶、円盤型頭花(disciform : 中心小花は両性又は機能が雄性、舌状小花は雌性)、頂部が平らな頂生の散房花序につき、目立つ白色の羊毛状の毛の葉(苞葉)の輪に取り囲まれる(星状につく)。花托は平ら、パレアは無い。総苞片は紙質、単一形、単色の帯褐色、透明。機械組織(stereome)は分かれない。雌小花は黄色、糸状、中心小花より数が多い。中心小花は機能的には雄性。花冠は黄色、花冠裂片は直立、脈は裂片の先に届く。葯は距がなく、短い尾をもち、内半葯組織(endothecial tissue)は2極化する(endothecial tissue)。先の付属体は平ら、半葯と同幅。花粉はgnaphalioid(ハハコグサ連 Gnaphalieaeタイプ)。花柱は2岐。花柱の枝は切形、背に鈍くなでつけた毛をもち、分岐部に届かない。柱頭の表面は離れる。中心小花と雌小花の痩果は小さく、長円形、5本の導管の束をもち、まばらに毛があり、短いこん棒形の粘液を出す双生の毛をもち、表皮は平滑。冠毛は2形、基部が合着し、ひげ状剛毛があり、毛細管剛毛は1列につく。中心小花の先端の細胞はこん棒形、雌小花では鋭形。x=7。
世界に約58種があり、アジア、ヨーロッパに分布する。日本には約7種が分布し、うち、4種(ミヤマウスユキソウ、ハヤチネウスユキソウ、大平ウスユキソウ、コマウスユキソウ)が固有種。
ウスユキソウ属の主な種と園芸品種
1 Leontopodium conglobatum (Turcz.) Hand.-Mazz. ハナウスユキソウ 花薄雪草
中国、モンゴル、ロシア原産。中国名は团球火绒草 tuan qiu huo rong cao。川岸の乾燥した牧草地、ステップ、山の石灰岩の斜面、乾燥したカラマツ林やマツの林、林縁に生える。多年草。 根茎は短く、1本の茎または匍匐茎のない多茎を持ち、糸状の根生の束を持ち、2~3本の茎と不稔の葉の束からなる小束を形成する。 茎は直立し、堅く、高さ(10~)15~30(~45)㎝、灰色~帯灰色のクモ形の毛があり、しばしばほぼ無毛で、スミレ色または赤褐色、均等にやや密に葉がある。葉は線状披針形~狭披針形~線状ヘラ形。茎葉は長さ2~6㎝×幅2~10㎜、直立し、下部の葉は長く、基部が狭くなり、しばしば、落ちないで早く枯れる(marcescent)。根生葉はロゼットになり、緑色、線形、長さ10㎝×幅13㎜・以下、軟毛があるかほぼ無毛。合成花序は、普通、大きく、コンパクトな、散房花序状、しばしば複雑に枝分かれし、いくつかの離れた頭花と、直径3㎝以下に密集した30個以上の頭花を持ち、個々の頭花は均一で、直径6~8mm。苞葉(bracteal leaves)は外面が薄緑色、しばしば、緑黄色~帯黄色で、内面は薄灰色、卵状披針形または長円形、平らで、長さ3㎝×幅10㎜以下、直径7㎝以下の星形を形成し、密に綿毛がある。頭花は異性花(heterogamous)または雌雄異花雌雄異株(diclinous-dioecious)。花期は6~8月。果期は7~9月。
2 Leontopodium coreanum Nakai コウライウスユキソウ 高麗薄雪草
synonym Leontopodium leiolepis Nakai ミユキソウ
朝鮮原産。英名はKorean edelweiss。
多年草。 根茎は平伏し、分枝し、花茎と不稔の茎をもつ。茎は直立し、高さ15.5~31.5㎝、節間は9.6~25.0㎜、下半分はやや木質になり、軟毛がある。 葉は互生し、7~21個つき、長さ30.6~71.5㎜×幅6.1~13.7㎜、上面は緑色で薄く綿毛があり、下面は帯白色の綿毛があり、披針形、狭長円形、長円形、縁は全縁、先は鋭形~尖鋭形、 基部が急に狭くなり、無柄で、根生葉は花時に落葉する。花序は単生または花茎の上で分枝する。頭花は7~19個、コンパクトまたはまばらな頂生の散房花序につく。苞葉は長さ11.3~18.9㎜×幅3.3~6.6㎜、普通、茎葉よりも小さく、長円状披針形、卵形、両面に密に毛がある。 総苞はほぼ球形、高さ4~5㎜×幅3.0~4.8㎜。総苞片は 3列、鋭形、縁は帯褐色の薄膜質、背側に密に毛がある。周辺小花は雌性、毛細管状、5裂し、縁毛がある。柱頭は2岐、密に粗毛がある。子房は密にパピラがある。中心小花は両性、花冠は亜筒状、5裂し、帯黄色、不稔。柱頭は密に粗毛がある。子房は先に薄く粗毛がある。葯は基部が矢じり形。痩果は長さ1.2~1.6㎜、パピラがある。冠毛は毛細毛状、長さ2.6~3.0㎜。 花期は7~8月。 果期は8~9月。
3 Leontopodium discolor Beauverd エゾウスユキソウ 蝦夷薄雪草
日本(北海道)、ロシア原産。別名はレブンウスユキソウ(礼文薄雪草)。
多年草。高さ13~33cm。根出葉は倒披針形、長さ3.5~8cm。茎葉は互生し、10~20個つき、倒披針形、長さ3~5cm×幅3~8mm、基部は漸尖して細くなるが鞘状にはならず、先は鋭形。頭花の基部に輪生する苞葉は直径2.5~6㎝の星状になる。頭花は5~22個が密集してつき、直径約6㎜、雄小花と雌小花が混在する。痩果は長楕円形、長さ約1㎜、4稜がある。花期は7~8月。2n=24。
4 Leontopodium fauriei (Beauverd) Hand.-Mazz. ミヤマウスユキソウ 深山薄雪草
東北地方(秋田駒ヶ岳、朝日岳、飯豊山、月山、鳥海山)に分布。山頂付近の乾いた草原に生える。別名はヒナウスユキソウ。高さ6~15㎝。葉は根生葉と茎葉。根生葉は幅2~4㎜。茎葉は2~5個つき、線状披針形、両面に綿毛がある。頂生の散房花序に頭花は4~10個、密集してつく。苞葉は葉状、不等長、8~13個つく。頭花は筒状小花の集合。花期は7~8月。
4-1 Leontopodium fauriei (Beauverd) Hand.-Mazz. var. angustifolium H.Hara et Kitam. ホソバヒナウスユキソウ
尾瀬の至仏山と群馬・新潟県境の谷川岳に分布する。蛇紋岩地帯の崩壊地や風衝草原に生える。葉が細く、根生葉は幅1~1.5(2.5)㎜。苞葉も ミヤマウスユキソウより幅が狭い。
5 Leontopodium hallaisanense Hand.-Mazz. タンナウスユキソウ
朝鮮原産。済州島固有種。
茎は直立し、高さ8.5~11.3㎝、軟毛があり、下部はしばしばやや木質になる。葉は互生し、9~11個つき、長さ19.2~20.8㎜×幅5.0~7.2㎜、楕円形~卵形、倒披針形。花序は普通、花茎に単生する。頭花が7~8個、コンパクトな頂生の散房花序につく。苞葉は長さ13.5~16.3㎜×幅5㎜、ほぼ楕円形、楕円形、倒披針形。総苞はほぼ球形、高さ5.0~5.5㎜×幅4.5~5.5㎜。
6 Leontopodium hayachinense (Takeda) H.Hara et Kitam. ハヤチネウスユキソウ 早池峰薄雪草
日本固有種(岩手県早池峰山)。蛇紋岩地帯の礫地に生える。日本のエーデルワイスと呼ばれ、栽培されている。多年草。高さは10~20(~30)㎝。地下茎は硬く横に這う。茎は直立、分枝せず、叢生し、白色の綿毛が密にある。根出葉は線状倒披針形、長さ3~8㎝、両面に白色の毛がある。茎葉は互生、7~10個つき、線状披針形長さ3~5㎝×幅4~6㎜、基部は楔形、茎を抱き、先は鋭形、上面は緑色、綿毛は少なく、下面は灰白色、綿毛が密生する。花序は頂生、頭花を密に4~8個つける。総苞は直径7~9㎜。頭花の基部の苞葉は5~15個つき、直径4~6㎝の星状になり、先は鋭形、灰白色の綿毛が密生する。花期は7~8月。
品種) Ajs/j 111
7 Leontopodium japonicum Miq. ウスユキソウ 薄雪草
日本(北海道、本州、四国、九州)、中国原産。中国名は薄雪火绒草 bao xue huo rong cao。和名の由来は白色の苞葉が白く、薄雪が積もったように見えることから。
多年草。高さ25~50㎝。茎は直立し、直径2~3㎜、丈夫で、普通上部に葉が密につく。葉は長さ4~6㎝、幅6~15㎜の披針形。葉表の綿毛が少なく、葉裏の綿毛は多い。苞葉は白色、5~8個、長さ1~3㎝。頂部に直径3.5~4.5㎜の小さな頭花を固まってつけ、頭花に短い柄がある。総苞は長さ4~5㎜。総苞片は3列。周辺小花は雌性、長さ約2㎜の毛管状。中心小花は両性の筒状花、長さ約3㎜、不稔。痩果は長さ約1㎜、有毛。冠毛は長さ約3㎜、白色。花期は7~8月。2n=28。
7-1 Leontopodium japonicum Miq. f. happoense Hid.Takah. ex T.Shimizu ハッポウウスユキソウ 八方薄雪草
八方尾根にはえる。葉が斜上する7-2 Leontopodium japonicum Miq. f. orogenes (Hand.-Mazz.) Ohwi ヤマウスユキソウ 山薄雪草
synonym Leontopodium japonicum Miq. var. orogenes Hand.-Mazz.広島県東部の蛇紋岩の山地に生育し、花期は7~10月。
7-3 Leontopodium japonicum Miq. var. perniveum (Honda) Kitam. カワラウスユキソウ
synonym Leontopodium japonicum Miq. f. perniveum (Honda) Ohwi本州の南アルプス北部の石灰岩地帯だけに生える。
頭花は長い花序柄があり、散房花序がまばらになる。
7-4 Leontopodium japonicum Miq. var. shiroumense Nakai ex Kitam. ミネウスユキソウ 峰薄雪草
synonym Leontopodium japonicum Miq. f. shiroumense (Nakai ex Kitam.) Ohwi
本州中北部の高山に生える。高さ5~15㎝。葉は長さ2~4㎝、幅0.5~1㎝の披針形~長楕円形。葉の両面に綿毛が生える。包葉は茎葉よりやや小さく、長さが不揃いで、星形につく。頂部に小さな頭花を数個を付ける。頭花は球形に近く、花柄がなく、あってもごく短い。花は筒状花のみ、花冠は白色、先が5裂する。総苞は長さ約4㎜の球状鐘形。痩果は長さ1.5㎜、冠毛がある。花期は7~8月。
7-5 Leontopodium japonicum Miq. var. spathulatum (Kitam.) Murata コウスユキソウ 小薄雪草
synonym Leontopodium japonicum Miq. f. spathulatum (Kitam.) Ohwi本州(奈良県)、四国(徳島県)、九州(宮崎県)に分布。山地の乾いた礫地、岩場に生える。別名はコバノウスユキソウ。
全体に小型で、高さ10~20㎝。茎は叢生する。葉はへら形、小さく、長さ約17㎜。頭花もやや小さい。頭花に両性花をつける株と、雌花だけをつける株とがある。花期は7~8月。
8 Leontopodium junpeianum Kitamura ナガバウスユキソウ 長葉薄雪草
synonym Leontopodium linearifolium Hand.-Mazz
synonym Leontopodium longifolium Y.Ling
中国、カシミール原産。中国名は长叶火绒草 chang ye huo rong cao。草が茂った斜面、茂み、岩場に生える。
多年草。 根茎は短く、花茎と不稔の茎をもつ。花茎は直立し、高さ2~25 cm、枝分かれせず、灰色の絹毛または灰色の羊毛状の毛がある。下部の葉は普通、上部の葉よりも大きくなる。葉身は線形またはへら状線形、長さ20~130㎜×幅1.5~9㎜、両面は密に灰色の絹毛または灰色の羊毛状毛があり、ときに上面はほぼ無毛で緑色、基部は狭く不明瞭な鞘があり、先は鈍形。頭花は3~30個、散房花序に集まってつき、直径6~9㎜。苞葉は6~10個、長円形~披針形、長さ10~20㎜×幅3~6㎜、直径3.5~5㎝の星形になり、両面が密な灰色の絹毛または灰色の羊毛状毛があり、先は鋭形。 総苞片は卵状披針形、長さ約5㎜、外側は白色の羊毛状の毛があり、先は普通、暗褐色になり、鋭形。花冠は長さ約4㎜。痩果は無毛またはパピラがある。冠毛は白色、花冠よりわずかに長く、小鋸歯がある。花期は7~8月。果期は9~10月。
品種) Ks 2111
9 Leontopodium kurilense Takeda チシマウスユキソウ 千島薄雪草
古くから栽培されている南千島産といわれる小型のウスユキソウ。丈夫で育てやすい。花は大輪で全体に白毛で覆われる。2n=18。
10 Leontopodium leontopodioides (Willd.) Beauverd ノウスユキソウ 野薄雪草
synonym Leontopodium leontopodioides Beauverd [Kewscience]日本、朝鮮、中国、モンゴル、ロシア、西ヒマラヤ、パキスタン原産。YListでは日本は分布域に含まれない。中国名は火绒草 huo rong cao 。中国で白頭翁とされる薬草の1つ。根または全草が使われる。草原、乾燥した牧草地、乾燥した石や岩の多い斜面、砂地、低木の茂みに生える。
多年草。 根茎は短く、木質になり、多茎性で、多数の花茎と不稔の茎があるが、不稔の葉のロゼットがなく、細かい蕾が密に束生する. 茎は直立し、堅く、下部はしばしばやや木質で、細く、ときに屈曲が少なく、高さ(10~)20~25(~40)cm、単生、またはときに合生花序で分枝し、全草に灰色の絹毛または灰色の羊毛状毛があり、ときに羽毛状であり、非常に葉が多い。葉は直立し、しばしば茎に伏せ、灰色、上面は帯緑色、またはほぼ同色、または下面が帯黄色、線状披針形~狭披針形、長さ15~45㎜×幅2~5㎜、両面は均等または下面に密に毛があり、下面で脈が明瞭、基部は円形、 固く(solid)、縁はしばしば内巻きし、先は鋭形、大きな水孔 (hydathode)がある。合成花序は3~4(~7)個の頭花が集まった貧弱な花序または頭花が単生、または散房花序になる。頭花は雌雄異株、非常にまれに異性花(heterogamous)、長さ6~7㎜×幅7~10㎜、各頭花は長さ2.5㎝以下の別の花序柄につく。苞葉は頭花あたり1~4枚つき、上部の葉とほとんど区別がつかず、線形~狭披針形、直立し、星形にならない。総苞片は披針形、長さ5~6㎜、外側に白色の羊毛状の毛があり、鋭形、先は無色または淡褐色。小花は雌雄異花(diclinous)、雄小花の花冠は長さ3.5~4.5㎜。冠毛は汚白色、長さ4.5~6.5㎜。花期は6~9月。果期は8~10月。2n=22, 24(朝鮮) , 26(ロシア)。
11 Leontopodium microphyllum Hayata カワカミウスユキソウ 川上薄雪草
台湾原産。中国名は小叶火绒草 xiao ye huo rong cao 。岩場の斜面に生える。多年草。茎は細く、わずかに木質で、枝分かれする。枝は基部で傾伏し、密に羊毛状の毛がある。茎葉は倒披針形、長さ7~12㎜×幅1.5~2㎜、両面が密に白色の羊毛状毛があり、基部は急に狭まり、先は鋭形。頭花は4~9個つく。苞葉は7~10個、放射状につき、概して不等形、線状披針形、長さ6~12㎜×幅1.5~2㎜、密に白い葉状葉。 総苞は半球形、約・長さ3㎜×幅4㎜。総苞片は3列、ほぼ等長、長楕円形、先は鋭形~鈍形。周辺小花の花冠は長さ約2.5㎜。中心小花の管状の花冠は長さ約2.5㎜。痩果は楕円形、長さ約1㎜、無毛またはパピラがある。冠毛は白色、長さ約2.5㎜。花期は7月~9月。
12 Leontopodium miyabeanum (S.Watan.) Tatew. ex S.Watan. オオヒラウスユキソウ 大平薄雪草
synonym Leontopodium hayachinense (Takeda) H.Hara et Kitam. var. miyabeanum S.Watan.
日本固有種(北海道の大平山、崕山)。高山帯の石灰岩地の岩場に生える。高さ10~15(30)㎝。茎は直立、分枝せず、白色の綿毛が密生する。根生葉は花期に残る。茎葉は互生し、15~30個つき、長さ2~4㎝×幅3~7㎜、先は急に細くなる。花序は頂生の散房花序、頭花が数個、つく。雌雄異株の傾向があり、頭花は雄小花だけのものや雌小花だけとなる株が多く、まれに雌雄混生する頭花の株もある。花序の基部につく苞葉は白い綿毛が密生し、厚みがあり、先端は円みを帯びる。苞葉の数はハヤチネウスユキソウより多い。花期は6~8月。
13 Leontopodium nivale (Ten.) Huet ex Hand.-Mazz. セイヨウウスユキソウ 広義
13-1 Leontopodium nivale (Ten.) Huet ex Hand.-Mazz. subsp. alpinum (Cass.) Gleuter エーデルワイス
synonym Leontopodium alpinum Cass.ヨーロッパのアルプス原産。英名はedelweiss , snow flower , lady's mantle。イタリア名はstella alpina。別名はセイヨウウスユキソウ(西洋薄雪草)。標高2000~2900mに生える。
多年草、高さ8~20㎝。茎は基部が木質になり、短く、直立、叢生し、白色の綿毛が密生する。葉は灰色で綿毛があり、根生葉は長さ約2~4㎝、へら形。茎葉は長く、線形~披針状線形、長さ24~40㎜×幅2~3㎜、両面に白色の綿毛がある。花序は頂生、多数(3~12個)の帯黄色の頭花からなる団散花序(glomerule)を形成し、最も大きい頭花を他の小さい頭花が取り囲む。頭花の柄は有又は無。頭花は筒状小花だけからなり、舌状小花は無い。総苞は全体に白色の綿毛があり、総苞片はしばしば先の縁が暗色になる。散房花序[団散花序]は(6~9)9~15個の苞葉(bracteal leaves)に取り囲まれる。苞葉は両面が強く綿毛で覆われ、先が尖り、星形になり、花粉媒介の昆虫を呼び寄せる機能をもつ。花後に苞葉は枯れ、雌性の頭花は種子が熟す。痩果は長円形、冠毛をもつ。2n=24
品種) Blossom of Snow = 'Berghman' , 'Everest' , 'Matterhorn' , 'Mignon' , 'Mt. Everest' , 'Tibet'
14-2 Leontopodium nivale subsp. nivale (Ten.) Greut
イタリアのアペニン山脈固有種。
全体に小型、綿毛が多い。
15 Leontopodium shinanense Kitam. コマウスユキソウ 駒薄雪草
中央アルプス(木曽山脈)に分布。花崗岩の礫地に生える。別名はヒメウスユキソウ。
日本産の同属では最も小型。高さは4~15㎝。頭花は2~3個、淡黄色。花期は7~8月。
参考
1) Flora of ChinaLeontopodium
Leontopodium
Leontopodium
Leontopodium
世界と日本のウスユキソウ属
Leontopodium nivale
Leontopodium nivale subsp. alpinum