サンショウ  山椒
[別名] アツカワザンショウ、イボザンショウ
[英名] Japan pepper
[学名] Zanthoxylum piperitum (L.) DC.
ミカン科 Rutaceae  サンショウ属
三河の植物観察
サンショウの花
サンショウの熟した果実
サンショウの裂開した果実の種子
サンショウの腺点
サンショウ刺
サンショウ幹
サンショウ
サンショウの未熟な果実
サンショウ葉
サンショウ葉表
サンショウ葉裏
 若葉や花や実が香辛料とされる食用の山椒である。芳香が強く、やや上向きに刺が対生する。幹は灰褐色、いぼ状の突起と鋭い刺がある。葉は互生し、長さ10~15㎝の奇数羽状複葉。小葉は5~9対つき、長さ1~3㎝の卵状長楕円形で縁には波状の鋸歯があり、鋸歯の基部に大きな腺点があり、葉面にもまばらに腺点がある。雌雄異株。花は花弁のない小さな黄緑色。雄花が花山椒として食用とされる。果実は2個の袋果(分果)、直径約5㎜の球形、表面に密に腺点がある。果実が秋に赤く熟すと、裂開して種子が見える。種子は直径3~4㎜、黒色、光沢がある。若い緑色の果実や果皮を香辛料とする。2n=70
 よく似たイヌザンショウは刺が互生し、果実は黒色に熟す。
[花期] >4~5月
[高さ] >2~5m
[生活型] >落葉低木
[生育場所] >林内、林縁のやや湿り気の多い場所
[分布] >在来種 本州、四国、九州、朝鮮
[撮影] >茶臼山   06.7.16
鳳来町   14.9.29(熟した果実)

 サンショウ属

 family Rutaceae- genus Zanthoxylum

 低木、ときによじ登り、高木又はつる性木、常緑又は落葉、雌雄異体、まれに雌雄同株又は雌雄混株の同株(polygamo-monoecious )[又は雌雄同花(monoclinous)]、普通、刺がある。葉は互生、奇数羽状複葉、小葉が3個~多数、又はときに掌状に3小葉(たまに、葉が偶数羽状、2小葉又は1小葉)。花序は頂生、腋生、又は基部~葉につき、円錐花序、密穂花序、散房花序、総状花序、又は散形花序。花被は2列につき、4~5咢片と4~5花弁に分化し、又は1列になり、分化せず、5~9個の花被片になる。咢片は分離又は基部が合着する。花弁は蕾では敷石状又は覆瓦状。雄しべは分離、咢片と花弁がある株では4~5本、花被片をもつ株では雄しべが3~8(~10)本、雌花では未発達又は欠く。花盤は平ら、クッション形、又は円柱形。雌しべ群(gynoecium)は1~5心皮、雄花では未発達又は欠く。子房は基部が合着し、他は±隣接又は分離し、1室。胚珠は室に2個。花柱は複合の雌しべ群では先又はほぼ先にあり、密着又は隣接し、広がり斜上又は反曲する。柱頭は頭状、密着又は離れる。1個の雌しべ群の花柱は中心から外れ、直立又は様々に曲がり又は折れ曲がる。柱頭は頭状~盾状。果実は袋果、1~5個、分離又は基部が合着し、先にはしばしば柱頭の嘴をもつ。発育不全の心皮があれば、しばしば宿存する。種子は球形~卵形、裂開した果実に宿存する。種皮は厚く又はまれに±薄く、密な黒色の厚壁の内層と、スポンジ状の肉質の外層は、外側が光沢のある黒色又は帯赤色の外皮で仕切られる。胚乳は豊富又はまれに乏しい。胚は真っすぐ又は±曲がる。子葉は±円形~広楕円形、平ら又はまれに、平凸形。胚軸は上位。
 世界に200種以上あり、汎熱帯性、東アジア、北アメリカ東部の温帯地域に広がり、分布する。


 サンショウ属の主な種

 1  Zanthoxylum ailanthoides Siebold et Zucc.  カラスザンショウ 烏山椒
 日本(本州、四国、九州、沖縄)、朝鮮、中国、台湾、フィリピン原産。中国名は 椿叶花椒 chun ye hua jiao。 林縁、河原、崩壊地、伐採跡に生える。
落葉高木。高さ5~15m。幹は灰色~灰褐色、大きく基部が盛り上がった刺があり、又は刺が取れ、いぼ状の突起になる。枝にも刺がある。葉は互生し、長さ30~80㎝の奇数羽状複葉。小葉は長さ7~15㎝の長楕円状披針形~披針形、6~12対つく。先は尾状に尖り、縁は波打ち、浅い鈍鋸歯縁。両面とも無毛、葉裏は粉白色。雌雄別下部。枝先の散房花序に小さな花を多数つける。雄花は長楕円状形の白色の花弁5個、雄しべ5個、葯は黄色。雌花は子房や柱頭が太く、緑色。萼は5深裂する。果実は蒴果、3分果。分果は直径3~5㎜の扁球形、しわがあり、灰褐色、熟すと裂開し、光沢のある黒色の種子が見えるようになる。種子は直径3~4㎜の球形。花期は7~8月。
1-1 Zanthoxylum ailanthoides Siebold et Zucc. f. pubescens (Hatus.) H.Ohba  ケカラスザンショウ
    synonym Zanthoxylum ailanthoides Siebold et Zucc. var. pubescens Hatus.
1-2 Zanthoxylum ailanthoides Siebold et Zucc. var. ailanthoides f. espinosum Yonek.  トゲナシカラスザンショウ
    synonym Zanthoxylum ailanthoides Siebold et Zucc. var. ailanthoides f. inermis (Hatus.) H.Ohba 
    synonym Zanthoxylum ailanthoides Siebold et Zucc. var. inerme (Nakai) T.B.Lee 
1-3 Zanthoxylum ailanthoides Siebold et Zucc. var. inerme Rehder et E.H.Wilson  アコウザンショウ
    synonym Zanthoxylum inerme (Rehder et E.H.Wilson) Koidz. 
    synonym Zanthoxylum ailanthoides Siebold et Zucc. var. boninshimae (Koidz. ex H.Hara) T.Yamaz. ex H.Ohba 
 2  Zanthoxylum amamiense Ohwi  アマミザンショウ
 日本固有種(奄美諸島)

 3  Zanthoxylum armatum DC.
 日本、朝鮮、中国、インド、ネパール、カシミール、ブータン、パキスタン、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピン原産。中国名は竹叶花椒 zhu ye hua jiao

3-1 Zanthoxylum armatum DC. var. armatum  トウフユザンショウ
3-2 Zanthoxylum armatum DC. var. subtrifoliatum (Franch.) Kitam.  フユザンショウ 冬山椒
    synonym Zanthoxylum planispinum Siebold et Zucc. 
 日本(本州の関東地方以西、四国、九州、沖縄)、朝鮮、中国、台湾原産。中国名は竹叶花椒 zhu ye hua jiao。英名はwinged prickly-ash。別名はフダンザンショウ。 林内、岩場に生える。
 常緑低木、灌木、蔓性木。高さ1.5~3m。葉や果実にはサンショウの強い香りがある。常緑、寒冷地では落葉性。幹は黒灰色、刺や疣状突起がある。若枝は赤褐色、無毛、2年目になると皮目が目立つ。葉柄の基部に鋭い刺が対生してつく。小葉は互生し、奇数羽状複葉、葉軸に翼がある。小葉は3~7(11)個つき、長さ3~14㎝、幅1~4㎝の長楕円形~広披針形、縁には低い鋸歯があり、鋸歯の基部に腺点があり、葉面にも腺点が散生する。葉表は脈上にまばらに毛があり、葉裏にもまばらに毛がある。雌雄異株。側枝の葉腋ときに先に長さ1~5(7)㎝の花序をつけ、花序の花は30個以下。花被は不規則な2列又は1列につく。花被片は6~8個あり、未分化、淡黄色、長さ0.3~1.5㎜。雄花は雄しべ4~6個、葯は初期~開花まで黄色。日本では雄花は確認されていない。雌花は花被が2~3個、裏面に腺点が目立つ。花柱は反曲し、仮雄しべは舌状又は欠く。果実は2個の袋果、直径4~5㎜の球形、表面が凸凹で腺点があり、8月に赤色に熟し、裂開する。種子は直径3~4㎜のほぼ球形、黒色。2n=66。花期は4~5月。

3-3 Zanthoxylum armatum var. ferrugineum (Rehder & E. H. Wilson) C. C. Huang
 中国に分布。中国名は毛竹叶花椒 mao zhu ye hua jiao

 4  Zanthoxylum beecheyanum K.Koch  イワザンショウ 岩山椒) [広義]
    synonym Zanthoxylum arnottianum Maxim.
 日本固有種(小笠原諸島、南西諸島)。山頂付近の岩地や尾根沿いに生える。
 這うように広がり、高さ 20~50㎝。葉や茎にはサンショウに似た芳香があり、枝に短い刺がある。葉は互生し、長さ2~5㎝、奇数羽状複葉。小葉は3~6対つき、楕円形、長さ数㎜、全縁、上面に光沢があり、葉軸に低い翼がある。雌雄異株。花弁と萼はほぼ同形で各6個。雄しべは6本。果実は球形、直径約3㎜、緑色、褐色に熟す。花期は2~4月。果期は11~12月。
4-1 Zanthoxylum beecheyanum K.Koch var. beecheyanum  イワザンショウ

4-2 Zanthoxylum beecheyanum K.Koch var. alatum (Nakai) H.Hara  ヒレザンショウ 鰭山椒
    synonym Zanthoxylum arnottianum Maxim. var. alatum Nakai
 海岸に生えるやや大型で葉の軸の翼が目立つもの
 低木、高さ150㎝以下。葉軸に低い翼がある。香辛料として使われる。

 5  Zanthoxylum bungeanum Maxim.  カホクザンショウ
 中国、ブータン原産。中国名は花椒 hua jiao

 6  Zanthoxylum dimorphophyllum Hemsl.  ヒメハゼザンショウ
    synonym Zanthoxylum pistaciiflorum Hayata 
 中国、台湾、タイ、ベトナム原産。中国名は异叶花椒 yi ye hua jiao

 7  Zanthoxylum fauriei (Nakai) Ohwi  コカラスザンショウ
 日本(東海地方以西~九州)、朝鮮原産。
 カラスザンショウとイヌザンショウの中間形であり、両者の雑種と考えられている。
 落葉小高木、高さ4~6m。若枝は無毛、枝の刺は長さ5~8㎜、下部が太くて平たい。葉は互生し、奇数羽状複葉、長さ10~20㎝。小葉は5~11対つき、披針形、長さ3~6㎝×幅1~1.5㎝、基部はやや歪んだ鈍形、縁には細鋸歯があり、先は長く漸尖し、先端は鈍端から浅く2裂し、両面無毛、下面は淡緑色、油点がある。花序は頂生の散房花序、花が多数つく。雌雄異株。萼は皿形、5裂し、裂片は広卵状円形、長さ約0.5㎜。花弁は白色、卵状長円形、長さ約2㎜。袋果は3個、扁球形、長さ約5㎜。種子は楕円状球形で長さ約4㎜、黒色、光沢がある。花期は8月。

 8  Zanthoxylum integrifoliolum (Merr.) Merr.  ネワタノキ
 台湾、フィリピン原産。中国名は兰屿花椒 lan yu hua jiao

 9  Zanthoxylum nitidum (Roxb.) DC.  テリハザンショウ
 日本(沖縄)、中国、台湾、インド、ネパール、ミャンンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ニューギニア、太平洋諸島、オーストラリア原産。中国名は两面针 liang mian zhen 。

 10  Zanthoxylum piperitum (L.) DC.  サンショウ 山椒
    synonym Zanthoxylum piperitum (L.) DC. f. verrucatum Kusaka 
    synonym Zanthoxylum piperitum (L.) DC. f. corticosum Kusaka
 日本(本州、四国、九州)、朝鮮原産。英名はJapan pepper。別名はアツカワザンショウ、イボザンショウ。林内、林縁のやや湿り気の多い場所に生える。若葉や花や実が香辛料とされる食用の山椒である。
 落葉低木。高さ2~5m。芳香が強く、やや上向きに刺が対生する。幹は灰褐色、いぼ状の突起と鋭い刺がある。葉は互生し、長さ10~15㎝の奇数羽状複葉。小葉は5~9対つき、長さ1~3㎝の卵状長楕円形で縁には波状の鋸歯があり、鋸歯の基部に大きな腺点があり、葉面にもまばらに腺点がある。雌雄異株。花は花弁のない小さな黄緑色。雄花が花山椒として食用とされる。袋果は2個(分果)、直径約5㎜の球形、表面に密に腺点がある。果実が秋に赤く熟すと、裂開して種子が見える。種子は球形、直径3~4㎜、黒色、光沢がある。若い緑色の果実や果皮を香辛料とする。花期は4~5月。2n=70
品種)   'Thornless'(Thornless Japanese pricky ash)

10-1 Zanthoxylum piperitum (L.) DC. f. brevispinum (Makino) Makino  ヤマアサクラザンショウ
10-2 Zanthoxylum piperitum (L.) DC. f. hispidum Hayashi  アラゲザンショウ
    synonym Zanthoxylum piperitum (L.) DC. var. hispidum (Hayashi) Konta 
    synonym Zanthoxylum piperitum (L.) DC. f. pubescens (Nakai) W.T.Lee 
10-3 Zanthoxylum piperitum (L.) DC. f. inerme (Makino) Makino  アサクラザンショウ
10-4 Zanthoxylum piperitum (L.) DC. f. ovatifoliolatum (Nakai) Makino  リュウジンザンショウ
10-5 Zanthoxylum piperitum DC. f. rotundatum Yokouchi  シダレヤマアサクラザンショウ

 11  Zanthoxylum scandens Blume  ツルザンショウ
    synonym Zanthoxylum liukiuense Hayata 
    synonym Zanthoxylum cuspidatum Champ. ex Benth. 
 日本、中国、台湾、インド、ミャンマー、インドネシア、マレーシア原産。中国名は花椒簕 hua jiao le
 低木又はつる性木。幹、枝、小枝、葉軸には刺がある。葉は小葉が5~25個。小葉の葉身はゴ瀬尾又は葉軸の上部では対生、卵形、卵状楕円形、又は斜めの長円形、長さ4~10㎝×幅1.5~4㎝、両面は乾くと黒色又は黒褐色、下面は光沢があり、油腺は不明瞭、中脈が凹み無毛、又は平らで微軟毛があり、基部は斜め~ほぼ対称で鈍形~広楔形、縁は全縁又は上部に円鋸歯があり、先は微突形、尾状、尖頭形、又は長い腺鋭形、先端は鈍形~小凹形。花序は頂生又は腋生。花は4数性。花被は2列。咢片は淡紫緑色、広卵形、長さ約0.5㎜。 花弁は淡黄緑色、長さ2~3㎜。雄花は雄しべが4本、長さ3~4㎜。葯隔は先に油腺をもつ。未発達の雌しべ群は2~4裂するクッション形の花盤に抱かれる。雌花は心皮が3~4個。仮雄しべは舌形。果実の袋果は紫赤色、乾くと、灰褐色~黒色になり、直径4.5~5.5㎜、油腺はわずかに突き出、平ら、又は凹み、先に嘴がある。種子はほぼ球形、、直径4~5㎜。花期は3~5月。果期は7~8月。2n = 68.

 12  Zanthoxylum schinifolium Siebold et Zucc.  イヌザンショウ 犬山椒
    synonym Zanthoxylum schinifolium Siebold et Zucc. f. microphyllum (Honda) W.T.Lee
    synonym Zanthoxylum schinifolium Siebold et Zucc. f. grandifolium (H.Hara) H.Hara ex Ohwi et Kitag.
    synonym Zanthoxylum schinifolium Siebold et Zucc. f. angustifolium (Honda) H.Hara ex Ohwi et Kitag. 
    synonym  Zanthoxylum pteropodum Hayata  アリサンザンショウ
 日本(本州、四国、九州、沖縄)、朝鮮、中国、台湾原産。中国名は青花椒 qing hua jiao。林縁、原野、河原などに生える。
 落葉低木。高さ2~3m。幹は灰緑色、縦長の皮目がつき、刺が互生する。葉は互生し、奇数羽状複葉。葉軸には翼がある。小葉は長さ2~5㎝の広披針形~楕円形、鋸歯は浅くて、鈍い。雌雄別株。枝先に散房花序を伸ばし、黄緑色の小さな花を多数つける。袋果は3個、球形、次第に褐色になり、熟すと裂開して光沢のある黒色種子が現れる。花期は7~8月。
12-1 Zanthoxylum schinifolium Siebold et Zucc. var. inerme (Nakai) T.B.Lee  トゲナシイヌザンショウ
12-2 Zanthoxylum schinifolium Siebold et Zucc. var. okinawense (Nakai) Hatus. ex Shimabuku  シマイヌザンショウ
    synonym Zanthoxylum okinawense (Nakai) E.H.Wilson 

 13  Zanthoxylum simulans Hance  トウザンショウ 
    synonym Zanthoxylum coreanum Nakai 
    synonym Zanthoxylum setosum Hemsl.
 中国、台湾原産。中国名は野花椒 ye hua jiao

 14  Zanthoxylum wutaiense I.S.Chen 
 台湾原産。中国名は屏东花椒 ping dong hua jiao

 15  Zanthoxylum yakumontanum (Sugim.) Nagam.  ヤクシマカラスザンショウ
    synonym Zanthoxylum ailanthoides Siebold et Zucc. var. yakumontanum (Sugim.) Hatus. 


 参考

1) Flora of China
  Zanthoxylum
  http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=135262
2) Flora of Pakistan
  Zanthoxylum
  http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=3&taxon_id=104163
3) GRIN
  Zanthoxylum
  https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomydetail.aspx?7298
4) Plants of the World Online | Kew Science
 Zanthoxylum
 http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:329404-2

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