センブリ 千振

mark

Flora of Mikawa

リンドウ科 Gentianaceae センブリ属

中国名 日本當藥 ri ben dang yao
学 名 Swertia japonica (Schult.) Makino
センブリの花
センブリの4弁花
センブリの蜜腺と毛
センブリの花裏
センブリ果期
センブリの果実
センブリ
センブリ花
センブリ花後
センブリ種子
花 期 8~11月
高 さ 10~20㎝
生活型 2年草
生育場所 日当たりの良い草地
分 布 在来種  北海道、本州、四国、九州、朝鮮
撮 影 田原市  06.10.28(花)
蒲郡市  15.12.9(果実)
和名の由来は昔から日本の胃薬として利用され、非常に苦く、千回振り出してもまだ苦いということから。中国でも栽培されている。
 全草に苦味がある。茎は4稜形、根元から分枝し、紫色を帯びることが多い。葉は対生し、無柄。葉身は長さ1.5~3㎝の線形~広線形、全縁、しばしば淡紫色を帯びる。上部で分枝した枝先や上部の葉腋に花を(1)3~5個ずつつける。小花柄は長さ0.5~1.5㎝。花冠は5裂まれに4裂し、裂片は長さ10~15㎜、幅2~4㎜、表面が白色で紫色の条線があり、裏面は紫色を帯び、つぼみの時は紫色に見え、果時には閉じて残る。花冠の基部に緑いろの蜜腺が2個ずつあり、蜜腺の縁に長毛がある。萼は5深裂し、萼片は長さ4.5~8.5㎜、幅0.5~1㎜の線形、鋭頭、果時にも残る。雄しべは花冠裂片と同数。花糸は長さ約5㎜、線形。子房は紡錘形、雌しべは短い。蒴果は長さ12~16㎜、幅1.5~2㎜の紡錘形、熟すと乾き、先が3~4㎜ほど2裂開する。種子は長さ0.5~0.7㎜、ほぼ卵状の歪な不定形、暗褐色、表面に微細な凸凹がある。2n=18, 20, 24
 イヌセンブリは湿地に生え、苦味がなく、花冠基部の毛が多い。
 ムラサキセンブリは花が一回り大きく、淡紫色であり、蜜腺が明瞭には見えない。

センブリ属

  family Gentianaceae - genus Swertia
 1年草又は多年草。根はひげ根又は木質。1次根は少数の2次小根又は根茎をもち、少数の肉質の不定小根をもつ。茎は無又は花茎状又はよく発達し、斜上又は直立し、円柱形又は条線があり又は角(かど)があり、1本又は分枝する。葉は対生、まれに、互生又は輪生、全縁。花序は集散花序、普通、グループをつくり、単純又は円錐花序状の密穂花序になり、まれに、厳密な2又になり、ときに減じ、1個の花と総状花序、又は花が1個と頂部に1個になる。花は4又は5数性。萼と花冠は車形、基部まで分裂し、筒部が長さ3㎜以下。蜜腺は花冠裂片に1又は2個、縁が繊維状又は裸の斑点状の腺体になる。雄しべは花冠筒部の基部につく。子房は1室。花柱は短~長。蒴果は2バルブ、種子は少数~多数。種子は小さい。
 世界に約150種、世界中にあり、主に、アジア、アフリカに分布し、少数は北アメリカやヨーロッパに分布する。

センブリ属の主な種と栽培種

1 Swertia arisanensis Hayata  アリサンセンブリ 阿里山千振

 台湾原産。中国名は阿里山獐牙菜 a li shan zhang ya cai。台湾中部および東部の標高2000~3000mの森林に生える。
 1年草、高さ90cmになる。根は黄褐色、繊維状。茎は直立し、直径8mm以下、ほぼ四角形で、角に狭い翼があり、分枝する。根生葉は開花時に枯れる。茎葉は無柄またはほぼ無柄、披針形~長円形、長さ4~8cm×幅3cm以下、薄い草質、基部は円形、先は鋭形~鈍形、葉脈は3本。最上部の葉はかなり小さく、葉身は披針形、先は尖鋭形。花序は集散花序の円錐花序で、広がり、分枝し、多数花がつく。花は4数性。小花柄は直立し、長さ0.5~1.5cm、先端が太くなり、狭い翼がある。萼筒は長さ1~2mm、萼裂は披針形、長さ5~10mm、先は尖鋭形、葉脈は3本、突出する。花冠は淡黄緑色、脈は紫色、花冠筒部は長さ1~2mm。花冠裂片は披針形、長さ6~8mm、先は尖鋭形。蜜腺は花冠裂片ごとに1個つき、ポケット形、円形の鱗片を持ち、ポケットの先端には多数の微細な毛があり、る短い縁毛がある。花糸は長さ約3mm、葯は楕円形、長さ約1mm。花柱は短く明瞭で、柱頭裂片は頭状。蒴果は卵状楕円形、長さ約1cm。種子は褐色で卵形、長さ約0.6mm。種皮はシワが多い。花期は10~11月。

2 Swertia bimaculata (Siebold et Zucc.) Hook.f. et Thomson ex C.B.Clarke アケボノソウ 曙草

  synonym Ophelia bimaculata Siebold & Zucc.
 日本(北海道、本州、四国、九州)、中国、インド、ブータン、ネパール、マレーシア、ミャンマー、ベトナム原産。中国名は獐牙菜 zhang ya cai
 1年草。高さ30~140(200)㎝。根は黄色、ひげ根。茎は直径2~6㎜、直立し、よく分枝する。根生葉は開花期に枯れる。葉は対生し、茎葉は無柄~短柄。葉身は広卵形~卵状披針形、長さ3.5~9㎝、幅1~4(5)㎝、基部は細くなるか鈍形、先は尖鋭形、脈は3~5本、全縁。花序は集散花序の円錐花序、長さ50㎝以下、緩く枝を広げ、多数花をつける。花は5数性。花柄は長さ0.6~4㎝、丈夫な円柱形。萼筒は長さ1~2㎜、萼裂片は長さ3~6㎜、狭倒披針形~狭楕円形、基部は狭まり、縁はやや外巻き、膜質、先は尖鋭形、3~5脈は不明瞭。花冠は白色(~黄色)、直径2~2.5㎝、筒部は長さ1~2㎜、5深裂し、裂片は長楕円形~惰円形長さ1~1.5㎝、基部は狭くなり、先は尖鋭形~鋭形、先に多数の黒紫色の細かい斑点と、中央付近に黄緑色の大きな円形の蜜腺が2個ある。花冠の4深裂のものが混在することも多い。雄しべは裂片の数と同じ。花糸は長さ5~6.5㎜、葯は惰円形、長さ約2.5㎜。蒴果は長さ1.5~2.3㎝、狭卵形。種子は黒褐色、長さ約1㎜。2n=18,24。花期は8~10月。

2-1 Swertia bimaculata (Siebold et Zucc.) Hook.f. et Thomson ex C.B.Clarke f. impunctata (Makino) Satake  フナシアケボノソウ斑無し曙草

 黒い斑点のないもの。別名はホシナシアケボノソウ。

3 Swertia changii S.Z.Yang, C.F.Chen et C.H.Chen タイワンセンブリ 台湾千振

 台湾原産。中国名は大漢山當藥。標高800~1300mの高地の林内に生える。
 丈夫な2年草。高さ70~90cm。1年目の葉はロゼット状に展開し、2年目には1本の花茎を生じ、晩冬に種子散布後に枯れる。根は太く肉質。茎は直立し、単茎で中空、円柱形、基部の直径は約5~7mm。成熟した茎には黒点が見られる。開花時に根生葉は宿存し、全縁、無毛、対生し、倒披針形~へら形、葉身は翼のある基部まで漸尖し、先は鋭形、上面は光沢があり、長さ20~30cm×幅6~10cm、羽状脈、中脈は明瞭で下面に隆起し、歳脈は縁で閉じる。茎葉は全縁で対生し、無柄、心形、基部は心形、先は尖鋭形~鋭形、茎の先端に向かって徐々に小さくなり、長さ8cm×幅5.5cmまでになる。花序は輪散花序(verticillasters)茎の下部の節に腋生し、上部の花序は3個の花の集散花序または花が単生する。花は4数性、小花柄は長さ4~7cm。萼筒は長さ1mm、萼片より短く、喉部は無毛。萼片は4個、全縁、長さ6~7mm×幅3~4mm、卵状三角形、先は鋭形。花冠は紫色、直径3~4cm、花冠筒部は長さ2~3mm、花冠裂片は狭楕円形~披針形、長さ20mm×幅6~7mm、先は鋭形。蜜腺は花冠裂片ごとに1個、花冠裂片の中央につき、裸の腺片(glandular patch)があり、窪み、緑色、四角形で、先は心形で、基部は波状。雄しべは4本、花冠裂片は互生する。花糸は緑色、長さ9~10mm。葯は長く、黄色、長さ約4mm、矢じり形、多方向(versatile)、縦に裂開する。子房は側部が扁平、花後に直立する。花柱は不明瞭に、2裂する。蒴果は狭楕円形~卵形、長さ15~20mm×幅7~9mm。種皮は棘で覆われる(echinate)。

4 Swertia diluta (Turcz.) Benth. et Hook.f. マンシュウセンブリ 満州千振

 日本全土、朝鮮、中国(甘粛省、河北省、黒龍江省、吉林省、遼寧省、内モンゴル自治区、寧夏回族自治区、青海省、陝西省、山東省、山西省、四川省、新疆ウイグル自治区)、モンゴル、ロシア原産。中国名は北方獐牙菜 bei fang zhang ya cai。標高100~3100mに生える。
 1年草、高さ20~70cm。根は黄色で頑丈。茎は直立し、直径2~4mm、ほぼ四角形で、角に狭い翼があり、分枝する。葉は無柄、線形~線状披針形、長さ1~4.5cm×幅2~9mm、両端は漸尖し、中脈が目立つ。花序は集散花序の円錐花序、多数花が付き、広がって分枝する。花は5数個。小花柄は直立し、長さ1.5cm以下、4角がある。萼筒は長さ1~1.5mm。萼片は線形、長さ6~12mm、先は尖鋭形、中脈は明瞭。花冠は白色、淡青色、または淡ライラック色、直径1~1.5cm、花冠筒部は長さ1~1.5mm、花冠裂片は楕円状披針形、長さ6~11mm、先は鋭形。蜜腺は花冠裂片ごとに2個あり、放射状に長くなり、狭い鱗片を持ち、縁は隆起し、多数の単純な縁毛を持つ。花糸は長さ6~8mm。葯は楕円形、長さ1.5~2mm。花柱は不明瞭で、柱頭裂片は頭状。蒴果は卵形、長さ1~1.2cm。種子は暗褐色、楕円形、長さ0.6~0.8mm、種皮は疣状。花期は8~10月。

4-1 Swertia diluta var. diluta

 日本全土、朝鮮、中国(甘粛省、河北省、黒龍江省、吉林省、遼寧省、内モンゴル自治区、寧夏回族自治区、青海省、陝西省、山東省、山西省、四川省、新疆ウイグル自治区)、モンゴル、ロシア原産。中国名は北方獐牙菜 bei fang zhang ya cai。標高100〜2600mの耕作地の端、湿った日陰の斜面、谷に生える。
 花冠は淡青色。2n=118, 20, 24。

4-2 Swertia diluta var. tosaensis (Makino) H.Hara イヌセンブリ 犬千振

  synonym Swertia tosaensis Makino
  synonym Swertia tscherskyi Kom.
 日本全土、朝鮮、中国(河北省、内モンゴル、寧夏省、青海省、陝西省、山東省、山西省)、ロシア原産。中国名は日本獐牙菜 ri ben zhang ya cai。標高800〜3100mの丘陵地帯に生える。和名は苦味がなく、役に立たないセンブリという意から。
 1年草又は越年草。高さ10~30㎝。茎は直立し、分枝する。葉は対生し、長さ2~5㎝、幅0.4~1㎝、全縁。花は直径約15㎜。花冠は5裂し、裂片は長さ8~10㎜、白色、淡黄色、紫色のすじがあり、花冠の基部に長い毛が生え、蜜腺がある。2n=20。花期は10~11月。愛知県の準絶滅危惧種に指定され、全国では絶滅危惧Ⅱ類。

5 Swertia erythrosticta Maxim. アカボシアケボノソウ 赤星曙草

 朝鮮、中国(甘粛省、河北省、湖北省、内モンゴル自治区、青海省、山西省、四川省)原産。中国名は红直獐牙 hong zhi zhang ya cai。標高1500~4300mに生える。
 多年草、高さ20~50cm。根茎は黒っぽく短く、わずかに肉質の根茎が少数ある。茎は直立し、丈夫で、条線があり、単生。根生葉は開花時に枯れる。茎葉は葉柄が扁平、長さ7cmまで、先端に向かって葉は短くなり、基部は鞘状に合着する。葉身は長円形、卵状楕円形または卵形、長さ5~11(~12.5)cm×幅1~3.5cm、先端に向かって小さくなり、基部は狭まり、先端鈍形、脈は3~5本。花序は集散花序の円錐花序、長さ(5~)10~45cm、幅が狭く、花は多数つく。花は5数性。小花柄はやや弓形で、長さ1~2cm。萼片は披針形、長さ5~10mm、縁は狭い膜質、先は尖鋭形。花冠は淡黄緑色、褐色の斑点が有または無、直径は1.2~1.5(~2)cm、花冠筒部は長さ1~1.5mm。花冠裂片は長円形~卵状長円形、長さ0.8~1.7cm×幅(1.5~)3~6mm、先は鈍形。蜜腺は花冠裂片ごとに1個、深い杯形~ほぼ筒形、縁毛は長さ1.5~2mm。花糸は5~7mm、基部は縁毛状ひげがある。葯は卵形、長さ2~2.5mm。花柱は短く明瞭。柱頭裂片はほぼ円形。蒴果は卵形~楕円形、長さ1~1.5cm。種子は淡褐色、楕円形、長さ0.8~1mm、翼は円盤形。 花期と果期は8~10月。

5-1 Swertia erythrosticta var. epunctata T.N.Ho & S.W.Liu

 中国(青海省)原産。中国名は素色獐牙菜 su se zhang ya cai。標高2900~3000mの渓流沿い、丘陵地の草地に生える。
 花冠に褐色の斑点はない。

5-2 Swertia erythrosticta var. erythrosticta

 朝鮮、中国(甘粛省、河北省、湖北省、内モンゴル自治区、青海省、山西省、四川省)原産。中国名は红直獐牙 hong zhi zhang ya cai。標高1500~4300mの渓流沿い、乾燥した丘陵の草原、散在する森林、高山草原に生える。
 花冠は淡黄緑色で、褐色の斑点がある。

6 Swertia japonica (Schult.) Makino センブリ 千振
  synonym Ophelia japonica (Schult.) Griseb.
  synonym Gentiana japonica Schult.

  synonym Swertia japonica (Schult.) Makino var. latifolia Konta ヒロハセンブリ

  synonym Swertia japonica (Schult.) Makino f. littoralis Hid.Takah.

  synonym Swertia japonica f. chionantha F.Maek. シロバナセンブリ

 日本、朝鮮原産。中国名は日本當藥 ri ben dang yao。全草に苦味がある。
 1年草又は越年草。茎は4稜形、根元から分枝し、紫色を帯びることが多い。葉は対生し、無柄。葉身は長さ1.5~3㎝の線形~広線形、全縁、しばしば淡紫色を帯びる。上部で分枝した枝先や上部の葉腋に花を(1)3~5個ずつつける。小花柄は長さ0.5~1.5㎝。花冠は5裂まれに4裂し、裂片は長さ10~15㎜、幅2~4㎜、表面が白色で紫色の条線があり、裏面は紫色を帯び、つぼみの時は紫色に見え、果時には閉じて残る。花冠の基部に緑いろの蜜腺が2個ずつあり、蜜腺の縁に長毛がある。萼は5深裂し、萼片は長さ4.5~8.5㎜、幅0.5~1㎜の線形、鋭頭、果時にも残る。雄しべは花冠裂片と同数。花糸は長さ約5㎜、線形。子房は紡錘形、雌しべは短い。蒴果は長さ12~16㎜、幅1.5~2㎜の紡錘形、熟すと乾き、先が3~4㎜ほど2裂開する。種子は長さ0.5~0.7㎜、ほぼ卵状の歪な不定形、暗褐色、表面に微細な凸凹がある。2n=18, 20, 24。花期は8~11月。

(1) Swertia japonica (Schult.) Makino f. plena (Makino) Satake ヤエセンブリ


7 Swertia macrosperma (C.B.Clarke) C.B.Clarke ニイタカセンブリ 新高千振

  synonym Swertia randaiensis Hayata
 中国(広西チワン族自治区、貴州省、湖北省、四川省、雲南省)、台湾、インド、ブータン、ネパール、ミャンマー原産。中国名は大籽獐牙菜 da zi zhang ya cai。標高1400~4000mの渓流沿い、丘陵地の草地、低木林、混交林、竹林に生える。
 1年草、高さ30~100cm。根は黄色、直径約5mm。茎は直立し、ほぼ四角形で、狭く翼があり、中央部から分岐する。根生葉と下部の茎葉は開花時に枯れ、葉柄がある。葉身はへら形、長さ2~6.5cm×幅1.5以下cm、基部は狭まり、縁は全縁または小歯状、先は鈍形、脈は1~3本。中央の茎葉は無柄、披針形、長円形、卵形、まれに倒卵形、長さ0.4~4.5cm×幅0.3~1.5(~2)cm、基部は鈍形、先は鋭形、脈は3~5本。花序は集散花序で、多数花がつき、広がって分岐する。花は5またはまれに4数性。小花柄は直立し、長さ4~15mm、細い。萼筒は長さ約1.5cm。花冠は白色または淡青色、直径3~5mm、花冠筒部は長さ約0.5mm。花冠裂片は楕円形、長さ4~8mm、先は鈍形。蜜腺は花冠裂片あたり2個ずつ、カップ形で、狭い鱗片と少数の長い縁毛を持つ。花糸は長さ4~5mm、葯は楕円形、長さ約1.5mm。花柱は不明瞭。柱頭裂片は頭状。蒴果は卵形、直径5~6mm。種子は蒴果あたり3~4個、褐色で楕円形~ほぼ球形、直径1.5~2mm。種皮は平滑。花期は7~11月。

8 Swertia noguchiana Hatus. ソナレセンブリ
 日本固有種(伊豆半島、伊豆七島)。
 1年草、高さ約10cm。茎は茶褐色で下部から分枝し、葉は対生でヘラ形、多肉質で表面に光沢がある。花は枝の先か、葉腋に1個つく。花冠は黄白色で、裂片は倒卵形で長さ約15mm、紫色の筋があり、中央部より下に楕円状で黄白色の密腺が2個ある。

9 Swertia perennis L. スウェルティア・ペレニス
 日本、千島列島、満州(吉林省)南西アジア、ヨーロッパ、北アメリカ(ブリティッシュコロンビア州、アラスカ州、アリゾナ州、カリフォルニア州、コロラド州、アイダホ州、モンタナ州、ネバダ州、ニューメキシコ州、オレゴン州、ユタ州、ワシントン州、ワイオミング州)原産。英名はstar bog swertia, mountain bog swertia, star-gentian。中国名は北温带獐牙菜 bei wen dai zhang ya cai。標高標高0~3900mの日陰の斜面、草地、湿地、茂み、沼地、川岸に生える。
 草本植物、長さ8~65cm。茎は通常1本~少数のロゼット葉。葉身は鈍形~ほぼ鋭形で、縁は白色でなく、根生およびロゼット葉は葉身がへら状倒卵形~楕円形、長さ3~22cm×幅10~32mm。茎葉は互生し、ほぼ対生または上部でしばしば対生し、葉身は楕円状倒披針形。花序は狭く、開き、花はしばしば少数。花は(4または)5数性。萼は長さ4~8mm。花冠は青白色~紫青色、ときに暗色斑があり、まれに緑白色、葉脈は暗色、長さ7~16mm、花冠裂片は披針状長円形、先は鋭形。副冠は低く、±フリンジのうねがある。窪み(foveae)の開口部は楕円形~円形で、縁は全周に縁取り(フリンジ)がある。2n=28。花期は夏~初秋。
【Flora of Chinaの解説】
 多年草、高さ60~100cm。根茎は帯黒色、短く、わずかに肉質の根が少数ある。茎は直立し、条線があり、単純、基部は黒っぽい古い葉柄の残骸で覆われる。根生葉と下部の茎葉は互生する。葉柄は扁平で、長さ8~17cm。葉身は長円形~楕円形、長さ6~13cm×幅3.5~5.5cm、基部は狭まり、先は鈍形、葉脈は3~5本。茎の中部~上部には対生する葉がある。葉柄は短く合着し、茎を鞘状に覆う。葉身は長円形、長さ5~8cm×幅2~3cm、基部は狭まり、先は鈍形、葉脈は1~3本ある。花序は密に多数の花がつく密錐花序(thyrses)。花は5数個。小花柄は長さ2~3.5cm。萼片は狭披針形、長さ8~10mm、先は尖鋭形、脈は3~5本。花冠は淡紫色~青紫色、長さ1.5~2cm、筒部は長さ1.5~2mm。萼片は狭卵状長円形、長さ1.3~1.6cm、先は鈍形。蜜腺は花冠裂片ごとに2個、杯形、長い房状縁を持つ。花糸は長さ6~8mm、基部には縁毛状ひげがある。葯は青色、楕円形、長さ1.5~2mm。花柱は不明瞭、柱頭の裂片はほぼ円形。蒴果は卵形、宿存する花冠と同長。種子は薄褐色、扁平、ほぼ円形、直径1.5~2mm、円盤形、翼がある。花期と果期は9月。

9-1 Swertia perennis var. cuspidata Maxim. ミヤマアケボノソウ 深山曙草

  synonym Swertia cuspidata (Maxim.) Kitag.
  synonym Swertia obtusa var. cuspidata (Maxim.) H.Hara

  synonym Swertia perennis subsp. cuspidata (Maxim.) H.Hara

  synonym Swertia obtusa f. leucantha H.Hara
 日本、千島列島原産。別名はエゾミヤマアケボノソウ、コマガタケアケボノソウ。
 多年草。高さは10~30㎝。全体に無毛、平滑。茎は4稜があり、分枝しない。葉は根生葉が多少ある。根生葉は基部に狭い翼のある長い葉柄があり、葉柄を含めた長さは3~8㎝。葉身は楕円形~広卵形、全縁、先は鈍形。茎葉は対生し、卵形、小さい。花は茎上部の参謀花序に1~10個つく。花は直径約2㎝。花柄は長さ1~3㎝。萼は5深裂し、萼片は不等長、広線形、先は尖り、花後に残る。花冠は暗紫色、5深裂し、開く。花冠裂片には変異が多く、①北海道産の裂片が広く、披針形で先端が尾状に伸びる基準型(エゾミヤマアケボノソウ)と、②本州産の基部が狭く線状披針状のもの、先端が尾状にとがらず次第に漸尖する型があるが、変異が多く、明確な区別ができない。花冠裂片には濃紫色の7脈と細点がある。蜜腺は花冠裂片の基部に2個ずつつき、周囲には長さ約2㎜の長毛が密生する。雄しべは5本、花冠裂片より短い。頭柱は2裂する。蒴果は花冠から突き出ず、胞間裂開する。種子は周囲に狭い翼がある。花期は花期は8~9月。
9-2 Swertia perennis var. perennis
  synonym Swertia alpestris Baumg.

 synonym Swertia manshurica (Kom.) Kitag. マンシュウアケボノソウ

  synonym Swertia perennis var. manshurica Kom.
  synonym Swertia occidentalis Greene
  synonym Swertia ovalifolia Greene
  synonym Swertia palustris A.Nelson
  synonym Swertia parallela Greene
 日本、満州、ロシア、ヨーロッパ、北アメリカ原産。

10 Swertia obtusa Ledeb. キタミヤマアケボノソウ 北深山曙草

  synonym Swertia perennis subsp. obtusa (Ledeb.) H.Hara
  synonym Swertia perennis var. obtusa (Ledeb.) Griseb.
  synonym Swertia obtusa var. stenopetala Regel & Tiling

  synonym Swertia perennis subsp. stenopetala (Regel & Tiling) Vorosch.

  synonym Swertia stenopetala (Regel & Tiling) Pissjauk.
 中国(新疆ウイグル自治区)、モンゴル、ロシア、サハリン、カザフスタン原産。中国名は互叶獐牙菜 hu ye zhang ya cai。標高2100~2500mの渓流沿い、森林に生える。
 高さ15~40(~60)cmの多年草。根茎は黒っぽく短く、わずかに肉質の根茎が少数ある。茎は直立し、条線があり、単茎で、基部は黒っぽく古い葉柄の残骸で覆われる。葉は互生する。根生葉と下部の茎葉は葉柄が細く、長さ6~11cm。葉身は長円形で、長さ4~9cm×幅2~4cm、基部は狭まり、先は鈍形、脈は1~3本。中部~上部の茎葉は無柄、狭楕​​円形~楕円状披針形、長さ2~4.5cm×幅6~10mm、基部は円形、ほぼ抱茎、先は鈍形、脈は1~3本。花序は細く、多数の花のつく密錐花序(thyrses)は長さ8.5~21cm。花は5数個。小花柄は長さ1.2~3cmで、果時には長くなる。萼片は線状披針形、長さ8~10mm、先は尖鋭形、脈は3本。花冠は青色、直径1.2~1.6cm、筒部は1.5~2mm。花冠裂片は狭楕円形~楕円形、長さ1.1~1.6cm、先は鈍形。蜜腺は花冠裂片ごとに2個、杯形、長さ2~3mmの細柔毛の縁毛を持つ。花糸は長さ7~7.5mm、基部は縁毛状ひげがある。葯は青色、狭楕円形、長さ2~2.5mm。花柱は不明瞭。柱頭裂片はほぼ円形。蒴果は卵状楕円形、長さ1.3~1.5cm、宿存する花冠と同長。種子は薄褐色、広楕円形~ほぼ球形、直径2~2.5mm、円盤状の翼を持つ。花期は8~9月。

11 Swertia pseudochinensis H.Hara  ムラサキセンブリ 紫千振

 日本(本州の関東地方以西、四国、九州)、朝鮮、中国、台湾、インド、ネパール、スリランカ、東南アジア原産。中国名は瘤毛獐牙菜 liu mao zhang ya cai
 1年草又は2年草、高さ30~70㎝。茎は暗紫色を帯び、よく枝分かれする。葉は対生し、長さ2~4㎝の線状披針形、無柄。花は直径約2㎝。花冠は4~7裂(普通5裂)し、淡紫色、濃紫色のすじがある。花冠の基部に毛が生え蜜腺がある。雄しべの数は花冠の裂片の数と同じ。花期は10~11月。
 Flora of Chinaの解説とは高さが異なり、花もやや大きい。
 【Flora of Chinaの解説】
 1年草、高さ10~15㎝。根は黄色、丈夫。茎は直立、直径2~3㎜、類4稜形、角(かど)に狭い翼があり、分枝する。葉は無柄、線形~線状披針形、約長さ3.5㎝×幅6㎜、両端は漸尖形、中脈は目立つ。花序は集散花序の円錐花序、多数の花がつき、広がる。花は5数性。花柄は直立、長さ2㎝以下、4稜がある。萼筒は長さ1~1.5㎜。萼片は線形、長さ1.5㎝以下、先は尖鋭形、中脈は明瞭。花冠は青紫色、暗青色の脈をもち、直径1.5~2㎝、花冠筒部は1~1.5㎜、花冠裂片は披針形、長さ0.9~1.6㎝、先は尖鋭形。密腺は各花冠裂片に2個、放射状に長くなり、狭い鱗片をもち、縁が盛り上がり、多数の長い複合の線毛をもつ。花糸は長さ6~8㎜。葯は狭楕円形、長さ2.5~3㎜。花柱は不明瞭、柱頭の裂片は頭状。花期は8~9月。

12 Swertia shintenensis Hayata シンテンアケボノソウ 新店曙草

  synonym Swertia kuroiwae Makino var. shintenensis (Hayata) Satake

 台湾原産。中国名は新店獐牙菜 xin dian zhang ya cai。標高900mの林縁に生える。POWOでは日本を分布域に含めているが誤りと思われる。標高900mの林縁に生える。
 1年草、高さは45~70cm。根は太く、繊維質。茎は直立し、単茎。根生葉は葉柄が扁平で、長さ3~3.5cm。葉身は楕円形、長さ15~19cm×幅8~10cm、基部は楔形で葉柄の翼に沿下し、先は鋭形、葉脈は明瞭で羽状。下部の茎葉は長さ2cmまでの葉柄があり、葉身は楕円形、長さ11cm×幅4cm・まで。中間~上部の葉は無柄、卵形、長さ7cm×幅3cm・まで、基部は心形でほぼ抱茎、先は鋭形、葉脈は明瞭。花序は多数の花がつく密錘花序(thyrses)、丸く、緩く、広がり、長さ45cmまで。花は4~5数性、頭垂する(nodding)。小花柄は長さ1.6~3cm、先がやや太くなる。萼筒は長さ2~2.5mm。萼片は広がり、卵形~卵状三角形、長さ3~3.5mm、縁は狭膜質、先は鋭形。花冠は淡黄色、暗色の斑点があり、直径1.5~1.7cm。萼筒は長さ3~3.5mm。萼片は狭長円形、長さ1.7~1.9cm、先は鋭形。蜜腺は花冠裂片ごとに1個つき、ほぼ円形、腺片(gland patch)は裸になる。花糸はわずかに扁平、長さ6~7mm。葯は黄色、狭楕円形、長さ約5mm。花柱は明瞭で長さ約2mm。柱頭裂片は頭状。蒴果は楕円形、長さ1.7~1.9cm。種子は淡黄色、楕円形、長さ約0.5mm。種皮には疣がある。花期および果期は10~12月。

13 Swertia swertopsis Makino  シノノメソウ 東雲草
 日本固有種(本州の伊豆半島以西、四国、九州の熊本県、大分県、宮崎県)。襲速紀(そはやき)要素植物。
 1年草又は越年草。高さ30~40(~50)㎝、全体に無毛。。根は黄色、主根は長さ5~6㎝、分枝し、側根を生じる。茎は直立し、基部から分枝するか又は1本、断面は四角形、緑色ときに黒色を帯びた紫色。根生葉は小形で倒披針形。茎葉は対生し、やや長い葉柄がある。葉身は卵状楕円形、長さ5~10㎝、基部は楔形、先は尖鋭形、薄膜質、深緑色、平行脈が明瞭。花は葉腋と茎頂に多数、集合して散形花序を形成する。花柄は花とほぼ同長。萼は淡緑色、5深裂し、針形で鋭く尖り、背に中肋がある。花冠はほぼ萼片と同長、白色、鐘形、5深裂するが全開しない。花冠裂片は広卵形、先は鋭形、内面の上部に紫色の斑点があり、基部から上部に楕円形の2個の蜜腺がある。雄しべは5本、花冠の下部につき、花冠より短い。子房は狭卵形。柱頭は2個。蒴果は卵状楕円形、わずかに扁平長さ約1㎝。花期は(6~)8~9(~10)月。

14 Swertia tashiroi (Maxim.) Makino ヘツカリンドウ 辺塚竜胆

  synonym Swertia kuroiwae Makino 
  synonym Swertia kanasiroi Satake 

  synonym Swertia makinoana F.Maek. シマアケボノソウ

  synonym Swertia tashiroi f. cruciata (F.Maek.) Koh Nakam., Kokub., Denda & Yokota ジュウジアケボノソウ

  synonym Swertia tashiroi var. cruciata F.Maek.

  synonym Swertia tashiroi f. plena Koh Nakam., Kokub., Denda & Yokota ヤエザキヘツカリンドウ

 日本固有種(九州南部~南西諸島)。別名はリュウキュウアケボノソウ 。
 1年草又は越年草、高さ30~60(~100)㎝。茎は花茎状。根出葉は楕円形~倒卵形、長さ10~20㎝、質が厚く、全縁、無毛。茎葉は小さく、長さ2~4㎝。花はアケボノソウに似て、茎頂のまばらな円錐花序につく。花冠は白色~緑白色、4~5深裂し、花冠裂片は長楕円形~披針形、長さ12~15㎜、先は尖り、中央部に紫褐色又は緑色の直径2~3㎜の円形の密腺がある。花期は11~3月。
(1) Swertia tashiroi (Maxim.) Makino f. immaculata Sakata  ホシナシヘツカリンドウ

15 Swertia tetrapetala Pall. チシマセンブリ 千島千振 広義

 日本、朝鮮、中国(吉林省の長白山)、ロシア原産。中国名は卵叶獐牙菜 luan ye zhang ya cai。標高約700mの草原に生える。
1年草、高さ20~30cm。根は黄色で頑丈。茎は直立し、直径1~2mm、ほぼ四角形で分枝する。根生葉は開花時に枯れる。茎葉は無柄、卵状三角形、長さ1~2.7cm×幅0.4~1.5cm、基部は心形でほぼ抱茎、先は鋭形、脈は3本。花序は集散花序の円錐花序、花が多数つき、幅が狭い。花は4数性。小花柄は直立し、長さ2cmまで、細い。萼筒は長さ1~1.5mm、萼片は線状披針形、長さ5~7mm、先は鋭形、中脈は明瞭。花冠は紫色、直径1.2~1.5cm、花冠筒部は長さ1~1.5mm、花冠裂片は楕円形、長さ6~8mm、先は鋭形。蜜腺は花冠裂片ごとに2個、放射状に長くなり、縁は隆起し、多数の複合の縁毛を有する。花糸は長さ5~7mm。葯は楕円形、長さ約1mm。花柱は不明瞭。柱頭裂片は頭状。蒴果は卵状楕円形、長さ6~9mm。種子はほぼ球形、種皮には疣がある。花期は8~9月。

15-1 Swertia tetrapetala var. tetrapetala チシマセンブリ 狭義

  synonym Swertia tetrapetala f. albiflora Tatew. シロバナチシマセンブリ

  synonym Swertia tetrapetala var. happoensis Hid.Takah. ex T.Shimizu ハッポウタカネセンブリ

  synonym Swertia tetrapetala f. leucantha (Hid.Takah.) T.Shimizu シロバナタカネセンブリ

  synonym Swertia tetrapetala subsp. micrantha (Takeda) Kitam. タカネセンブリ

  synonym Swertia tetrapetala f. variegata Tatew. フイリチシマセンブリ

 日本、千島列島、朝鮮、ロシア原産。

15-2 Swertia tetrapetala var. wilfordii (A.Kern.) T.N.Ho オオバセンブリ 大葉千振

  synonym Swertia wilfordii (A.Kern.) Kom.

  synonym Swertia anomala Nakai in Bot. Mag. (Tokyo) 28: 331 (1914)

  synonym Swertia wilfordii f. albiflora Y.N.Lee
 朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は卵叶獐牙菜。
 花は大形、花弁は長さ約10mm、 5~7脈があり、上部は網状脈になる。蜜腺は線形、長さ約3mm、内外は互いに離れ、内側の蜜腺に多数の柱状突起がある。萼片は3脈があり、上部は網状脈になる。
【朝鮮のSwertia anomala Nakaiの解説】
 2年草。根生葉は枯れ、枯死後に小花柄の基部は黒っぽくなる。茎は4稜形。葉は対生し、広披針形~卵状披針形、5脈がある。花は4数性。萼片は狭く、長さ5~6mm。花冠裂片は中心が青紫色、黒色の細点があり、長円形で先が鋭形、長さ9mm×幅4~4.5mm、中央より上に、2本の平行な十字形の線がある。雄しべは花冠裂片に互生し、基部にひげがある。葯は長さ1.5mm、青色。花糸は長さ6mm。柱頭はパピラがある。花期は9月。

16 Swertia tetraptera Maximowicz スウェルティア・テトラプテラ
 中国(甘粛省、青海省、四川省、西蔵)原産。中国名は四数獐牙菜 si shu zhang ya cai。標高2000~4000mの渓流沿い、湿地斜面、低木林、散在林に生える。

 1年草、高さ5~30cm。根は黄色で、繊維質。茎は1本~少数、丈夫で直立し、直径2~3.5mm、ほぼ四角形で、通常の大きい花をもち、基部から多数の弱い枝が伸び、丈夫な茎の花の1/4~1/3の小さな花をつける。根生葉と下部の茎葉は開花時に枯れる。葉柄は長さ1~5cm。葉身は長円形~楕円形、長さ0.9~3cm×幅(0.8~)1~1.8cm、薄い草質、基部は狭まり、先は鈍形、葉脈は3本あり、下面で目立つ。中部~上部の茎葉は無柄、卵形披針形、長さ1.5~4cm×幅1~1.5cm、基部は円形、ほぼ抱茎、先は鋭形、葉脈は3~5本、下面で目立つ。花序は集散花序、多数花がつく。花は4数性。小花柄は長さ0.5~6cm、細い。萼片は基部で狭まり、先は鋭形、脈は3本。花冠は淡黄緑色、ときに紫色を帯び、花冠裂片の先は鈍形でギザギザになる。蜜腺は花冠の裂片ごとに2個つき、長円形、観音開きの扉形(double door-shaped)で、非常に狭い鱗片と少数の不規則な散開がある。葯は黄色、楕円形。花柱は不明瞭。柱頭の裂片は頭状。種子は淡黄色、ほぼ球形、ほぼ平滑。通常の大きな花は丈夫な茎に咲き、萼筒は長さ0.5~1mm、萼片は披針形~卵状披針形、長さ6~8mm。花冠筒部は長さ0.5~1mm、花冠裂片は卵形、長さ0.9~1.2cm。花糸は長さ2~3.5mm、葯は長さ0.5~1.5mm。蒴果は卵形~楕円形、長さ1~1.4cm。種子は長さ1~1.2mm。弱い枝に咲く花は:萼筒が長さ0.3~0.5mm、萼片は広卵形、長さ1.5~4mm。花冠筒部は長さ0.3~0.5mm、花冠裂片は卵形、長さ2.5~5mm。花糸は長さ2~3.5mm、葯は長さ0.5~1.5mm。蒴果は広卵形~ほぼ球形、長さ4~5mm。種子は長さ0.1mm未満。花期と果期は7~9月。

17 Swertia tozanensis Hayata トウザンセンブリ 搭山千振
  synonym Swertia matsudae Hayata ex Satake
 台湾原産。中国名は搭山獐牙菜 ta shan zhang ya cai。標高2300~3500mの森林に生える。
 1年草、高さ15~25cm。根は黄色、太い。茎は直立し、細く、ほぼ四角形で、分枝する。葉はほぼ無柄~短葉柄。葉身は長円状披針形~披針形、長さ1.5~3cm×幅5~7mm、基部は狭まり、先は鈍形、脈は羽状。花序は集散花序の円錐花序で、広がり、分枝し、多数の花がつく。花は4数性。小花柄は直立し、長さ1~2cm、ほぼ四角形。萼筒は長さ1~1.5mm、萼片はわずかに反り返り、長さ3~5mm、線形~線状披針形、先は鈍形~鋭形、中脈は明瞭。花冠は白色、淡青色、または淡青緑色、花冠筒部は長さ1~1.5mm。花冠裂片は長円形、長さ5~6mm、先は鈍形~鋭形。蜜腺は花冠裂片ごとに2個あり、放射状に長くなり、鱗片は狭く、縁は隆起し、縁飾りは少ない。花糸は長さ3~4mm。葯は卵形、直径約0.8mm。花柱は不明瞭。柱頭裂片は頭状。蒴果は卵形~楕円形、直径8~11mm。種子は褐色、ほぼ球形、直径0.5~0.7mm。種皮はイボ状。花期と果期は8~11月。

18 Swertia veratroides Maxim. ex Kom. チョウセンアケボノソウ 朝鮮曙草

 朝鮮、中国(黒龍江省、吉林省、遼寧省)、ロシア原産。中国名は藜芦獐牙菜 li lu zhang ya cai 。標高1600~1700mの草原に生える。
 多年草、高さ45~100cm。根茎は黒っぽく短く、わずかに肉質の根が少数ある。茎は直立し、条線があり、単茎で、基部は黒っぽい古い葉柄の残骸で覆われる。根生葉と下部の茎葉は互生する。葉柄は翼があり、長さ7~14cm。葉身は広楕円形、長さ8.5~11.5cm×幅6.5~8cm、基部は切形となり、葉柄の翼に沿下し、先は鈍形~円形、葉脈は5~7本。茎の中部~上部の葉は対生する。葉柄は短く合着する。葉身は楕円形、長さ3.5~6~9cm×幅1.2~2.5cm、両端は鈍形、葉脈は1~3本。花序は多数の花が咲く密錘花序(thyrses)で長さ15~25cm。花は5数個。小花柄は長さ1.5~3cm。萼片は三角状披針形、長さ6~8mm、先は尖鋭、脈は3本。花冠は淡黄色で青色の斑点があり、直径1.5~1.8cm、花冠筒部は長さ1.5~2mm。花冠裂片は楕円状披針形、長さ1.2~1.4cm×幅5~6.5mm、先は鈍形。蜜腺は花冠裂片ごとに2個ずつつき、カップ形、長さ1.5~2mmの細柔毛の縁毛を持つ。花糸は扁平で長さ6~8mm、基部は無毛または縁毛状ひげがある。葯は青色、狭楕円形、幅2~2.5mm。花柱は不明瞭。柱頭裂片はほぼ円形。蒴果は楕円形~広楕円形、宿存する花冠と同長。種子は褐色、扁平、ほぼ円形、直径1~1.2mm、円盤形の翼を持つ。花期は7~9月。

18 Swertia yezo-alpina H.Hara エゾタカネセンブリ 蝦夷高嶺千振

  synonym Swertia chrysantha var. yezo-alpina (H.Hara) Satake in J. Jap. Bot. 21: 22 (1947)

  synonym Swertia tetrapetala var. yezo-alpina (H.Hara) H.Hara ex Toyok. & T.Yamaz.

 日本(北海道)固有種。北海道日高山脈にある楽古岳と十勝岳に生息する。POWOではチシマセンブリやタカネセンブリと分けている。Flora of Japan 1953ではvar. yezoalpinaをタカネセンブリとしていた。
 花色はタカネセンブリに近いが、蜜腺に柱状突起が少なく、または全くない。萼の脈が多少網状になることでケイシセンブリにより近いと考えられる。[J. Jap. Bot. 21: 22 (1947)]
 茎は高さ3~20cm、太さ最大1.5mm、単純または分枝する。下部の葉は倒卵状長円形、先は鈍形または円形、基部は狭くなり、長さ5~20mm×幅2~5mm。中央部の葉は卵形~披針状卵形、先は鈍形または鋭形、基部は円形または鈍形で、ほぼ無柄、茎の狭い翼部に沿下し、長さ6~25mm×幅3~11mm、3~5脈がある。上部の葉は鋭形で基部が広がる。花序は茎頂につき、集散花序に3花ずつ咲く。小花柄は細く不等長、長さ2~16mm。萼は4裂し、萼片は披針形または線状披針形、先は鋭形、長さ3.5~5mm×幅0.8~1.5mm。花冠は4裂し、花冠裂片は長円形または披針状長円形、先は鈍形、しばしば非常に微細な縁毛があり、長さ約5mm×幅1.5~2mm、淡青色、基部を除いて紫色の細点があり、3脈があり、中央より下はほとんど無毛。蜜腺は単生、蜜腺は心形で隆起し、下面では窪み、長さ1~1.5mm×幅1mm、非常に平滑(縁は縁毛がない)。雄しべは4本。花糸は長さ約2mm。葯は長円状矢じり形、長さ約1mm。雌しべは披針形で上向きに漸尖し、先は短く2裂した柱頭がある。花期は夏(8月)。[Bot. Mag. (Tokyo) 51: 19 (1937)]

参考

1) Flora of Pakistan
 Swertia
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=5&taxon_id=131945
2) Flora of China
 Swertia
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=131945
3) Flora of Zimbabwe
 Swertia
https://www.zimbabweflora.co.zw/speciesdata/genus.php?genus_id=1100
4) Plants of the World Online | Kew Science
 Swertia
http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:30002722-2
5) GRIN
 Swertia
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=11742
6) Botanical Studies (2008) 49: 155-160
 Swertia changii (Gentianaceae), a new species fromsouthern Taiwan
https://ejournal.sinica.edu.tw/bbas/content/2008/2/Bot492-8/
7) 植物地理・分類研究 J. Phytogeogr. Taxon. Vol.56. No.1 (2008)
 花冠裂片数の変異に基づくヘツカリンドウ(リンドウ科)の2品種
https://www.google.com/url?sa=t&source=web&rct=j&opi=89978449&url=https://kanazawa-u.repo.nii.ac.jp/record/47058/files/AN00307805-56-1-33-34.pdf&ved=2ahUKEwjgmo7f8JyPAxU5c_UHHdd4AfsQFnoECCIQAQ&usg=AOvVaw3CJ3vchVNqqglaepxbCxzZ
8) J. Jap. Bot. 20: 341 (1944)
 日本産センブリ属に就いて:しんてんあけぼのさう、おほばせんぶり
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjapbot/20/6-7/20_20_6-7_2890/_pdf/-char/ja
9) Bot. Mag. (Tokyo) 28: 331 (1914)
 102) Swertia anomala Nakai
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jplantres1887/28/336/28_336_326/_pdf/-char/ja
10) Biodiversity Heritage Library(BHL)
  Flora of Japan(1953),Swertia p740
https://www.biodiversitylibrary.org/item/95083#page/772/mode/1up
11) J. Jap. Bot. 21: 22 (1947)
 日本産センブリ属に就いて(続報)佐竹義輔
 Swertia chrysantha var. yezo-alpina (H.Hara) Satake
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjapbot/20/6-7/20_20_6-7_2890/_pdf/-char/ja
12) Bot. Mag. (Tokyo) 51: 19 (1937)
 Preliminary Report on the Flora of Southern Hidaka, Hokkaido (Yezo). XVII
 Swertia yezo-alpina H.Hara
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jplantres1887/51/601/51_601_14/_pdf/-char/ja