チカラシバ 力芝

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Flora of Mikawa

イネ科 Poaceae チカラシバ属

別 名 ミチシバ
中国名 狼尾草 lang wei cao
英 名 Chinese fountaingrass , Chinese fountain grass , foxtail fountain grass , swamp foxtail
学 名 Pennisetum alopecuroides (L.) Spreng.
 synonym Cenchrus alopecuroides (L.) Thunb.
チカラシバ花序
チカラシバ小穂
チカラシバ小穂上から
チカラシバ葉
チカラシバ
チカラシバの総苞毛を取り除いた小穂
チカラシバ果実
花 期 8~10月
高 さ 15~40㎝
生活型 多年草
生育場所 道端、草地
分 布 在来種  日本全土、朝鮮、中国、台湾、インド、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、オーストラリア
撮 影 幸田町 04.10.30
秋になると、カゼクサとともに道端でよく見かけられる。和名の由来は根が強く張り、力いっぱい引っ張ってもなかなか抜 けないことから。別名、ミチシバとも呼ばれることがあり、カゼクサも同じ別名である。標準和名がミチシバであるのは別名・ハナビガヤである。
 茎は枝分かれしない。葉は長さ10~80㎝、幅0.3~1㎝。葉舌は長さ0.5~2.5㎜。円柱形の穂状花序は長さ10~20㎝、直径約4㎝。小穂の基部に長さ約2㎝の黒紫色の総苞毛(毛状の総苞)がある。小穂は長さ5~8㎜。第1苞頴は長さ約1.5㎜、0~1脈。第2苞頴は長さ約4㎜、3~5脈。頴果は総苞毛とともに落ちる。2n=18
 総苞毛が淡緑色のものはアオチカラシバといわれている。
 帰化種のエダウチチカラシバは茎が分枝し、花序の枝1本に2~4個の小穂がつき、内側の総苞毛が羽毛状に分岐する。

チカラシバ属

  family Poaceae - genus Pennisetum

 一年生草または多年草。稈は房状または根茎があり、平伏~高さ3m以上になる。葉身は平らまたは折りたたまれ、または巻き込む。葉舌は縁毛のある膜質。花序は穂状花序状の円錐花序、円筒形~ほぼ球形。枝が多数あり、剛毛の総苞が基部につく1個または複数の小穂の短い束に収縮する。総苞は無柄または基部に短い柄を持ち、熟すと小穂とともに脱落し、主軸に花序柄の切り株または傷跡を残す。剛毛は細く、ザラつき、ときには羽毛があり、単純またはごくまれに分枝し、非常に不均等で、外側が短く、しばしば、最も内側が丈夫で、残りの部分を明瞭に超える。小穂は普通、披針形、背側が扁平、草質、鋭形または鈍形、小花は2個つき、苞鋭と下側の護穎は様々。苞鋭はしばしば小さく、小穂の長さの1/2を超えない。下側の護穎は雄性または中性、小穂の長さに等しいか、または小さくなる。上側の護穎は小穂の長さに等しく、草質または硬化し、先は鈍形~鋭形。x=9。
 世界に約80種あり、世界中の熱帯全域に分布する。

チカラシバ属の主な種と園芸品種

1 Pennisetum alopecuroides (L.) Spreng. チカラシバ 力芝

  synonym Cenchrus alopecuroides (L.) Thunb. [Kewscience] クリノイガ属

  synonym Pennisetum alopecuroides (L.) Spreng. f. purpurascens (Thunb.) Ohwi

 日本全土、朝鮮、中国、台湾、インド、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、オーストラリア原産。中国名は狼尾草 lang wei cao。英名はChinese fountaingrass , Chinese fountain grass , foxtail fountain grass , swamp foxtail。別名はミチシバ。道端、草地に生える。
 多年草。高さ15~40㎝。茎は枝分かれしない。葉は長さ10~80㎝、幅0.3~1㎝。葉舌は長さ0.5~2.5㎜。円柱形の穂状花序は長さ10~20㎝、直径約4㎝。小穂の基部に長さ約2㎝の黒紫色の総苞毛(毛状の総苞)がある。小穂は長さ5~8㎜。第1苞頴は長さ約1.5㎜、0~1脈。第2苞頴は長さ約4㎜、3~5脈。頴果は総苞毛とともに落ちる。2n=18。花期は8~10月。
品種) Autumn Wizard , 'Black Beauty' , 'Bruno Ears' , 'Burgundy Bunny' , 'Cassian' , 'Cassian's Choice' , 'Caudatum' , 'Dark Desire' , 'Desert Plains' , f. erythrochaetum 'Ferris' , 'Foxtrot' , 'Gelbstiel' , 'Gilo'PBR , 'Goldstrich' , 'Hameln' , 'Hameln Gold'PBR , 'Herbstzauber' , 'JS Jommenik'PBR , 'Lady U' , 'Little Bunny' , 'Little Honey' (v) , 'Little Richie' , 'Magic' , 'Moudry' , 'National Arboretum' , 'Pauls Giant' , 'Pav300' , Pennstripe ('Pav300') (v) , Peppa Pig , 'Piglet'PBR , 'Reborn' , 'Red Buttons' , 'Red Head' , 'Weserbergland' , 'Woodside'

1-1 Pennisetum alopecuroides (L.) Spreng. f. anacanthum Hayashi ボウズチカラシバ 
 総苞毛を全く欠く品種。
1-2 Pennisetum alopecuroides (L.) Spreng. f. erythrochaetum (Ohwi) Ohwi ベニチカラシバ 
 総苞毛が帯赤色のもの。
1-3 Pennisetum alopecuroides (L.) Spreng. f. viridescens (Miq.) Ohwi アオチカラシバ 

  synonym Pennisetum alopecuroides (L.) Spreng. var. viridescens (Miq.) Ohwi
 総苞毛が淡緑色のもの。


2 Pennisetum clandestinum Hochst. ex Chiov. キクユグラス 

  synonym Cenchrus clandestinus (Hochst. ex Chiov.) Morrone [Kewscience]クリノイガ属

 アフリカ東部原産。中国名は铺地狼尾草 pu di lang wei cao。英名はkikuyu grass。別名はアフリカチカラシバ。中国、台湾に帰化している。芝草として使われる。
 多年草。細長い根茎があり、匍匐茎が丈夫で、多数、枝分かれして、広がる。栄養葉のシュートは高さ20cmまで、花のつくシュートはコンパクトで、高さ2~4cm。葉鞘は緩く、覆瓦状、やや膨らむ。葉身は線形、栄養葉のシュートの葉は長さ15㎝以下×幅0.2~0.5㎝、花のつくシュートの葉は長さ1~4cm。葉舌は長さ約1.2㎜。花序は最上部の葉鞘に包まれた2~4個の小穂に小さくなり、小穂の先端だけが突き出る。剛毛は非常に繊細で、小穂の長さの1/2~3/4で、細かくザラつくか繊毛がある。小穂は線状披針形、長さ13~20㎜、先は尖鋭形、第1苞穎は無い。第2苞穎は袖口ようで(cufflike)、長さ1~3㎜またはときに無い。下側の小花は不稔。下側の護穎は小穂と同長、10~13脈があり、内穎は無い。上側の護穎は似ている。葯は糸状の花糸の上に長く5㎝以下突き出る。柱頭は単純または短く2裂し、長さ3cm以下。花期および果期は夏~秋。2n=36。
品種) 'Rk19'PBR

3 Pennisetum flaccidum Griseb. イヌチガヤ 犬茅萱

  synonym Cenchrus flaccidus (Griseb.) Morrone [Kewscience] クリノイガ属

  synonym Pennisetum centralasiaticum Tzvelev
 中国、アフガニスタン、ブータン、北西インド、カシミール、ネパール、パキスタン、タジキスタン、南西アジア(イラン)原産。中国名は白草 bai cao。丘の中腹、畑の縁、乾燥した砂質土壌の道端、ときに氾濫原のわずかに塩分を含んだ沖積土に生える。
 多年草。丈夫で広がる根茎がある。稈は房状になり、高さ1m以下。葉鞘は緩く、ほぼ無毛、丸く、基部が覆瓦状になる。葉身は線形、幅の広い白色の中肋があり、長さ3~25㎝×幅0.2~1.2㎝、無毛、尖っています。葉舌は長さ1~2㎜。花序は頂生、ときに上部の葉鞘に腋生し、線形、真っ直ぐまたはわずかに屈曲し、緩く~中程度に密、長さ5~18㎝。花序軸は無毛、平滑、または細かくザラつき、短い花序柄の切り株または傷跡がある。総苞は1つの小穂(まれに2つ)を囲む。剛毛は多数、普通、淡緑色、たまに紫色を帯び、柔らかく、細く、最も長いものは長さ0.9~2㎝、まれに、内側に薄い羽毛がある。小穂は狭卵状長円形、長さ4~7㎜。第1苞穎は普通、小穂の長さの1/4またはそれ以下、鈍形、鋭形、または 微細不整歯がある。第2苞穎は小穂の長さの1/3~3/4、1~3脈があり、尖鋭形。下側の小花は雄性、護穎は小穂の長さと同長、3~5(~7)脈があり、中脈に沿って凹面になり、尖鋭形状の嘴があり、内穎は完全に発達する。上側の護穎は尖鋭形状の嘴があり、-脈がある。葯は先端に毛がない。花期および果期は7~10月。

4 Pennisetum glaucum (L.) R.Br. トウジンビエ 唐人稗

  synonym Cenchrus americanus (L.) Morrone [Kewscience]クリノイガ属

 アフリカ原産。英名はAfrican millet , pearl millet。別名はトウジンキビ、パールミレット。広く栽培される雑穀の一つ。
 一年草。稈は50~300㎝、直立、分枝し、節は無毛。葉鞘は無毛または毛があり、縁毛は有または無。葉舌は長さ2~5㎜。葉身は長さ15~100㎝×幅7~70㎜、平ら、無毛または有毛。円錐花序は頂生、長さ4~200㎝×幅2~70㎜、鞘から完全に突き出し、直立する。花序軸は円柱形、密に毛がある。 密散花序(fascicles:束生)は1㎝あたり33~160個、密散花序の軸は長さ1~28㎜、宿存し、1~9個の小穂がつく。外側の剛毛は44~131本、長さ0.5~6㎜。内側の剛毛は6~19本、長さ4~6㎜、羽毛がある。一次剛毛長さ5.5~6.3、縁毛があり、ときに他の剛毛よりも著しく長い。小穂は長さ3~7㎜。小梗(小花柄)は長さ0.6~1.8mm。第1苞穎はないか、または長さ1.5㎜以下、脈はない。第2苞穎は長さ0.5~3.5㎜、3~5脈がある。下側の小花は雄性または不稔。下側の護穎は長さ1.5~6㎜、無毛、3~7脈があり、縁に縁毛がある。下側の内穎は痕跡または完全に発達し、縁に縁毛がある。葯は長さ2.2~2.5㎜、ほうき状。上側の小花は革質、光沢がある。上側の護穎は長さ4.3~7㎜、5-7(9)脈があり、縁に縁毛がある。上側の内穎は長さ3.4~3.9mm、毛があり、少なくとも基部の近くに毛があり、縁に縁毛がある。葯は長さ2~2.2㎜、ほうき状。穎果は長さ2~5.5㎜×幅1.6~3.2㎜、成熟時に護穎と内穎から突き出る。2n=14。果期は秋。
品種) 'Jade Princess' , 'Jester' , 'Purple Baron' , 'Purple Majesty'

5 Pennisetum macrostachyum (Brongn.) Trin. ペンニセツム・マクロスタキウム

  synonym Cenchrus elegans (Hassk.) Veldkamp [Kewscience]クリノイガ属

 マレーシア(ボルネオ)、インドネシア(ボルネオ、ジャワ、小スンダ列島、ニューギニア)、パプアニューギニア(ニューギニア、ビスマルク諸島)、ソロモン諸島原産。英名は Pacific fountaingrass 。
品種) 'Burgundy Giant'(Giant Fountain Grass) , 'Purple Fountain'

6 Pennisetum macrourum Trin. アフリカンフェザーグラス

  synonym Cenchrus caudatus (Schrad.) Kuntze [Kewscience]クリノイガ属

 アフリカ南部~東部、中東(サウジアラビア、イエメン)原産。英名はAfrican feather grass , African river grass。ニュージーランドに帰化。
 多年草、株立(clump-forming)になり、高さ2m以下。根はひげ根、深い。根茎は長さ2m以下×直径7mmになり、新しい地上のシュートと根を形成する。葉は薄緑色、強いうねがあり、下面は暗緑色、長さ1.2m×幅13㎜・以下、丈夫で粗い(harsh)。 茎は直立し、丸く、高さ2m以下、紫白色、多くの細い毛があり、触れると切れて、皮膚の炎症を引き起こす。花序は狭く、円筒形、穂状花序状、長さ10~30㎝×直径10~20㎜。 多数の種子がつき、それぞれに長さ約10㎜の剛毛がある。
品種) 'Short Stuff' , 'Tail Feathers' , 'White Lancer'
7 Pennisetum massaicum Stapf ペンニセツム・マッサイクム

  synonym Cenchrus massaicus (Stapf) Morrone [Kewscience]クリノイガ属

 アフリカ原産。英名はbunny tails , fountain grass。
  多年草、短い木質の根茎がある。稈は高さ90㎝以下、枝分かれが多く、しなやかまたは木質。葉は平らまたは折りたたまれる。葉舌は毛が線状に並ぶ。円錐花序は線形~長円形、長さ2~10㎝、密。花序軸は傷痕の下に角(かど)のある肋があり、細かくザラつく。総苞は1個の無柄の小穂を囲み、基部にごく短い長円形の柄がある。剛毛は無毛またはまばらに縁毛があり、最も長い毛4~10㎜、普通、2輪につく。小穂は長円形、長さ3.5~5.5㎜。第1苞穎は小穂の長さの1/2。第2苞穎は小穂の長さ2/3~3/4。護穎は質感が似ており、鋭形~錐形。下側は雄性。 品種) 'Red Bunny Tails'('Red Buttons')

8 Pennisetum orientale Rich. エダウチチカラシバ 広義

  synonym Cenchrus orientalis (Rich.) Morrone [Kewscience] クリノイガ属

 北アフリカ、中東、南西アジア原産。英名はoriental fountain grass , white fountaingrass。
 多年草。根茎がある。稈は高さ50~200㎝、直立し、円錐花序の下は毛があり、節に毛がある。葉は緑色または粉白色。葉鞘は前向きに細かくザラつき、ほとんどが無毛で、縁に縁毛がある。葉舌は長さ1~1.7㎜。葉身は長さ25~50㎝×幅3~9㎜、平らで、前向き細かくざらつく、無毛または有毛、縁は縁毛があるかまたは無毛、中脈は顕著に厚くならない。円錐花序は長さ11.5~37.3㎝×幅35~50㎜、鞘から完全に突き出し、直立~わずかにアーチ状になり、白色(ときに紫色を帯びる)。花序軸は円柱形、毛がある。密散花序(fascicles)は1㎝あたり5~12個つく。密散花序の軸は長さ1~6㎜、1~10個の小穂がつく。外側の剛毛は0~24本、長さ0.8~9.6㎜、円柱形、ザラつく。内側の剛毛は6~20本、長さ5.6~17.5㎜、縁毛(羽毛)がある。一次の剛毛は長さ12.2~23.8㎜、縁毛があり、他の剛毛よりも著しく長い。小穂は長さ5.6~6.7㎜。小梗(小花柄)は長さ0.1~0.2㎜。第1苞穎は長さ1~2.2㎜、脈はない。第2苞穎は長さ3.1~5.5㎜、1~3脈がある。下側の小花は雄性。下側の護穎は長さ5.2~6.5㎜、4~6脈がある。下側の内穎は長さ3.8~5㎜。葯は長さ2.3~3㎜。上側の小花は成熟時に関節離断しない。上側の護穎は長さ5.2~6.2㎜、縁は無毛、5脈がある。上側の内穎は2裂し、歯は長さ0.3~0.8㎜。葯は長さ1.9~2.9㎜。穎果は成熟時に護穎と内穎によって隠される。2n=18, 27, 36, 45, 54。
品種) 'Fairy Tails' , 'Flamingo' , 'Karley Rose'PBR , 'Robustum' , 'Shenandoah' , 'Shogun' , 'Tall Tails'

8-1 Pennisetum orientale Rich. var. triflorum (Nees ex Steud.) Stapf ex Hook.f. エダウチチカラシバ 

  synonym Cenchrus orientalis subsp. triflorum (Nees ex Steud.) Acev.-Rodr. & M.T.Strong

 茎が分枝し、花序の枝1本に2~4個の小穂がつき、内側の総苞毛が羽毛状に分岐する。基本種に含める見解もある。

9 Pennisetum polystachion (L.) Schult. マキバチカラシバ 広義

  synonym Setaria parviflora (Poir.) Kerguélen [Kewscience] エノコログサ属

  synonym Pennisetum setosum (Sw.) Rich.
  synonym Panicum polystachion L.
 アメリカ大陸に広く分布。中国名は牧地狼尾草 mu di lang wei cao。英名はmission grass , feather pennisetum , thin napier grass 。別名はホソボチカラシバ。インド、熱帯アフリカが原産で、アジア、アメリカに帰化しているともされていた。世界中の熱帯に広く分布している。
 一年草または多年草。硬くて節のある基部から叢生する。稈は長さ30~200㎝、直立し、枝分かれし、節は無毛。葉鞘は平滑、縁は縁毛がある。葉舌は長さ1.5~2.7 mm。葉身は長さ15~55 cm×幅4~18 mm、平ら、無毛または有毛。円錐花序は長さ10~25 cm×幅15~30 mm、葉鞘から完全に突き出し、直立~垂れ下がり、白色、黄色、薄褐色、またはピンク色~濃紫色。花序軸は円柱形、ザラつく。密散花序(fascicles)は33~45個/cm、熟すと関節離断し、密散花序の軸は長さ0.2~0.5 mm、小穂が1個つく。外側の毛は13~30本、長さ1.3~5 mm、ザラつく。内側の剛毛は6~14本、長さ4.3~11.5 mm、長い縁毛がある。一次の剛毛は長さ14~25 mm、長い縁毛があり、他の剛毛よりも著しく長い。小穂は長さ3~4.5mm、無柄。第1苞穎はがないか、長さ2mm以下、脈がない。第2苞穎は長さ3~4.5mm、無毛、5~7脈があり、3裂する。下側の小花は不稔または雄性。下側の護穎は長さ3~3.9mm、5~7脈があり、先は分裂する。下側の内穎は長さ2.9~3.7mm。葯はないか、長さ1.7~2mm。上側の小花は熟すと関節離断する。上側の護穎は長さ1.7~3mm、革質、光沢があり、5脈があり、先は縁毛がある。葯は長さ1.3~2.1mm。穎果は熟すと護穎と内穎に隠れ、長さ約1.7mm。2n=18, 36, 45, 48, 52, 53, 54, 56, 78。
9-1 Pennisetum polystachion (L.) Schult. subsp. polystachion
 一年草、普通、多数、枝分かれしする。密散花序(fascicles)は白色、ピンク色、赤色、または濃紫色。
9-2 Pennisetum polystachion (L.) Schult. subsp. setosum (Sw.) Brunken マキバチカラシバ 

  synonym Cenchrus setosus Sw.[Kewscience] クリノイガ属

  synonym Pennisetum setosum (Sw.) Rich.
 アフリカ、マダガスカル、サウジアラビア、インド、ラオス、バングラデシュ、ミャンマー、ネパール、タイ、ベトナム原産。中国名は別名はホソボチカラシバ。南アメリカ(コロンビア)、北アメリカに帰化している。
 多年草、普通、控えめに枝分かれする。密散花序(fascicles)は黄色、薄褐色、または帯紫色。

10 Pennisetum purpureum Schumach. ナピアグラス 

  synonym Cenchrus purpureus (Schumach.) Morrone [Kewscience] クリノイガ属

 アフリカ原産。中国名は象草 xiang cao。英名はNapiergrass , elephanto grass。別名はネピアグラス、エレファントグラス、オニチカラシバ。日本には牧草として持ち込まれ、九州以南で野生化している。
 多年草、大きな茂み(tussocks)を形成し、しばしば短い根茎がある。稈は丈夫、傾伏し、基部で発根し、高さ2~4mに斜上する。葉鞘は無毛または剛毛がある。葉身は線形、長さ120㎝×幅5㎝・以下、下面は無毛、上面は剛毛または基部にパピラのある直軟毛があり、中肋は明瞭、縁はザラつく。葉舌は長さ1.5~5㎜。花序は線形、長さ10~30㎝×幅1~3㎝、金色、帯褐色、または帯紫入り、花序軸は密に直軟毛があり、小さな花序柄の切り株で密に覆われる。総苞は多くの細い剛毛からなり、1~5個の小穂を囲み、頂部の小穂は稔性で、ほぼ無柄であり、側小穂がある場合は長さ1~2㎜の小梗があり、雄性。内側の剛毛は薄く羽毛状で、最長の剛毛は長さ1~4㎝。小穂は長さ5~7 mm。第1苞穎は痕跡または無く、第2苞穎は小穂の長さの1/4~1/2、鋭形。下側の小花は雄性または中性、護穎は小穂の長さの1/2~3/4、5~7脈があり、微細な小剛毛があり、先は尖鋭形。上側の護穎は膜質、明瞭な5脈が狭い尖鋭形の先端に向かってあり、下半分は軟骨質、平滑で光沢がある。葯は先端に短い毛の房がある。花期および果期は8~10月。2n=27, 28。
品種) 'Prince' , 'Princess'PBR

11 Pennisetum setaceum (Forssk.) Chiov. ファウンテングラス 

  synonym Cenchrus setaceus (Forssk.) Morrone [Kewscience] クリノイガ属

  synonym Pennisetum scoparium Chiov.
 アフリカ、中東、アフガニスタン原産。英名はTender fountaingrass。
 多年草、または温帯気候では一年草、叢生する。稈は高さ40~150㎝、直立、花序の下部に毛があり、節は無毛。葉は緑色、ときに粉白色。葉鞘は無毛、縁は縁毛がある。葉舌は長さ0.5~1.1㎜。葉身は長さ20~65㎝×幅2~3.5㎜、内巻きまたは折り畳み、ザラつく、中脈は著しく厚くなる。円錐花序は長さ(6)8~32㎝×幅40~52㎜、直立またはアーチ状になり、ピンク色~暗ワインレッド色(burgundy)、花序柄に毛がある。密散花序(fascicles)は1cmあたり8~10個、密散花序の軸は長さ2.3~4.5㎜、1~4個の小穂がつく。外側の毛は28~65本、長さ0.9~19㎜。内側の毛は8~16本、長さ8~27㎜、縁毛がある。一次の剛毛は長さ26.5~34.3㎜、縁毛があり、他の剛毛よりも著しく長い。小穂は長さ4.5~7㎜、無柄または小梗があり、小梗は長さ0.1㎜以下。第1苞穎は無いかまたは長さ0.3㎜以下、脈がない。第2苞穎は長さ1.2~3.6㎜、(0)1脈がある。下側の小花は普通、不稔、ときに雄性。下側の護穎は長さ4~6㎜、3脈があり、先は尖鋭形、中脈は長さ0.7㎜以下突き出す。下側の内穎は普通なく、もし、あれば長さ4.4㎜以下。葯はないか、または長さ2.3~2.4㎜。上側の護穎は長さ4.5~6.7㎜、漸尖し、5脈があり、中脈は長さ0.7㎜以下突き出し、縁は無毛。葯は長さ2.1~2.7㎜。 2n=27。
品種) 'Burgundy Giant' , 'Eaton Canyon' , 'Rubrum Dwarf'

12 Pennisetum sordidum Koidz.  シマチカラシバ 島力芝

  synonym Pennisetum alopecuroides (L.) Spreng. subsp. sordidum (Koidz.) T.Koyama

  synonym Cenchrus alopecuroides (L.) Thunb. [Kewscience] クリノイガ属

 日本固有種。九州南部から南西諸島、小笠原諸島に分布。海岸の崖地、砂浜に生える。チカラシバに似るが、葉幅が狭く、花序が汚黄色になる。
 多年草。高さ約30㎝。葉は堅く、内巻きし、葉幅が狭く、線形、長さ30~50㎝×幅1.5~3㎜、無毛。葉鞘は扁平、無毛、口部に長毛がある。葉舌は長さ約0.5㎜。花序は円柱形、淡汚黄色。花期は秋。

13 Pennisetum sphacelatum (Nees) T.Durand & Schinz
  synonym Cenchrus sphacelatus (Nees) Morrone
 アフリカ南部、東部原産。英名はRye Puffs , slender veldt Grass。高地の草地、高地の常緑樹林内の空き地に生える。
 多年草。密に房状になる。 稈は高さ30~150cm、円錐花序の下に毛~絨毛がある。葉身は内巻きし(convolute)、長さ10~35cm×幅2~4mm、硬く、脈が目立つ。円錐花序は線形、長さ4~12cm、密集する。花序軸は円筒形、丸い肋とごく短いほとんど小梗の切り株があり、細かくザラつく~毛がある。総苞は1個の無柄の小穂を包み、基部が微細な円錐形になる。剛毛は無毛~弱く羽毛があり、短く、最長の剛毛は長さ4~14mm。小穂は披針形、長さ2.5~4.5mm、鋭形~尖鋭形。第1苞穎は小穂の長さの1/8~1/2、第2苞穎は小穂の長さの(1/8)1/3~2/3(~3/4)。下側の護穎は不毛、長さは小穂の長さまで(南アフリカではまれに2/3の長さ)、先は鋭形~芒状尖鋭形。上側の護穎は下側と同様。
品種)  'Eaton Canyon' , 'Malibu' , 'Sky Rocket'

14 Pennisetum thunbergii Kunth
  synonym Pennisetum glabrum Steud.
  synonym Cenchrus geniculatus Thunb.
 アフリカ、イエメン原産。品種の'Red Buttons'がよく栽培されている。
 多年草、房状になる。根茎は長い。匍匐茎はない。基部の葉鞘は無毛。稈は直立または膝状に曲がり、斜上し、高さ10~150cm。葉鞘は無毛。葉舌は毛の房飾りがある。葉身は平らまたは内巻き(convolute)、長さ3~40㎝×幅2~8㎜、先は漸尖し、糸状になる。花序は中実、円錐花序。花序柄は無毛。円錐花序は穂状花序状、線形または長円形、長さ2~5cm。一次の円錐花序の枝は中心軸に向かって花後に伸び、軸上に側部の切り株がある。円錐花序の軸は丸い肋があり、細かくザラつき、無毛、脱落性の小穂の集団をつける。小穂は総苞が基部につく。総苞は剛毛からなり、長円形、長さ5~14mm、基部は切形。総苞の剛毛は稔性の小穂と一緒に脱落し、多数つき、最長の剛毛はほとんど出現せず、長さ5~14 mm、円柱形、しなやかで、無毛。稔性の小穂は2小花をつけ、1個の稔性の小花からなり、下側の小花は不稔で上側が稔性、小軸の伸長はなく、披針形または卵形、背側が扁平、先は尖鋭形、長さ2.5~5 mm、全体で落下し、脱落性、付属枝構造をもつ。苞穎は1個(第1苞穎は無いかまたは不明瞭)、稔性の護穎よりも薄い。第2苞穎は長円形または卵形、小穂の長さの20~25%、透明、0~1脈があり、中脈は無いかまたは明瞭、側脈は無く、先は凹形または鈍形または鋭形。基部の不稔の小花は1個、目立つ内穎はない。下側の不稔の小花の護穎は楕円形または卵形、小穂の長さの(25~)33~66(~75)%、膜質、1~3脈があり、先は尖頭形または尖鋭形、微突形。下側の不稔の小花の芒は長さ0.5~1.5mm。稔性の護穎は卵形、長さ2.5~5㎜、膜質、5~7脈があり、縁は平ら。先は尖鋭形、芒がなくまたは微突形。内穎は護穎の長さの100%、膜質。葯は3個、長さ1.5~2.5mm。葯の先端は平滑、またはほうき状。花柱は下に合着し、合着はその長さの20%。穀物は付着性果皮をもち、長円形、背側が扁平、長さ1.7mm。
品種) 'Red Buttons'

15 Pennisetum villosum R.Br. ex Fresen. シロガネチカラシバ 

  synonym Cenchrus longisetus M.C.Johnst. [Kewscience] クリノイガ属

 アフリカ(エリトリア、エチオピア、ソマリア)、中東(サウジアラビア、イエメン)原産。英名はfeathertop。園芸名はギンギツネ。
 多年草。根茎がある。稈は高さ16~75cm、直立し、節は無毛。葉鞘は平滑、縁は縁毛がある。葉舌は長さ1~1.3㎜。葉身は長さ5~40cm×幅2~4.5㎜、平ら~折りたたまれ、無毛、有毛、またはザラつき、縁は縁毛があるかまたは基部が無毛。円錐花序は頂生、長さ4~11.5cm×幅50~75㎜、鞘から完全に突き出し、直立し、白色、花序軸は円柱形、有毛(基部が)。密散花序(fascicles)は1cmあたり7~11個、密散花序の軸は長さ1.5~2.5㎜、1~4小穂がつく。外側の毛は(0)1~8本、長さ1~13.5㎜。内側の剛毛は23~41本、長さ13~50.5㎜、密に羽毛状になる。一次の剛毛は長さ40~50㎜、縁毛があり、普通、他の剛毛よりも目立って長くはない。小穂は長さ9~12㎜、無毛。小梗(小花柄)は長さ0.1~0.4㎜。第1苞穎は長さ0.3~1.3㎜、脈はない。第2苞穎は長さ2.5~5.2㎜、1(3)脈がある。下側の小花は雄性または不稔。下側の護穎は長さ7.5~10.5㎜、7~9(10)脈がある。下側の内穎はなくまたは長さ5.5~8.5㎜。葯はないかまたは長さ3.8~4.5㎜。上側の護穎は長さ9~11㎜、7脈があり、先は細かくザラつく。葯は長さ3.5~5㎜。穎果は熟すと護穎と内穎に隠れる。2n=45。
品種) 'Cream Falls' , 'Nemira' , 'White Ladies'

16 Pennisetum × advena Wipff & Veldkamp
  synonym Cenchrus × cupreus (Thorpe) Govaerts
 アフリカ原産のハイブリッド
品種) 'Chelsea'PBR , 'Eaton Canyon' , 'Fireworks'PBR (v) , 'Knightsbridge' , 'Leopard' , 'Mayfair'PBR , 'Rubrum'

17 その他ハイブリッド
品種) 'Fairy Tails' , 'Foxtrot' , 'Herbstzauber' , 'Japonicum' , 'Magic' , 'Malibu' , 'Paul's Giant' , Princess Caroline ('Tift-17') , 'Purple Majesty' , 'Purple Millet' , 'Reine Saat' , 'Tift-17'

クリノイガ属

  family Poaceae - genus Cenchrus

 一年草または多年草。稈は普通、基部近くで分枝する。葉身は普通、平ら。葉舌は縁に縁毛がある。花序の穂状花序状、円筒形、角(かど)に沿って刺状または剛毛状の脱落性のイガ=壷状の総苞(fascicles:小束[密散花序]またはburrs:バリ[突起])があり、しばしば花序軸が曲がりくねり、イガは無柄または基部に倒円錐形の柄を持ち、それぞれが刺と剛毛の総苞に囲まれた1個またはそれ以上の無柄の小穂で構成される。剛毛は屈曲性またはより多くの場合刺状で、±平らで、外面に溝があり、下部は統合し、結合の程度は小さな基部の円盤~深い殻まで様々であり、内側の刺または剛毛はしばしば小穂の周りの縁毛になる。小穂は披針形、鋭形。両苞穎は等しくなく、小穂より短く、ときに下側の苞穎は無くなる。下側の小花は膜質、雄性または中性。上側の小花はより堅く、雌性先熟(protogynous)。鱗被は無い。
 世界に23種あり、世界中の熱帯および温帯地域に分布する。

クリノイガ属の主な種と園芸品種

1 Cenchrus brownii Roem. et Schult. クリノイガ 栗の毬
  synonym Cenchrus echinatus auct. non L.
  synonym Cenchrus calyculatus auct. non Cav.
 世界の熱帯、亜熱帯に広く分布。中国名は蒺藜草 ji li cao。別名はハリガヤ。海岸の砂丘、道端、荒地に生える。
 1年草。稈は膝状に曲がり、普通は基部の節から発根し、高さ15~90㎝。葉鞘は竜骨があり、普通、基部に覆瓦状になる。葉身は線形または線状披針形、長さ5~20(~40)㎝×幅0.4~1㎝、無毛~有毛。葉舌は長さ約1mm。花序は長さ3~10㎝×幅約1cm、イガ(burrs)は隣接し、イガの軸はザラつく。イガは球形、長さ0.4~1㎝、切形、柄には毛があり、すべての刺と剛毛は後ろ向きにつく。内側の刺はその長さの1/3~1/2が合着して、球形の殻斗(cupule)を形成し、平らになった離生の先端は三角形で、直立または内側に曲がり、殻斗と先端には毛があり、外側の刺は散開する2輪になり、中央の輪は内側の歯に等しい丈夫な堅い刺の輪であり、最も外側の輪は比較的少数で短く、細い剛毛である。小穂はイガの中に2~4個つき、長さ4.5~7㎜。第1苞穎は小穂の長さの1/2。第2苞穎は小穂の長さの2/3~3/4。花期および果期は夏。2n=34, 68。

2 Cenchrus ciliaris L. ヒゲクリノイガ 髭栗の毬
  synonym Pennisetum ciliare (L.) Link
 アフリカ、中東、南西アジア、インド、パキスタン原産。英名はbuffel grass。日本でも帰化が確認されている。
 多年草。硬くて節のある基部から叢生する。根茎は有または無。稈は高さ10~150㎝、直立し、ときに、空中の節で枝分かれし、無毛、ときに円錐花序の下がザラつく、節は無毛。葉は緑色または粉白色、葉鞘は無毛または毛があり、縁に縁毛がある。葉舌は長さ0.5~3㎜、膜質、縁毛がある。葉身は長さ3~50㎝×幅2~13㎜、平ら、無毛または毛があり、縁は縁がありまたは基部が無毛。円錐花序は長さ2~20㎝×幅4~35㎜、鞘から完全に突き出し、直立し、緑色、褐色、褐紫色、または暗紫色、花序軸は円柱形、ザラつく。イガ(fascicles)は1㎝あたり11~37個、成熟時に関節から離れ(disarticulating)、イガの軸は長さ0.2~1.5㎝、1~12個の小穂がつく。外側の剛毛は16~89本、長さ0.3~11.7㎜、多くが小穂を超える。内側の剛毛は7~20本、長さ3.8~13.8㎜、長さの1/4が融着し、平らになり、溝があり、縁毛がある。一次の剛毛は長さ10.5~23㎜、長い縁毛があり、他の剛毛よりも著しく長い。小穂は長さ2.5~5.6㎜、無柄、無毛。第1苞穎は長さ1~3㎜、0~1脈がある。第2苞穎は長さ1.3~3.4mm、小穂の長さの約1/2の長さ、(0)1~3脈がある。下側の小花は雄性または不稔である。下側の護穎は長さ2.5~5.3mm、3~7脈がある。下側の内穎は無いかまたは長さ2.5~5mm。葯がないか、または長さ約1.4mm。上側の小花は熟しても関節離断しない。上側の護穎は長さ2.2~5.4㎜、(3)5(6)脈があり、縁は無毛。葯は長さ1.4~2.7㎜。穎果は長さ1.2~1.9㎜×幅0.4~1㎜、成熟時に護穎と内穎によって隠される。2n=36, 45。

3 Cenchrus echinatus L. シンクリノイガ 新栗の毬
 北メリカ、南アメリカ原産。英名はsouthern sandbur , spiny sandbur , southern sandspur , Australia , Mossman River grass。中国名は蒺藜草 ji li cao。沖縄県各地の路傍や海岸近くでよく見られ、関東以西の開港地でまれに見られる。
 1年草。稈は基部が膝状に曲がり、斜上し、高さ20~100cm。葉鞘は節間より短いものから等しいものまであり、扁平。葉舌は長さ0.7~1.7㎜。葉身は長さ4~18(35)cm×幅は2~10(14.2)mm、上面にはまばらに直軟毛があり、毛は基部がパピラ状である。円錐花序は長さ2.5~12cm、花序軸の節間は長さ2~4mm。イガ(fascicles)は長さ5~10mm、幅3.5~6(6.3)mm、覆瓦状。外側の剛毛は10~20本、円柱形、大部分は内側の剛毛の1/2以下の長さ。内側の剛毛は長さ2~5 mm、幅0.6~1.5㎜、平らで、溝がなく、ほとんどが直立し、長さの少なくとも1/2が球形の殻斗(cupule)に融合し、ときに成熟時に連動し、短い毛があり、しばしば成熟時に紫色になる。小穂は密散花序あたり2~3(4)個つき、長さ4.8~7mm。第1苞穎は長さ1.3~3.4mm。第2苞穎は長さ3.8~5.7mm、3~7脈がある。下側の護穎は長さ4.5~6.5mm。上側の小花は長さ4.7~7mm。葯は長さ0.8~2.4mm。穎果は卵形、長さ1.2~3.2㎜×幅1.3~2.2mm。2n=(34),68。

4 Cenchrus latifolius (Spreng.) Morrone ツリエノコロ 吊狗尾草
  synonym  Pennisetum latifolium Spreng.
 アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、コロンビア、エクアドル、パラグアイ、ペルー、ウルグアイ原産。英名はUruguay fountaingrass。日本には明治時代に渡来した。
 多年草、叢生する。稈は高さ1.5~3m、直立し、節に毛がある。葉鞘は有毛またはザラつき、縁に縁毛がある。葉舌は長さ1.3~2㎜。葉身は長さ30~75 cm×幅19~45㎜、平ら、無毛、偽葉柄がある。円錐花序は稈の末端に頂生および上部の葉鞘に腋生し、長さ2.2~9.5㎝×幅10~15㎜、鞘から完全に突き出し、しなやかで、垂れ下がり、緑色~わら色。花序軸は円柱形、ザラつきまたはまばらに毛がある。 イガ(fascicles)は1cmあたり5~13個、イガの軸は長さ約0.3㎜、1(2)個の小穂がつく。外側の毛は8~33本、長さ1.1~11㎜、もろい(brittle)。内側の毛はない。一次剛毛は長さ(11.5)15.7~26.5㎜、ザラつき、他の剛毛よりも著しく長い。小穂は長さ4~7㎜、無柄。第1苞穎は長さ1.2~2.2㎜、1(2)脈がある、細かくザラつき、上部に縁毛がある。第2苞穎は長さ1.8~3.3㎜、3脈があり、縁は繊毛がある。下側の小花は不稔。下側の護穎は長さ4.8~6.8㎜、5~8脈がある。下側の内穎は存在しない。上側の護穎は長さ4.6~5.5㎜、5脈がある。上側の内穎は2~3脈がある。葯は長さ1.2~1.5㎜。穎果は長さ2.5~2.8mm。 2n=36。

5 Cenchrus longispinus (Hack.) Fernald ヒメクリノイガ 姫栗の毬
  synonym Cenchrus pauciflorus auct. non Benth.

  synonym Cenchrus pauciflorus Benth. var. longispinus (Hack.) Jansen et Wacht.

 北アメリカ(カナダ、USA、メキシコ)原産。英名はmat sandbur , longspine sandbur , longuesspiny burr grass , gentle Annie。別名はヒメクリノイガモドキ、メリケンクリノイガ。ヨーロッパ、オーストラリア、ニュジーランドで有害雑草(noxious weed )とされている。  1年草、房状になる。稈は20~90㎝、ときに傾伏し、しばしば、基部から多数の枝を生じる。葉鞘は強く扁平な竜骨がある。葉舌は長さ0.6~1.8㎜。葉身は長さ4~27㎝×幅1.5~5(7.5)㎜、上面はザラつきまたはまばらに直軟毛がある。円錐花序は長さ1.5~8(10)㎝。イガ(fascicles)は長さ8.3~11.9㎜×幅3.5~6 mm、やや球形、中程度~短い毛がある。剛毛は45~75本。外側の剛毛は多数あり、内側の剛毛よりも短く、薄く、覆瓦状、​ほとんどが円柱形で、後屈する。内側の剛毛は長さ3.5~7㎜、基部で幅0.5~0.9(1.4)mm、不規則に配置され、長さの1/2以上で融合し、明瞭な殻斗(cupule)を形り、上部では不規則な間隔で殻斗から散開し、しばしば、縁に沿って溝があり、紫色を帯びる。小穂は各密散花序束に2~3(4)個つき、長さ(4)5.8~7.8㎜。第1苞穎は長さ0.8~3㎜。第2苞穎は長さ4~6㎜、3~5脈がある。下側の小花はしばしば雄性。下側の護穎は長さ4~6.5㎜、3~7脈がある。葯は長さ1.5~2㎜。上側の護穎は長さ4~7(7.6)㎜。葯は長さ0.7~1㎜、開時には十分に発達していないように見える。穎果は長さ2~3.8㎜×幅1.5~2.6㎜、卵形。 2n=34(38)。

6 Cenchrus setigerus Vahl クシクリノイガ 櫛栗の毬
 インド、ミャンマー、パキスタン、アンダマン諸島、ニコバル諸島、ソコトラ島、アフリカ(アルジェリア、ブルキナファソ、チャド、ジブチ、エリトリア、エチオピア、ガーナ、ケニア、モーリタニア、ニジェール、セネガル、ソマリア、スーダン、タンザニア)、中東(エジプト、湾岸諸国、イラン、クウェート、オマーン、サウジアラビア、イエメン)原産。中国名は倒刺蒺藜草 dao ci ji li cao。飼料用に導入され、栽培されている。
 多年草。 稈は基部がやや球根状になり、膝状に曲がり、斜上し、高さ20~60cm。 葉鞘は竜骨があり、ザラつく。 葉身は線形、長さ2~20㎝×幅0.4~0.8㎝、上面は直軟毛があり、長い毛が散生する。葉舌は長さ約0.5㎜。花序はやや硬く、長さ4~12㎝×幅0.6~0.7㎝、イガ(burrs)はその長さの約半分で重なり、花序軸にはザラつく微軟毛がある。 イガ(burrs)は広長円形で、基部は丸みを帯び、長さ0.3~0.7㎝、ほぼ無柄。内側の刺はその長さの1/4~1/2で合着し、丈夫な殻斗(cupule)を形り、離生の平らな先端は狭三角形で、直立し、前向きに細かくザラつき、外面に広い緑色の溝があり、内面には短い縁毛がある。外側の刺は非常に短いかほとんど無く、殻斗の周囲の剛毛に退化する。小穂はイガの中に1~4個つき、長さ3.5~5㎜。第1苞穎は小穂の長さの1/2。第2苞穎は小穂小穂の長さの4/5。2n=34, 36。

7 Cenchrus spinifex Cav. コウベクリノイガ 神戸栗の毬
  synonym  Cenchrus incertus M.A.Curtis
  synonym  Cenchrus pauciflorus Benth.
 北メリカ~南アメリカ原産。英名はcommon sandbur, coastal sandbur, or stickerweed。中国名は光梗蒺藜草 guang geng ji li ca。
 ※ Kewscience、GBIFではCenchrus spinifexのsynonumとしている。日本では初めはヒメクリノイガ(本文 C. tribloides、検索表 C. pauciflorus)と記載されたが、現在ではC. tribloidesはオオクリノイガであり、ヒメクリノイガはCenchrus longispinusとされている。C. pauciflorus および C. incertus はCenchrus spinifexの異名とされている。Flora of ChinaではCenchrus incertusとしている。和名は神戸で最初に発見されたことによる。
 一年草または多年草であるが短命、房状になる。稈は高さ30~100cm、膝状に曲がる。葉鞘は扁平、無毛またはまばらに直軟毛がある。葉舌は長さ0.5~1.4㎜。葉身は長さ3~28㎝×幅(1)3~7.2㎜、無毛または上面にまばらに長い直軟毛がある。円錐花序は長さ3~5(8.5)㎝。イガ(fascicles)は長さ5.5~10.2㎜×幅2.5~5 mm、覆瓦状、卵形から球形、無毛または中程度に毛がある。外側の剛毛はあれば、ほとんどが平らになる。内側の剛毛は8~40本(まれにそれ以上)、長さ2~5.8㎜×幅1~2㎜、長さの少なくとも1/2が融合し、分離した殻斗(cupule)を形り、上部は普通、殻斗から複数の不規則な間隔で散開し、ときに、多少、同じレベルで発散し、基部に縁毛があり、わら色~藤色または紫色になり、平らになる。小穂は各イガに2~4個つき、長さ3.5~5.9㎜、無毛。第1苞穎は長さ1~3.3㎜。第2苞穎は長さ(2.8)3.5~5㎜、5~7脈がある。下側の小花はときに、雄性。下側の護穎は長さ3~5(5.9)㎜、5~7脈がある。下側の内穎はときに小さくなるか、または無くなる。葯は長さ1.3~1.6㎜。上側の護穎は長さ3.5~5(5.8)㎜。葯は長さ0.5~1.2㎜。穎果は長さ約2.5㎜×幅1~2㎜、卵形。2n=34(32)[Flora of North America]。
【Flora of ChinaのCenchrus incertus】
 一年草または短命の多年草。 稈は膝状に曲がり、傾伏または直立し、高さ40~100cm。 葉鞘は竜骨があり、緩く、無毛または縁の近くに直軟毛がある。葉身は線形または狭披針形、長さ3~20cm×幅0.2~0.6cm、両面とも無毛。葉舌は長さ0.5~1.5mm。花序は長さ1.5~6.5cm×幅約1cm、開きまたはコンパクトで、花序軸はザラつく。イガ(burrs)は様々、球形状または卵形、長さ約1cm、柄は無毛、刺は後ろ向きで、その長さの大部分が合着し、刺の先端がイガの体全体に不規則に散開し、総苞の殻斗(involucral cupule)は2つの側面に裂け目があり、毛があり、刺は堅く、長く、細い~短くて広い。小穂は各イガに2~3個つき、長さ3.5~6㎜。第1苞穎は小穂の長さの1/3~1/2。第2苞穎は小穂の長さの3/4。花期および果期は秋。海岸の砂丘に生育する。

8 Cenchrus tribuloides L. オオクリノイガ 大栗の毬
 北アメリカ、西インド諸島原産。英名はdune sandbur , sanddune sandbur。北海道、長野県に帰化している。  1年生草。稈は高さ10~70cm、傾伏し、枝分かれし、下部節から発根する。 葉鞘は扁平、無毛または有毛。葉舌は長さ1~2.1㎜。葉身は長さ2~14cm×幅3~14.2㎜。円錐花序は長さ2~8.2cm。イガ(fascicles)は長さ9~16㎜×幅4~8㎜、覆瓦状、卵形、密に毛がある。剛毛は15~43本。外側の剛毛は普通、あり、平らまたは円柱形。内側の剛毛は長さ4~8㎜×幅1.2~3㎜で、少なくとも長さの1/2が融合し、明確な殻斗(cupule)を形成する。上部は殻斗から不規則な間隔で散開し、わら色または紫色。小穂は各イガに1(2)個、長さ6~8.8㎜。第1苞穎は長さ1~4mm。第2苞穎は長さ4.9~6.8㎜、3~7脈がある。下側の護穎は長さ5.5~7.5㎜、3~7脈があり、内穎を囲む。上側の護穎は長さ6~8.7㎜。葯は長さ0.8~2.8mm。穎果は長さ2.6~4㎜×幅2.2~3.1㎜、卵状楕円形。2n=34。

クリノイガ属のKey to Species


A.総直は花序に少なくとも 15個以上つき ,総苞には太い刺 と基部に輪状に並ぶ剛毛状の刺がある。太い刺は熟しても直立または斜上していることが多い

 B 花序には密に総苞がつき ,花序の中軸は見えない。総苞は長さ 4~5㎜、表面には細毛が密生する。

  ........................... クリノイガ C.brownii

 B.花序はやや疎らに総苞がつき、花序の中軸が見える。総苞は長~6㎜、表面にはやや長い白色軟毛が密生する。

  .......................... シンクリノイガ C.echinatus

A 総苞は花序に6~10(稀に15)個つき、総苞には太い刺のみがある(基部にやや細く短い刺があっても、それは剛毛状ではなく、太い刺からしだいに細 くなり連続している)。刺は熟すと著しく開出または反り返る。

 B.総苞は長さ7~8㎜

  C.総苞の刺は数個~30個、刺の基部の幅は1.5~2㎜あり、総苞基部に熟すと下向きになる短い刺はない

  ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,, C, spinifex(C. incertus) コウベクリノイガ

  C 総苞の刺は45~75個、刺の基部の幅は1㎜以下、総苞基部に熟すと 下向きになる短い刺がある

  ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,ヒメクリノイガ C.longispinus

 B.総苞は長さ10~15㎜ .........オオクリノイガ C. tribuloide


参考

1) Flora of China
 Pennisetum
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=124350
2) Plants of the World Online| Kewscience
 Pennisetum
http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:60452048-2
3) World Flora Online
 Pennisetum
http://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000007152;jsessionid=AF39574D80B9A471E38AB2876DA08BAC
4) World Checklist of Vascular Plants
 Pennisetum
https://wcvp.science.kew.org/
5) FNA - Flora of North America
 Pennisetum
http://beta.floranorthamerica.org/Pennisetum
 Cenchrus
http://floranorthamerica.org/Cenchrus
6) New Zealand Plant Conservation Network
 Cenchrus macrourus
https://www.nzpcn.org.nz/flora/species/cenchrus-macrourus/
7) New Zealand Plant Conservation Network
 近年北海道に帰化したイネ科植物
https://www.nzpcn.org.nz/flora/species/cenchrus-macrourus/
8) 神奈川県植物誌調査会ニュース第53号 p636 2002
 勝 山輝男 。神奈川県のクリノイガ属植物
http://flora-kanagawa2.sakura.ne.jp/fk/fk53.pdf
9) Lucid Key Server-AusGrass
 Pennisetum thunbergii Kunth
https://keys.lucidcentral.org/keys/v3/AusGrass/key/AusGrass/Media/Html/PENNISET/PENTHU.HTML