シロダモ
Flora of Mikawa
クスノキ科 Lauraceae シロダモ属
別 名 | シロタブ |
中国名 | 舟山新木姜子 zhou shan xin mu jiang zi |
学 名 | Neolitsea sericea (Blume) Koidz. |
花 期 | 10~11月 |
高 さ | 10~15m |
生活型 | 常緑高木 |
生育場所 | 暖地の山野 |
分 布 | 在来種 本州(宮城県、山形県以南)、四国、九州、沖縄、朝鮮、中国、台湾 |
撮 影 | 幡豆町 06.5.21 |
名のように、葉の裏が白く、ヤブニッケイによく似た3脈がはっきりした葉をつける。葉をもんでも、ヤブニッケイのような芳香はない。
幹は暗褐色、小さな皮目が多い。葉は互生し、長さ8~18㎝、幅4~8㎝、長楕円形~卵状長楕円形、全縁、葉の光沢はヤブニッケイより少なく、大きさは倍近くもある。芽生えの頃は若葉が黄褐色の絹毛に覆われ、次第に毛がなくなり、淡緑色に変わる。葉裏は灰白色、3脈が目立つ。側脈は4~5対。葉柄は長さ2~3㎝。雌雄異株。 散形花序に小さい黄褐色の花が固まってつき、総苞片は広惰円形。花柄は無く、小花柄は長さ3~6㎜。花被片は4個、平開する。雄花は雄しべ6個。雌花は雌しべ1個、柱頭が白色。仮雄しべ6個。果実は長さ1.2~1.5㎝の楕円形の液果、1年後の花期になってやっと赤く熟す。種子は果実に1個入り、球形。
同属のイヌガシは葉が小さく、春に暗紅紫色の花をつけ、果実は黒色に熟す。
ヤブニッケイやタブノキは両性花。
高木又は低木、常緑、雌雄異株。葉は互生、束生、又は輪生、まれに類対生、三行脈(triplinerved)、まれに羽状脈又は類三行脈。散形花序は単生又は束生、花序柄は有又は無。苞は対生、大きく、後期落葉性。花被片は4個、2輪につく。花は単性。雄花は稔性の雄しべが6本、3輪に2本ずつつく。1番目と2番目の輪の花糸は腺がなく、3番目の輪は基部に2個の腺がある。葯は全て内向き、4室。雌花は仮雄しべが6個、こん棒形、1番目と2番目の輪は腺が無く、3番目は基部に2個の腺がある。子房は上位。花柱は目立つ。柱頭は盾状。果実はわずかに大きくなった円盤形又は凹面の花被筒の上に座す。花柄はしばしばわずかに太くなる。
synonym Neolitsea acutotrinervia (Hayata) Kaneh. & Sasaki ニイタカシロダモ
日本(本州の関東地方南部以西、四国、九州、沖縄)、朝鮮、台湾原産。中国名は台湾新木姜子 tai wan xin mu jiang zi。別名はマツラニッケイ、ニイタカシロダモ
常緑小高木。高さ2~5(10)m。幹は灰褐色~灰黒色、平滑、割れ目ができず、小さな皮目がある。若枝は緑色。葉芽は被針形。葉は互生し、枝先に集まってつき、長さ5~12㎝、幅2~4㎝、被針形~倒卵状被針形、全縁。葉表は無毛、葉裏は粉白のロウ質を帯び、無毛、シロダモほど白くない(若葉には灰色~黄褐色の圧毛がある)。側脈は3脈が明瞭、3~4対。先は尾状鋭先形~鋭先形、鈍端、基部は尖った楔形。葉に芳香はない。葉柄は長さ(0.5~1)2~2.5㎝。雌雄別株。花芽は球形、4~6個の総苞片に包まれる。散形花序に暗紫紅色の花が3~9個つく。雄花は花被片4個、長さ約3㎜、暗紫紅色、雄しべ6個、黄色い腺体が2個の花糸の基部につき、葯は4室、雌しべがあるが結実しない。雌花序は雄花序より花数が少ない。雌花は雄花と似ているが、花被片がやや小さく、仮雄しべが4個、基部に腺体がある。果実は液果、長さ約1㎝、惰円形~長楕円形、秋に光沢のある黒紫色に熟す。果柄は長さ7~8㎜。種子は茶褐色、倒卵状惰円形、やや扁平。花期は3~4月。
1-1 Neolitsea aciculata (Blume) Koidz. var. variabillima (Hayata) J.C.Liao カワリシロダモ
synonym Neolitsea variabillima (Hayata) Kaneh. et Sasaki
台湾に分布。
2 Neolitsea aurata (Hayata) Koidzumiキンショクダモ 金色梻
synonym Neolitsea sericea (Blume) Koidz. var. aurata (Hayata) Hatus.
synonym Neolitsea kwangtungensis Hung T. Chang
synonym Neolitsea cuneifolia (Koidz.) Koidz.
日本(伊豆諸島の利島、小笠原諸島、南西諸島)、中国、台湾、ベトナム原産。中国名は新木姜子 xin mu jiang zi。シロダモにもに金褐色の毛があるものもあるが、シロダモは秋咲であり、キンショクダモは春咲きである。KewscineceやWorld Flora Online(2021)では種としているため、Neolitsea sericeaの変種でなく、独立種とした。
常緑高木、直立し高さ10~15m。樹皮は暗褐黒色。若枝に黄褐色の絹毛がある。葉は互生し、枝先に密集する。葉柄がある。葉身は長円状披針形、長さ7~15cm×幅4~8㎝、先は鋭形、全縁、若葉の両面は黄褐色の絹毛に覆われ、上面の毛は落ちるが、下面の毛は残る。上面は緑色、下面脈が目立つ。雌雄異株。花は腋生の散形花序、花を多数つける。花は小さく、黄褐色。雄花序は雌花序より大きい。果実は楕円状球形、長さ11~13mm、赤色に熟す。花期は1~3月(3~5月)。果期は3~4月。
【Flora of Chinaの解説】
高木、高さ14m以下、胸高直径約18㎝。若い小枝と葉柄は鉄さび色又は黄褐色の毛があるか又は無毛。葉は互生又は小枝の先に束生する。葉柄は長さ8~12mm。葉身は長円形、楕円形、長円状楕円形、披針形、倒披針形、又は長円状倒卵形、長さ8~14㎝×幅2.5~4㎝、密に金黄色の絹毛があり、又は若いときに下面に白色、黄色、褐黄色、又は赤褐色の絹毛があり、三行脈があり、側脈は3~4対つき、最も下部の対は基部から2~3mm上に生じる。葉の基部はくさび形又は円形、葉先は尖鋭形又はかま状の尖鋭形。散形花序は小枝の先又は節間に3~5個束生し、花が5個つく。花柄は長さ約2mm。花被片は4個、楕円形。雄花は稔性の雄しべが6本、花糸は基部に毛があり、基部に3輪になって、各2個の有柄の腺がつく。未発達の雌しべは無毛。果実は楕円形、約・長さ8㎜×幅6㎜、浅い円盤形の花被筒の上に着座する。果時の花柄は長さ5~7mm、直軟毛がある。
2-1 Neolitsea aurata var. aurata
日本、中国、台湾、ベトナム原産。新木姜子 xin mu jiang zi
若い小枝と葉柄は鉄さび色の毛がある。葉身は長円形、楕円形、長円状披針形、又は長円状倒卵形、長さ8~14㎝×幅2.5~4㎝、若い時に下面に金黄色の絹毛 がある。花期は2~3月。果期は9~10月。
3 Neolitsea acuminatissima (Hayata) Kaneh. et Sasaki コバノシロダモ
台湾原産。中国名は尖叶新木姜子 jian ye xin mu jiang zi。
4 Neolitsea boninensis Koidz. オガサワラシロダモ
小笠原諸島原産。
5 Neolitsea buisanensis Yamam. et Kamikoti コメバシロダモ
台湾原産。中国名は武威山新姜子 wu wei shan xin jiang zi。
5-1 Neolitsea buisanensis Yamam. et Kamikoti f. sutsuoensis J.C.Liao
6 Neolitsea daibuensis Kamikoti ダイブシロダモ
台湾原産。中国名は大武山新木姜子 da wu shan xin mu jiang zi。
7 Neolitsea gilva Koidz. ナガバシロダモ
synonym Neolitsea sericea (Blume) Koidz. var. gilva (Koidz.) Hatus.
日本固有種(小笠原諸島)。別名はハハジマシロダモ。
常緑中高木。若葉が淡黄褐色。
8 Neolitsea hiiranensis T.S.Liu et J.C.Liao ヒイランシロダモ
台湾原産。中国名は南仁山新木姜子 nan ren shan xin mu jiang zi
9 Neolitsea konishii (Hayata) Kaneh. et Sasaki コニシダモ
日本、台湾原産。中国名は五掌楠 wu zhang nan。
10 Neolitsea parvigemma (Hayata) Kaneh. et Sasaki コメダモ
台湾原産。中国名は小芽新木姜子 xiao ya xin mu jiang zi。
11 Neolitsea sericea (Blume) Koidz. シロダモ 白梻(白椨)
synonym Neolitsea ohbana Koidz.
日本(本州の宮城県・山形県以南、四国、九州、沖縄)、朝鮮、中国、台湾原産。中国名は舟山新木姜子 zhou shan xin mu jiang zi。英名はBuddhism Tree。
常緑高木。高さ10~15m。幹は暗褐色、小さな皮目が多い。葉は互生し、長さ8~18㎝、幅4~8㎝、長楕円形~卵状長楕円形、全縁、葉の光沢はヤブニッケイより少なく、大きさは倍近くもある。芽生えの頃は若葉が黄褐色の絹毛に覆われ、次第に毛がなくなり、淡緑色に変わる。葉裏は灰白色、3脈が目立つ。側脈は4~5対。葉柄は長さ2~3㎝。雌雄異株。散形花序に小さい黄褐色の花が固まってつき、総苞片は広惰円形。花柄は無く、小花柄は長さ3~6㎜。花被片は4個、平開する。雄花は雄しべ6個。雌花は雌しべ1個、柱頭が白色。仮雄しべ6個。果実は長さ1.2~1.5㎝の楕円形の液果、1年後の花期になってやっと赤く熟す。種子は果実に1個入り、球形。花期は10~11月
11-1 Neolitsea sericea (Blume) Koidz. f. xanthocarpa (Makino) Okuyama キミノシロダモ
果実が黄色になる品種。
11-2 Neolitsea sericea (Blume) Koidz. var. argentea Hatus. ダイトウシロダモ
大東諸島(北大東島・南大東島)に分布。
果実が大きく、長さ1.5~1.8㎝、赤色に熟す。
12 Neolitsea villosa (Blume) Merr. コウトウシロダモ
synonym Neolitsea kotoensis (Hayata) Kaneh. et Sasaki
台湾原産。中国名は兰屿新木姜子 lan yu xin mu jiang zi
Neolitsea
Neolitsea
Neolitsea
伊豆諸島利島に分布するキンショクダモについて
幹は暗褐色、小さな皮目が多い。葉は互生し、長さ8~18㎝、幅4~8㎝、長楕円形~卵状長楕円形、全縁、葉の光沢はヤブニッケイより少なく、大きさは倍近くもある。芽生えの頃は若葉が黄褐色の絹毛に覆われ、次第に毛がなくなり、淡緑色に変わる。葉裏は灰白色、3脈が目立つ。側脈は4~5対。葉柄は長さ2~3㎝。雌雄異株。 散形花序に小さい黄褐色の花が固まってつき、総苞片は広惰円形。花柄は無く、小花柄は長さ3~6㎜。花被片は4個、平開する。雄花は雄しべ6個。雌花は雌しべ1個、柱頭が白色。仮雄しべ6個。果実は長さ1.2~1.5㎝の楕円形の液果、1年後の花期になってやっと赤く熟す。種子は果実に1個入り、球形。
同属のイヌガシは葉が小さく、春に暗紅紫色の花をつけ、果実は黒色に熟す。
ヤブニッケイやタブノキは両性花。
シロダモ属
family Lauraceae - genus Neolitsea高木又は低木、常緑、雌雄異株。葉は互生、束生、又は輪生、まれに類対生、三行脈(triplinerved)、まれに羽状脈又は類三行脈。散形花序は単生又は束生、花序柄は有又は無。苞は対生、大きく、後期落葉性。花被片は4個、2輪につく。花は単性。雄花は稔性の雄しべが6本、3輪に2本ずつつく。1番目と2番目の輪の花糸は腺がなく、3番目の輪は基部に2個の腺がある。葯は全て内向き、4室。雌花は仮雄しべが6個、こん棒形、1番目と2番目の輪は腺が無く、3番目は基部に2個の腺がある。子房は上位。花柱は目立つ。柱頭は盾状。果実はわずかに大きくなった円盤形又は凹面の花被筒の上に座す。花柄はしばしばわずかに太くなる。
シロダモ属の主な種と園芸品種
1 Neolitsea aciculata (Blume) Koidz. イヌガシ 犬樫synonym Neolitsea acutotrinervia (Hayata) Kaneh. & Sasaki ニイタカシロダモ
日本(本州の関東地方南部以西、四国、九州、沖縄)、朝鮮、台湾原産。中国名は台湾新木姜子 tai wan xin mu jiang zi。別名はマツラニッケイ、ニイタカシロダモ
常緑小高木。高さ2~5(10)m。幹は灰褐色~灰黒色、平滑、割れ目ができず、小さな皮目がある。若枝は緑色。葉芽は被針形。葉は互生し、枝先に集まってつき、長さ5~12㎝、幅2~4㎝、被針形~倒卵状被針形、全縁。葉表は無毛、葉裏は粉白のロウ質を帯び、無毛、シロダモほど白くない(若葉には灰色~黄褐色の圧毛がある)。側脈は3脈が明瞭、3~4対。先は尾状鋭先形~鋭先形、鈍端、基部は尖った楔形。葉に芳香はない。葉柄は長さ(0.5~1)2~2.5㎝。雌雄別株。花芽は球形、4~6個の総苞片に包まれる。散形花序に暗紫紅色の花が3~9個つく。雄花は花被片4個、長さ約3㎜、暗紫紅色、雄しべ6個、黄色い腺体が2個の花糸の基部につき、葯は4室、雌しべがあるが結実しない。雌花序は雄花序より花数が少ない。雌花は雄花と似ているが、花被片がやや小さく、仮雄しべが4個、基部に腺体がある。果実は液果、長さ約1㎝、惰円形~長楕円形、秋に光沢のある黒紫色に熟す。果柄は長さ7~8㎜。種子は茶褐色、倒卵状惰円形、やや扁平。花期は3~4月。
1-1 Neolitsea aciculata (Blume) Koidz. var. variabillima (Hayata) J.C.Liao カワリシロダモ
synonym Neolitsea variabillima (Hayata) Kaneh. et Sasaki
台湾に分布。
2 Neolitsea aurata (Hayata) Koidzumiキンショクダモ 金色梻
synonym Neolitsea sericea (Blume) Koidz. var. aurata (Hayata) Hatus.
synonym Neolitsea kwangtungensis Hung T. Chang
synonym Neolitsea cuneifolia (Koidz.) Koidz.
日本(伊豆諸島の利島、小笠原諸島、南西諸島)、中国、台湾、ベトナム原産。中国名は新木姜子 xin mu jiang zi。シロダモにもに金褐色の毛があるものもあるが、シロダモは秋咲であり、キンショクダモは春咲きである。KewscineceやWorld Flora Online(2021)では種としているため、Neolitsea sericeaの変種でなく、独立種とした。
常緑高木、直立し高さ10~15m。樹皮は暗褐黒色。若枝に黄褐色の絹毛がある。葉は互生し、枝先に密集する。葉柄がある。葉身は長円状披針形、長さ7~15cm×幅4~8㎝、先は鋭形、全縁、若葉の両面は黄褐色の絹毛に覆われ、上面の毛は落ちるが、下面の毛は残る。上面は緑色、下面脈が目立つ。雌雄異株。花は腋生の散形花序、花を多数つける。花は小さく、黄褐色。雄花序は雌花序より大きい。果実は楕円状球形、長さ11~13mm、赤色に熟す。花期は1~3月(3~5月)。果期は3~4月。
【Flora of Chinaの解説】
高木、高さ14m以下、胸高直径約18㎝。若い小枝と葉柄は鉄さび色又は黄褐色の毛があるか又は無毛。葉は互生又は小枝の先に束生する。葉柄は長さ8~12mm。葉身は長円形、楕円形、長円状楕円形、披針形、倒披針形、又は長円状倒卵形、長さ8~14㎝×幅2.5~4㎝、密に金黄色の絹毛があり、又は若いときに下面に白色、黄色、褐黄色、又は赤褐色の絹毛があり、三行脈があり、側脈は3~4対つき、最も下部の対は基部から2~3mm上に生じる。葉の基部はくさび形又は円形、葉先は尖鋭形又はかま状の尖鋭形。散形花序は小枝の先又は節間に3~5個束生し、花が5個つく。花柄は長さ約2mm。花被片は4個、楕円形。雄花は稔性の雄しべが6本、花糸は基部に毛があり、基部に3輪になって、各2個の有柄の腺がつく。未発達の雌しべは無毛。果実は楕円形、約・長さ8㎜×幅6㎜、浅い円盤形の花被筒の上に着座する。果時の花柄は長さ5~7mm、直軟毛がある。
2-1 Neolitsea aurata var. aurata
日本、中国、台湾、ベトナム原産。新木姜子 xin mu jiang zi
若い小枝と葉柄は鉄さび色の毛がある。葉身は長円形、楕円形、長円状披針形、又は長円状倒卵形、長さ8~14㎝×幅2.5~4㎝、若い時に下面に金黄色の絹毛 がある。花期は2~3月。果期は9~10月。
3 Neolitsea acuminatissima (Hayata) Kaneh. et Sasaki コバノシロダモ
台湾原産。中国名は尖叶新木姜子 jian ye xin mu jiang zi。
4 Neolitsea boninensis Koidz. オガサワラシロダモ
小笠原諸島原産。
5 Neolitsea buisanensis Yamam. et Kamikoti コメバシロダモ
台湾原産。中国名は武威山新姜子 wu wei shan xin jiang zi。
5-1 Neolitsea buisanensis Yamam. et Kamikoti f. sutsuoensis J.C.Liao
6 Neolitsea daibuensis Kamikoti ダイブシロダモ
台湾原産。中国名は大武山新木姜子 da wu shan xin mu jiang zi。
7 Neolitsea gilva Koidz. ナガバシロダモ
synonym Neolitsea sericea (Blume) Koidz. var. gilva (Koidz.) Hatus.
日本固有種(小笠原諸島)。別名はハハジマシロダモ。
常緑中高木。若葉が淡黄褐色。
8 Neolitsea hiiranensis T.S.Liu et J.C.Liao ヒイランシロダモ
台湾原産。中国名は南仁山新木姜子 nan ren shan xin mu jiang zi
9 Neolitsea konishii (Hayata) Kaneh. et Sasaki コニシダモ
日本、台湾原産。中国名は五掌楠 wu zhang nan。
10 Neolitsea parvigemma (Hayata) Kaneh. et Sasaki コメダモ
台湾原産。中国名は小芽新木姜子 xiao ya xin mu jiang zi。
11 Neolitsea sericea (Blume) Koidz. シロダモ 白梻(白椨)
synonym Neolitsea ohbana Koidz.
日本(本州の宮城県・山形県以南、四国、九州、沖縄)、朝鮮、中国、台湾原産。中国名は舟山新木姜子 zhou shan xin mu jiang zi。英名はBuddhism Tree。
常緑高木。高さ10~15m。幹は暗褐色、小さな皮目が多い。葉は互生し、長さ8~18㎝、幅4~8㎝、長楕円形~卵状長楕円形、全縁、葉の光沢はヤブニッケイより少なく、大きさは倍近くもある。芽生えの頃は若葉が黄褐色の絹毛に覆われ、次第に毛がなくなり、淡緑色に変わる。葉裏は灰白色、3脈が目立つ。側脈は4~5対。葉柄は長さ2~3㎝。雌雄異株。散形花序に小さい黄褐色の花が固まってつき、総苞片は広惰円形。花柄は無く、小花柄は長さ3~6㎜。花被片は4個、平開する。雄花は雄しべ6個。雌花は雌しべ1個、柱頭が白色。仮雄しべ6個。果実は長さ1.2~1.5㎝の楕円形の液果、1年後の花期になってやっと赤く熟す。種子は果実に1個入り、球形。花期は10~11月
11-1 Neolitsea sericea (Blume) Koidz. f. xanthocarpa (Makino) Okuyama キミノシロダモ
果実が黄色になる品種。
11-2 Neolitsea sericea (Blume) Koidz. var. argentea Hatus. ダイトウシロダモ
大東諸島(北大東島・南大東島)に分布。
果実が大きく、長さ1.5~1.8㎝、赤色に熟す。
12 Neolitsea villosa (Blume) Merr. コウトウシロダモ
synonym Neolitsea kotoensis (Hayata) Kaneh. et Sasaki
台湾原産。中国名は兰屿新木姜子 lan yu xin mu jiang zi
参考
1) Flora of ChinaNeolitsea
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=122004
2) Jepson eFlora: Taxon pageNeolitsea
http://ucjeps.berkeley.edu/eflora/eflora_display.php?tid=23256
3) GRINNeolitsea
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxon/taxonomygenus?id=8113
4) 植物研究雑誌 Vol. 78 No. 5 p311-312 (2003)伊豆諸島利島に分布するキンショクダモについて
http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_078_311_312.pdf