オクモミジハグマ 奥紅葉白熊
Flora of Mikawa
キク科 Asteraceae モミジハグマ属
中国名 | 槭叶兔儿风 qi ye tu er feng |
学 名 | Ainsliaea acerifolia Sch. Bip. var. subapoda Nakai synonym Ainsliaea acerifolia var. affinis (Miquel) Kitamura synonym Ainsliaea affinis Miquel. |
花 期 | 8~10月 |
高 さ | 40~80㎝ |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 山地の木陰 |
分 布 | 在来種 本州、九州(北部)、朝鮮、中国 |
撮 影 | 面の木 05.8.15 |
茎にはまばらに毛がある。葉は茎の中部に4~7個輪生状につき、葉柄は長さ5~13㎝。葉身は質が薄く紙質、長さ6~12㎝、幅6~18㎝の腎形~円形、基部は心形、掌状に浅裂~中裂し、縁に鋸歯があり、両面に軟毛がある。長い穂状花序に頭花を多数つける。花柄はほぼ無柄~長さ2㎜以下。総苞は長さ1.2~1.5㎝の筒形。総苞片は8列、乾いた膜質。外片は短く、長さ1.5~3㎜、広卵形。内片は長く長さ13~14㎜、幅2~3㎜。モミジハグマ属の頭花は3個の小花からなり、3個の雌しべが長く突き出す。花冠は長さ12~15㎜、白色、細く5裂する。痩果は長さ9~10㎜、幅約2㎜。冠毛は淡赤褐色、長さ約10㎜で枝分かれする。2n=24
モミジハグマAinsliaea acerifolia var. acerifoliaは近畿地方以西に分布し、葉が掌状に深く5~7裂する。
テイショウソウAinsliaea cordifolia は本州(千葉県以西~近畿地方)、四国に分布する。葉は長さ10~15㎝、長楕円形~鉾形、心脚、表面に淡色の班紋が入り、波状の鋸歯縁。葉柄は短い。
モミジハグマ属
family Asteraceae - genus Ainsliaea多年草、まれにア低木。葉は互生、しばしば、基部のロゼットにつき、又は茎の中間近くに密集してつく。葉身は線形、卵形、楕円形、又は円形、縁は全縁、円鋸歯、小歯状、歯状又は分裂する。頭花は穂状花序、総状花序、又は円錐花序に多数つき、ときに下向きになり、放射状頭花(radiate)又は中心小花頭花(discoid)、同形配偶。総苞は円筒形。総苞片はしばしば、多列、覆瓦状。花托は小さく、無毛、パレアは無い。小花は少数、(1~)3(~5)個、両性、全て稔性、開放花(chasmogamous)又は閉鎖花(cleistogamous)。開放花の花冠は開き、不規則に5深裂し、割れ目の1つは他よりかなり長く、裂片は線形、後屈;し、普通、巻く。閉鎖花の花冠(もし、あれば)閉じ、筒状、冠毛より短い。葯の基部は長い尾状、先の付属体は切形~円形、ときに微突頭。花柱は先が浅く分裂し、花柱の枝は短く、外側にパピラがあり、先は鈍形~鋭形、円形又は切形。痩果は円柱形又は紡錘形、うねがあり、無毛又は直軟毛がある。冠毛は羽毛状の剛毛又はときに、開放小花で欠くことがあり、普通、1列、まれに2列。2n=24, 26。
世界に約50種あり、アフガニスタン、バングラデシュ、ブータン、中国、インド、インドネシア、.日本、朝鮮、ミャンマー、ネパール、パキスタン、フィリピン、タイ、ベトナムに分布する。
モミジハグマ属の主な種と園芸品種
1 Ainsliaea acerifolia Sch.Bip.synonym Ainsliaea affinis Miq.
synonym Ainsliaea acerifolia var. acerifolia
synonym Ainsliaea acerifolia var. affinis (Miq.) Kitam.
synonym Ainsliaea affinis Miq.
日本、朝鮮、中国原産。中国名は槭叶兔儿风 qi ye tu er feng 。
1-1 Ainsliaea acerifolia Sch.Bip. var. acerifolia モミジハグマ 紅葉白熊
日本(本州の近畿地方以西、四国、九州)に分布。山地の林下に生える。
多年草。茎は直立し、高さ30~80㎝、叢生または単生し、まばらに長毛がある。葉は茎の中部に4~7個つき、長い葉柄があり、葉身は腎心形~円心形、長さ6~15cm、掌状に7裂し、裂片はさらに3裂し、両面に軟毛がある。茎の頂部の穂状花序に多数の頭花をつける。総苞は筒形、長さ1.2~1.5㎝。頭花は3個の筒状小花のみからなり、花冠は白色、先が(4~)5裂する。痩果は長さ約9㎜、冠毛は紫褐色。花期は8~10月。
1-2 Ainsliaea acerifolia Sch.Bip. var. subapoda Nakai オクモミジハグマ 奥紅葉白熊
日本(本州の畿以西、四国、九州)、朝鮮、中国原産。中国名は槭叶兔儿风 qi ye tu er fen多年草。高さ40~80㎝。茎にはまばらに毛がある。葉は茎の中部に4~7個輪生状につき、葉柄は長さ5~13㎝。葉身は質が薄く紙質、長さ6~12㎝、幅6~18㎝の腎形~円形、基部は心形、掌状に7~9(~11)浅裂~中裂し、縁に鋸歯があり、両面に軟毛がある。長い穂状花序に頭花を多数つける。花柄はほぼ無柄~長さ2㎜以下。総苞は長さ1.2~1.5㎝の筒形。総苞片は8列、乾いた膜質。外片は短く、長さ1.5~3㎜、広卵形。内片は長く長さ13~14㎜、幅2~3㎜。モミジハグマ属の頭花は3個の小花からなり、3個の雌しべが長く突き出す。花冠は長さ12~15㎜、白色、細く5裂する。痩果は長さ9~10㎜、幅約2㎜。冠毛は淡赤褐色、長さ約10㎜で枝分かれする。2n=24。花期は(7)8~10月。
2 Ainsliaea apiculata Sch.Bip. キッコウハグマ 亀甲白熊
日本(本州、四国、九州)、朝鮮原産。山地の木陰に生える。
多年草。高さ10~20(30)㎝。葉は茎の下部に5~10個程度、固まって互生し、長い葉柄がある。葉身は長さ1~3㎝の5角形又は5浅裂し、基部は心形。葉表は緑色、やや光沢があり、葉裏は緑白色、両面に毛がある。5角形の葉形からキッコウの名が付けられている。長さ10~20㎝の茎の先に、まばらな総状に頭花が数個~10数個つく。花柄は長さ1~5㎜。総苞は細く、長さ10~15㎜の狭円筒形。総苞片は多列。頭花は3(まれに4)個の小花からなり、すべて両性の筒状花。小花の花冠は白色、5深裂する。筒部は長さ約4.5㎜、裂片は開出し、先が曲がり、3個の小花が集まり、花が直径7~10㎜の風車のように見える。長く尖った蕾のような閉鎖花をつけ、白い花が少ししか見られないことも多い。痩果は長さ約4.5㎜、幅約1.2㎜、約10本の縦肋に毛が密生し、肋の間にも毛が散生する。冠毛は長さ約8㎜、ほぼ同長、羽毛状に枝分かれし、褐色~赤褐色。2n=24。花期は9~10月。
2-1 Ainsliaea apiculata Sch.Bip. f. rotundifolia (Masam.) Sugim. マルバキッコウハグマ 丸葉亀甲白熊
屋久島に分布。葉が円形。花期は9~10月。基準変種と区別しない見解もある。2-2 Ainsliaea apiculata Sch.Bip. var. acerifolia Masam. リュウキュウハグマ 琉球亀甲白熊
synonym Ainsliaea liukiuensis Beauverdsynonym Ainsliaea apiculata Sch.Bip. f. acerifolia (Masam.) Sugim.
synonym Ainsliaea secundiflora Hayata ナカハラハグマ
synonym Ainsliaea macroclinidioides Hayata var. secundiflora (Hayata) Kitam.
日本(屋久島)、台湾原産。中国名は五裂兔儿风 wu lie tu er feng 。別名はモミジバキッコウハグマ。葉が5裂する。
2-3 Ainsliaea apiculata Sch.Bip. var. ovatifolia Masam. タマゴバキッコウハグマ 卵葉亀甲白熊
屋久島に分布。葉が卵形。花期は9~10月。基準変種と区別しない見解もある。3 Ainsliaea cordifolia Franch. et Sav. テイショウソウ 禎祥草
日本固有種(本州の千葉県~近畿地方、四国)。山地の林床や林縁などに生える。
多年草。地下茎は細く、這う。茎は直立し、高さ30~60㎝、褐紫色、はじめ軟毛がある。 葉は茎の下部に4~7個、集まってつき、葉柄がある。葉身は卵状矛形、長さ10~16㎝、鈍い緑色で暗紫色を帯び、淡色の斑が入る。頭花は頂生の長さ約20㎝以下の総状花序に10~23個程度つく。頭花の花序柄は長さ2~3㎜。苞は長さ約1㎜、3角形、多数つく。総苞は筒状、長さ11~14㎜。小花は頭花に3個、花冠は白色、長さ15~19㎜、筒部は長さ6~8㎜。痩果は無毛、冠毛は長さ9~11㎜、羽毛状。花期は9~11月。
3-1 Ainsliaea cordifolia Franch. et Sav. var. maruoi (Makino) Makino ex Kitam. ヒロハテイショウソウ 広葉禎祥草
静岡~四国の沿岸の低山に分布。葉が広卵形で欠刻がある。4 Ainsliaea dissecta Franch. et Sav. エンシュウハグマ 遠州白熊
日本固有種(本州の静岡県~愛知県)。山地の林内に生える。
多年草。高さ10~30㎝。葉は茎の下部に輪状に固まって付き、葉は長さ2~6㎝で、掌状に3~5深裂する。頭花は直径約1㎝、花冠がねじれて風車のように3個の小花がつく。色は淡紅色を帯びた白色。花期は 9~10月。
4-1 Ainsliaea dissecta Franch. et Sav. f. acerifolia Sugim. マルバエンシュウハグマ 丸葉遠州白熊
4-2 Ainsliaea dissecta Franch. et Sav. f. purpurascens Sugim. ムラサキエンシュウハグマ 紫遠州白熊
5 Ainsliaea fragrans Champ. ex Benth. マルバテイショウソウ 丸葉禎祥草
synonym Ainsliaea fragrans Champ. ex Benth. var. integrifolia (Maxim.) Kitam.
synonym Ainsliaea integrifolia (Maxim.) Makino日本(四国、九州)、中国、台湾原産。中国名は杏香兔儿风 xing xiang tu er feng
多年草、高さ25~60㎝。葉は基部のロゼット又は茎の基部の上部につき、葉柄は長さ1.5~10(~14)㎝、翼は無く、剛毛がある。葉身は卵形~卵状披針形、長さ2~11㎝×幅1.5~5㎝、類革質、掌状羽状脈、下面は普通、紫色、赤色の絨毛があり、とくに脈に多く、上面は無毛又はまばらに直軟毛があり、基部は心形、縁は全縁又はまばらにカロースの小歯状、縁毛があり、先は鈍形又は微突形、中脈から伸びる。頭花はほぼ無柄又は短い花序柄があり、穂状花序(まれに円錐花序)につく。頭花は3花がつく。総苞は円筒形、直径3~3.5㎜。総苞片は約5列、紙質、外面は無毛。外総苞片は卵形、長さ1.8~2㎜。内総苞片は狭い楕円形、長さ約1.1㎝。小花は両性、開放花(chasmogamous)と閉鎖花(cleistogamous)が同じ株につく(又は異なった季節に)。開放小花は白色、花冠筒部は長さ約1㎝、5深裂し、裂片は線形、不等長。葯の付属体は鈍形。痩果は円柱形又は類紡錘形、長さ約4㎜、うねがあり、密に全体又は上部に絨毛がある。冠毛は薄帯褐色、長さ約7㎜。閉鎖小花は花冠が閉じ、筒状、小さく5裂し、長さ約8㎜、冠毛に隠れる。痩果は長さ約5㎜、冠毛は長さ約12㎜。花期は9~12月。
6 Ainsliaea henryi Diels
中国(福建、広東、広西、貴州、海南、湖北、湖南、四川、雲南)、台湾原産。中国名は长穗兔儿风 chang sui tu er feng。標高700~3900m。開けた森林、川岸に生える。
多年草、高さ10~80㎝。葉は基部のロゼットにつく。葉柄は長さ2~5㎝、上半分に翼があるか、または翼がない。葉身は倒卵形~長円形~卵形、長さ2.5~8.5㎝×幅1.5~3㎝、薄い紙質、掌状~羽状脈あり、下面にはまばらに絨毛があり、上面は無毛、基部は漸尖形~円形~楔形、縁はわずかに波打ち(repand)、カロース小歯状、先は鋭形~ほぼ鈍径。頭花はほぼ無柄または短い花序柄があり、一般的に2~3個が束生し、穂状花序に、(1~)3個の花がつく。総苞は円筒形、直径約2㎜。総苞片は約5列、紙質、下面の先に直軟毛があり、外総苞片は卵形、長さ1.5~2㎜、内総苞片は線形、長さ0.7~1.6㎝。 小花は両性、開放花(chasmogamous)と閉鎖花(cleistogamous)(異なる季節に開花)。開放花(chasmogamous)の小花の花冠は筒状、長さ約7.5㎜、5深裂し、裂片は長円形、葯の付属物は丸い。痩果は類紡錘形、長さ約1.5㎜、うねがあり、無毛、ときに先端に直軟毛がある。冠毛は無い。花期は12~4月。閉鎖花(cleistogamous)の花冠は閉じ、筒状、微細に5裂し、長さ約3.2㎜、冠毛に隠れる。痩果は円柱形、長さ約6mm、うねがあり、無毛。冠毛は暗白色~暗黄色、長さ約8㎜。花期は6~3月。
6-1 Ainsliaea henryi var. henryi
中国に分布。標高700~2000mの開けた森林、川岸に生える。
葉柄は上半分に翼がある。葉身は倒卵形~長円形、長さ4.5~8.5㎝×幅1.8~3㎝、基部は漸尖し、先はほぼ鈍形。花期は7~10月、12~3月。
6-2 Ainsliaea henryi var. subalpina (Handel-Mazzetti) S. E. Freire オカダハグマ
中国、台湾に分布。中国名は亚高山长穗兔儿风 ya gao shan chang sui tu er feng。標高2000~3900mの開けた森林に生える。葉柄は長さ3.5~5.5㎝、細く、翼がない。葉身は卵形、長さ2.5~3.8㎝×幅1.5~2.4㎝、基部は円形~楔形。花期は6~11月。
7 Ainsliaea kawakamii Hayata
中国、台湾原産。中国名は灯台兔儿风 deng tai tu er feng。森林に生える。
多年草、高さ20~70㎝。 葉は、茎の基部の上に集まるか、茎の中間点近くに密集する。葉柄は長さ(2.5~)3.5~8.5㎝、翼は無い。葉身は卵形、長さ5~7(~9.5)㎝×幅3~6㎝、紙質、掌状~羽状の脈があり、下面は上面より淡色、基部は円形またはわずかに心形~切形、縁は全縁~歯があり、先は鈍形。 頭花は短い花序柄があり、穂状花序につき、花は3個。総苞は鐘状円筒形、直径約3㎜。総苞片は6~7列、ほぼ革質、無毛、上部にはまばらに直軟毛があり、外総苞片は卵形、約7個、長さ約2.5㎜、内総苞片は長さ約7.5㎜。小花は両性、普通、開放花(chasmogamous)、同じ植物でたまに閉鎖花(cleistogamous)になる。開放花の小花の花冠は白色、筒状、長さ約13㎜、5深裂し、裂片は線状披針形、不等形。葯の付属体は切形。痩果は長円形、長さ約2.5㎜、無毛または上部に直軟毛がある。冠毛は長さ約8㎜。閉鎖花の花冠は閉じ、筒状、微細に5裂し、長さ約 4.5㎜、冠毛に隠れる。痩果は長さ約6㎜、冠毛は長さ約9㎜。花期は9~11月。
8 Ainsliaea latifolia (D.Don) Sch.Bip.
synonym Ainsliaea latifolia (D.Don) Sch.Bip. var. taiwanensis S.E.Freire
中国、(台湾)、インド、カシミール、ネパール、ブータン、バングラデシュ、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア原産。中国名は宽叶兔儿风 kuan ye tu er feng 。常緑樹林のある谷、小川のそばの常緑樹林の苔むした場所、開けた森、道端、完全な向陽地または日陰の非常に乾燥した開けた場所に生える。多年草、高さ30~90(~130)㎝。葉は根生し、ロゼットになる。 葉柄は広い翼があり、長さ(2~)4~9(~11)㎜×幅4~30㎜ (上端)。 葉身は卵形または狭い卵形、長さ(2~)5~10㎝×幅(1.5~)3~8㎝、紙のような、掌状羽状脈、同色、両方の表面に長いまっすぐな毛状突起のある縞模様、またはより一般的には背軸面がわずかに変色している ストリゴス-ランナテと向軸の表面はまばらにストリゴス、基部は収縮して葉柄に分岐し、縁はカロース-歯状でまっすぐ、先は鈍角または鋭形。 頭花は無柄または短い柄があり、(1~)2~4 個が群生し、穂状花序または円錐花序に配列し、花は 3 個つく。総苞は円筒形、直径約3㎜。総苞片は5列、紙質、外面に±まばらに直軟毛があり、外総苞片は卵形、長さ約1.5 mm、内総苞片は楕円形、長さ約8㎜。小花は両性、普通は開放花(chasmogamous)あり(ときに冠毛がない)、まれに閉鎖花(cleistogamous)である(異なる季節または同じ植物で)。開放花の小花の花冠は筒状、長さ0.8~1.1㎝、深く5裂し、裂片は長円形、不等形、葯の付属体は丸い。痩果はほぼ紡錘形、長さ約5.5㎜、うねがあり、密に直軟毛がある。冠毛は無または有、帯褐色、長さ8~10㎜。閉鎖花の花冠は閉じ、筒状、微細に5裂し、長さ約4㎜、冠毛に隠れる。痩果はほぼ紡錘形、長さ約6㎜、うねがあり、密に直軟毛がる。冠毛は帯褐色、長さ8~10㎜。花期は通年。
9 Ainsliaea linearis Makino ホソバハグマ 細葉白熊
synonym Ainsliaea faurieana Beauverd
synonym Ainsliaea apiculata Sch.Bip. var. linearis (Makino) Masam.
日本固有種(屋久島)ホソバハグマは葉が多数つく。葉柄は葉身より短く、上部に翼がある。葉身は無毛で鋸歯は不明瞭で、芒状突起も伏生する。
10 Ainsliaea macroclinidioides Hayata アリサンハグマ 阿里山白熊
synonym Ainsliaea dentata Koidzumi
synonym Ainsliaea macroclinidioides var. okinawensis (Hayata) Kitamura
synonym Ainsliaea okinawensis Hayatasynonym Ainsliaea ovata Koidzumi
synonym Ainsliaea yadsimae Koidzumi.
日本(沖縄)、台湾原産。中国名は阿里山兔儿风 a li shan tu er feng。台湾では標高500~2000mの川岸に沿った森林に生える。
多年草、高さ25~80㎝。 葉は茎の中部付近に集まってつき、葉柄は長さ3~11㎝、翼は無い。葉身は広卵形~三角形~卵状披針形、長さ4.5~13㎝×幅3~11㎝、紙質、掌状~羽状脈があり、下面にはまばらに絨毛があり、特に脈上に多く、若いときは上面は無毛またはまばらに直軟毛があり、基部は浅く~深く心形または円形 、縁は歯状~不明瞭な歯状、先は鋭形~尖鋭形~長い尖鋭形。 頭花は無柄または短い花序柄があり、穂状花序または総状花序につき、花が3個がつく。総苞は円筒形、直径3~4mm。総苞片は6列、紙質、下面は無毛又は先端に毛があり、外総苞片は卵形、長さ2.5~3㎜、内総苞片は狭長円形、長さ約1㎝。小花は両性、開放花(chasmogamous)、花冠は筒状、長さ0.9~1.3㎝、5深裂し、裂片は線形、不等形、葯の付属体は丸い。痩果は円柱形、長さ約8㎜、直軟毛がある。冠毛は赤褐色、長さ約10㎜。花期は3月、7~10月。
10-1 Ainsliaea macroclinidioides Hayata var. okinawensis (Hayata) Kitam. オキナワハグマ 沖縄白熊
synonym Ainsliaea okinawensis Hayata沖縄に分布。別名はマルバハグマ
11 Ainsliaea oblonga Koidz. ナガバハグマ 長葉白熊 広義
日本固有種(沖縄)
11-1 Ainsliaea oblonga Koidz. var. oblonga ナガバハグマ 長葉白熊
synonym Ainsliaea macroclinidioides Hayata var. oblonga (Koidz.) Hatus., nom. nud.
茎は直立し叢生し、高さ15~40㎝。 葉は長い葉柄があり、10~30個程度が茎の途中の中部からやや下部に集まってつく。葉身は長楕円状披針形 、長さ4~5㎝×幅1.5~2.5㎝、掌状に3中裂し、裂片は細く、先は鋭形、3脈が目立ち、上面は光沢があり、初め褐色の毛があるが、後に無毛となる。花序は頂生、総状花序又は複合の総状花序、頭花多数つける。 頭花は直径約2㎝、白色、小花は3個つく。 花期は11下旬~1月初旬。11-2 Ainsliaea oblonga Koidz. var. latifolia Kitam. オオナガバハグマ
synonym Ainsliaea macroclinidioides Hayata var. latifolia (Kitam.) Hatus., nom. nud.
奄美大島に分布。12 Ainsliaea paucicapitata Hayata ノウコウハグマ 能高白熊
台湾原産。中国名は花莲兔儿风 hua lian tu er feng。標高約3000mの高地に生える。
多年草、高さ約20cm。 葉は基本的に密集しています。 葉柄は長さ1~1.5 cm、翼は無く、葉身は三角形、長さ1~1.5×幅1~1.5㎝、掌状~羽状脈あり、基部心形、縁は不明瞭な小歯があり、先は鋭形。 頭花は無柄で、穂状花序につき、頭花が3個つく。総苞は鐘形。外総苞片は卵形、内総苞片は線形~披針形。 小花は両性、開放花(chasmogamous)、花冠は筒状、長さ約10㎜、5裂する。痩果は長円形、密に直軟毛がある。冠毛は無い。花期は1月。
13 Ainsliaea reflexa Merr. タイワンハグマ 台湾白熊
synonym Ainsliaea latifolia (D.Don) Sch.Bip. subsp. henryi auct. non (Diels) H.Koyama
中国、台湾、ベトナム、インドネシア、フィリピン原産。中国名は长柄兔儿风 chang bing tu er feng。開けた森、森の縁、低木林に生える。多年草、高さ10~60㎝。葉は根生、ロゼットになる。葉柄は長さ3~9㎝、上部に翼があり、下部は翼が無く、まれにほぼ無翼。葉身は卵形または卵状披針形、長さ2~7㎝×幅2~5㎝、紙質、掌状~羽状脈があり、両面にはまばらに絨毛があり、基部は漸尖し、縁はわずかに波形になり、カロース状の歯があり、先は鋭形または鈍形。頭花は無柄または短柄があり、普通、2~3個が束生して穂状花序につき、花は(1~)3個つく。総苞は円筒形、直径2~3㎜。総苞片は5列、紙質、外面は無毛又は先に直軟毛がある。外総苞片は卵形、長さ1.5~2.5㎜、内総苞片は披針形、長さ約1.2㎝。小花は両性、開放花(chasmogamous)および閉鎖花(cleistogamous)(同じ植物または異なる季節)。開放花の小花の花冠は筒状、長さ5.5~9㎜、深く5裂し、葯の付属体は丸い。痩果は円柱形、長さ約3㎜、うねがあり、密に直軟毛がある。冠毛は無い。花期は12~4月。閉鎖花の花冠は閉じ、筒状、微細に4裂し、長さ約4㎜、冠毛に隠れる。痩果は円柱形、長さ3~5㎜、うねがあり、密に直軟毛がある。 冠毛は帯褐色、長さ約7㎜。花期は12~7月。
14 Ainsliaea uniflora Sch.Bip. クサヤツデ 草八手
日本固有種(本州の神奈川県~近畿地方の太平洋側、四国、九州 )。別名はヨシノソウ、カンボクソウ。川岸や林内に生える。
多年草。高さ40~110㎝。短い地下茎がある。葉はヤツデの葉に似ていて、茎の基部に集まってつき、長い葉柄がある。葉身は長さ6~14㎝、掌状に5~7中裂し、縁に歯がある。茎頂の総状花序に多数の頭花を下向きにつける。頭花は小花が1個つく。総包は緑色、狭紡錘形、長さ10~13㎜。花冠は暗紫色、拡大部は5全裂し、後屈し、巻く。柱頭は長く突き出る。花期は9~10月
14-1 Ainsliaea uniflora Sch.Bip. f. nivea (M.Mizush.) Yonek. ユキヤツデ
花冠が純白色15 ハイブリッド
(1) Ainsliaea x hybrida Sugim. アイノコハグマ
屋久島で見られるキッコウハグマとホソバハグマの自然交雑種。
参考
1) GRINAinsliaea
Ainsliaea
Ainsliaea
Ainsliaea
キッコウハグマの変異(杉本順一)