ナガバオモダカ 長葉面高

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Flora of Mikawa

オモダカ科 Alismataceae オモダカ属

別 名 ジャイアント・ サジタリア
英 名 Weatherby's arrowhead, grass-leaf arrowhead , grass-leaved arrowhead , delta arrowhead
学 名 Sagittaria weatherbiana Fernald

 synonym Sagittaria graminea subsp. weatherbiana (Fernald) R. R. Haynes & Hellquist

 synonym Sagittaria graminea var. weatherbiana (Fernald) Bogin

ナガバオモダカの花序
ナガバオモダカの花
ナガバオモダカの苞
ナガバオモダカの葉
ナガバオモダカ
ナガバオモダカ葉
花 期 5~9月
高 さ 20~60(~100)㎝
生活型 多年草
生育場所 浅瀬、沼地、池
分 布 帰化種  USA(フロリダ州、ノースカロライナ州、サウスカロライナ州、バージニア州)原産
撮 影 西尾市  07.9.9
ナガバオモダカはオモダカ科オモダカ属の水生の多年草。原産地のUSA(フロリダ州、ノースカロライナ州、サウスカロライナ州、バージニア州)では標高0~100mの様々な浅瀬、沼地、池に生える。日陰を好み、ときに群落状になる。
 世界各地で、水草として栽培され、日本ではジャイアントサジタリアの名で販売され、栽培されたものが逸出している。京都の深泥池や東京で既に野生化が確認され、冬も枯れず繁殖力が旺盛なため、一度侵入すると、在来の水生植物群落に大きな影響を与える可能性がある。原産地では雌雄同株、異花であり、販売されているのも同様であるが、日本で野生化確認されているのは、雌花だけの雌株である。通常、高さ20~60㎝、水深により変化する。葉は根生し、沈水葉は長さ10~25㎝×幅1~2.5cmの線形で鈍頭。水上葉(抽水葉)は長い葉柄は先端部が広がり三角形、葉身は長さ7~25㎝×幅1.5~3㎝の長円形、全縁、質はやや厚い。冬は抽水葉は枯れるが、沈水葉は越冬する。葉と同じぐらいの高さの花茎を直立し、花茎はふつう分枝せず、3輪生の総状花序に雌花だけがつく。雌花は直径約1.5cm、花弁と萼片は3個で白色、中央部に多数の緑色の雌しべがある。日本では結実ぜず、走出枝を出して栄養繁殖する。花期は4~5月、8月下旬~9月上旬。
 原産地のナガバオモダカは多年草、高さ100㎝以下。根茎は粗い。ストロンは無い。球茎は無い。葉は水中又は水面上に出る。沈水葉(submersed)は下面に角(かど)があり、上面は平らな葉状体(phyllodial:葉状柄ともいう)、長さ6.4~35㎝×幅1~2.5㎝。水上葉(emersed)は三角形の長さ6.5~17㎝の葉柄をもち、葉身は線形~線状倒披針形長さ2.5~17.4㎝×幅0.2~4㎝[通常、狭い楕円形で約・長さ20㎝×幅1.3~2.5㎝]。花茎は高さ30~45㎝。花序は総状花序、花が1~12[通常3~8個]輪生し、水上に出て、長さ2.5~21㎝×幅1~8㎝。花序柄は長さ6.5~29.7㎝。苞は全長の1/4以上に渡って合着し、広錐形~披針形、長さ20~50㎜、粗く、パピラは無い。果時の花柄は開出し、円筒形、長さ0.5~5㎝。花は直径2.3[2.5]㎝以下。萼片は反曲~開出し、花を包まない。花糸は広がり、葯より短く、軟毛がある。雌花は長さ2.1~5㎝の小花柄があり、不稔の雄しべの輪は無い。果時の頭状花序は直径0.6~1.5㎝。痩果は倒披針形、外側の竜骨はなく、長さ1.5~2.8㎜×幅1.1~1.5㎜、嘴があり、面に、いぼは無く、外側の翼は0~1個、±全縁、腺が1~2個、嘴は側部に直立し、長さ0.2㎜。2n=22。花期は(4~6)5~9月。
 オーストラリアのビクトリア州で現在確認されているものは Sagittaria graminea var. weatherbiana (Fernald) Bogin とSagittaria platyphylla (Engelm.) J.G.Sm. var. platyphylla Engelm.の両方の変種がオーストラリアに導入され、両者の区別が失われているのか、それともオーストラリアに導入された元の変種が変化し、現在では両方の変種の典型的な特徴を含むようになったのかは明らかではないとされている。
 オーストラリア産の種は水上葉が線形~狭卵形、長さ10~28㎝、幅2~8㎝。先端は漸尖し、基部の裂片は通常ない。花序には3~8個の偽輪生花がつく。苞は長さ0.4~0.9㎝。雌花は小花柄が斜上~開出し、長さ1~5(~6.5)㎝。外花被片は成熟すると反り返り、長さ0.3~0.6(~0.8)㎝。内花被(花弁)は白色(またはピンク色)で、外花被の約2倍の長さ。雄花の花糸には軟毛がある。痩果は長さ(1.7~)2~2.5㎜×幅(0.8~)1.1~1.5㎜、表面には装飾がないか、1~3個の狭い翼があり、先端には長さ0.4~1.0mmの雄花柱の基部が残る。花期は9月~6月。

 葉が似ているヘラオモダカは両性花で、花序が再分岐する。
 オモダカは花が似ているが、葉の2個の側裂片が長く尖った三角状矢じり形。