ウラジロタデ 裏白蓼
Flora of Mikawa
タデ科 Polygonaceae チシマミチヤナギ属
別 名 | ウラジロイタドリ、タカネウラジロイタドリ |
学 名 | Koenigia weyrichii (F.Schmidt) T.M.Schust. & Reveal synonym Aconogonon weyrichii (F.Schmidt) H.Hara var. weyrichii synonym Pleuropteropyrum weyrichii (Fr. Schm.) H. Gross. synonym Polygonum weyrichii F.Schmidt |
花 期 | 6~10月 |
高 さ | 30~100㎝ |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 亜高山帯~高山帯の砂礫地 |
分 布 | 在来種 北海道、本州(中部地方以北)、ロシア |
撮 影 | 栂池自然園 07.7.27 |
和名は葉の裏が白いことから。茎はほとんど分枝せず、直立する。葉は互生し、長さ10~20㎝の長卵形、先が三角状に尖り、葉柄がある。葉の裏には白色の毛が密生し、白く見える。雌雄異株。円錐花序に黄白色の花を多数つける。花被は5深裂する。雌花は花柱が3個。雄花は花被片が長さ1.5~2㎜、雄しべ8個、雌しべが退化しているが、退化せず果実が出来る両性花も見られる。果実が出来てくると赤色を帯びる。痩果は倒卵形、3個の翼がある。秋には黄色く紅葉する。2n=20。
オンタデとよく似ているが、オンタデは葉の裏が緑色で、葉脈がはっきり見える。
チシマミチヤナギ属
family Polygonaceae - genus Koenigia1年草又は多年草、傾伏~斜上~直立、直根から立ち上がり、たまに、下部の節から不定に根を出す。茎は少数~多数、丸く又はほぼ丸く、無毛又は毛~軟毛~綿毛がある。托葉鞘は宿存性又は脱落性、紙質。葉は落葉性、ほとんどが茎葉、互生又は類対生、葉柄は有又は無、葉柄の基部に関節は無い。葉身は狭披針形~卵形~円形、典型的に全縁。花序は頂生~腋生、集散花序、円錐花序又は総状花序。苞は無い。花序柄はあれば普通、広がる。小花柄はあれば、糸状~細い。花は両性、1~10個、束生、花後に大きくならず、柄状にならない。花被は白色又は帯緑色~黄白色~ピンク色、車形、無毛又はたまに腺が散在する。花托筒は無い又は花被の長さの1/4以下。花被片は3~5個、花弁状、単形又はわずか~はっきり2形で外花被片2個は内花被片3個より小さい。雄しべは(1)3(5)又は8本。花糸は花盤に融合、又は分離し、花被の筒部につき、無毛又は基部に蜜腺、パピラ又は毛状突起をもつ。葯は白色、帯黄色、黄色、ピンク色、赤色、紫色、楕円形~卵形。花柱は2~3個、直立又は広がり、分離又は基部が合着し、柱頭は頭状。痩果はレンズ形又は3稜形、黄褐色~暗褐色~褐色~黒色、翼は無く、無毛。胚は曲がり、胚乳は粉状、豊富。x=7, 8, 10, 11。
世界に約35種あり、北極圏、北半球の温帯、高山帯に分布する。
チシマミチヤナギ属の主な種と園芸品種
1 Koenigia alaskana (Small) T.M.Schust. & Reveal コエニギア・アラスカナsynonym Aconogonon alaskanum (Small) Sojak [FNA]
synonym Polygonum alaskanum (Small) W. Wight ex Harshb.
synonym Basionym: Polygonum alpinum [unranked] alaskanum Small
synonym Polygonum alpinum var. alpinum All.
synonym Polygonum alpinum var. lapathifolium Cham. & Schltdl.
北アメリカ、ロシア原産。英名はAlaska Wild Rhubarb Alaska , Alpine Smartweed。
高さ(30~)50~150(~200)㎝。 茎は直立し、無毛または密に後向きの毛がある。托葉鞘は赤褐色、漏斗形、長さ1~2.2㎝、縁は斜め、無毛または直軟毛がある。葉柄は長さ0.8~3.5(~4)㎜。葉身は狭披針形~卵形、長さ5~20㎝×幅2~8㎝、ほぼ革質、基部は切形または鈍形~ほぼ心形、縁はときに不規則に波打ち、縁毛があり、またはまれに無毛、先は尖鋭形で、面は粉白色でなく、無毛または毛がある。花序は頂生し、ときにまた、腋生、円錐花序状。花序柄は長さ0~4㎝、無毛または毛がある。小花柄は長さ0.5~0.1㎜。花は各托葉鞘に2~4個束生し、すべての花はよく発達した雄しべを持つ。花被片は白色または緑白色、長さ2~4㎜。花被片は二型性、まれにわずかに二型性、卵形、先は鈍形。葯は黄色からピンク色。痩身は突き出さないか、または突き出し、黄褐色~灰褐色、上部に嘴はなく、長さ2.6~3.8㎜×幅2~3㎜、光沢があり、面は通常凹面ではない。2n=20。2変種がある。
1-1 Koenigia alaskana var. alaskana
ロシア、カナダ、アラスカに分布。標高100~1300mの森林限界を超える山地の斜面、急な丘の斜面、切り立った急な土手、または川の砂質ロームに生える。 茎は通常、密で後向きの毛がある。葉身は長さ5~16.8㎝×幅2~6㎝、縁には縁毛があり、面に毛がある。花期は6~8月。1-2 Koenigia alaskana var. glabrescens (Hultén) T.M.Schust. & Reveal
カナダ、アラスカに分布。標高300~1700mの湿った丘の中腹、荒れ地、川岸、砂浜の湖畔、森林限界を超えた崖錐の斜面に生える。
茎は無毛で、まれに節の近くに毛がある。葉身は長さ6~17(~20)㎝×幅2~8㎝、縁は無毛または縁毛があり、面は無毛。2n=20。花期は6~8月。
2 Koenigia alpina (All.) T.M.Schust. & Reveal コウアンイワタデ
synonym Aconogonon alpinum (All.) Schur
basionym Polygonum alpinum All. [FOC]
中国(河北省、黒竜江省、吉林省、遼寧省、内モンゴル自治区、青海省、山東省、山西省、新疆ウイグル自治区)、モンゴル、ロシア、インド、パキスタン、アフガニスタン、カザフスタン、キルギス、南西アジア、ヨーロッパ原産。中国名は高山神血宁 gao shan shen xue ning 。英名はalpine knotweed , Giant Fleeceflower。標高800~2400mの森林の縁、草の茂った斜面に生える。
多年草。 茎は直立し、高さ50~100㎝、中央より上から分枝する。枝は条線があり、二分枝はなく、まばらに粗毛があり、まれに無毛になる。葉柄は長さ5~10㎜。 葉身は下面が帯が緑色、上面は緑色、卵状披針形または披針形、長さ3~9㎝×幅1~3㎝、両面に直軟毛があり、基部は広楔形、縁は全縁、密に短い縁毛があり、先は鋭形、まれに尖鋭形。托葉鞘は褐色、筒状、膜質、まばらに直軟毛があり、裂開する。花序は頂生の円錐花序、枝が広がり、無毛。苞は卵状披針形、膜質、それぞれに1個または2個の花がつく。小花柄は苞より長く、長さ2~2.5㎜、細く、無毛で、先に関節がある。花被片は白色、5裂する。花被片は楕円形、等長、長さ2~3㎜。雄しべは8本。花柱は非常に短い。柱頭は頭状。痩果は宿存する花被を超え、黄褐色、光沢があり、卵形、三稜形、長さ4~5㎜。花期は6~7月。果期は7~8月。
(1) Koenigia chaneyi (B.Fedtsch.) サバクタデ
synonym Aconogonon chaneyi (B.Fedtsch. ex Steward) H.Hara
synonym Polygonum chaneyi B. Fedtsch. ex R. R. Stewart [The Plant List]
synonym Pleuropteropyrum chaneyi (B. Fedtsch.) Kitagawasynonym Persicaria angustifolia (Pallas) Ronse Decraene
モンゴル、ロシア原産。
主茎が遺伝的に曲がり(ほとんどが明白であるわけではない)、側枝が水平で、全体に葉がつく。花序は分かれた総状花序からなり、基部に葉がある。托葉鞘は剛毛がない。Gubanov(1996) は Aconogonon chaneyi (B. Fedtsch. ex Steward) Haraを独立種としたが、Grubov(1982; 2001)はPolygonum chaneyi B. Fedtsch. ex Steward をPolygonum alpinum All.コウアンイワタデにまとめている (synonym of Aconogonon alpinum (All.) Schur)。Polygonum chaneyi B. Fedtsch. ex StewardはBorodina et al. (1989)により承認されているが、Aconogonon alpinum (All.) Schurとはっきり異ならず、様々な形を含んでいる。
3 Koenigia campanulata (Hook.f.) T.M.Schust. & Reveal コエニギア・カムパヌラタ
synonym Aconogonon campanulatum (Hook. f.) H. Harasynonym Persicaria campanulata (Hook. f.) Ronse Decr.
synonym Polygonum campanulatum J. D. Hooker [Flora of China]
中国(貴州省、湖北省、四川省、西蔵、雲南省)、インド、ネパール、ブータン、ミャンマー原産。中国名は钟花神血宁 zhong hua shen xue ning 。英名はlesser knotweed。標高1400~4100の斜面、谷に生える。
多年草。 茎は直立し、基部は直立し、高さは60~90㎝、分枝し、線条があり、直軟毛があり、上部には綿毛がある。葉柄は長さ7~10㎜、密に毛がある。葉身は狭卵形または広卵形で、長さ8~15㎝×幅3~5㎝、両面は直軟毛があり、葉脈に沿って密にあり、または上面は密に褐色の綿毛があり、基部は広楔形またはほぼ円形で、縁は密に短い縁毛があり、先は尖鋭形または尾状。托葉鞘は筒状、長さ7~15㎜、膜状、直軟毛があり、先は斜め。 花序は円錐花序、花序軸と枝には綿毛がある。苞は卵形、長さ約3㎜、膜質、無毛、先は鋭形、まばらに縁毛があり、それぞれに2個または3個の花がつく。小花柄は長さ1.5~2㎜、先には関節がある。 花被はピンク色または白色で、5深裂する。花被片は倒卵形、長さ約3㎜、不等長。雄しべは8本、突き出ない。葯は紫色。花柱は3本、糸状、長さ約2㎜。柱頭は頭状。痩果は宿存する花被に包まれ、黄褐色、わずかに光沢があり、広楕円形、三稜形、長さ約3.5㎜。花期は7~8月。果期は9~10月。2n=72(22, c36 , c64)。
品種) 'Alba' , Alba Group , 'Madame Jigard' , 'Rosenrot' , 'Southcombe White'
3-1 Koenigia campanulata var. campanulata
中国(貴州省、四川省、西蔵、雲南省)、インド、パキスタン、ネパール、ブータン、ミャンマー原産。中国名は钟花神血宁 zhong hua shen xue ning。標高2100~4000mの斜面、谷間の湿った場所に生える。
葉は下面に直軟毛がある。
3-2 Koenigia campanulata var. fulvida (Hook.f.) T.M.Schust. & Reveal
中国(貴州省、湖北省、四川省、西蔵、雲南省)、インド、ネパール、ブータン原産。中国名は绒毛钟花神血宁 Rong Mao Zhong Hua Shen Xue Ning。標高1400~4100mの坂道、谷間に生える。
葉は上面に密に褐色の綿毛がある。
4 Koenigia cathayana (A.J.Li) T.M.Schust. & Reveal コエニギア・カタヤナ
synonym Polygonum cathayanum A.J.Lisynonym Aconogonon cathayanum (A.J.Li) Boufford & H.Sun
中国(青海省、四川省、西蔵、雲南省)原産。中国名は华神血宁 hua shen xue ning。標高3000~4600mの草が茂った斜面、谷間の茂み、牧草地に生える。
多年草。 茎は直立し、高さ50~80㎝、分枝し、条線があり、無毛である。 葉柄は長さ2~3㎜、直軟毛がある。葉身は下面が帯緑色、上面が緑色、楕円状披針形、長さ10~15㎝×幅2~3cm、両面とも直軟毛があり、基部は広楔形、縁は短い縁毛があり、先は尖鋭形。托葉鞘は筒状、長さ2~3㎝、膜質、脈に沿って直軟毛があり、斜め、裂開する。花序は頂生、円錐花序、広がり、長さ10~15㎝、花序軸と枝には直軟毛がある。苞は卵形、長さ 2~2.5㎜、直軟毛があり、それぞれに2個または3個の花がつく。小花柄は苞より短く、関節がある。花被は白色、5深裂する。花被片は倒卵形、不等長、長さ3~3.5㎜。雄しべは8本、突き出ない。葯は黄色。花柱は3本、長さ約0.5㎜。柱頭は頭状。痩果は宿存する花被の高さと等しく、わずかに光沢があり、卵形、三稜形、約3.5㎜。花期は7~8月。果期は 8~9月。
5 Koenigia chuanzangensis Z.Z.Zhou & Y.J.Min コエニギア・チャウザンゲンシス
中国、チベット原産。2015に発見された新種。比較すると、 K. islandica や K. fertilisは丈が高く、葉の上面が無毛で、花被片は特に無毛。茎は叢生し、葉が互生、葉身は倒卵形。1年草、矮性。茎は直立またはわずかに斜上し、通常高さ1~3㎝、まれに3~8㎝、分枝し、房状または離れ、赤緑色、若枝は通常、緑色、白色の毛がある。葉は互生または数枚、枝先に束生する。葉柄は長さ0.5~1.3㎜、通常、直軟毛がある。葉身は卵形~楕円形、長さ2~3㎜×幅1~2.5㎜、若いとき、両面に密に直軟毛があり、古くなると上面にまばらに直軟毛があるかほぼ無毛になり、基部は楔形、縁は全縁でまばらに縁毛があり、先はほぼ鋭形~鋭形。托葉鞘は褐色、筒状、膜質、2裂し、基部に直軟毛があり、先は鋭形。花序は花が束生、頂生。花被は基部がわずかに緑色を帯び、4深裂する。花被片は長さ0.5~1.5㎜、楕円形、外側に密~疎に直軟毛がある。雄しべは4本、長さ約0.5㎜、花粉は刺があり(echinate)、散孔がある(pantoporate)。花柱は1または2本、非常に短い。柱頭は頭状。痩果は長さ1.5~2㎜、宿存する花被からわずかに突き出し、瘦果は褐色、光沢がなく鈍く、狭卵形、両凸形。花期は7~8月。果期は8~9月。
葉身は卵形~楕円形、しばしば枝先に数個、束生する。
6 Koenigia coriaria (Grig.) T.M.Schust. & Reveal コエニギア・コリアリア
synonym Polygonum coriarium Grig.
synonym Aconogonon coriarium (Grig.) Sojak
synonym Polygonum bucharicum Grig.
synonym Polygonum nuristanicum Kitam.
中国(新疆)、アフガニスタン、カザフスタン、キルギス、タジキスタン原産。中国名は白花神血宁 bai hua shen xue ning。標高1500~2900mの山の斜面、谷に生える。
多年草。 根がしっかりしている。 茎は直立し、高さ100~150㎝、分枝、条線、無毛。 葉柄は長さ3~4㎜。葉身は下面が帯緑色、上面は緑色、卵形または卵状披針形、長さ5~10㎝×幅2~4㎝、下面には毛があり、上面はほぼ無毛、基部は広楔形、縁は剛毛状の縁毛があり、先は尖鋭形または鋭形。托葉鞘は早落性、褐色、筒状、長さ1.5~2.5㎝、膜質、まばらに長い絨毛がある。花序は頂生の円錐花序、枝が広がり、花序軸と枝は無毛。 苞は披針形で、それぞれに1個または2個の花がつく。小花柄は長さ3~4㎜、関節はなく、上部で広がる。花被は白色、5深裂する。花被片は倒卵形、長さ3~3.5㎜。雄しべは8本、突き出ない。花柱は3本。柱頭は頭状。痩果は宿存する花被の高さに等しく、光沢があり、広卵形、三稜形、長さ3~4㎜、平滑。花期は6~7月。果期は8~9月
7 Koenigia cyanandra (Diels) Mesicek & Sojak コエニギア・キアナンドラ
synonym Polygonum cyanandrum Diels中国(甘粛省、湖北省、青海省、陝西省、四川省、西蔵、雲南省)原産。中国名は蓝药蓼 lan yao liao。標高2200~4600mの芝生の斜面、森林に生える。
一年草。 茎は直立または倒立し、高さ10~25㎝、細く、わずかに角があり、基部で分枝します。 葉柄は長さ5~10㎜。 葉身は卵形または狭い卵形、長さ1~2㎝×幅0.5~1㎝、紙質、両面とも直軟毛があるかまたはほぼ無毛、基部は切形、縁は全縁、まばらに縁毛があり、先は鋭形。托葉鞘は褐色、筒状、膜質、緩く、直軟毛があり、先が裂開し、縁毛はない。花序は頂生または腋生、頭状花序、直径5~6㎜。 苞は狭卵形、膜質。花被は白色または帯緑色、5深裂する。花被片は倒卵形または楕円形、長さ約1.5㎜。雄しべは8本、突き出ない。葯は青色。花柱は3本、非常に短い。柱頭は頭状。痩果は宿存する花被をわずかに超え、褐色、鈍い、卵形、三稜形、長さ約2㎜。花期は7~9月。果期は8~10月。
8 Koenigia davisiae (W.H.Brewer ex A.Gray) T.M.Schust. & Reveal コエニギア・ダビシアエ
synonym Polygonum davisiae W.H.Brewer ex A.Graysynonym Aconogonon davisiae (W.H.Brewer ex A.Gray) Sojak [FNA]
synonym Polygonum newberryi Smallsynonym Aconogonon newberryi (Small) Sojak
synonym Aconogonon davisiae var. glabrum (G. N. Jones) S. P. Hong
USA(カリフォルニア州、アイダホ州、オレゴン州、ワシントン州)原産。英名はDavis' Knotweed , Newberry knotweed。山地から亜高山の斜面、火山の荒野、崖錐の斜面、蛇紋岩の露頭の端に生える。高さ12~42(~50)㎝。茎は斜上~直立し、無毛または毛がある。托葉鞘は赤褐色、漏斗形、長さ0.3~3㎝、縁は斜め、無毛または細かい毛~直軟毛がある。葉柄は長さ0.3~10(~15)㎜。葉身は長円形~卵形、まれに広披針形、長さ2.1~7.5(~9.5)㎝×幅1.1~5㎝、ほぼ革質、基部は切形、またはまれに心形、縁は全縁、無毛または縁毛があり、先は鈍形~鋭形、面はしばしば粉白色になり、無毛または毛がある。花序は腋生の総状花序状。花序柄は本質的に無い。小花柄は長さ0.5~1.9(~2.4)㎜。花は托葉鞘の束生ごとに1~4個つき、まれに雄しべが十分に発達していない花もある。花被片は緑白色~ピンク白色、長さ2~4.5㎜。花被片はわずかに二形性、またはまれに明確に二形性、長円形~倒卵形、先は鈍形。葯は黄色またはピンク色。痩身は突き出し、黄褐色、上部に嘴がなく、長さ3.2~6(~8.3)㎜×幅2.1~5㎜、光沢があり、面は凹まない。2n=20。花期は6~8月。
9 Koenigia delicatula (Meisn.) H.Hara コエニギア・デリカツム
synonym Polygonum delicatulum Meisn. [Flora of China]
中国( 四川省、西蔵省、雲南省)、インド、ブータン、ネパール、シッキム、パキスタン原産。中国名は小叶蓼 xiao ye liao 。標高2600~4300mの高山の牧草地、山の斜面に生える。
1年草。茎は房状で、直立し、高さ8~15㎝、細く、無毛。葉柄は短いか、ほとんど無い。葉身は卵形、長さ4~8㎜×幅3~5㎜、両面とも無毛、基部は心形、縁は全縁、縁毛はなく、先は鋭形。托葉鞘は黄褐色、筒状、膜質、無毛、長さ1.5~2㎜、先は2裂する。花序は腋生、頭状花序、小さい。花序柄は非常に短い。苞は卵形、膜質。小花柄は短く、先に関節がある。花被は白色、5深裂する。外花被片は2個、小さく、先は鈍形。内花被片は3個、広卵形、大きく、長さ約1.5㎜、先は鋭形。雄しべは3本。花柱は3本、長さ約0.3㎜。柱頭は頭状。痩果は宿存する花被を超え、黄褐色、光沢のある、狭卵形、三角形、長さ2~2.5㎜。花期は7~8月。果期は8~9月。2n=28。
9-1 Koenigia delicatula (Meisn.) Hara subsp. relicta O. Hedb.
synonym Koenigia relicta (Kom.) T.M.Schust. & Reveal
synonym Polygonum relictum Kom.
synonym Aconogonon relictum (Kom.) Sojak
ヒマラヤ東部分布。
長い花柱をもつ。花粉形態はチシマミチヤナギ属と異なり、イヌタデ属Persicaria と一致する。
10 Koenigia divaricata (L.) T.M.Schust. & Reveal コバノイワタデ 小葉の岩蓼
synonym Aconogonon divaricatum (L.) Nakaisynonym Polygonum divaricatum L.
synonym Persicaria divaricata (L.) H.Gross
synonym Pleuropteropyrum divaricatum (L.) Nakai
朝鮮、中国(河北省、黒竜江省、河南省、湖北省、吉林省、遼寧省、内モンゴル、青海省、山東省、山西省)、モンゴル、ロシア(極東、東シベリア)原産。中国名は叉分神血宁 cha fen shen xue ning 。英名はDivaricate knotweed。別名はシベリアイワタデ、オオイワタデ。標高300~2100mの谷間の藪、草の茂った斜面に生える。
多年草。 茎は直立し、高さ70~120㎝、無毛で基部から分枝する。 枝が広がる、分岐する。 葉柄は長さ約5㎜。葉身は披針形または長円形、長さ5~12㎝×幅0.5~2㎝、両面とも無毛または直軟毛があり、基部は楔形または狭い楔形、縁は全縁、短い縁毛があり、先は鋭形。托葉鞘は筒状、長さ1~2㎝、膜質、直軟毛があるかまたは無毛、斜め、裂開する。花序は円錐花序、枝が広がる。苞は卵形、脈があり、それぞれに2個または3個の花がつく。小花柄は苞の長さと同じで、長さ2.5~3㎜、先には関節がある。花被は白色、5深裂する。花被片は楕円形、長さ2.5~3㎜、不等長。 雄しべは7または8本。花柱は3本、非常に短い。柱頭は頭状。痩果は宿存する花被を明らかに超え、黄褐色、光沢があり、広楕円形、三稜形、長さ5~6㎜。花期は7~8月。果期は8~9月。
11 Koenigia fertilis Maxim. コエニギア・フェルティリス
synonym Polygonum fertile (Maxim.) A.J. Li
中国(甘粛省、青海省、四川省、西蔵)原産。中国名は青藏蓼 qing zang liao。標高2700~4900mの山の斜面、湿った谷に生える。
1年草、矮性。茎は直立または斜上し、高さ5~10㎝、細く、分枝し、無毛。葉柄は長さ2~3㎜、細い。 葉身は倒卵形または楕円形、長さ3~6㎜×幅2~4㎜、両面は無毛または下面にまばらに直軟毛があり、基部はほぼ切形または広楔形、縁にはまばらに縁毛があり、先は鈍形またはほぼ鋭形。托葉鞘は褐色、筒状、膜質、2裂し、基部に直軟毛があり、先は鋭形。花序は腋生または頂生、花が束生する。花被は白色、4深裂する。花被片は楕円形または倒卵形、長さ1~1.5㎜。雄しべは3または4本。花柱2または3本、非常に短い。柱頭は頭状。痩果は宿存する花被をわずかに超え、褐色、鈍い、狭卵形、両凸形、稀に三稜形、長さ2~2.5㎜。花期は7~8月。果期は8~9月。
12 Koenigia filicaulis (Wall. ex Meisn.) T.M.Schust. & Reveal コエニギア・フィリカウリス
synonym Polygonum filicaule Wall. ex Meisn.synonym Polygonum radicans Hemsl.
synonym Polygonum minutum Hayata
synonym Persicaria minuta (Hayata) Nakai
中国(青海省、四川省、西蔵、雲南省)、台湾、インド、ブータン、ネパール、シッキム、パキスタン、ミャンマー原産。中国名は细茎蓼 xi jing liao。標高2000~4000mの山の斜面、谷間の藪に生える。
1年草。 茎は傾伏し、房状で、高さ10~30㎝、細く、よく分枝し、まばらに剛毛があり、節の下に後屈する毛がある。葉柄は長さ3~5㎜、剛毛がある。葉身は卵形または披針状卵形、長さ1~3㎝×幅0.5~1㎝、両面には密~疎に剛毛があり、基部は楔形、縁は縁毛があり、先は鋭形。托葉鞘は筒状、膜質、剛毛があり、縁毛がある。花序は腋生または頂生、頭状花序。花序柄は剛毛がある。苞は狭卵形、膜質、それぞれに1個または2個の花がつく。小花柄は長さ約1㎜、先に関節がある。花被は白色またはピンク色、5深裂する。花被片は楕円形。外花被片は2個、小さい。内花被片は3個、長さ約1.5㎜。雄しべは3または4本。葯は紫色。花柱は3本、短い。柱頭は頭状。痩果は宿存する花被をわずかに超え、黄褐色、±光沢があり、楕円形、三稜形、長さ約2㎜、先は鋭形。花期は7~8月。果期は8~10月。
13 Koenigia forrestii (Diels) Mesicek & Sojak コエニギア・フェレスティー
synonym Polygonum forrestii Diels中国(貴州省、四川省、西蔵、雲南省)、ブータン、ネパール、シッキム、ミャンマー原産。中国名は六铜钱叶神血宁 liu tong qian ye shen xue ning。標高3500~4800mの草が生い茂った斜面、高山の牧草地に生える。
多年草。 茎は這い、房状に茂る。 枝は直立し、高さ5~20㎝、絨毛がある。葉柄は長さ3~5㎝、長い直軟毛がある。葉身はほぼ円形または腎形、直径1~4㎝、両面には長い直軟毛があるかまたはほぼ無毛、基部は心形、縁には密に縁毛があり、先は鈍形。托葉鞘は緩い筒状、膜質、直軟毛があり、斜め。花序は頂生、散房花序状の集散花序。 苞は長円形で、薄い膜質。小花柄は苞より長く、長さ4~5㎜、無毛、先には関節がある。花被は白色または帯黄色、5(または4)深裂する。花被片は倒卵形、長さ4~5㎜、不等長。 雄しべは6~8本。葯は紫色。花柱は3本、非常に短い。柱頭は頭状。痩果は宿存する花被に包まれ、黄褐色、鈍い、狭楕円形、三稜形、基部が狭く、長さ2~3㎜。花期は7~8月。果期は8~9月。2n=14。
14 Koenigia hedbergii Bo Li & W.Du コエニギア・ヘドベルギー
中国原産。2016年に報告された新種。 湖北省の北西部にある神農嘉国立自然保護区で採取された。中国名は神农架蓼 shen nong jia liao。
葉が披針形または披針状卵形、側脈は6~11対あり、明瞭な波状縁である。托葉鞘は無毛だが基部にまばらに毛がありる。痩果は鋭い三稜形て、3個の縁は顕著な竜骨状。花粉粒は新種のケーニギア型。
15 Koenigia hookeri (Meisn.) T.M.Schust. & Reveal コエニギア・フーケリ
synonym Aconogonon hookeri (Meisn.) H.Harasynonym Polygonum hookeri Meisn.
synonym Persicaria acaulis Gross
synonym Polygonum acaule J. D. Hooker
synonym Rheum hirsutifolium Losinskaja
synonym Rheum hirsutum Maximowicz ex Franchet
中国(甘粛省、青海省、四川省、西蔵、雲南省)、ブータン、シッキム原産。中国名は硬毛神血宁 ying mao shen xue ning。標高3500~5000mの草が生い茂った斜面、谷間の茂み、高山の牧草地に生える。
多年草、雌雄異株。 根茎は丈夫で木質。 根茎から多数の茎を出し、直立し、高さ10~20(~30)㎝、まばらに毛があり、単純である。葉柄は長さ5~10㎜。 根生葉の葉身は狭楕円形またはへら形、長さ5~10㎝×幅1.5~3㎝、両面に毛があり、下面は中脈に沿って密に毛があり、基部は狭楔形で、縁は全縁、縁毛が密で、先は円形。茎葉は小さくなる。托葉鞘は筒状、膜質、密に粗毛があり、先が斜め。花序は頂生の円錐花序、まばらに分枝する。花序軸と枝は粗毛がある。苞は狭披針形で、各苞に花が1個ずつつく。小花柄は関節がある。花は単性。雌花は花被は紫赤色、5深裂し、縁は黄緑色。花被片は長円形、長さ2~3㎜、脈があり、先は円形、不等長。花柱は3本。柱頭は頭状。雄花は雄しべ8本が突き出ず、葯は赤紫色。痩果は宿存する花被をわずかに超え、褐色、光沢があり、広卵形、三稜形、長さ2.5~3㎜、基部がくびれ、先は鋭形。花期は6~8月。果期は8~9月。
16 Koenigia islandica L. チシマミチヤナギ 千島道柳
synonym Polygonum islandicum (Linnaeus) J. D. Hooker
synonym Macounastrum islandicum (L.) Small
周極地域(ヨーロッパ北部、北アメリカ)~ヒマラヤ(中国、モンゴル、ロシア、インド、ブータン、ネパール、シッキム、パキスタン、カザフスタン、キルギスタン)に広く分布。中国名は冰岛蓼 bing dao liao。英名はIsland Purslane
1年痩、矮性。茎は直立、普通、叢生、帯赤色、高さ3~8㎝、細く、無毛、枝は広がる。葉は互生、まれに、上部で対生。葉柄は長さ1~3㎜、無毛。葉身は広楕円形~倒卵形~円形に近く、長さ3~5㎜×幅2~4㎜、両面とも無毛、まばらに斑点があり、基部は広楔形、全縁、先は鈍形。托葉鞘は緩く、褐色、長さ1.5~2㎜、薄い膜質。花は腋生、束生。花被は帯緑色、3深裂。花被片は広楕円形、長さ約1㎜。雄しべは3個、花被より短い。花柱は2~3個、ごく短い。柱頭は2(又は3)個、頭状。痩果は褐色、光沢が無く、長さ1.2~1.5㎜、顆粒状。花期は7~8月。果期は8~9月。2n=28。
17 Koenigia jurii (A.K.Skvortsov) T.M.Schust. & Reveal ケイワタデ 毛岩蓼
synonym Polygonum jurii A.K.Skvortsov
synonym Aconogonon jurii (A.K.Skvortsov) Holub
synonym Aconogonon brachytrichum (Ohwi) Sojak
synonym Pleuropteropyrum brachytrichum Ohwi
synonym Aconogonon platyphyllum (Kitag.) H.Hara ヒロハイワタデ
synonym Pleuropteropyrum platyphyllum Kitag.
中国北部、ロシア原産。詳細不明。中国名は宽叶蓼 kuan ye liao。
高さ80cmまで。 茎は直立または斜上、基部から強く分枝し、節の下は無毛または毛が生える。葉身は広卵形~広披針形、長さ5~12㎝、上部の葉は幅2~8㎝、先は細長く、基部は円形または広楔形、毛があり、上面は暗緑色。托葉鞘は長い毛がある。一般的に花序は円錐花序状で、やや緩い。花被は帯白色、小葉柄の基部に関節がある。果実は薄褐色、3稜形、わずかに光沢がある。花期は7~9月。
18 Koenigia lichiangensis (W.W.Sm.) T.M.Schust. & Reveal コエニギア・リッチアンゲンシス
synonym Polygonum lichiangense W.W.Sm. [Flora of China]synonym Aconogonon lichiangense (W.W.Sm.) Sojak
synonym Reynoutria lichiangensis (W. W. Smith) Moldenke
中国(雲南)原産。中国名は丽江神血宁 li jiang shen xue ning。標高2800~4100mの芝生の斜面、森林の縁に生える。
多年草。 茎は直立し、高さ60~100㎝、丈夫で、多数分枝し、条線があり、密に剛毛があり、剛毛は脱落する。葉柄は長さ3~4㎜、剛毛が密である。葉身は上面が緑色、広披針形または長円状披針形、長さ6~12㎝×幅2~4㎝、下面に密に帯灰色の綿毛があり、上面はまばらに伏した剛毛があり、下面で中脈が目立つ。托葉鞘は筒状、長さ2~3㎝、膜質、脈があり、まばらに長い剛毛があり、斜め。花序は円錐花序、大きい。花序軸と枝には密に白色の毛がある。苞は褐色、披針形、長さ2~2.5㎜、それぞれに1個または2個の花がつく。小花柄は長さ3~3.5㎜、細く、関節がある。花被は白色、5深裂する。花被片は倒卵形、不等長、長さ4~5㎜。 雄しべは8本、突き出ない。葯は黄色。花柱は3本、長さ約0.5㎜。柱頭は頭状。痩果は宿存する花被が突き出ず包まれ、鈍い、楕円形、三稜形、長さ3~3.5㎜、平滑。花期は7~9月。果期は9~10月。
19 Koenigia limosa (Kom.) T.M.Schust. & Reveal ヤチタデ 谷地蓼
synonym Aconogonon limosum (Kom.) H.Hara
synonym Pleuropteropyrum limosum (Kom.) Kitag.
synonym Polygonum limosum (Kom.) Kom.
synonym Polygonum divaricatum var. limosum Kom.
朝鮮、中国(吉林省)、ロシア(極東)原産。中国名は谷地神血宁 gu di shen xue ning。標高400~1800mの山の斜面、森林縁、谷間の藪に生える。
多年草。 茎は大きく、高さ90~150㎝、上部で分枝し、節は無毛または毛がある。葉柄は長さ2~4㎝。 葉身は下面が帯緑色、上面が緑色、卵形または披針状卵形、長さ6~15㎝×幅3~9㎝、紙質、両面とも無毛または直軟毛があり、基部は円形、縁は縁毛があり、先は尖鋭形。托葉鞘は筒状、膜質、裂開性、直軟毛がある。花序は円錐花序、広がり、緩い。苞は狭卵形、先は鋭形、それぞれに2個または3個の花がつく。小花柄は苞より長く、細く、先に関節がある。花被は白色、5深裂する。花被片は楕円形、長さ1.5~2㎜。 雄しべは8本、突き出ない。花柱は3本。柱頭は頭状。痩果は宿存する花被を明らかに超え、垂れ下がり、灰褐色、わずかに光沢があり、狭い卵形、三稜形、長さ3~4㎜。花期は7~8月。果期は8~9月。
20 Koenigia microcarpa (Kitag.) comb.ined. コウライイワタデ 高麗岩蓼
synonym Aconogonon microcarpum (Kitag.) H.Hara [YList]
synonym Pleuropteropyrum microcarpum Kitagawa in Bot. Mag., Tokyo, 1. 73 (1936)
synonym Polygonum microcarpum (Kitag.) M.K.Parksynonym Aconogonon microcarpum (Kitag.) Yong J.Li
朝鮮固有種。Kewscienceには認められていない。
根茎が発根する節まで下降する。茎は単生、直立し、上部は堅く、二分分枝で、多数分枝し、わずかに湾曲し、平滑、節は無毛、わずかに太くなり、細く、枝は緩く直立開出する。托葉鞘は薄い膜質、暗灰色、縦脈があり、先は徐々に尖鋭形、縁は全縁、外側は無毛、基部はまばらに毛が生え、内側は無毛で、不規則に裂ける。葉は短い葉柄があり、狭卵形、先は次第に尖鋭形、基部は広くさび形で葉柄に沿下し、縁は全縁、波状または平坦、薄い草質、上面は緑色、まばらに毛があり、下面は脈まで淡色、ごくまばらに毛があるかまたはほぼ無毛で、縁は密に縁毛があり、葉柄を含んで、長さ13.5㎝×幅5㎝・以下。葉柄は無毛。花序は頂生の総状花序、または側部に単純または分枝した細長い多数の花が緩くつく。苞は三角形、先は尾状尖鋭形、両側が薄い膜質、褐色、基部は無毛で、前部のみ毛がある。鞘状苞(ochreola)は無毛、薄い膜質の苞であり、ほぼ同長、節に花が3~4個つく。小花柄はわずかに突き出し、先の下に関節があり、無毛、平滑で硬い。花被は花時に長さ1.7㎜、広鐘形、無毛、花被片はほぼ鐘形の楕円状卵形、先は円形。花糸は錐形、無毛、長さ0.7㎜。葯はほぼ円形、長さ約0.3㎜。子房は三角状楕円形、無毛、長さ0.8㎜。花柱は基部から3分岐して枝が伸び、先に向かって徐々に太くなり、先端は頭状の柱頭。 堅果は宿存する花被の2倍の長さで、鋭い3稜形、光沢があり、両面が楕円状菱形、長さ約3㎜×幅1.5~2.0㎜。
Pleuropteropyrum 属では、小花柄の関節の位置が種を区別する上で最も重要な特徴の1つであり、この種では、関節は頂端内、つまり関節が花被の基部から若干離れた位置にあるが、次のPleuropteropyrum mollifoliumでは、関節は常に小花柄の中央より下に配置される。 Pleuropterop yruin microcarpum KITAGAWA はわずか3㎜ の小さな楕円形の堅果で近縁種と区別でき。宿存する花被の2倍の長さがある。葉は比較的幅が広く、先が徐々に尖り、縁は波打つことがよくある。苞の基部には前部のみ白い毛が生える。
21 Koenigia mollifolia (Kitag.) ケコバノイワタデ 毛小葉の岩蓼
synonym Aconogonon mollifolium (Kitag.) H.Hara [YList]
synonym Pleuropteropyrum mollifolium Kitagawa ウスバイワタデ
synonym Polygonum mollifolium (Kitag.) Park
synonym Aconogonon mollifolium (Kitag.) Yong J.Li
朝鮮固有種。別名はウスバイワタデ。
根茎は密に根もつ節に向かって下降する。茎は明らかに単生、直立し、細く、全体に条線があり、あるいは真っすぐな背面に長い単純な毛があり、上部にはまばらに毛があり、まばらに枝分かれし、高さ56㎝。葉は互生し、葉柄は短く~ほぼ無柄、葉身は卵形、先は±尾状尖鋭形、基部は広楔形~円形~楔形、縁はほぼ全縁、薄い草質、初めは柔らかく、非常に波状でカリカリ縮れ、その後、平らで、上面は全体に緑色、または縁近くだけ緑色になり、下面はまばらにわずかに伏毛~小剛毛があり、脈はより淡色で、すべてまばらに密に直軟毛があり、縁はしばしば直軟毛の縁毛があり、葉柄を含んで、長さ9.5㎝×幅3.3㎝・まで。葉柄は ±翼があり、長さ9㎜まで、翼の縁に直軟毛の縁毛がある。托葉鞘は薄い膜質、すぐにしおれた褐色になり、外側に強い縦脈があり、内側には密に毛が生え、縁は無毛。総状花序は頂生、腋生の短い多数の花が花時に密につき、短く、果時に疎になり、花序柄は無く、または基部のみに葉がつき(つまり、根元の葉腋に常に花を付ける)、長さ8㎝以下。長い苞は薄い膜質光沢があり、基部の外側には密に毛が生える。鞘状苞(ochreola)は薄い膜質で、光沢があり、無毛、節に1~3個の花がつく。小花柄は細い糸状、花時に中央より下に関節があり、果時に少し縦に突き出し、長く(長さ4.5㎜まで)、垂れ下がる。花被は帯緑色、長さ2.5~4㎜、不均等な楕円形、脈があり、先は鈍形~円形、両面とも無毛、縁は無毛、または中央にまばらに縁毛がある。花被片の基部に付着した花糸は花被よりもはるかに短く、下部が広がり、長さ0.7㎜。葯は球形、長さ0.3㎜。子房は無毛、3稜形の楕円状菱形。花柱は3分岐し、枝は開き、先端に頭状の柱頭がある。堅果は花被からわずかに突き出し、長さ4㎜、薄い褐色の鋭い三稜形、面はほぼ楕円状菱形、基部は広い楔形~尖鋭形、先は鋭形、強い光沢がある。
これは非常に注目に値する種で、茎はかなり低く、葉は幅広で柔らかく、両面に長い白毛が生えており、縁にはより密に毛があり、酸によりしばしば縁毛のある花被片となる。小花柄の関節は常に中央より下に位置しており、このことがこの種をこの属の他の韓国種とはかなり区別するものである。
22 Koenigia mollis (D.Don) T.M.Schust. & Reveal コエニギア・モリス
synonym Polygonum molle D.Don [Flora of China]
synonym Aconogonon molle (D.Don) H.Hara
中国(広西チワン族自治区、貴州省、西蔵、雲南省)、インド、ブータン、ネパール、シッキム、ミャンマー、タイ、インドネシア原産。中国名は绢毛神血宁 juan mao shen xue ning。標高1200~3500mの斜面、森林、草が茂った場所、谷の藪に生える。
亜低木。 茎は直立し、ときにわずかに斜上し、高さ0.9~1.5[~3]m、よく分枝し、粗毛があり、逆向きの粗毛があるか、または無毛。葉柄は長さ1~1.5㎝、密に毛があるかまたは無毛。 葉身は下面が淡緑色、上面が緑色、楕円形または楕円状披針形、長さ10~20㎝×幅3~6㎝、下面には絹毛があり、上面はまばらに絹毛があり、葉脈に沿って密にあり、または両面全体が無毛、基部は楔形、縁は全縁、先は尖鋭形。托葉鞘は暗褐色、筒状、長さ2~3㎝、膜質、斜め、有毛または無毛。 花序は広がり、円錐花序で、大きい。花序軸と枝は密に毛があるかまたは無毛。苞は卵形。小花柄は先に関節がある。花被は白色、5深裂する。花被片は楕円形、長さ1.5~2㎜、果時に大きくなって肉質で、暗色になる。雄しべ8本、突き出ない。花柱は3本、離生。柱頭は頭状。痩果は宿存する花被をわずかに超え、黒色、光沢があり、卵形、三稜形、長さ2~2.5mm。花期は8~9月。果期は9~11月。
23 Koenigia nepalensis D.Don アラガソウ
synonym Koenigia filicaulis (Wall. ex Meisn.) Hedberg
synonym Polygonum filicaule Wall. ex Meisn. [Flora of China]
synonym Persicaria minuta (Hayata) Nakai;synonym Polygonum minutum Hayata
synonym Polygonum radicans Hemsley.
中国(青海省、四川省、西蔵、雲南省)、台湾、インド、ブータン、ネパール、シッキム、ミャンマー、パキスタン原産。中国名は细茎蓼 xi jing liao。標高2000~4000mの山の斜面、谷間の藪に生える。
1年草。 茎は横臥し、房状で、高さ10~30㎝、細く、よく分枝し、まばらに剛毛があり、節の下に後屈する毛がある。葉柄は長さ3~5㎜、剛毛がある。葉身は卵形または披針状卵形、長さ1~3㎝×幅0.5~1㎝、両面は密または疎に剛毛があり、基部は楔形、縁には縁毛があり、先は鋭形。托葉鞘は筒状、膜質、剛毛があり、縁毛がある。花序は腋生または頂生、頭状花序。花序柄には剛毛がある。苞は狭卵形で膜質、それぞれに1個または2個の花がつく。小花柄は長さ約1㎜、先に関節がある。花被は白色またはピンク色で、5深裂する。花被片は楕円形。外花被片は2個、小さく、内花被片は3個、長さ約1.5㎜。雄しべは 3または4本。葯は紫色。花柱は3本、短い。柱頭は頭状。痩果は宿存する花被をわずかに超え、黄褐色、±光沢があり、楕円形、三稜形、長さ約2㎜、先は鋭形。花期は7~8月。果期は8~10月。
24 Koenigia nummulariifolia (Meisn.) Mesicek & Sojak コエニギア・ヌムムラリフォリア
synonym Polygonum nummulariifolium Meisn. [Flora of China]
中国(雲南省、西蔵)、インド、ブータン、ネパール、カシミール、シッキム、ミャンマー原産。中国名は铜钱叶神血宁 tong qian ye shen xue ning 。標高3300~4800mの芝生の斜面に生える。多年草、矮性。 茎は這い、マット状の房を形成する。枝は長さ1.5~3㎝、節間は短く、節から発根する。葉柄は長さ2~5㎜、無毛または直軟毛があり、葉身は円形または腎状円形、直径3~5㎜、下面に毛があり、上面は無毛、下面で中脈が目立ち、基部は円形、縁はほぼ全縁、縁毛があり、先は鈍形。托葉鞘は筒状、膜質、直軟毛があり、斜め。花序は頂生、散房花序、密。花被は白色、5深裂する。花被片は楕円形、等長、長さ約1㎜。 雄しべは通常 5本、突き出ない。葯は紫赤色。花柱は2本、非常に短い。柱頭は頭状。痩果は黄褐色、わずかに光沢があり、広卵形、両凸形、長さ約1.5㎜。花期は8~9月。果期は9~10月。
25 Koenigia ocreata (L.) T.M.Schust. & Reveal ホソバオヤマソバ 細葉雄山蕎麦
synonym Aconogonon ochreatum (L.) Nakaisynonym Polygonum ocreatum L. [Flora of China]
synonym Polygonum riparium Georgi
synonym Persicaria laxmannii (Lepechin) H. Gross
synonym Pleuropteropyrum laxmannii (Lepechin) Kitagawa
synonym Aconogonon riparium (Georgi) H.Hara,
synonym Polygonum ocreatum var. laxmannii (Lepech.) M.Pop.
synonym Aconogonon ochreatum (L.) Nakai var. laxmannii (Lepech.) Tzvelev
中国(吉林省、内モンゴル)、モンゴル、ロシア原産。中国名は白山神血宁 bai shan shen xue ning。標高1400~2500mの草が茂った斜面、湿った谷に生える。多年草。 茎は直立し、高さ30~40(~50)㎝、基部から分枝し、まばらに毛があるかまたは無毛で、細い条線がある。枝は広がる。葉柄は長さ3~5㎜。 葉身は披針形または線状披針形、長さ4~7㎝×幅5~8㎜、両面に粗毛があり、または下面に粗毛があり、基部は狭い楔形、縁は全縁、短い縁毛がある。托葉鞘は筒状、膜質、まばらに粗毛があり、脈がある。花序は円錐花序、密に花がつき、枝は広がる。 苞は狭い卵形で、有毛または無毛で、それぞれに1個または2個の花がつく。小花柄は長さ2~2.5㎜、先に関節がある。花被は白色、5深裂する。花被片は楕円形、長さ2.5~3㎜。雄しべは8本。花柱は3本、短い。柱頭は頭状。痩果は宿存する花被に含まれ突き出ず、光沢があり、卵形、三稜形、長さ3~3.5㎜。花期は7~8月。果期は8~9月。
26 Koenigia panjutinii (Kharkev.) T.M.Schust. & Reveal コエニギア・パンジュティニー
synonym Polygonum panjutinii Kharkev.synonym Aconogonon panjutinii (Kharkev.) Sojak
synonym Persicaria panjutinii (Kharkev) Cubey
コーカサス原産。
多年生。茎は赤みを帯びる。葉は輪生、互生し、広披針形で、縁はわずかに波打つ。花茎には、垂れ下がった花序の隣に、耳の形をした花序が多数つく。花は白色、直径約1㎝。
27 Koenigia phytolaccifolia (Meisn. ex Small) T.M.Schust. & Reveal コエニギア・フィトラクキフォリア
synonym Polygonum phytolaccifolium Meisn.synonym Aconogonon phytolaccifolium (Meisn. ex Small) Small
synonym Polygonum smallii Kongar北アメリカ(USA西部)原産。英名はpoke Knotweed。標高1200~3100mの高山および亜高山の牧草地、崖錐の斜面、川岸に生える。
高さ(50~)70~150(~200)㎝。 茎は直立し、無毛になるかまたは毛がある(var. glabrumは無毛)。托葉鞘は赤褐色、漏斗形、長さ1~3cm、縁は斜め、無毛になるかまたは毛がある(var. glabrumは無毛)。 葉柄は長さ5~20㎜。葉身は披針形~卵状披針形、長さ5~15(~19)㎝×幅1.4~7.5㎝、ほぼ革質ではなく、基部は円形、縁は全縁、ザラつき~縁毛があり(var. glabrumは無毛)、先は鈍形~尖鋭形、表面は粉白色でなく、無毛または密に毛がある。花序は通常、頂生~ほぼ頂生および腋生、円錐花序状。花序柄は長さ0.5~12㎝、無毛または毛がある。小花柄は0.9~3㎜(var. glabrumは長さ(1.1~)1.6~4㎜)。花は小束ごとに1~3個、まれに雄しべが十分に発達していない花もある。花被片は白色~緑白色、長さ2.5~3.5㎜。 花被片はわずかに二形、卵形~倒卵形、先は鈍形。葯は黄色~ピンク色。痩果は通常、黄褐色、上部に嘴はなく、長さ(3~)3.8~7㎜×幅2.3~4.8㎜、光沢があり、面は凹面。花期は6~8月。
var. glabrumはKewsienceではunplacedとしている。
27-1 Aconogonon phytolaccifolium (Meisner ex Small) Rydberg var. glabrum S. P. Hong
カリフォルニア州、アイダホ州、ネバダ州、オレゴン州に分布。標高1800~3400mの砂地から岩だらけのトウヒとモミの森林に生える。茎は無毛。 托葉鞘は無毛。葉は葉身が長さ5.4~12.5㎝×幅1.6~5㎝、縁は無毛、表面は無毛。小花柄は長さ(1.1~)1.6~4㎜。花期は6~8月。
28 Koenigia pilosa Maxim. コエニギア・ピロサ
synonym Polygonum pilosum (Maxim.) Hemsl.
synonym Polygonum sparsipilosum A.J.Li [FOC]
synonym Polygonum sparsipilosum var. sparsipilosum
中国( 甘粛省、内モンゴル、青海省、陝西省、四川省、西蔵)原産。中国名は柔毛蓼 rou mao liao。標高2300~4300mの草が生い茂った斜面、湿った谷に生える。
1年草。 茎は斜上または平伏し、高さ10~30㎝、細く、角張り、分枝し、有毛または無毛。 葉柄は長さ4~8㎜。 身は広卵形、長さ1~1.5㎝×幅0.8~1㎝、紙質、両面に直軟毛があり、基部は広楔形またはほぼ切形、縁は縁毛があり、先は鈍形。托葉鞘は筒状で、裂開があり、基部には密に毛がある。花序は頂生または腋生、頭状花序。 苞は卵形、膜質、各苞に花が1個ずつつく。小花柄は短い。花被は白色または帯緑色、4深裂し、腺点は有または無。花被片は広楕円形、長さ約2㎜、不等長。稔性の雄しべは2~8本、葯は黄色。花柱は3本、非常に短い。柱頭は頭状。痩果は宿存する花被に包まれ突き出ず、黄褐色、わずかに光沢があり、卵形、三稜形、長さ約2mm。花期は6~7月。果期は8~9月。
29 Koenigia polystachya (Wall. ex Meisn.) T.M.Schust. & Reveal コエニギア・ポリスタチャ
synonym Polygonum polystachyum Wall. ex Meisn.synonym Aconogonon polystachyum (Wall. ex Meisn.) M.Kral
中国(四川省、西蔵、雲南省)、インド、ブータン、ネパール、ミャンマー、カシミール、シッキム、パキスタン、アフガニスタン原産。中国名は多穗神血宁 duo sui shen xue ning 。英名はHimalayan Knotweed , cultivated knotweed。標高2200~4500mの森、谷に生える。亜低木。 茎は80~100㎝、よく分枝し、角張っていて、毛があり、ときに無毛。葉柄は大きく、長さ約1㎝。葉身は下面が灰緑色、上面は緑色、広披針形、長円状披針形、または披針形、長さ6~17㎝×幅3~7㎝、下面に密に毛があり、上面にまばらに毛があり、基部は矛状心形またはほぼ切形、先は尖鋭形。托葉鞘は緩く、暗褐色、筒状、斜め、長さ3~4㎝、膜質、密に毛があり、縁毛はない。花序は頂生の円錐花序、広がり、花序軸と枝は毛がある。花被は白色またはピンク色、5深裂し、直径約4㎜。花被片は不等長。外側の2個の花被片は小さく、内側の3個の花被片は広倒卵形、大きく、長さ約3㎜。 苞は卵形、膜質、毛があり、先は鋭形。小花柄は苞よりも長く、細く、無毛またはまばらに毛があり、先には関節がある。雄しべは8本、突き出ない。葯は紫色。花柱は3本、離生。柱頭は頭状。痩果は宿存する花被に包まれ突き出ず、褐色、卵形、三稜形、長さ約2.5㎜、平滑。花期は8~9月。果期は9~10月。
29-1 Polygonum polystachyum var. polystachyum
中国(四川省、西蔵、雲南省)、アフガニスタン、ブータン、インド、カシミール、ミャンマー、ネパール、パキスタンに分布。中国名は多穗神血宁 duo sui shen xue ning。標高2700~4500mの山の斜面や谷の混交林に生える。
葉身は広披針形または長円状披針形、長さ6~17㎝×幅3~7㎝。花期は8~9月。果期は9~10月。
32-2 Polygonum polystachyum var. longifolium J. D. Hooker
中国(西蔵、雲南省)、インドに分布。中国名は长叶多穗神血宁 chang ye duo sui shen xue ning。標高2200~3800mの 森、谷に生える。葉身は狭披針形または線状長楕円形で、長さ8~15㎝×幅1.5~3cm。
30 Koenigia rumicifolia (Royle ex Bab.) T.M.Schust. & Reveal コエニギア・ルミキフォリア
synonym Polygonum rumicifolium Royle ex Bab.synonym Aconogonon hissaricum (Popov) Sojak
synonym Aconogonon rumicifolium (Royle ex Bab.) H.Hara
アフガニスタン、カザフスタン、キルギスタン、ネパール、パキスタン、タジキスタン、ウズベキスタン、西ヒマラヤ原産。英名はdock-leaf knotweed。標高3000~4500mの斜面や湿った日陰の場所、開けた岩場の斜面や高山の牧草地、小川沿いや裂け目の間に生える。2年草~ 多年草、直立し、高さ20~60㎝、無毛~有毛。茎はほとんどが単純で、丈夫で、赤褐色、 縦溝があり、無毛~密に有毛、ときに溝にのみ毛がある。 葉は厚く、やや多肉質、長さ(4.0~)5.0~14(~15)㎝x幅2~7(~10)㎝、広披針形~狭卵形、先は鋭形~尖鋭形、全縁~歯があり、縁と葉脈に縁毛があり、表面に毛がありまたは無毛。托葉鞘は長さ2~6㎝、筒状、膜質、縁毛があり、主に脈上にあり、縁に歯がある。花序は緩~密で、少数または多数の花がつき、頂生および腋生、長さ2~8㎝の円錐花序となり、枝は果時に下向きにうなづく。苞(ochreolae;タデ科の托葉鞘)は楕円形、鋭形。花は小さく、直径約4cm、無柄。花被片は5個、長さ1.5~4.5(~6)㎜x幅1.2~3.0㎜、2列、不等長、倒卵状楕円形、鈍形、帯緑色。雄しべは7~8本、等長で、花糸はそれほど長くなく、葯は背着。 子房は三稜形、長さ0.25~0.1㎜×幅0.25~0.5㎜、倒卵形。花柱は3個、離生、非常に短い。柱頭は頭状。堅果は三稜形、長さ3~5㎜x幅2~2.5(~3)㎜、褐色、無毛、光沢があり、花被片をわずかに越えて突き出る。花期は6~7月。
31 Koenigia songarica (Schrenk) T.M.Schust. & Reveal コエニギア・ソンガリカ
synonym Polygonum songaricum Schrenk [Flora of China]synonym Aconogonon songoricum (Schrenk) H.Hara
synonym Polygonum angustifolium Pallas var. songaricum (Schrenk) Steward.
中国(新疆)、モンゴル、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン原産。中国名は准噶尔神血宁 zhun ga er shen xue ning。標高1800~3500mの草が茂った斜面、森林の縁に生える。多年草。 茎は直立し、高さ20~60㎝、上部で分枝し、直軟毛があり、線条がある。葉柄は長さ2~4㎝、直軟毛がある。葉身は下面が帯緑色、上面が緑色、卵形または広卵形、長さ5~10㎝×幅3~5㎝、下面に直軟毛があり、上面は無毛または直軟毛があり、基部は円形または心形、わずかに沿下し、縁は全縁またはわずかに波打ち、密に縁毛があり、先は長い尖鋭形。托葉鞘は褐色、筒状、長さ2~3㎝、膜質、上部で裂開し、脈に沿ってまばらに絨毛がある。花序は頂生または腋生、円錐花序状、まばらに分枝し、わずかに広がり、果時に垂頭する(nutant:点頭)。苞は卵形、膜質、それぞれに1個または2個の花がつく。小花柄は長さ2~3㎜、細く、中央に関節がある。花被は赤色、縁は白色または帯緑色、5深裂する。花被片は楕円形、不均等、長さ2.5~3㎜、果時に大きくなり、長さ約4㎜。 雄しべは7または8本。花柱は3本。柱頭は頭状。痩果は宿存する花被高さが等しく、褐色、光沢があり、卵形、鋭角な三稜形、長さ3.5~4㎜。花期は6~8月。果期は7~9月。
32 Koenigia tortuosa (D.Don) T.M.Schust. & Reveal コエニギア・トルトゥオサ
synonym Polygonum tortuosum D.Don, [Flora of China]synonym Aconogonon tortuosum (D.Don) H.Hara
synonym Pleuropteropyrum tortuosum (D. Don) Munshi & Javeid
synonym Polygonum peregrinatoris Paulsen
中国(西蔵)、インド、ネパール、パキスタン、アフガニスタン、アジア西南部原産。中国名は叉枝神血宁 cha zhi shen xue ning。標高3600~4900mの草が生い茂った斜面、藪、谷に生える
亜低木。 根は丈夫。茎は直立し、赤褐色、高さ30~50㎝、無毛または毛がある。枝は2又分岐する。葉は葉柄が非常に短いか、ほとんど無く、葉身は卵形または狭卵形、長さ1.5~4㎝×幅1~2㎝、ほぼ革質、両面は毛があるかまたは無毛、中脈は下面に突出し、上面で窪んでいて、基部は円形またはほぼ心形、縁は全縁、縁毛があり、わずかに外巻きし、ほぼ波形で、先は鋭形。托葉鞘は緩く、褐色、筒状、長さ1~2㎝、膜質、わずかに斜め、密に毛がある。花序は頂生、円錐花序、密。苞は膜質、毛がある。小花柄は関節がある。花被は白色、鐘形、5深裂する。花被片は倒卵形、長さ2.5~3㎜、不均等。 雄しべは8本、突き出ない。葯は紫色。花柱は3本、非常に短い。柱頭は頭状。痩果は宿存する花被に包まれ突き出ず、褐色、卵形、鋭角な三稜形、 長さ約3㎜。花期は7~8月。果期は9~10月。
33 Koenigia tripterocarpa (A.Gray) T.M.Schust. & Reveal コエニギア・トリプテロカルパ
synonym Polygonum tripterocarpum A.Gray ex Rothr.synonym Pleuropteropyrum tripterocarpum (A.Gray) H.Gross
synonym Aconogonon tripterocarpum (A.Gray) H.Hara
synonym Polygonum pawlowskianum Glehn
synonym Pleuropteropyrum pawlowskianum (Glehn) H.Gross
ロシア原産。沼地や湿地帯の牧草地、岩だらけの斜面や小石、ヤナギやハンノキの森林、ときに湿地の森林内に生える。
多年草。高さ50(70)㎝まで、根茎は長く這う。 茎は直立し、通常は花序でのみ分岐し、無毛、頻繁ではないが、下部の節は非常に短い毛があり、しばしば赤みがかる。葉身は披針形~線形、長さ3~9㎝×幅0.4~1.8㎝、基部は多少、くさび形になりで、端のみに、ときに中央でも、下部の脈には非常に短く、粗い毛がある。葉柄は長さ0.4cmまで。托葉鞘は無毛、たまに極短い毛がまばらに生える。一般的に、花序は円錐花序の形であり、頂生または部分的に腋生になり、小さくてやや緩い。苞は無毛。花被片は緑白色、しばしばピンク色を帯び、長さ1.5~2.3㎜。花序柄の頂部(花被の基部から茎まで)は長さ1~2㎜。果実は長さ6~9㎜×幅3~4㎜、褐色、光沢があり、花被の長さの4~6倍の長さがあり、肋に沿って翼がある。2n=34, 40, 44。
34 Koenigia weyrichii (F.Schmidt) T.M.Schust. & Reveal ウラジロタデ 裏白蓼
synonym Aconogonon weyrichii (F.Schmidt) H.Hara var. weyrichiisynonym Reynoutria weyrichii (F.Schmidt) Moldenke
synonym Polygonum weyrichii F.Schmidt
日本(北海道、本州の中部地方以北)、ロシア原産。別名はウラジロイタドリ、タカネウラジロイタドリ。英名はWeyrich's Knotweed。
多年草。高さ30~100㎝。茎はほとんど分枝せず、直立する。葉は互生し、長さ10~20㎝の長卵形、先が三角状に尖り、葉柄がある。葉の裏には白色の毛が密生し、白く見える。雌雄異株。円錐花序に黄白色の花を多数つける。花被は5深裂する。雌花は花柱が3個。雄花は花被片が長さ1.5~2㎜、雄しべ8個、雌しべが退化しているが、退化せず果実が出来る両性花も見られる。果実が出来てくると赤色を帯びる。痩果は倒卵形、3個の翼がある。秋には黄色く紅葉する。花期は6~10月。2n=20。
オンタデは葉裏に白色の毛が密生せず、緑色で葉脈が見える。Kewscienceではオンタデを認めていない。
34-1 Koenigia weyrichii subsp. savatieri (Nakai) comb. ined. オンタデ 御蓼
synonym Aconogonon weyrichii (F.Schmidt) H.Hara var. alpinum (Maxim.) H.Hara
synonym Aconogonon weyrichii (F.Schmidt) H.Hara subsp. savatieri (Nakai) Tzvelev
synonym Aconogonon savatieri (Nakai) Tzvelevsynonym Pleuropteropyrum savatieri Koidz. ex Nakai
synonym Aconogonon savatieri (Koidz. ex Nakai) Tzvelev
synonym Aconogonon weyrichii subsp. savatieri (Koidz. ex Nakai) Tzvelev オンタデ
synonym Polygonum iturupense Mishurov日本固有種(北海道、本州の中部地方以北)。和名は御嶽山に由来する。別名はイワタデ。亜高山帯~高山帯の砂礫地に生える。
多年草、高さ20~80㎝。茎はほとんど分枝せず、直立する。葉は互生し、長さ10~20㎝の長卵形、先が三角状にとがる。葉の裏は葉脈がはっきり見え緑色。雌雄異株。赤みがかるのは雌花、白く見えるのが雄花。秋には黄色く紅葉する。花期は7~8月。
35 Koenigia yatagaiana (T.Mori) T.C.Hsu & S.W.Chung コエニギア・ヤタガイアナ
synonym Polygonum yatagaianum T.Mori台湾原産。中国名は雪山蓼 xue shan liao。林内に生える。
つる性の草本で、細く、枝分かれし、無毛。茎と枝は糸状。葉は微細で、卵形または多少菱形、長さ約5㎜×幅3~4㎜、先は鋭形、基部は短い鋭形または切形、両面とも平滑、縁は全縁。葉柄は長さ1~2㎜、無毛。托葉鞘は長円形、膜質、ほぼ透明、黄土色、長さ1.0~1.5㎜、無毛。花は未知。痩果は無毛、楕円形、両面に縦のうねがあり、うねに顕著な竜骨があり、長さ約3㎜×幅約1.5㎜、先は鋭形。萼は長さ約1.5㎜、外側も内側も無毛。萼片は4個、長円形または長円状三角形、先は鈍形で不等長、 短い2個は長さ0.6㎜、長い2個は長さ0.9㎜。花柱は無毛、先はごく短く分枝する。
36 Koenigia × fennica (Reiersen) T.M.Schust. & Reveal
synonym Aconogonon × fennicum Reiersen
コウアンイワタデ(Koenigia alpina)×ウラジロタデ(Koenigia weyrichii)
オンタデ属
family Polygonaceae - genus Aconogonon多年草、根は木質。茎は斜上~直立、無毛又は毛~軟毛~綿毛がある。葉は落葉、ほとんどが、茎葉、互生、葉柄は有又は無。托葉鞘は宿存又は脱落性、紙質。葉身は狭披針形~卵形、全縁、ときに不規則に波打つ。花序は頂生、類頂生、又は腋生、総状花序状又は円錐花序状。花序柄は有又は本質的に無い。花柄はある。花は両性、鞘状苞に1~5個、束生し、基部は柄状。花被片は5個、合着し、花弁状、わずか~明瞭に2塊形。外側の2個は内側の3個より小さい。雄しべは8個。花糸は分離又は花被の筒部につく。葯は黄色~ピンク色~赤紫色、卵形~楕円形。花柱は3個、直立又は広がり、分離又は下部が合着する。柱頭は頭状。痩果は包まれ、又は突き出し、黄褐色又は暗褐色、翼は無く、3稜形、無毛。胚は普通、曲がる。x = 8, 10, 11。
世界に約25種あり、北アメリカ西部、ヨーロッパ、アジアに分布する。
Ylistではオンタデ属(Aconogonon)であるがチシマミチヤナギ属(Koenigia)以外に分類されている種。
チシマミチヤナギ属に移動されなかったオンタデ属の主な種
1 Aconogonon angustifolium (Pall.) H.Hara ヤナギイワタデ 柳岩蓼⇒イヌタデ属
synonym Persicaria angustifolia (Pall.) Ronse Decr.synonym Pleuropteropyrum angustifolium (Pall.) Kitag. [Flora of China]
synonym Polygonum angustifolium Pall.中国(河北省、黒竜江省、内モンゴル)、モンゴル、ロシア(極東、東シベリア)原産。中国名は狭叶神血宁 xia ye shen xue ning。標高600~1600mの芝生の斜面、丘に生える。
多年草。 茎は直立し、高さ20~50cm、分枝する。 枝が広がり、条線があり、無毛。 葉柄は非常に短いか、ほとんど無く、葉身は狭線形、長さ3~6㎝×幅2~4㎜、両面とも無毛、中脈が目立ち、側脈は下面で不明瞭、基部は狭く、縁は顕著に外巻きし、先はやや鈍形。托葉鞘は早落性、筒状、膜質、脈があり、裂開性。花序は円錐花序、緩く、花序軸と枝は無毛。苞は褐色、卵形、膜質、先は鋭形、それぞれに1~3個の花がつく。小花柄は長さ1.5 ~ 2 mm、先端は関節状。 花被は白色または乳白色、5深裂する。花被片は楕円形、不等長、長さ2~2.5㎜。雄しべは8本、突き出ない。花柱は3本、短い。柱頭は頭状。痩果は宿存する花被に包まれ突き出ず、褐色、光沢があり、卵状菱形、三稜形、長さ2~2.5㎜。花期は7~8月。果期は8~9月
2 Aconogonon nakaii (H.Hara) H.Hara オヤマソバ 御山蕎麦⇒イヌタデ属
synonym Persicaria nakaii (H.Hara) Cubeysynonym Pleuropteropyrum nakaii H.Hara
synonym Polygonum nakaii (H.Hara) Ohwi
日本固有種(北海道、本州の中部地方以北)。高山帯の砂礫地に生える。
多年草。高さ15~50㎝。茎はよく分枝して、紅色を帯びる。葉は長さ4~12㎝の卵形、ほとんど柄がなく、基部は円形~広くさび形、両面とも無毛、縁に細毛が生える。花は直径約3㎜、雌雄同株。円錐花序に多数つき、普通は白~黄白色だが、淡紅色を帯びるものもある。花被は5深裂する。花期は7~9月。
参考
1) Flora of ChinaPolygonum
Polygonum
Aconogonon chaneyi
Koenigia
Koenigia L.
O. へドペリー. タデ科Koenigiadelicatula (Meisn.) Hara subsp. relicta O. Hedb.
- チシマミチヤナギ属と ミチヤナギ属とをつなぐ - 新亜種
Koenigia L.
Aconogonon chaneyi
Polygonum yatagaianum Mori
Aconogonon rumicifolium (Royle ex Bab.) Hara
Masao Kitagawa ; Contributio ad Cognitionem Florae Manshuricae. VII.
FAMILY 36 POLYGONACEAE p111