タマコウガイゼキショウ 玉笄石菖

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Flora of Mikawa

イグサ科 Juncaceae イグサ属

学 名 Juncus diastrophanthus Buchen. var. tagakusiensis (Lev.) Murata
タマコウガイゼキショウ穂
タマコウガイゼキショウ葉
タマコウガイゼキショウ
花 期 6~9月
高 さ 10~40㎝
生活型 多年草
生育場所 湿地、溜池、河川
分 布 在来種 北海道、本州(近畿地方以北)
撮 影 設楽町  05.8.27
タマコウガイゼキショウはイグサ科イグサ属のヒロハノコウガイゼキショウ(Juncus diastrophanthus)の変種で、頭花が球形になるもの。POWOではJuncus diastrophanthusのsynonymとされている。
 茎は2綾形で、狭い翼がつく。葉は扁平、幅2~5㎜。多数の花(写真のものは16個)が球状に密生する頭花が、2~5個(稀に8~10個)頂生する。蒴果は花披片よりやや長く、長さ5~6㎜、先は斬尖する。
 母種であるヒロハノコウガイゼキショウは房状(株立)になり、高さ(5~)15~25(~35)㎝。根茎は短い。茎はわずかに扁平、幅1~2.5㎜、両側に非常に狭い翼がある。根生葉は少数、茎葉は1~3 枚。葉鞘の耳介はやや鈍形、自由部は長さ約0.5㎜。葉身は線形、扁平、長さ3~10 cm ×幅1~4㎜、不完全隔壁があり、先は尖鋭形。花序は頂生、通常2~3回枝分かれし、長さ7~8 cm。総苞片は葉状、長さ1.7~4 cm。頭花は(3~)6~24[7~40個]個つき、球形、星形、直径6~10㎜、花は[3]5~14個つく。花被片は狭披針形、長さ3~4㎜×幅0.7~1㎜、不揃いで内花被片が外花被片より長く、縁は粗く、先は剛毛状[線形又は線状披針形]。雄しべは3本、花被の長さの1/2~2/3の長さ。花糸は長さ約1㎜。葯は長楕円形、長さ約0.8㎜。子房は1室。蒴果は黄緑色~栗褐色で光沢があり、3稜形の長楕円形[披針形]で長さ4~5㎜、花被片より長く、しばしば2倍長程度になり、先は鋭形。種子は倒卵状楕円形、長さ0.5~0.7㎜、条線があり、両端は微突形。花期は4~6月。果期は4~10月。
 コウガイゼキショウは葉幅が1.5~3㎜とやや狭く、雄しべは花被片の1/2~1/3の長さ。蒴果は花被片よりやや長く、長くても1.5倍程度。