ノギラン 芒蘭
Flora of Mikawa
キンコウカ科 Nartheciaceae ノギラン属
別 名 | キツネノオ、ヒメノギラン |
学 名 | Metanarthecium luteoviride Maxim. Aletris luteoviridis (Maxim.) Franch. |
花 期 | 6~8月 |
高 さ | 15~50㎝ |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 山地の湿った場所 |
分 布 | 在来種 北海道、本州、四国、九州、朝鮮、千島 |
撮 影 | 岡崎市 12.7.30 蒲郡市 15.12.9 |
キンコウカ科はユリ科から分割された。
葉は根生し、ロゼット状になり、ショウジョウバカマに似ている。葉は長さ8~20㎝の倒披針形、やや鈍頭。花茎は高さ15~50㎝、分枝しないか、または少数分枝し、ほとんど無毛または上部に短毛がある。穂状花序に多数花をつける。花序の下につく苞は小さく、線形。小苞も小さい線形。花柄は長さ2~4㎜。花被片は長さ6~8㎜、線状披針形、白色~淡黄褐色、外面の中肋は緑色であり、基部が離生する。雄しべ6個、花被片より短い。花糸は無毛。葯の色は橙色。花粉は白色。柱頭は3裂する。子房上位、子房は花被片と合着する。花茎や花被には腺点がなく、ネバリノギランのように粘らない。蒴果は長さ5.5~6.5㎜、先が尖った卵形、熟して乾いてくると先から3裂開する。花被片が乾いてよれよれになり、取れかかって残るのが特徴。種子は長さ約0.7㎜の楕円形、褐色、表面は暗褐色の深い格子状になる。
解説はノギランと同じ。
世界にノギラン1種だけ。
ノギランはネパリノギランと類似点が多いが、次の相違から別属とされている。ノギランは花被片が線形で花時に平開又は反曲、花被の基部の合着はごく短く、ほとんど分離。花糸は錐形で基部がわずかに広がり、花柱は細長い。子房は半上位で花被の基部につく。一方、ソクシンラン属(Aletris)は種のほとんどで花被が筒状又は鐘状筒形に癒合し、短い斜上する花被片をもち、花糸と花柱は短く、子房は半下位で、花被の筒部の低い部分につく。
しかし、ヒマラヤ東部産のAletris gracilisでは花は一見ノギランに非常によく似ているが、花被片は下部で癒合し子房は半上位になっている。このようにソクシンラン属では花被片の癒合の程度には広い幅があり、中間型のものもある。また花粉や染色体などについてもこれらを別属とする根拠はみあたらない。上記から、ノギランをソクシンラン属へ入れる見解がある。
synonym Aletris luteoviridis (Maxim.) Franch.
synonym Metanarthecium luteoviride Maxim. var. yakusimense Masam.
日本(北海道、本州、四国、九州)、朝鮮、千島列島原産。別名はキツネノオ、ヒメノギラン。
多年草。高さ15~50㎝。葉は長さ8~20㎝の倒披針形、やや鈍頭。花茎は高さ15~50㎝、分枝しないか、または少数分枝し、ほとんど無毛または上部に短毛がある。穂状花序に多数花をつける。花序の下につく苞は小さく、線形。小苞も小さい線形。花柄は長さ2~4㎜。花被片は長さ6~8㎜、線状披針形、白色~淡黄褐色、外面の中肋は緑色であり、基部が離生する。雄しべ6個、花被片より短い。花糸は無毛。葯の色は橙色。花粉は白色。柱頭は3裂する。子房上位、子房は花被片と合着する。花茎や花被には腺点がなく、粘らない。蒴果は長さ5.5~6.5㎜、先が尖った卵形、熟して乾いてくると先から3裂開する。花被片が乾いてよれよれになり、取れかかって残るのが特徴。種子は長さ約0.7㎜の楕円形、褐色、表面は暗褐色の深い格子状になる。花期は6~8月。2n = 52
1-1 Metanarthecium luteoviride Maxim. var. nutans Masam. ヤクシマノギラン
ヤクシマ分布。矮小型。箱根山や愛鷹山にも似たものが見られる。
Metanarthecium
http://plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:19439-1
2)GRIN
Metanarthecium
http://tn-grin.nat.tn/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=7504
3)植物研究雑誌 42(10): 312-316(1967)
原寛 : ノギランの所属について
4)鹿児島県屋久島産高等植物の細胞分類学的研究II. 特筆す ... - Core
The journal of phytogeography and taxonomy Vol.60 No.1 11-20(2012)
Cytotaxonomical studies of flowering plants in Yakushima Island,
Kagoshima Prefecture, Japan Part II : noteworthy taxa
https://core.ac.uk/download/pdf/196744895.pdf
葉は根生し、ロゼット状になり、ショウジョウバカマに似ている。葉は長さ8~20㎝の倒披針形、やや鈍頭。花茎は高さ15~50㎝、分枝しないか、または少数分枝し、ほとんど無毛または上部に短毛がある。穂状花序に多数花をつける。花序の下につく苞は小さく、線形。小苞も小さい線形。花柄は長さ2~4㎜。花被片は長さ6~8㎜、線状披針形、白色~淡黄褐色、外面の中肋は緑色であり、基部が離生する。雄しべ6個、花被片より短い。花糸は無毛。葯の色は橙色。花粉は白色。柱頭は3裂する。子房上位、子房は花被片と合着する。花茎や花被には腺点がなく、ネバリノギランのように粘らない。蒴果は長さ5.5~6.5㎜、先が尖った卵形、熟して乾いてくると先から3裂開する。花被片が乾いてよれよれになり、取れかかって残るのが特徴。種子は長さ約0.7㎜の楕円形、褐色、表面は暗褐色の深い格子状になる。
ノギラン属
family Nartheciaceae - genus Metanarthecium解説はノギランと同じ。
世界にノギラン1種だけ。
ノギランはネパリノギランと類似点が多いが、次の相違から別属とされている。ノギランは花被片が線形で花時に平開又は反曲、花被の基部の合着はごく短く、ほとんど分離。花糸は錐形で基部がわずかに広がり、花柱は細長い。子房は半上位で花被の基部につく。一方、ソクシンラン属(Aletris)は種のほとんどで花被が筒状又は鐘状筒形に癒合し、短い斜上する花被片をもち、花糸と花柱は短く、子房は半下位で、花被の筒部の低い部分につく。
しかし、ヒマラヤ東部産のAletris gracilisでは花は一見ノギランに非常によく似ているが、花被片は下部で癒合し子房は半上位になっている。このようにソクシンラン属では花被片の癒合の程度には広い幅があり、中間型のものもある。また花粉や染色体などについてもこれらを別属とする根拠はみあたらない。上記から、ノギランをソクシンラン属へ入れる見解がある。
ノギラン属の主な種
1 Metanarthecium luteoviride Maxim. ノギラン 芒蘭synonym Aletris luteoviridis (Maxim.) Franch.
synonym Metanarthecium luteoviride Maxim. var. yakusimense Masam.
日本(北海道、本州、四国、九州)、朝鮮、千島列島原産。別名はキツネノオ、ヒメノギラン。
多年草。高さ15~50㎝。葉は長さ8~20㎝の倒披針形、やや鈍頭。花茎は高さ15~50㎝、分枝しないか、または少数分枝し、ほとんど無毛または上部に短毛がある。穂状花序に多数花をつける。花序の下につく苞は小さく、線形。小苞も小さい線形。花柄は長さ2~4㎜。花被片は長さ6~8㎜、線状披針形、白色~淡黄褐色、外面の中肋は緑色であり、基部が離生する。雄しべ6個、花被片より短い。花糸は無毛。葯の色は橙色。花粉は白色。柱頭は3裂する。子房上位、子房は花被片と合着する。花茎や花被には腺点がなく、粘らない。蒴果は長さ5.5~6.5㎜、先が尖った卵形、熟して乾いてくると先から3裂開する。花被片が乾いてよれよれになり、取れかかって残るのが特徴。種子は長さ約0.7㎜の楕円形、褐色、表面は暗褐色の深い格子状になる。花期は6~8月。2n = 52
1-1 Metanarthecium luteoviride Maxim. var. nutans Masam. ヤクシマノギラン
ヤクシマ分布。矮小型。箱根山や愛鷹山にも似たものが見られる。
参考
1) Plants of the World Online | Kew ScienceMetanarthecium
http://plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:19439-1
2)GRIN
Metanarthecium
http://tn-grin.nat.tn/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=7504
3)植物研究雑誌 42(10): 312-316(1967)
原寛 : ノギランの所属について
4)鹿児島県屋久島産高等植物の細胞分類学的研究II. 特筆す ... - Core
The journal of phytogeography and taxonomy Vol.60 No.1 11-20(2012)
Cytotaxonomical studies of flowering plants in Yakushima Island,
Kagoshima Prefecture, Japan Part II : noteworthy taxa
https://core.ac.uk/download/pdf/196744895.pdf