ムクノキ 椋の木

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Flora of Mikawa

アサ科 Cannabaceae ムクノキ属

別 名 ムク、ムクエノキ、モク
中国名 糙叶树 cao ye shu
英 名 mukutree , scabrous aphananthe
学 名 Aphananthe aspera (Thunb.) Planch.
ムクノキの枝先
ムクノキ果実
ムクノキの果期
ムクノキの果実2
ムクノキ核
ムクノキの幹
ムクノキ
ムクノキ紅葉
ムクノキ葉
ムクノキ葉表の短毛
ムクノキ葉脈
花 期 4~5月
果 期 10月
高 さ 15~20m
生活型 落葉高木
生育場所 平地、丘陵などの日当たりのよい場所
分 布 在来種 日本(本州の関東地方以西、四国、九州、沖縄)、韓国、中国、台湾、ベトナム原産
撮 影 竹島   06.5.27
巨木になり、銘木に指定されているものも多い。エノキと同様に民家近くに生え、温暖な地域ではどこでも見られる。ニレ科 Ulmaceae からアサ科に変更された。
 高さ25mまでの落葉高木、まれに低木、胸高直径はd.b.h.50㎝まで。樹皮は褐色~灰褐色、ザラつき、縦に亀裂がある。小枝は若いうちは黄緑色、2年目は茶褐色、古いものは灰褐色で、丸い皮目がある。托葉は線形、長さ5~8㎜。葉柄は0.5~1.5㎝、微軟毛がある。葉身は卵形~卵状楕円形、長さ4~10㎝×幅2~6㎝、、基部は左右不相称、広楔形~円形~ほぼ心形(または心形にならず)、縁には鋸歯があり、先は尖鋭形~狭く尖鋭形(長い尖鋭形)、根元から3本の脈があり、2次脈は中脈の両側に6~10本あり、縁に達し、それぞれ歯で終わり、両面に短毛がありザラつく。雌雄同株。小さな淡緑色の花が葉の展開と同時に開花する。雄花は新枝の下部の葉腋につき、花被片は5個、倒卵状円形、長さ約1.5㎜、中央に毛が束生する。雄しべ5個。雌花は若い枝の上部の葉腋に単生し、花被片は5個、線状披針形、長さ約2㎜、果時の初期まで残る。花柱が2裂し、柱頭に白毛が密生して目立ち、子房に毛がある。果柄は長さ5~10㎜。核果は球形~惰円形~卵状球形、長さ8~13㎜×幅6~9㎜、花被と花柱は宿存性。果実は秋に紫黒色に熟して甘いが、臭いや果肉の色はよくない。核(種子)は長さ7~8㎜。花期は4~5月。果期は10月。
 エノキは葉先がムクノキほど尖らず、葉先にだけ鋸歯があり、葉脈が葉先に達しない。果実は橙褐色に熟す。
 ケヤキはムクノキに葉がよく似ているが、基部が心形、果実がゆがんだ扁平球である。

ムクノキ属

  family Cannabaceae - genus Aphananthe

 高木又は低木、落葉又は半常緑、雌雄異株。小枝は刺が無く、コルク状にならず、翼もない。托葉は2個、離生、早落性、葉の基部の両側に短い横の葉痕を残す。葉は互生し、2列又は数列につき、紙質~革質、縁は鋸歯縁又は全縁。花は葉の展開と同時に生じ、単性の雄花序は集散花序。雌花序は花が1個。雄花は花被が4~5深裂し、花被片は覆瓦状。子房は無く又は不明瞭で毛状。雄しべは花被片の数と同数。花糸は直立、又は先が内側に曲がる。葯は長円形。雌花は花被が4~5深裂、花被片は狭く、±覆瓦状。核果は卵形~ほぼ球形、外果皮は±肉質。内果皮は骨質。種子は胚乳が薄く又は無く、胚は内巻き。子葉は狭い。
 世界に約5種あり、東アジア、マダガスカル、メキシコ、太平洋諸島の熱帯、亜熱帯に分布する。

ムクノキ属の主な種と園芸品種

1 Aphananthe aspera (Thunb.) Planch. ムクノキ 椋の木
  synonym Aphananthe aspera var. pubescens C.J.Chen
  synonym Celtis muku Siebold
 日本(本州の関東地方以西、四国、九州、沖縄)、韓国、中国(安徽省、福建省、広東省、広西チワン族自治区、貴州省、湖北省、湖南省、江蘇省、江西省、陝西省、山東省、山西省、四川省、雲南省、浙江省)、台湾、ベトナム原産。英名はmukutree , scabrous aphananthe。中国名は糙叶树 cao ye shu。別名はムク、ムクエノキ、モク。平地、丘陵などの日当たりのよい場所に生える。
 高さ25mまでの落葉高木、まれに低木、胸高直径はd.b.h.50㎝まで。樹皮は褐色~灰褐色、ザラつき、縦に亀裂がある。小枝は若いうちは黄緑色、2年目は茶褐色、古いものは灰褐色で、丸い皮目がある。托葉は線形、長さ5~8㎜。葉柄は0.5~1.5㎝、微軟毛がある。葉身は卵形~卵状楕円形、長さ4~10㎝×幅2~6㎝、、基部は左右不相称、広楔形~円形~ほぼ心形(または心形にならず)、縁には鋸歯があり、先は尖鋭形~狭く尖鋭形(長い尖鋭形)、根元から3本の脈があり、2次脈は中脈の両側に6~10本あり、縁に達し、それぞれ歯で終わり、両面に短毛がありザラつく。雌雄同株。小さな淡緑色の花が葉の展開と同時に開花する。雄花は新枝の下部の葉腋につき、花被片は5個、倒卵状円形、長さ約1.5㎜、中央に毛が束生する。雄しべ5個。雌花は若い枝の上部の葉腋に単生し、花被片は5個、線状披針形、長さ約2㎜、果時の初期まで残る。花柱が2裂し、柱頭に白毛が密生して目立ち、子房に毛がある。果柄は長さ5~10㎜。核果は球形~惰円形~卵状球形、長さ8~13㎜×幅6~9㎜、花被と花柱は宿存性。果実は秋に紫黒色に熟して甘いが、臭いや果肉の色はよくない。核(種子)は長さ7~8㎜。花期は4~5月。果期は10月。

参考

1) Flora of China
 Aphananthe
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=200006307
2) Plants of the World Online | Kew Science
 Aphananthe
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:331355-2
3) GRIN
 Aphananthe
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=820