シオデ 牛尾菜
Flora of Mikawa
サルトリイバラ科 Smilacacea シオデ属
中国名 | 牛尾菜 niu wei cai |
学 名 | Smilax riparia A.DC. Smilax riparia A.DC. var. ussuriensis (Regel) H.Hara et T.Koyama Smilax riparia A.DC. subsp. ussuriensis (Regel) Kitag. |
花 期 | 7~8月 |
高 さ | つる性 |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 山野 |
分 布 | 在来種 北海道、本州、四国、九州、朝鮮、中国、台湾、フィリピン |
撮 影 | 稲武町 04.7.4 |
若芽はおいしい山菜としてよく知られている。
茎は綾があり、つる状に長くのび、托葉が変化した巻きひげで、他のものに絡みつく。葉は長さ5~15㎝、幅2.5~3.5㎝の卵状長楕円形、先は尖り、基部は浅い心形~切形、3~7の平行脈がある。葉柄は長さ1~2.5㎝、不規則に切れ込む狭い翼がある。。雌雄異株。葉腋の球形の散形花序に小さな花を多数つける。花は淡黄緑色、花被片が6個つく。花被片は強く反り返り、垂れ下がってつき、雄花は長さ4~5㎜の披針形、雌花はやや短く、長楕円形。雄しべ6個。葯は長さ約1.5㎜、細く、釣針状に曲がる。花柱は3個。果実は直径7~9㎜、球形の液果、種子を1~4個入れ、黒く熟し、光沢がある。種子は橙赤色。2n=32
葉の幅が1.2~3㎝と狭いものはホソバシオデ form. stenophylla として品種に分類されている。
タチシオデ Smilax nipponica は茎が直立し、花期がシオデより早く、春に咲く。花被片が平開し、葯が長さ約1㎜、惰円形。
タチシオデの葉の幅が狭いものはホソバタチシオデ Smilax nipponica form. tenuifolia。
ヤマカシュウSmilax sieboldii は本州、四国、九州、朝鮮、中国台湾に分布する。葉幅がやや広く卵形、無毛。花被片は長さ4~5㎜の長楕円形、斜開~平開し、先はやや外曲する。葯は長さ約1.2㎜。
蔓性木よじ登り又は低木、木質、頻繁ではないが、ほぼ直立又は草本、雌雄異株、普通、短く太い根茎をもつ。茎や枝は普通、刺がある。葉柄は普通、下部に狭い翼があり、翼部分と先の間に離脱ゾーン(abscission zone)をもつ。巻きひげがしばしばある。葉身は普通、卵形~披針形、主脈は3~7本、横脈と細脈の網によりつながる。花序は葉腋又は鱗片状の苞腋につき、1(~3)個の散形花序又は散形花序からなる1個の円錐花序、総状花序、又は穂状花序。花序柄はときに、基部に鱗片状の前出葉(prophyll)をもつ。花は小さい。花被片は6個、普通、分離(Smilax synandraでは合着)。雄花は雄しべが6本、まれに8本又はそれ以上、花被片の基部につく。葯はほとんどが1室。雌花は子房が3室。胚珠は各室に1又は2個。花柱はごく短い。柱頭は3個。仮雄しべは0~6個。果実は液果、赤色~黒色、種子は普通1又は2個。種子は暗褐色。
世界に約300種があり、両半球の熱帯、亜熱帯、温帯に分布する。
中国、ブータン、インド、ミャンマー、ネパール、西南アジア、アフリカ、ヨーロッパ(地中海沿岸)原産。中国名は穗菝葜 sui ba qia。英名はcommon smilax , rough bindweed , sarsaparille , Mediterranean smilax。
蔓性木、よじ登り。茎と枝は木質、角(かど)に尾根があり、普通、ごくまばらに刺がある。刺は短く、わずかに扁平。葉柄はしばしば曲がり又は捻じれ、長さ3~4㎝、ときにまばらに刺があり、翼は無く、先に脱離ゾーン(abscission zone)がある。巻きひげはかなり長い。葉身は心形状三角形~卵状披針形、長さ6~15㎝×幅5~9.5㎝。花序は穂状花序、5~25個の散形花序からなり、長さ7~45㎝、基部に前出葉がある。両性の散形花序は長い花序軸があり、無柄、花が3~6個つき、基部はわずかに太くなる。小苞は多数、広卵形。雄花は花被片が白色、長さ4~5mm×幅約1mm。雄しべは長さ2~2.5mm。雌花は花被片が雄花よりわずかに小さい。仮雄しべは6個。花期は1~2月。果期は11~12月。2n=32。
品種) 'Silver Shield'
2 Smilax amamiana Z.S.Sun et P.Li アマミヒメカカラ
日本固有種(南西諸島)。
木質、多年草、落葉性。根茎は這う。茎は直立、長さ8~30㎝、密に分枝し、屈曲し、うねがあり、しばしば刺を散生する。葉柄は長さ2~5mm、その長さの約2/3に狭い翼があり、翼部分のすぐ上に脱離ゾーン(abscission zone)がある。巻きひげは長さ0~2mm。葉身は厚い紙室、緑色、下面は帯白色、3脈があり、広卵形~円形、長さ1.2~2.4(~3.0)㎝×幅1.4~3.0(~3.5)㎝、基部は円形~急にくびれ、先は円形~小凹形、微突形。散形花序は腋生、短い花序柄があり、花が1~2個つく。花は黄緑イオ。雄花の花被片は楕円形、斜めに広がり、上部は反曲し、長さ約3mm。内側の輪は狭い長円形。雄しべは6本、花被片の長さの約1/2。液果は赤色、球形、長さ4~7mm。2n = 32。
3 Smilax arisanensis Hayata アリサンサンキライ
synonym Smilax oxyphylla auct. non Wall. ex Kunth
中国、台湾、ベトナム原産。中国名は尖叶菝葜 jian ye ba qia。
4 Smilax biflora Siebold ex Miq. ヒメカカラ
synonym Smilax china L. var. biflora (Siebold ex Miq.) Makino
4-1 Smilax biflora Siebold ex Miq. var. trinervula (Miq.) Hatus. ex T.Koyama サルマメ
synonym Smilax trinervula Miq. [Flora of China]
synonym Smilax sarumame Ohwi
日本(屋久島)、中国原産。中国名は三脉菝葜 san mai ba qia。Flora of ChinaではSmilax trinervula Miq.とし、Smilax biflora Siebold ex Miq.を含めている。別名はヒメサルトリ。
5 Smilax bockii Warb. カラスキバサンキライ 唐鋤葉山帰来
synonym Smilax japonica (Kunth) P.Li et C.X.Fu
synonym Smilax stemonifolia H.Lév. et Vaniot
synonym Smilax planipedunculata Hayata
synonym Heterosmilax japonica Kunthm [Flora ob China]
synonym Heterosmilax indica A.DC.
日本(南西諸島)、中国、台湾、ブータン、インド原産。中国名は肖菝葜 xiao ba qia。Flora of Chinaではカラスキバサンキライ属を分割し、Heterosmilax japonica Kunthmとしている。
6 Smilax bona-nox L. スミラクス・ボナノックス
北アメリカ(USA、メキシコ)原産。英名はbullbrier , catbrier , chinabrier , saw greenbrier , tramp's trouble , zarzaparrilla 。
品種) 'Cantab'
7 Smilax bracteata C.Presl サツマサンキライ 薩摩山帰来
synonym Smilax stenopetala A.Gray
日本(九州南部以南)、中国、台湾、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム原産。中国名は圆锥菝葜 yuan zhui ba qia。
7-1 Smilax bracteata C.Presl var. verruculosa (Merr.) T.Koyama アラガタサンキライ
synonym Smilax bracteata C.Presl subsp. verruculosa (Merr.) T.Koyama
synonym Smilax aspericaulis Wall. ex A.DC.
小枝の表面には粒状突起があり、著しくザラつく。
8 Smilax china L. サルトリイバラ 猿捕茨
synonym Smilax china L. var. taiheiensis (Hayata) T.Koyama
synonym Smilax china L. f. gigantifolia (Sasam.) T.Koyama
日本全土、朝鮮、中国、台湾、ミャンマー、フィリピン、タイ、ベトナム原産。中国名は菝葜 ba qia。英名はChina root。別名はサンキライ(山帰来)。
落葉つる性低木。塊状の地下茎がある。茎は長さ1~5m、木質、緑色で硬く、地面から直立し、節ごとに曲がり、まばらに刺があり、巻きひげにより周囲の樹木などにからみつく。巻きひげは托葉が変化したものである。葉柄は長さ0.5~1.5㎝、その長さの1/2~2/3に狭い翼があり、離脱ゾーン(abscission zone)は翼のすぐ上にある。葉は互生し、長さ3~10(12)㎝×幅1.5~6(~10)㎝ の円形~楕円形で3脈が目立ち、光沢がある。葉の先は少し尖り、基部は心形で、全縁。雌雄異株。散形花序は花が10~25個つき、基部に前出葉はない。花序柄は長さ1~2㎝。花は両性、黄緑色。小苞は小さく多数。花被片は6個、離生する。雄花は花被片が黄緑色、長さ3.5~4.5mm×幅1.5~2.5mm。雄しべは6個、長さ3~4mm。花糸は糸状。雌花は柱頭3個。仮雄しべが6本。果実は直径(6)7~9(~15)㎜の球形の液果、赤色、わずかに白く粉状になる。種子は直径約4㎜の球形、果実に1個だけ入る。2n=30,90。花期は(2~)4~5月。果期は9~11月。
8-1 Smilax china L. f. igaensis (Masam. et T.Kurok.) T.Koyama コミノサルトリイバラ
synonym Smilax china L. var. igaensis Masam. et T.Kurok.
8-2 Smilax china L. f. xanthocarpa Sugim. キミノサルトリイバラ
8-3 Smilax china L. var. yanagitae Honda トキワサルトリイバラ
synonym Smilax china L. var. kuru Sakaguchi ex Yamam.
synonym Smilax china L. f. yanagitae (Honda) T.Koyama
synonym Smilax boninensis Nakai ex Tuyamam
茎にほとんど刺の無い変種。果実や葉が大きく、葉の先端が円頭~凹頭。落葉が2月頃と遅く、別名トゲナシサルトリイバラともいわれる。
9 Smilax corbularia Kunt
中国、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、ベトナム原産。中国名は筐条菝葜 kuang tiao ba qia。
13-1 Smilax corbularia Kunth var. hypoglauca (Benth.) T.Koyama ウラジロサンキライ
10 Smilax discotis Warb.
中国原産。中国名は托柄菝葜 tuo bing ba qia。
10-1 Smilax discotis Warb. var. concolor Norton
11 Smilax elongatoumbellata Hayata ホソバサンキライ 細葉山帰来
synonym Smilax elongatoreticulata Hayata
synonym Smilax elongatoumbellata Hayata f. elongatoreticulata (Hayata) T.Koyama
日本(沖縄)、中国原産。中国名は台湾菝葜 tai wan ba qia。
13 Smilax glabra Roxb. ナメラサンキライ
中国、台湾、インド、ミャンマー、タイ、ベトナム原産。中国名は土伏苓 tu fu ling。英名はEarth Fu Ling。
茎に刺がなく、葉が長楕円形~卵状披針形。花は7~11月。果実が黒青色。
14 Smilax glaucochina Warb.
中国、台湾原産。中国名は黑果菝葜 hei guo ba qia。英名はBlack Fruit Greenbrier。
15 Smilax hayatae T.Koyama ホソガタサンキライ
synonym Smilax gracillima Hayata
中国、台湾原産。中国名は菱叶菝葜 ling ye ba qia。英名はHemsley’s Greenbrier。
16 Smilax horridiramula Hayata アラゲサンキライ
台湾原産。中国名は刺枝菝葜 ci zhi ba qia。
17 Smilax hypoglauca Benth. ウラジロサンキライ
synonym Smilax corbularia Kunth var. hypoglauca (Benth.) T.Koyama
中国原産。中国名は粉背菝葜 fen bei ba qia。英名はLong-Leaved Greenbrier。
18 Smilax lanceifolia Roxb. タイワンサンキライ 広義
中国、台湾、ブータン、カンボジア、インド、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シッキム、タイ、ベトナム原産。中国名は马甲菝葜 ma jia ba qia。
18-1 Smilax lanceifolia Roxb. var. opaca A.DC. タイワンサンキライ 台湾山帰来
synonym Smilax opaca (A.DC.) Norton
synonym Smilax lanceifolia Roxb. subsp. opaca (A.DC.) T.Koyama
中国、台湾、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、タイ、ベトナム原産。中国名は暗色菝葜 an se ba qiaa
19 Smilax luei T.Koyama レンゲチサンキライ
台湾原産。中国名は吕氏菝葜 lu shi ba qia。英名はLue’s Greenbrier。
20 Smilax nantoensis T.Koyama ナントウサンキライ
台湾原産。中国名は南投菝葜 nan tou ba qia。英名はNantou Greenbrier。
21 Smilax nervomarginata Hayata ササバサンキライ
synonym Smilax liukiuensis Hayata
synonym Smilax nervomarginata Hayata var. liukiuensis (Hayata) F.T.Wang et Tang
日本(沖縄)、中国原産。中国名は缘脉菝葜 yuan mai ba qia。
22 Smilax nipponica Miq. タチシオデ 立牛尾菜
synonym Smilax nipponica Miq. var. manshurica (Kitag.) Kitag.
synonym Smilax nipponica Miq. f. grandifolia H.Hara
日本(本州、四国、九州)、朝鮮、中国、台湾原産。中国名は白背牛尾菜 bai bei niu wei cai。
1年草。茎は単一、円柱形、直立又はときに絡みつき、長さ80~100㎝、平滑、中空、やや強い。葉柄は長さ1.5~4.5㎝、わずかに翼があり、末端に離層がある。巻きひげは托葉が変化したもの。葉身は長さ4~20㎝、幅2~14㎝の卵形(広惰円形)~長楕円形、質が薄い。葉裏は白色の短毛が密生し、粉白色。雌雄異株。葉腋に1個の球形の散形花序をつけ、苞は無い。花序柄は長さ3~9㎝、わずかに扁平。雌雄の花序とも花は20~30個つき、花被片は6個つく。雄花は花被片が開花時に反曲し、緑黄色~白色、長さ約4㎜、幅約1㎜、雄しべ6個、長さ2.5~3㎜、葯は短く、長さ約1㎜の長楕円形。雌花は花被片がほぼ平開し、雄花とほぼ同形。仮雄しべ6個、花柱は3個。果実は球形の液果、直径6~7㎜、粉白を帯び、黒色に熟す。種子は長さ4~4.5㎜の赤色。花期は4~5月。果期は8~9月。
22-1 Smilax nipponica Miq. f. tenuifolia Hisauti ホソバタチシオデ
23 Smilax perfoliata Lour. ツキヌキサルトリイバラ
中国、台湾、インド、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム原産。中国名は穿鞘菝葜 chuan qiao ba qia。
24 Smilax pygmaea Merr. ランダイサンキライ
synonym Smilax menispermoidea A.DC. subsp. randaiensis (Hayata) T.Koyama
台湾、フィリピン原産。中国名は峦大菝葜 luan da ba qia。
25 Smilax riparia A.DC. シオデ 牛尾菜
synonym Smilax riparia A.DC. var. ussuriensis (Regel) H.Hara et T.Koyama
synonym Smilax riparia A.DC. subsp. ussuriensis (Regel) Kitag.
synonym Smilax riparia A.DC. f. ovatorotunda (Hayata) T.Koyama
synonym Smilax riparia A.DC. f. maximowiczii (Koidz.) T.Koyama
synonym Smilax riparia A.DC. f. acuta (Hiyama) Y.Kobay.
synonym Smilax ovatorotunda Hayata var. ussuriensis (Regel) H.Haram
synonym Smilax oldhamii auct. non Miq.
synonym Smilax maximowiczii Koidz.
日本(北海道、本州、四国、九州)、朝鮮、中国、台湾、フィリピン原産。中国名は牛尾菜 niu wei cai。
若芽はおいしい山菜としてよく知られている。
蔓性。1年草ときに多年草。茎は綾があり、つる状に長くのび、托葉が変化した巻きひげで、他のものに絡みつく。葉は長さ5~15㎝、幅2.5~3.5㎝の卵状長楕円形、先は尖り、基部は浅い心形~切形、3~7の平行脈がある。葉柄は長さ1~2.5㎝、不規則に切れ込む狭い翼がある。。雌雄異株。葉腋の球形の散形花序に小さな花を多数つける。花は淡黄緑色、花被片が6個つく。花被片は強く反り返り、垂れ下がってつき、雄花は長さ4~5㎜の披針形、雌花はやや短く、長楕円形。雄しべ6個。葯は長さ約1.5㎜、細く、釣針状に曲がる。花柱は3個。果実は直径7~9㎜、球形の液果、種子を1~4個入れ、黒く熟し、光沢がある。種子は橙赤色。2n=32。花期は6~7月。果期は10月。
25-1 Smilax riparia A.DC. f. sadoensis (Honda) T.Koyama サドシオデ 佐渡牛尾菜
synonym Smilax oldhamii Miq. var. sadoensis (Honda) Satomi
茎が太く、直立する。葉は間がつまり、密に互生する。
25-2 Smilax riparia A.DC. f. stenophylla (H.Hara) T.Koyama ホソバシオデ 細葉牛尾菜
synonym Smilax ovatorotunda Hayata var. ussuriensis (Regel) H.Hara f. stenophylla H.Hara
葉の幅が1.2~3㎝と狭いもの。
26 Smilax sebeana Miq. ハマサルトリイバラ 浜猿捕茨
synonym Smilax iriomotensis Masam.
synonym Smilax maritima Hatus.m
日本固有種(鹿児島南部以南~南西諸島)。別名はトゲナシカカラ。
27 Smilax seisuiensis (Hayata) P.Li et C.X.Fu シオデモドキ
synonym Heterosmilax seisuiensis (Hayata) F.T.Wang et Tang [Flora of China]
synonym Pseudosmilax seisuiensis Hayata
台湾原産。中国名は台湾肖菝葜 tai wan xiao ba qia。
28 Smilax sieboldii Miq. ヤマカシュウ 山何首烏
日本(本州、四国、九州)、朝鮮、中国、台湾原産。中国名は华东菝葜 hua dong ba qia。別名はヤマガシュウ、サイカチバラ。
蔓性半低木。茎は分枝し、類円柱形(稜が多く)、長さ1~2m、±木質。茎や枝は帯黒色の針状の刺が散在する(多い)。葉柄は長さ1~2㎝、その長さの約1/2に狭い翼があり、上部に離脱ゾーン(abscission zone)がある。巻きひげはよく発達する。葉身は卵形~広卵形、長さ3~9㎝×幅2~5(~8)㎝、草質。花序は1個の散形花序、基部に前出葉(prophyll)が無い。花序柄は細く、長さ1~2.5㎝、葉柄の長さとほぼ等しいか又は長い。散形花序は両性、花が普通3~8個、基部は少し太くなる。雄花は花被片が黄緑色、長さ4~5mm×幅1.2~1.4mm、内側の花被片は外側の花被片よりわずかに幅が狭い。雄しべは長さ2~3mm。雌花は花被片が雄花より小さい。仮雄しべは6本。液果は青黒色、直径6~7mm。花期は5~6月。果期は10月。
28-1 Smilax sieboldii Miq. f. inermis (Nakai) H.Hara トゲナシヤマカシュウ
29 Smilax stans Maxim. マルバサンキライ 丸葉山帰来
synonym Smilax vaginata Decne. var. stans (Maxim.) T.Koyama
synonym Smilax vaginata auct. non Decne.
日本(本州、四国、九州)、中国、台湾原産。中国名は鞘柄菝葜 qiao bing ba qia。
低木、落葉性、直立し、刺は無い。茎は密に、分枝し、長さ0.3~3m。葉柄は長さ5~12mm、下側に条線状のうねがあり、その長さの約2/3に狭い翼がある。翼は先が葉柄と合流し、離脱ゾーン(abscission zone)はほぼ先にある。巻きひげは無い。葉身は下面が粉白色を帯び、卵形~ほぼ円形、長さ1.5~4(~6)㎝×幅1.2~3.5(~5)㎝、ときに下面がわずかに粉状になる。花序は1個の散形花序、基部に前出葉(prophyll)が無い。花序柄は細く、長さ0.7~2㎝。散形花序は両性、花が1~3(~6)個つき、基部は太くならない。雄花は花被片が黄緑色又はときにピンク色、長さ2.5~3mm×幅0.7~1mm。雌花は花被片が雄花よりわずかに小さい。仮雄しべは6本。液果は黒色、球形、直径6~10mm、白色の粉状。花期は3~5月。果期は10~11月。
蔓植物、よじ登り、木質又はやや草質。茎や枝は平滑、刺がない。葉柄は基部や下部に狭い翼があり、ほぼ先に離脱ゾーン(abscission zone)をもつ。巻きひげが普通ある。葉身は普通、卵形又は長円状披針形。主脈は5~9本、最も外側の対は普通、縁に沿って走る。花序は葉腋や鱗片状の苞腋に生じ、単生の多数の花のつく散形花序である。花序柄は普通、扁平、基部に鱗片状の前出葉(prophyll)が無い。花は小さく、花被片は合着し、ボトル形の筒部を作り、歯のある先だけが開く。雄花は雄しべが3、6又は9~12本。花糸は下部又は全体が合着し、筒(synandrium:集葯雄しべ)を形成する。葯は分離、内向き、葯隔は室を超えて突き出す。雌花は子房が3室。胚珠は1~2個。柱頭は3個、普通、反曲する。仮雄しべは3~6本。果実は液果、黒色、球形、種子が1~6個。種子は暗褐色。
世界に12種あり、アジアの熱帯、亜熱帯に分布する。
Smilax
Smilax L.
茎は綾があり、つる状に長くのび、托葉が変化した巻きひげで、他のものに絡みつく。葉は長さ5~15㎝、幅2.5~3.5㎝の卵状長楕円形、先は尖り、基部は浅い心形~切形、3~7の平行脈がある。葉柄は長さ1~2.5㎝、不規則に切れ込む狭い翼がある。。雌雄異株。葉腋の球形の散形花序に小さな花を多数つける。花は淡黄緑色、花被片が6個つく。花被片は強く反り返り、垂れ下がってつき、雄花は長さ4~5㎜の披針形、雌花はやや短く、長楕円形。雄しべ6個。葯は長さ約1.5㎜、細く、釣針状に曲がる。花柱は3個。果実は直径7~9㎜、球形の液果、種子を1~4個入れ、黒く熟し、光沢がある。種子は橙赤色。2n=32
葉の幅が1.2~3㎝と狭いものはホソバシオデ form. stenophylla として品種に分類されている。
タチシオデ Smilax nipponica は茎が直立し、花期がシオデより早く、春に咲く。花被片が平開し、葯が長さ約1㎜、惰円形。
タチシオデの葉の幅が狭いものはホソバタチシオデ Smilax nipponica form. tenuifolia。
ヤマカシュウSmilax sieboldii は本州、四国、九州、朝鮮、中国台湾に分布する。葉幅がやや広く卵形、無毛。花被片は長さ4~5㎜の長楕円形、斜開~平開し、先はやや外曲する。葯は長さ約1.2㎜。
シオデ属
family Smilacacea - genus Smilax蔓性木よじ登り又は低木、木質、頻繁ではないが、ほぼ直立又は草本、雌雄異株、普通、短く太い根茎をもつ。茎や枝は普通、刺がある。葉柄は普通、下部に狭い翼があり、翼部分と先の間に離脱ゾーン(abscission zone)をもつ。巻きひげがしばしばある。葉身は普通、卵形~披針形、主脈は3~7本、横脈と細脈の網によりつながる。花序は葉腋又は鱗片状の苞腋につき、1(~3)個の散形花序又は散形花序からなる1個の円錐花序、総状花序、又は穂状花序。花序柄はときに、基部に鱗片状の前出葉(prophyll)をもつ。花は小さい。花被片は6個、普通、分離(Smilax synandraでは合着)。雄花は雄しべが6本、まれに8本又はそれ以上、花被片の基部につく。葯はほとんどが1室。雌花は子房が3室。胚珠は各室に1又は2個。花柱はごく短い。柱頭は3個。仮雄しべは0~6個。果実は液果、赤色~黒色、種子は普通1又は2個。種子は暗褐色。
世界に約300種があり、両半球の熱帯、亜熱帯、温帯に分布する。
シオデ属の主な種と園芸品種
1 Smilax aspera L. スミラックス・アスペラ中国、ブータン、インド、ミャンマー、ネパール、西南アジア、アフリカ、ヨーロッパ(地中海沿岸)原産。中国名は穗菝葜 sui ba qia。英名はcommon smilax , rough bindweed , sarsaparille , Mediterranean smilax。
蔓性木、よじ登り。茎と枝は木質、角(かど)に尾根があり、普通、ごくまばらに刺がある。刺は短く、わずかに扁平。葉柄はしばしば曲がり又は捻じれ、長さ3~4㎝、ときにまばらに刺があり、翼は無く、先に脱離ゾーン(abscission zone)がある。巻きひげはかなり長い。葉身は心形状三角形~卵状披針形、長さ6~15㎝×幅5~9.5㎝。花序は穂状花序、5~25個の散形花序からなり、長さ7~45㎝、基部に前出葉がある。両性の散形花序は長い花序軸があり、無柄、花が3~6個つき、基部はわずかに太くなる。小苞は多数、広卵形。雄花は花被片が白色、長さ4~5mm×幅約1mm。雄しべは長さ2~2.5mm。雌花は花被片が雄花よりわずかに小さい。仮雄しべは6個。花期は1~2月。果期は11~12月。2n=32。
品種) 'Silver Shield'
2 Smilax amamiana Z.S.Sun et P.Li アマミヒメカカラ
日本固有種(南西諸島)。
木質、多年草、落葉性。根茎は這う。茎は直立、長さ8~30㎝、密に分枝し、屈曲し、うねがあり、しばしば刺を散生する。葉柄は長さ2~5mm、その長さの約2/3に狭い翼があり、翼部分のすぐ上に脱離ゾーン(abscission zone)がある。巻きひげは長さ0~2mm。葉身は厚い紙室、緑色、下面は帯白色、3脈があり、広卵形~円形、長さ1.2~2.4(~3.0)㎝×幅1.4~3.0(~3.5)㎝、基部は円形~急にくびれ、先は円形~小凹形、微突形。散形花序は腋生、短い花序柄があり、花が1~2個つく。花は黄緑イオ。雄花の花被片は楕円形、斜めに広がり、上部は反曲し、長さ約3mm。内側の輪は狭い長円形。雄しべは6本、花被片の長さの約1/2。液果は赤色、球形、長さ4~7mm。2n = 32。
3 Smilax arisanensis Hayata アリサンサンキライ
synonym Smilax oxyphylla auct. non Wall. ex Kunth
中国、台湾、ベトナム原産。中国名は尖叶菝葜 jian ye ba qia。
4 Smilax biflora Siebold ex Miq. ヒメカカラ
synonym Smilax china L. var. biflora (Siebold ex Miq.) Makino
4-1 Smilax biflora Siebold ex Miq. var. trinervula (Miq.) Hatus. ex T.Koyama サルマメ
synonym Smilax trinervula Miq. [Flora of China]
synonym Smilax sarumame Ohwi
日本(屋久島)、中国原産。中国名は三脉菝葜 san mai ba qia。Flora of ChinaではSmilax trinervula Miq.とし、Smilax biflora Siebold ex Miq.を含めている。別名はヒメサルトリ。
5 Smilax bockii Warb. カラスキバサンキライ 唐鋤葉山帰来
synonym Smilax japonica (Kunth) P.Li et C.X.Fu
synonym Smilax stemonifolia H.Lév. et Vaniot
synonym Smilax planipedunculata Hayata
synonym Heterosmilax japonica Kunthm [Flora ob China]
synonym Heterosmilax indica A.DC.
日本(南西諸島)、中国、台湾、ブータン、インド原産。中国名は肖菝葜 xiao ba qia。Flora of Chinaではカラスキバサンキライ属を分割し、Heterosmilax japonica Kunthmとしている。
6 Smilax bona-nox L. スミラクス・ボナノックス
北アメリカ(USA、メキシコ)原産。英名はbullbrier , catbrier , chinabrier , saw greenbrier , tramp's trouble , zarzaparrilla 。
品種) 'Cantab'
7 Smilax bracteata C.Presl サツマサンキライ 薩摩山帰来
synonym Smilax stenopetala A.Gray
日本(九州南部以南)、中国、台湾、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム原産。中国名は圆锥菝葜 yuan zhui ba qia。
7-1 Smilax bracteata C.Presl var. verruculosa (Merr.) T.Koyama アラガタサンキライ
synonym Smilax bracteata C.Presl subsp. verruculosa (Merr.) T.Koyama
synonym Smilax aspericaulis Wall. ex A.DC.
小枝の表面には粒状突起があり、著しくザラつく。
8 Smilax china L. サルトリイバラ 猿捕茨
synonym Smilax china L. var. taiheiensis (Hayata) T.Koyama
synonym Smilax china L. f. gigantifolia (Sasam.) T.Koyama
日本全土、朝鮮、中国、台湾、ミャンマー、フィリピン、タイ、ベトナム原産。中国名は菝葜 ba qia。英名はChina root。別名はサンキライ(山帰来)。
落葉つる性低木。塊状の地下茎がある。茎は長さ1~5m、木質、緑色で硬く、地面から直立し、節ごとに曲がり、まばらに刺があり、巻きひげにより周囲の樹木などにからみつく。巻きひげは托葉が変化したものである。葉柄は長さ0.5~1.5㎝、その長さの1/2~2/3に狭い翼があり、離脱ゾーン(abscission zone)は翼のすぐ上にある。葉は互生し、長さ3~10(12)㎝×幅1.5~6(~10)㎝ の円形~楕円形で3脈が目立ち、光沢がある。葉の先は少し尖り、基部は心形で、全縁。雌雄異株。散形花序は花が10~25個つき、基部に前出葉はない。花序柄は長さ1~2㎝。花は両性、黄緑色。小苞は小さく多数。花被片は6個、離生する。雄花は花被片が黄緑色、長さ3.5~4.5mm×幅1.5~2.5mm。雄しべは6個、長さ3~4mm。花糸は糸状。雌花は柱頭3個。仮雄しべが6本。果実は直径(6)7~9(~15)㎜の球形の液果、赤色、わずかに白く粉状になる。種子は直径約4㎜の球形、果実に1個だけ入る。2n=30,90。花期は(2~)4~5月。果期は9~11月。
8-1 Smilax china L. f. igaensis (Masam. et T.Kurok.) T.Koyama コミノサルトリイバラ
synonym Smilax china L. var. igaensis Masam. et T.Kurok.
8-2 Smilax china L. f. xanthocarpa Sugim. キミノサルトリイバラ
8-3 Smilax china L. var. yanagitae Honda トキワサルトリイバラ
synonym Smilax china L. var. kuru Sakaguchi ex Yamam.
synonym Smilax china L. f. yanagitae (Honda) T.Koyama
synonym Smilax boninensis Nakai ex Tuyamam
茎にほとんど刺の無い変種。果実や葉が大きく、葉の先端が円頭~凹頭。落葉が2月頃と遅く、別名トゲナシサルトリイバラともいわれる。
9 Smilax corbularia Kunt
中国、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、ベトナム原産。中国名は筐条菝葜 kuang tiao ba qia。
13-1 Smilax corbularia Kunth var. hypoglauca (Benth.) T.Koyama ウラジロサンキライ
10 Smilax discotis Warb.
中国原産。中国名は托柄菝葜 tuo bing ba qia。
10-1 Smilax discotis Warb. var. concolor Norton
11 Smilax elongatoumbellata Hayata ホソバサンキライ 細葉山帰来
synonym Smilax elongatoreticulata Hayata
synonym Smilax elongatoumbellata Hayata f. elongatoreticulata (Hayata) T.Koyama
日本(沖縄)、中国原産。中国名は台湾菝葜 tai wan ba qia。
13 Smilax glabra Roxb. ナメラサンキライ
中国、台湾、インド、ミャンマー、タイ、ベトナム原産。中国名は土伏苓 tu fu ling。英名はEarth Fu Ling。
茎に刺がなく、葉が長楕円形~卵状披針形。花は7~11月。果実が黒青色。
14 Smilax glaucochina Warb.
中国、台湾原産。中国名は黑果菝葜 hei guo ba qia。英名はBlack Fruit Greenbrier。
15 Smilax hayatae T.Koyama ホソガタサンキライ
synonym Smilax gracillima Hayata
中国、台湾原産。中国名は菱叶菝葜 ling ye ba qia。英名はHemsley’s Greenbrier。
16 Smilax horridiramula Hayata アラゲサンキライ
台湾原産。中国名は刺枝菝葜 ci zhi ba qia。
17 Smilax hypoglauca Benth. ウラジロサンキライ
synonym Smilax corbularia Kunth var. hypoglauca (Benth.) T.Koyama
中国原産。中国名は粉背菝葜 fen bei ba qia。英名はLong-Leaved Greenbrier。
18 Smilax lanceifolia Roxb. タイワンサンキライ 広義
中国、台湾、ブータン、カンボジア、インド、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シッキム、タイ、ベトナム原産。中国名は马甲菝葜 ma jia ba qia。
18-1 Smilax lanceifolia Roxb. var. opaca A.DC. タイワンサンキライ 台湾山帰来
synonym Smilax opaca (A.DC.) Norton
synonym Smilax lanceifolia Roxb. subsp. opaca (A.DC.) T.Koyama
中国、台湾、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、タイ、ベトナム原産。中国名は暗色菝葜 an se ba qiaa
19 Smilax luei T.Koyama レンゲチサンキライ
台湾原産。中国名は吕氏菝葜 lu shi ba qia。英名はLue’s Greenbrier。
20 Smilax nantoensis T.Koyama ナントウサンキライ
台湾原産。中国名は南投菝葜 nan tou ba qia。英名はNantou Greenbrier。
21 Smilax nervomarginata Hayata ササバサンキライ
synonym Smilax liukiuensis Hayata
synonym Smilax nervomarginata Hayata var. liukiuensis (Hayata) F.T.Wang et Tang
日本(沖縄)、中国原産。中国名は缘脉菝葜 yuan mai ba qia。
22 Smilax nipponica Miq. タチシオデ 立牛尾菜
synonym Smilax nipponica Miq. var. manshurica (Kitag.) Kitag.
synonym Smilax nipponica Miq. f. grandifolia H.Hara
日本(本州、四国、九州)、朝鮮、中国、台湾原産。中国名は白背牛尾菜 bai bei niu wei cai。
1年草。茎は単一、円柱形、直立又はときに絡みつき、長さ80~100㎝、平滑、中空、やや強い。葉柄は長さ1.5~4.5㎝、わずかに翼があり、末端に離層がある。巻きひげは托葉が変化したもの。葉身は長さ4~20㎝、幅2~14㎝の卵形(広惰円形)~長楕円形、質が薄い。葉裏は白色の短毛が密生し、粉白色。雌雄異株。葉腋に1個の球形の散形花序をつけ、苞は無い。花序柄は長さ3~9㎝、わずかに扁平。雌雄の花序とも花は20~30個つき、花被片は6個つく。雄花は花被片が開花時に反曲し、緑黄色~白色、長さ約4㎜、幅約1㎜、雄しべ6個、長さ2.5~3㎜、葯は短く、長さ約1㎜の長楕円形。雌花は花被片がほぼ平開し、雄花とほぼ同形。仮雄しべ6個、花柱は3個。果実は球形の液果、直径6~7㎜、粉白を帯び、黒色に熟す。種子は長さ4~4.5㎜の赤色。花期は4~5月。果期は8~9月。
22-1 Smilax nipponica Miq. f. tenuifolia Hisauti ホソバタチシオデ
23 Smilax perfoliata Lour. ツキヌキサルトリイバラ
中国、台湾、インド、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム原産。中国名は穿鞘菝葜 chuan qiao ba qia。
24 Smilax pygmaea Merr. ランダイサンキライ
synonym Smilax menispermoidea A.DC. subsp. randaiensis (Hayata) T.Koyama
台湾、フィリピン原産。中国名は峦大菝葜 luan da ba qia。
25 Smilax riparia A.DC. シオデ 牛尾菜
synonym Smilax riparia A.DC. var. ussuriensis (Regel) H.Hara et T.Koyama
synonym Smilax riparia A.DC. subsp. ussuriensis (Regel) Kitag.
synonym Smilax riparia A.DC. f. ovatorotunda (Hayata) T.Koyama
synonym Smilax riparia A.DC. f. maximowiczii (Koidz.) T.Koyama
synonym Smilax riparia A.DC. f. acuta (Hiyama) Y.Kobay.
synonym Smilax ovatorotunda Hayata var. ussuriensis (Regel) H.Haram
synonym Smilax oldhamii auct. non Miq.
synonym Smilax maximowiczii Koidz.
日本(北海道、本州、四国、九州)、朝鮮、中国、台湾、フィリピン原産。中国名は牛尾菜 niu wei cai。
若芽はおいしい山菜としてよく知られている。
蔓性。1年草ときに多年草。茎は綾があり、つる状に長くのび、托葉が変化した巻きひげで、他のものに絡みつく。葉は長さ5~15㎝、幅2.5~3.5㎝の卵状長楕円形、先は尖り、基部は浅い心形~切形、3~7の平行脈がある。葉柄は長さ1~2.5㎝、不規則に切れ込む狭い翼がある。。雌雄異株。葉腋の球形の散形花序に小さな花を多数つける。花は淡黄緑色、花被片が6個つく。花被片は強く反り返り、垂れ下がってつき、雄花は長さ4~5㎜の披針形、雌花はやや短く、長楕円形。雄しべ6個。葯は長さ約1.5㎜、細く、釣針状に曲がる。花柱は3個。果実は直径7~9㎜、球形の液果、種子を1~4個入れ、黒く熟し、光沢がある。種子は橙赤色。2n=32。花期は6~7月。果期は10月。
25-1 Smilax riparia A.DC. f. sadoensis (Honda) T.Koyama サドシオデ 佐渡牛尾菜
synonym Smilax oldhamii Miq. var. sadoensis (Honda) Satomi
茎が太く、直立する。葉は間がつまり、密に互生する。
25-2 Smilax riparia A.DC. f. stenophylla (H.Hara) T.Koyama ホソバシオデ 細葉牛尾菜
synonym Smilax ovatorotunda Hayata var. ussuriensis (Regel) H.Hara f. stenophylla H.Hara
葉の幅が1.2~3㎝と狭いもの。
26 Smilax sebeana Miq. ハマサルトリイバラ 浜猿捕茨
synonym Smilax iriomotensis Masam.
synonym Smilax maritima Hatus.m
日本固有種(鹿児島南部以南~南西諸島)。別名はトゲナシカカラ。
27 Smilax seisuiensis (Hayata) P.Li et C.X.Fu シオデモドキ
synonym Heterosmilax seisuiensis (Hayata) F.T.Wang et Tang [Flora of China]
synonym Pseudosmilax seisuiensis Hayata
台湾原産。中国名は台湾肖菝葜 tai wan xiao ba qia。
28 Smilax sieboldii Miq. ヤマカシュウ 山何首烏
日本(本州、四国、九州)、朝鮮、中国、台湾原産。中国名は华东菝葜 hua dong ba qia。別名はヤマガシュウ、サイカチバラ。
蔓性半低木。茎は分枝し、類円柱形(稜が多く)、長さ1~2m、±木質。茎や枝は帯黒色の針状の刺が散在する(多い)。葉柄は長さ1~2㎝、その長さの約1/2に狭い翼があり、上部に離脱ゾーン(abscission zone)がある。巻きひげはよく発達する。葉身は卵形~広卵形、長さ3~9㎝×幅2~5(~8)㎝、草質。花序は1個の散形花序、基部に前出葉(prophyll)が無い。花序柄は細く、長さ1~2.5㎝、葉柄の長さとほぼ等しいか又は長い。散形花序は両性、花が普通3~8個、基部は少し太くなる。雄花は花被片が黄緑色、長さ4~5mm×幅1.2~1.4mm、内側の花被片は外側の花被片よりわずかに幅が狭い。雄しべは長さ2~3mm。雌花は花被片が雄花より小さい。仮雄しべは6本。液果は青黒色、直径6~7mm。花期は5~6月。果期は10月。
28-1 Smilax sieboldii Miq. f. inermis (Nakai) H.Hara トゲナシヤマカシュウ
29 Smilax stans Maxim. マルバサンキライ 丸葉山帰来
synonym Smilax vaginata Decne. var. stans (Maxim.) T.Koyama
synonym Smilax vaginata auct. non Decne.
日本(本州、四国、九州)、中国、台湾原産。中国名は鞘柄菝葜 qiao bing ba qia。
低木、落葉性、直立し、刺は無い。茎は密に、分枝し、長さ0.3~3m。葉柄は長さ5~12mm、下側に条線状のうねがあり、その長さの約2/3に狭い翼がある。翼は先が葉柄と合流し、離脱ゾーン(abscission zone)はほぼ先にある。巻きひげは無い。葉身は下面が粉白色を帯び、卵形~ほぼ円形、長さ1.5~4(~6)㎝×幅1.2~3.5(~5)㎝、ときに下面がわずかに粉状になる。花序は1個の散形花序、基部に前出葉(prophyll)が無い。花序柄は細く、長さ0.7~2㎝。散形花序は両性、花が1~3(~6)個つき、基部は太くならない。雄花は花被片が黄緑色又はときにピンク色、長さ2.5~3mm×幅0.7~1mm。雌花は花被片が雄花よりわずかに小さい。仮雄しべは6本。液果は黒色、球形、直径6~10mm、白色の粉状。花期は3~5月。果期は10~11月。
類似属
カラスキバサンキライ属 Heterosmilax
蔓植物、よじ登り、木質又はやや草質。茎や枝は平滑、刺がない。葉柄は基部や下部に狭い翼があり、ほぼ先に離脱ゾーン(abscission zone)をもつ。巻きひげが普通ある。葉身は普通、卵形又は長円状披針形。主脈は5~9本、最も外側の対は普通、縁に沿って走る。花序は葉腋や鱗片状の苞腋に生じ、単生の多数の花のつく散形花序である。花序柄は普通、扁平、基部に鱗片状の前出葉(prophyll)が無い。花は小さく、花被片は合着し、ボトル形の筒部を作り、歯のある先だけが開く。雄花は雄しべが3、6又は9~12本。花糸は下部又は全体が合着し、筒(synandrium:集葯雄しべ)を形成する。葯は分離、内向き、葯隔は室を超えて突き出す。雌花は子房が3室。胚珠は1~2個。柱頭は3個、普通、反曲する。仮雄しべは3~6本。果実は液果、黒色、球形、種子が1~6個。種子は暗褐色。
世界に12種あり、アジアの熱帯、亜熱帯に分布する。
参考
1) Flora of ChinaSmilax
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=130567
2) Plants of the World Online | Kew ScienceSmilax L.
http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:30001535-2