ミヤコグサ 都草

Flora of Mikawa
マメ科 Fabaceae ミヤコグサ属
| 別 名 | エボシグサ 烏帽子草 |
| 中国名 |
光叶百脉根 guang ye bai mai gen |
| 学 名 | Lotus japonicus (Regel) K.Larsen synonym Lotus corniculatus L. var. japonicus Regel |








| 花 期 | 5~6(10)月 |
| 高 さ | 長さ15~35cm 地をはう |
| 生活型 | 多年草 |
| 生育場所 | 道端、海岸 |
| 分 布 | 在来種 日本(北海道、本州、四国、九州、沖縄)、朝鮮、台湾 |
| 撮 影 | 伊良湖岬 07.6.4 |
茎は中実、やや倒れて這い、斜上する。全体に普通、ほぼ無毛。葉は5小葉の複葉。葉柄の基部の小葉は托葉状につき、托葉は無いか微小。小葉は長さ5~15㎜の卵形~倒卵形。葉腋から出る花茎の先に1~3(4)個の花を散形状につける。花は長さ10~12.5(14)㎜の黄色の蝶形花、竜骨弁の先が嘴状に伸びる。雄しべ2個。萼は長さ2~3.5㎜、先が5裂し、萼歯が細く尖り、萼筒より長い又は同長。萼の上部の2歯の狭い部分(針状の部分)はその萼歯の半長より短い。萼に毛があるものも稀にある。果実(豆果)は長さ2~3㎝、熟すと裂開する。2n=12。
セイヨウミヤコグサは茎などに毛が生えることが多く、1花茎に(2)3~8個の花を付ける。萼の上部の2歯の狭い部分(針状の部分)はその萼歯の半長より短い。毛の有無では判別できない。2n=24。
1年草又は多年草、亜低木、まれに低木。葉は羽状又は掌状複葉、普通、無柄、3~9小葉。托葉は無又は小さな暗色の腺に変わる。小葉は無柄又はごく短く、ほとんどが、5小葉、葉軸の先に3個が密につき、2個が基部につく。基部の2個は先の小葉に似るが、しばしば形が異なり、托葉に似る。花序は散形花序、腋生、花序柄があり、花が1~多数つく。花序柄は不稔(花のつかない)の苞をもち、普通、目立つ葉になり、1~3(~5)の小葉をもつ。花を抱く苞は小さな暗色の腺に変わり(まれに草質の葉身をもつ)又は無い。小苞は普通、無い。まれにある時は腺がある。萼は鐘形又はトランペット形、萼歯は5個、ほぼ等長又は上部のものが長く、ときに合着し、2唇形になる。花冠は黄色(しばしば緑色に変わる)、ピンク色、紫色、褐色又は白色。雄しべは離生。胚珠は多数又は数個。花柱は全縁[又は小さな歯状の付属体をもつ]。柱頭は頂生。豆果は線形~卵形、円柱形又は扁平、真っすぐ又は内側に曲がり、縦に裂開する。種子は類球形又はレンズ形、平滑まれにいぼ状。
世界に約125種があり、温帯と亜熱帯のアフリカ、アジア、北大西洋諸島、オーストラリア、ヨーロッパ、西太平洋諸島に分布する。
synonym Lotus argenteus (Lowe) Menezes
synonym Lotus azoricus P.W.Ball
synonym Lotus mandonii A.Chev.
synonym Pedrosia argentea Lowe
アゾレス諸島とマデイラ諸島原産。
多年草、茎は分枝して低く広がる。葉、萼や茎に細かい白色の軟毛がある。葉は羽状複葉、基部に托葉状の小葉対につき5小葉。葉柄はほぼ無、葉軸が長い。小葉柄はごく短い。小葉は多肉質、広倒卵形、基部は楔形、先はほぼ円形で微突形または鈍形。花は先が紫褐色、下部は帯白色。豆果は直立し、円柱形、褐色に熟し、裂開して捻じれる。
2 Lotus australis Andrews ロータス・オーストラリス
synonym Lotus australis var. normalis Domin
オーストラリア(ニューサウスウェールズ、クイーンズランド、南オーストラリア、タスマニア、ビクトリア、西オーストラリア)ビスマルク諸島、ニューギニア原産。英名はAustralian Trefoil。
多年草、高さ60cmまで。茎は直立または斜上し、まばらに毛が生えるか無毛である。葉は5枚の小葉を持ち、倒披針形~±線形、まれに倒卵形で、長さ10~30mm×幅2~5mm、下側の2枚は上側の2枚よりわずかに小さく、先は楔形、無毛またはまばらに毛が生える。散形花序には3~8個の花がつき、花序柄は長さ2~10cm。萼は長さ5~10mm、±無毛である。花冠は長さ10~20mm、ピンク色、白色、またはときに紫色である。竜骨弁は旗弁より暗色で、翼弁はより淡色である。豆果(莢)は直立し、円柱形、長さ30~50mm×直径2~3mm。種子は15~数個で、褐色、平滑。花期は1年中、主に春。
2-1 Lotus australis var. australis
synonym Lotus albidus T.Moore
synonym Lotus candolleanus Sweet
synonym Lotus laevigatus Benth.
synonym Lotus obovatus Sweet
オーストラリア(ニューサウスウェールズ、クイーンズランド、南オーストラリア、タスマニア、ビクトリア、西オーストラリア)ビスマルク諸島、ニューギニア原産。草原、開けた森林、海岸、道端、その他の撹乱された場所に生える。
茎、葉、萼には多少毛があるが、毛の少ない植物では、少なくとも腋芽、花序柄の上部、萼歯の内側に毛がよく見られる。真の托葉は通常小さいが、よく確認できる。稀にはほとんど確認できないこともあり、極めて稀に存在しない。花序柄はしばしば、基部につく葉よりもはるかに長い。翼弁と旗弁は白色、ピンク色、または紫色である。竜骨弁は中程度に内曲し、長い嘴を持つ。
植物は完全に無毛である。真の托葉は、茎節と基部小葉の挿入部の間に位置する小さな暗色の腺である。小葉は線形~倒披針形。真の苞は小さいが、常に明瞭に識別でき、縁に暗色の腺を持つ。旗弁は爪部が上部で徐々に広がり、拡大部(blade)との境界は明確ではない。萼歯の内側は無毛。
3 Lotus bertholetii Masf. ツルミヤコグサ 蔓都草
カナリア諸島固有種。英名はlotus vine flower , parrot beak , parrot's beak , pelican beak , coral gem。別名はロータス・ベルテロッティ。花の形がオウムの嘴のように見える。
多年草、地を這い、高さ15~20㎝程度、茎は長さ60~90㎝に広がる。葉は針のような小葉に分裂し、小葉は3~7個、長さ1~2.5(4)㎝×幅0.5~0.8㎜、細かい銀色の毛で覆われる。葉は茎に沿ってつき、小葉が単葉の輪生のように見える。散形花序は枝先に密につき、短い花序柄があり、葉や線形の苞に抱かれる。花は2~4個つき、長さ2~3(4)㎝。萼は斜めの2唇形、萼筒は長さ5~6㎜、内側が有毛。萼歯は長さ7~9㎜。花冠は赤橙色~緋色(scarlet)~深紅色(crimson)。花弁は狭く、不規則に分かれ、旗弁は巻き込み披針形、反曲~200°(つの状)、縁に毛がある。翼弁は斜め、狭披針形、有毛。竜骨弁は他の花弁より長く、漸尖状のかま形、嘴がある。雄しべの花糸は離生。子房は線形、長さ10~12㎜、胚珠は約70個。花柱は糸状、先は2股。豆果は見られない。花期は3~5月。
4 Lotus creticus L. ロータス・クレティクス
synonym Lotus argenteus Salisb.
synonym Lotus commutatus Guss.
synonym Lotus sericeus Moench
synonym Lotus varians Desv.
ヨーロッパ(カナリア諸島、コルシカ島、東エーゲ海諸島、フランス、ギリシャ、イタリア、バルカン半島北西部、ポルトガル、サルデーニャ島、シチリア島、スペイン)、西南アジア(パレスチナ、シナイ半島)、アフリカ(アルジェリア、エジプト、リビア、モロッコ、チュニジア)原産。英名はCretan trefoil, Cretan bird's-foot trefoil, silvery bird's-foot trefoil。海抜0~50mの海岸砂丘および砂州の草原および低木地に生える。
多年草、密に絹毛がある。茎は長さ150cmまで、傾伏または斜上し、分枝する。葉は5枚の小葉から成り、各葉の下部の小葉は長さ4~9mm×幅2.5~5mm、葉軸の長さの3~5倍の長さで、広卵形または楕円状披針形、先は鋭形またはほぼ鋭形、上部の小葉は長さ(3)5~13mm×幅(1.5)2~4.5mmで、一般に長さは幅の3倍未満で、倒卵形、先はほぼ鋭形。花序には(1)2~7個の花と1~3小葉をもつ苞がある。花序柄は長さ2~7cm、腋につく葉の長さの3~6倍あり、±内側に湾曲し、直立して広がる。小花柄は萼筒よりかなり短い。萼は2唇形、密に絹毛がある。萼筒は長さ3.5~4mm。萼歯は長さ(3)3.5~5.5mm、三角状長円形、先は鋭形、側萼歯は他の歯よりいくぶん短い。花冠は長さ12~18mm、萼の長さの2倍まで、黄色。旗弁は、弁部(blade)は爪部の長さのほぼ2倍の長さで、卵形、基部に向かって次第に狭まり、全縁。翼弁は一般に先端で癒合し、倒卵状長円形の弁部(blade)を持つ。竜骨弁は中央に向かって鈍角に湾曲し、嘴は長く真っすぐで鈍く、先端は帯紫色。花柱は円筒形で、通常、先端近くの旗弁面(vexillary face)の上部3分の1に長さ約0.1mmの歯がある。果実は長さ20~40mm×幅2.5~4mm、円筒形、真っ直ぐまたはわずかに内側に湾曲し、±広がり、わずかに絹毛のある縫合線があり、15~30個の単列の種子を含む。種子は長さ1.5~1.8mm、球形または長円形、褐色。2n=28; n=14。花期は1~12月、主に初夏~秋。
5 Lotus corniculatus L. ロータス・コルニクラトゥス 広義
synonym Lotus corniculatus subsp. minor Ehrh.
アジア(インド、パキスタン、ミャンマー、ネパール、ブータン、アフガニスタン、カザフスタン、湾岸諸国、パレスチナ、レバノン、シリア、イラン、イラク、イエメン、トルコ)、ロシア、ヨーロッパ(アルバニア、オーストリア、アゾレス諸島、バレアレス諸島、バルト諸国、ベラルーシ、ベルギー、ブルガリア、 コルシカ島、キプロス、チェコスロバキア、デンマーク、東エーゲ海諸島、フィンランド、フランス、フェロー諸島、ドイツ、イギリス、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、クレタ島、クリミヤ半島、マデイラ諸島、オランダ、北コーカサス、ノルウェー、バルカン半島北西部、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、サルデーニャ、シチリア、スペイン、スウェーデン、スイス、トランスコーカサス、ウクライナ、)、アフリカ(アルジェリア、エジプト、エリトリア、エチオピア、ケニア、リビア、モロッコ、スーダン・南スーダン、タンザニア、チュニジア、)原産。日本、韓国、中国、オーストラリア、太平洋諸島(ニュージーランド)、南北アメリカ、中央アメリカなどに帰化している。英名はBird’s-foot trefoil。中国名は百脉根 bai mai gen。標高400~3400mのマツ類植林地、雑木林、低木林、湿地、高山草原、乾燥した丘陵牧草地、草地、岩場斜面、渓谷、河川流域、土手、路傍、耕作放棄地、耕作地に生える。
多年草、高さ15~80cm、直根があり、まばらに白色の微軟毛があるかまたは無毛になる。茎は円筒形~角張り、中実、傾伏または斜上する。小葉は5枚、先端の3枚は倒卵形~倒披針状倒卵形(側小葉2枚は斜め)、長さ5~20mm×幅4~10mm、紙質、基部の2枚は托葉状、中肋は不明瞭。散形花序は稀に7個以上花がつく。花序柄は長さ3~10cm、不稔の苞は小葉が1~3枚あり、萼と±同長、長さ5~7mm。花は長さ(9~)10~18mm。萼歯は筒部とほぼ同長、狭三角形で±等形、筒部より長いかまたは短い。花冠は黄色または一部または全体が橙赤色で、乾くと青黒色になることが多い。子房は無毛。胚珠は35~40個。花柱は4~6mm。豆果は褐色、線状円筒形、長さ20~25mm×幅2~4mm。種子は淡褐色~濃褐色、単色または紫黒色の斑点が入り、小さく、卵形、長さ1~1.7mm。花期は(1~)2~10月。果期は(3~)4~10月。
5亜種がある。
多年草、茎は、長さ15~35㎝、中実、やや倒れて這い、斜上する。全体に毛があるか又は無毛。葉は5小葉の複葉、葉柄の基部の小葉は托葉状につき、托葉は無いか微小。小葉は長さ5~20㎜の卵形~倒卵形。葉腋から出る花茎の先に(2)3~7(8)個の花を散形状につける。花は長さ(8)11~14(18)㎜の黄色の蝶形花、竜骨弁の先が嘴状に伸びる。雄しべ2個。萼は長さ2~3.5㎜、先が5裂し、萼歯が細く尖り、萼筒より短い又は同長。萼の上部の2歯の狭い部分(針状の部分)はその萼歯の半長より長い。果実(豆果)は長さ1.5~3.5㎝、熟すと裂開する。2n=24。花期は4~8月。
品種) 'Cruz del Sur' (PBR) , 'Giallas' (PBR) , 'Emlyn' , 'Plenus' (d) , 'Stephen Jackson'
フランス、イタリア、スペイン、モロッコ原産。
5-4 Lotus corniculatus subsp. fruticosus Chrtková
アフガニスタン原産。
synonym Lotus tenuifolius C.Presl
synonym Lotus corniculatus subvar. glaber Rouy
synonym Lotus corniculatus var. subtenuis Maire
ヨーロッパ(アルバニア、バレアレス諸島、キプロス、東エーゲ海諸島、フランス、ギリシャ、バルカン半島北西部、シチリア、スペイン、トルコ)、アフリカ(アルジェリア、モロッコ、チュニジア)原産。オーストラリア(ニューサウスウェールズ州、南オーストラリア州、ビクトリア州)に帰化している。presliiは植物学者Presliに因む。標高0~600mの塩性沿岸生息地、乾燥した低木植生の季節的に湿地、泉や小川のそばの湿地に生える。
多年草、ほぼ無毛~軟毛がある。茎は長さ20~40(~75)cm、平伏~ほぼ直立する。葉は複葉。小葉は長さ6~15mm×幅3~8mm、狭倒卵形、長さは幅の3倍以下。頭花は長い花序柄があり、花が(1~)2~5個つく。小花柄は約1.5mm。萼は±放射相称、ほぼ等間隔の萼歯があり、長さは萼筒の長さの約1.5倍。花冠は長さ10~15mm、黄色で、萼の約2倍の長さ。豆果は長さ15~30mm×幅約2mm、直立し、円筒形、無毛。種子は約1.5mm、平滑。花期は4月~6月
亜低木、高さ15~40cm。茎の基部はわずかに木質化する。葉は無柄で5裂し、小葉は5枚、長さ1~2cm、披針形、伏した絹毛で覆われている。頭状の散形花序に花が8~15個の花が付き、花序は半球形で、長い花序柄がある。花冠は白色、長さ5~7mm。旗弁はバイオリン形(fiddle-shaped)。竜骨弁の先端のみが暗色で、長さ5~7mm。翼弁は縦に折り畳まれ、先端で融合する。萼片は長さ2.5~3.5mmで、裂片は筒部とほぼ同じ長さ。果実は萼片と同長か、わずかに短い。花期は初夏~秋。[Flora Helvetica]
7 Lotus hirsutus L. ロータス・ヒルスタス
synonym Dorycnium hirsutum (L.) Ser.
synonym Lotus affinis Besser ex DC.
synonym Lotus candidus Mill.
synonym Lotus hemorroidalis Lam.
synonym Lotus hirsutus var. affinis Besser
synonym Lotus hirsutus var. incanus Loisel.
synonym Lotus hirsutus var. intermedius Loisel.
synonym Lotus tomentosus Desr.
ヨーロッパ(アルバニア、バレアレス諸島、コルシカ島、東エーゲ海諸島、フランス、ギリシャ、イタリア、クレタ島、北西バルカン半島、ポルトガル、サルデーニャ島、シチリア島、スペイン)、西アジア(レバノン・シリア、パレスチナ、トルコ)、北アフリカ(アルジェリア、リビア)原産。地中海沿岸に生える。英名はcanary-clover , hairy bird's-foot trefoil , hairy canary-clover。
亜低木、高さ20~50cm、稀に150cmに達し、少なくとも基部は木質化する。茎は直立~斜上または匍匐し、毛がある。葉は短い羽状複葉またはほぼ掌状複葉、5小葉から成り、基部の2枚の小葉はより小さく、両面に毛があり、葉軸はないかまたは非常に短い。下部の葉の小葉は長さ3.5~6.5mm×幅1.5~4.5mm、上部の葉の小葉は長さ8~25mm×幅2.5~6mm。花序は頂生の散形花序、花は4~11個つく。苞は葉状、3小葉からなる。花序柄は長さ1~3(~8)cm。小花柄は1~3.5mmで、密に毛がある。萼は長さ8~10mm、毛があり、ピンク色または紫色を帯びる。萼歯は錐形~線状披針形、不等長、長さ2~5mm。花冠は長さ10~20mm、旗弁と翼弁は白色またはピンク色。豆果は長さ6~10mm、円筒形~長円形、無毛、赤褐色~紫色、2~4個の種子を持つ。花期は5~7月。
品種) 'Brimstone'(v)ブリムストーン(葉がライムグリーン。新芽が黄色) , 'Frejorgues' , 'Lisbob' (PBR) , Little Boy Blue = 'Lisbob' (PBR) , 'Lois' , 'Silver Mist'
8 Lotus jacobaeus L. ロータス・ヤコバエウス
synonym Lotus lugubris Salisb.
synonym Lotus anthylloides Vent.
synonym Lotus atropurpureus DC.
synonym Lotus tristis Moench
カーボベルデ諸島固有種。島の半乾燥地帯および亜湿潤地帯に生える。園芸品種の濃い褐色の花ブラックムーニーがよく栽培されている。
小亜低木、草本性で、基部は木質、茎は灰緑色または帯緑色、通常は絹毛がある。葉はedentolotus亜属型、葉柄は長さ2~4mm。小葉は倒披針形、長さ0.5~2cm、長さは幅の約5~8倍。花序柄は長さ約2cm。散形花序は1~3枚の葉状の苞が基部につき、苞中央の(または単葉の)小葉は萼と同長またはそれ以上の長さがある。花は2~6個つき、長さ13~15mm。萼は長さ約8mm、ほぼ伏した絨毛があり、萼筒は倒円錐状筒型、萼歯は萼筒とほぼ同長またはそれ未満。花冠は黄色、またはときに帯紫色、または古くなると暗色になる。旗弁は先端に短突起があり、蕾のときには鉤状になる。竜骨弁は三日月形で先細って伸びる。柱頭は二股に分かれる。豆果は線形、真っ直ぐ、円柱形、約・長さ3~4cm×幅1.5~2mm、成熟したバルブには斜めのうねがあり、無毛。
品種) 'Black Mooney'(Black Lotus)
synonym Lotus corniculatus L. subsp. japonicus (Regel) H.Ohashi
synonym Lotus corniculatus f. hirtellus Nakai
synonym Lotus corniculatus f. semibarbatus Nakai
日本(北海道、本州、四国、九州、沖縄)、朝鮮、台湾原産。中国名は光叶百脉根 guang ye bai mai gen。POWOでは中国を分布域から除外している。
多年草、地を這い、長さ15~35㎝。茎は中実、やや倒れて這い、斜上する。全体に普通、ほぼ無毛。葉は5小葉の複葉。葉柄の基部の小葉は托葉状につき、托葉は無いか微小。小葉は長さ5~15㎜の卵形~倒卵形。葉腋から出る花茎の先に1~3(4)個の花を散形状につける。花は長さ10~12.5(14)㎜の黄色の蝶形花、竜骨弁の先が嘴状に伸びる。雄しべ2個。萼は長さ2~3.5㎜、先が5裂し、萼歯が細く尖り、萼筒より長い又は同長。萼の上部の2歯の狭い部分(針状の部分)はその萼歯の半長より短い。萼に毛があるものも稀にある。果実(豆果)は長さ2~3㎝、熟すと裂開する。2n=12。花期は5~6(10)月。
10 Lotus macranthus Lowe ロータス・マクランサス
synonym Pedrosia macrantha (Lowe) Lowe
マデイラ諸島原産。低海抜に生える。
主に1年草である。毛はまばらで、大部分が真っすぐ。葉は葉軸が発達し、小葉の左右半分は等しいかほぼ等しいが、下側の小葉の左右半分は明らかに不等である。萼歯は筒部よりわずかに長く、幅2~2.5mm。花冠は長さ20~25mm。旗弁は竜骨より短い。子房は無毛。果実は湾曲し、完全に無毛、縫合線にも毛はない。
品種) 'Gold Flash'
11 Lotus pedunculatus Cav ネビキミヤコグサ 根引都草
synonym Lotus uliginosus Schkuhr [Flora of North America]
synonym Lotus pedunculatus auct. mult.
ヨーロッパ、北アフリカ、マカロネシア原産。英名はgreater bird's foot trefoil , big trefoil, marsh bird's-foot trefoil。中国、ニュージーランドなどに帰化している。日本では道路や河川敷の法面保護のために使用され、各地に帰化している。
多年草、地下に走出枝を出す。茎は基部が木質、直立又は斜上し、長さ30~100㎝、よく分枝し、類無毛~絨毛があり、中空。小葉は倒卵形、長さ8~25㎜×幅3~15㎜、先は鈍形~鋭形、基部は楔形、下面がしばしば粉白色、中脈が目立つ。花序に花が(1~)6~12(~18)個つく。花序柄は葉より長く、長さ12~(16)㎝。萼歯は萼筒とほぼ同長、蕾で広がり、±無毛~軟毛がある。花冠は黄色、長さ10~18㎜。豆果は長さ15~35㎜×幅1.8~2.5㎜。種子はオリーブ色、又は帯黄色~薄褐色、普通、斑点は無く、小さな卵形、長さ1~1.2㎜。
12 Lotus subbiflorus Lag. ケミヤコグサ 毛都草
synonym Lotus divaricatus Sol. ex Buch
synonym Lotus suaveolens Pers.
synonym Lotus hispidus Desf. ex DC.
ヨーロッパ、アジア(イスラエル、トルコ)、北アフリカ、マカロネシア原産。英名はhairy bird's-foot trefoil。別名はセイヨウヒメミヤコグサ、ヒュウガミヤコグサ。標高0~800mの湿地や乾燥した開けた低木植生の窪地、畑地の縁、牧草地や草地に生える。日本では輸入木材の貯木場付近で侵入が確認されている。
1年草。茎は最大35cm。少なくとも先端は絨毛状、またはほぼ毛がある。小葉は長さ5~20mm×幅1~8mm、長円形、披針形、または倒卵状長円形。頭花は花が(1~)2~4個つき、花序柄は葉より長い。萼歯は萼筒の長さの1.5~3倍の長さ。花冠は長さ5~10mm、黄色萼の長さの1.5倍以下。竜骨弁は下部の縁が鈍形、嘴は長い。豆果は長さ(4~)6~16mm×幅1.5~2mm、直線状、萼の長さの3倍以下。バルブは裂開すると曲がる。花期は4~6月上旬。
【ニューサウスウェールズの解説】
平伏または斜上する1年草または多年草、高さ60cmまで伸び、よく分枝し、茎には毛がある。葉は5枚の小葉を持ち、小葉は狭倒卵形~披針形、長さ5~20mm×幅3~10mm、下部の2枚の小葉は通常、より小さく、±心形で、毛がある。散形花序には主に花が2~4個つき、花序柄は長さ25mmまでで、果時に伸長し、葉をはるかに超える。萼は長さ約5mmで、毛がある。花冠は長さ6~8mmで黄色、旗弁は倒卵形、竜骨弁は狭く、基部近くから上向きに曲がり、先端には長くまっすぐな嘴を持つ。豆果(莢)は円柱形、長さ6~15mm×直径1.5~2mm。種子は通常6~12個、黄色~褐色。
synonym Lotus pacificus Kramina et D.D.Sokoloff
日本(沖縄)、台湾原産。中国名は兰屿百脉根 lan yu bai mai gen。海岸の砂地に生育する。
多年草、高さ50~80cm、軟毛がある。根茎は木質。茎は円柱形、強く、肉質、傾伏し、先は斜上する。葉は無柄。托葉はないか、または目立たない暗色の腺体として存在する。葉軸は4~12mm。小葉は5~7枚、いずれも形が似ており、倒披針形~狭倒卵形、長さ1~2(~4)cm、基部は楔形、先は鋭形~ほぼ円形で尖頭を持つ。頭花は1個または2~6(8)個つく。花柄は長さ(0.6~)2~3cm。不稔性の苞は1~3枚の小葉を持つ。基部に花の苞があり、全体が腺であるか、稀に微細な葉身および1対の腺体を持つ。小花柄は短く、軟毛がある。花は長さ(8.5~)10~14.5(~20)mm。萼は長さ7~11mm。萼歯は錐形、萼筒と同長かそれ以上。花冠は白色、たまに淡ピンク色または紫色を帯びる。竜骨弁は暗色の斑点があり、先端は帯赤色またはピンク色。竜骨弁は鋭角に内側に湾曲し、短い嘴がある。子房は線形、無毛。花柱は長さ(3~)4.5~6.5mm。豆果は円筒形、長さ3~5cm×幅2.7~4.4mm、真っすぐで、バルブは捻じれる。種子は多数、球形で平滑。花期は9~3月。
synonym Lotus corniculatus var. tenuifolius L.
synonym Lotus decumbens T. F. Forst.
synonym Lotus glaber Mill.
アジア(中国、モンゴル、ロシア、アフガニスタン、カザフスタン、トルクメニスタン、イラン、イラク、レバノン・シリア、パレスチナ、トルコ)、ヨーロッパ(アルバニア、オーストリア、バレアレス諸島、バルト三国、ベルギー、ブルガリア、コルシカ、キプロス、チェコ・スロバキア、デンマーク、東エーゲ海諸島、フランス、ドイツ、イギリス、ギリシャ、ハンガリー、イタリア、クレタ島、クリミア半島、オランダ、北コーカサス、バルカン半島北西部、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、サルデーニャ、シチリア、スペイン、スウェーデン、スイス、トランスコーカサス、ウクライナ)、北アフリカ(アルジェリア、エジプト、チュニジア、リビア、モロッコ)原産。英名はnarrow-leaf bird's-foot trefoil , narrow-leaf trefoil , slender trefoil 。中国名は细叶百脉根 xi ye bai mai gen。湖岸または湿地沿岸の塩分を多く含み、水はけの悪い草地に生える。日本に帰化している。ミヤコグサやセイミウミヤコグサに比べて大型で、小葉ははるかに細長い。道路沿いなどに生える。
多年草、長さ20~100cm、直根があり、無毛になるかまたはまばらに伏した短い微軟毛がある。茎は細く、直立または斜上する。小葉は5枚で、倒卵状倒披針形または倒披針形~線形、長さ4~18mm×幅1~4mm、基部の小葉2枚は短い。葉の頂小葉は葉軸の長さの1.5~3倍の長さがある。散形花序には(1または)2~5個の花がつく。花序柄は長さ3~12cm、細い。苞は1~3枚つき、萼の長さの1.5~2倍の長さ。花は長さ8~10.5(~11)mm。萼は長さ4~6mm、萼歯は萼筒より短く、2個の上部の萼歯の狭い部分は長さの半分以下である。花冠は黄色。子房は線形、胚珠は多数、花柱は長さ4~5.5mm。豆果は真っすぐ、円筒形で、長さ9~25mm×幅1.2~2.5mm。種子は薄褐色、球形、長さ1.4~1.6mm、平滑。花期は5~8月。果期は7~9月。
15 その他ハイブリッド Lotus hybrid
(1) Lotus berthelotii × maculatus
(2) その他
品種) 'Fire Vine' , 'Flashbulb' , 'Gold Flash' , 'Red Flash'
Dorycnium(=Lotus pentaphyllum subsp. germanicum
Lotus
Lotus berthelotii Lowe ex Masf.
Lotus berthelotii
Lotus
Lotus pedunculatus Cav
輸入物資に随伴する帰化植物
Lotus corniculatus L.
Lotus preslii
Lotus hirsutus L.
LOTEAE DC.
セイヨウミヤコグサは茎などに毛が生えることが多く、1花茎に(2)3~8個の花を付ける。萼の上部の2歯の狭い部分(針状の部分)はその萼歯の半長より短い。毛の有無では判別できない。2n=24。
ミヤコグサ属(ロータス属)
family Fabaceae - genus Lotus1年草又は多年草、亜低木、まれに低木。葉は羽状又は掌状複葉、普通、無柄、3~9小葉。托葉は無又は小さな暗色の腺に変わる。小葉は無柄又はごく短く、ほとんどが、5小葉、葉軸の先に3個が密につき、2個が基部につく。基部の2個は先の小葉に似るが、しばしば形が異なり、托葉に似る。花序は散形花序、腋生、花序柄があり、花が1~多数つく。花序柄は不稔(花のつかない)の苞をもち、普通、目立つ葉になり、1~3(~5)の小葉をもつ。花を抱く苞は小さな暗色の腺に変わり(まれに草質の葉身をもつ)又は無い。小苞は普通、無い。まれにある時は腺がある。萼は鐘形又はトランペット形、萼歯は5個、ほぼ等長又は上部のものが長く、ときに合着し、2唇形になる。花冠は黄色(しばしば緑色に変わる)、ピンク色、紫色、褐色又は白色。雄しべは離生。胚珠は多数又は数個。花柱は全縁[又は小さな歯状の付属体をもつ]。柱頭は頂生。豆果は線形~卵形、円柱形又は扁平、真っすぐ又は内側に曲がり、縦に裂開する。種子は類球形又はレンズ形、平滑まれにいぼ状。
世界に約125種があり、温帯と亜熱帯のアフリカ、アジア、北大西洋諸島、オーストラリア、ヨーロッパ、西太平洋諸島に分布する。
ミヤコグサ属の主な種と園芸品種
1 Lotus argyrodes R.P.Murray ロータス・アルギローデスsynonym Lotus argenteus (Lowe) Menezes
synonym Lotus azoricus P.W.Ball
synonym Lotus mandonii A.Chev.
synonym Pedrosia argentea Lowe
アゾレス諸島とマデイラ諸島原産。
多年草、茎は分枝して低く広がる。葉、萼や茎に細かい白色の軟毛がある。葉は羽状複葉、基部に托葉状の小葉対につき5小葉。葉柄はほぼ無、葉軸が長い。小葉柄はごく短い。小葉は多肉質、広倒卵形、基部は楔形、先はほぼ円形で微突形または鈍形。花は先が紫褐色、下部は帯白色。豆果は直立し、円柱形、褐色に熟し、裂開して捻じれる。
2 Lotus australis Andrews ロータス・オーストラリス
synonym Lotus australis var. normalis Domin
オーストラリア(ニューサウスウェールズ、クイーンズランド、南オーストラリア、タスマニア、ビクトリア、西オーストラリア)ビスマルク諸島、ニューギニア原産。英名はAustralian Trefoil。
多年草、高さ60cmまで。茎は直立または斜上し、まばらに毛が生えるか無毛である。葉は5枚の小葉を持ち、倒披針形~±線形、まれに倒卵形で、長さ10~30mm×幅2~5mm、下側の2枚は上側の2枚よりわずかに小さく、先は楔形、無毛またはまばらに毛が生える。散形花序には3~8個の花がつき、花序柄は長さ2~10cm。萼は長さ5~10mm、±無毛である。花冠は長さ10~20mm、ピンク色、白色、またはときに紫色である。竜骨弁は旗弁より暗色で、翼弁はより淡色である。豆果(莢)は直立し、円柱形、長さ30~50mm×直径2~3mm。種子は15~数個で、褐色、平滑。花期は1年中、主に春。
2-1 Lotus australis var. australis
synonym Lotus albidus T.Moore
synonym Lotus candolleanus Sweet
synonym Lotus laevigatus Benth.
synonym Lotus obovatus Sweet
オーストラリア(ニューサウスウェールズ、クイーンズランド、南オーストラリア、タスマニア、ビクトリア、西オーストラリア)ビスマルク諸島、ニューギニア原産。草原、開けた森林、海岸、道端、その他の撹乱された場所に生える。
茎、葉、萼には多少毛があるが、毛の少ない植物では、少なくとも腋芽、花序柄の上部、萼歯の内側に毛がよく見られる。真の托葉は通常小さいが、よく確認できる。稀にはほとんど確認できないこともあり、極めて稀に存在しない。花序柄はしばしば、基部につく葉よりもはるかに長い。翼弁と旗弁は白色、ピンク色、または紫色である。竜骨弁は中程度に内曲し、長い嘴を持つ。
2-2 Lotus australis var. austroglaber Kramina & D.D.Sokoloff
オーストラリア(ニューサウスウェールズ)原産。道端、草原に生える。植物は完全に無毛である。真の托葉は、茎節と基部小葉の挿入部の間に位置する小さな暗色の腺である。小葉は線形~倒披針形。真の苞は小さいが、常に明瞭に識別でき、縁に暗色の腺を持つ。旗弁は爪部が上部で徐々に広がり、拡大部(blade)との境界は明確ではない。萼歯の内側は無毛。
3 Lotus bertholetii Masf. ツルミヤコグサ 蔓都草
カナリア諸島固有種。英名はlotus vine flower , parrot beak , parrot's beak , pelican beak , coral gem。別名はロータス・ベルテロッティ。花の形がオウムの嘴のように見える。
多年草、地を這い、高さ15~20㎝程度、茎は長さ60~90㎝に広がる。葉は針のような小葉に分裂し、小葉は3~7個、長さ1~2.5(4)㎝×幅0.5~0.8㎜、細かい銀色の毛で覆われる。葉は茎に沿ってつき、小葉が単葉の輪生のように見える。散形花序は枝先に密につき、短い花序柄があり、葉や線形の苞に抱かれる。花は2~4個つき、長さ2~3(4)㎝。萼は斜めの2唇形、萼筒は長さ5~6㎜、内側が有毛。萼歯は長さ7~9㎜。花冠は赤橙色~緋色(scarlet)~深紅色(crimson)。花弁は狭く、不規則に分かれ、旗弁は巻き込み披針形、反曲~200°(つの状)、縁に毛がある。翼弁は斜め、狭披針形、有毛。竜骨弁は他の花弁より長く、漸尖状のかま形、嘴がある。雄しべの花糸は離生。子房は線形、長さ10~12㎜、胚珠は約70個。花柱は糸状、先は2股。豆果は見られない。花期は3~5月。
4 Lotus creticus L. ロータス・クレティクス
synonym Lotus argenteus Salisb.
synonym Lotus commutatus Guss.
synonym Lotus sericeus Moench
synonym Lotus varians Desv.
ヨーロッパ(カナリア諸島、コルシカ島、東エーゲ海諸島、フランス、ギリシャ、イタリア、バルカン半島北西部、ポルトガル、サルデーニャ島、シチリア島、スペイン)、西南アジア(パレスチナ、シナイ半島)、アフリカ(アルジェリア、エジプト、リビア、モロッコ、チュニジア)原産。英名はCretan trefoil, Cretan bird's-foot trefoil, silvery bird's-foot trefoil。海抜0~50mの海岸砂丘および砂州の草原および低木地に生える。
多年草、密に絹毛がある。茎は長さ150cmまで、傾伏または斜上し、分枝する。葉は5枚の小葉から成り、各葉の下部の小葉は長さ4~9mm×幅2.5~5mm、葉軸の長さの3~5倍の長さで、広卵形または楕円状披針形、先は鋭形またはほぼ鋭形、上部の小葉は長さ(3)5~13mm×幅(1.5)2~4.5mmで、一般に長さは幅の3倍未満で、倒卵形、先はほぼ鋭形。花序には(1)2~7個の花と1~3小葉をもつ苞がある。花序柄は長さ2~7cm、腋につく葉の長さの3~6倍あり、±内側に湾曲し、直立して広がる。小花柄は萼筒よりかなり短い。萼は2唇形、密に絹毛がある。萼筒は長さ3.5~4mm。萼歯は長さ(3)3.5~5.5mm、三角状長円形、先は鋭形、側萼歯は他の歯よりいくぶん短い。花冠は長さ12~18mm、萼の長さの2倍まで、黄色。旗弁は、弁部(blade)は爪部の長さのほぼ2倍の長さで、卵形、基部に向かって次第に狭まり、全縁。翼弁は一般に先端で癒合し、倒卵状長円形の弁部(blade)を持つ。竜骨弁は中央に向かって鈍角に湾曲し、嘴は長く真っすぐで鈍く、先端は帯紫色。花柱は円筒形で、通常、先端近くの旗弁面(vexillary face)の上部3分の1に長さ約0.1mmの歯がある。果実は長さ20~40mm×幅2.5~4mm、円筒形、真っ直ぐまたはわずかに内側に湾曲し、±広がり、わずかに絹毛のある縫合線があり、15~30個の単列の種子を含む。種子は長さ1.5~1.8mm、球形または長円形、褐色。2n=28; n=14。花期は1~12月、主に初夏~秋。
5 Lotus corniculatus L. ロータス・コルニクラトゥス 広義
synonym Lotus corniculatus subsp. minor Ehrh.
アジア(インド、パキスタン、ミャンマー、ネパール、ブータン、アフガニスタン、カザフスタン、湾岸諸国、パレスチナ、レバノン、シリア、イラン、イラク、イエメン、トルコ)、ロシア、ヨーロッパ(アルバニア、オーストリア、アゾレス諸島、バレアレス諸島、バルト諸国、ベラルーシ、ベルギー、ブルガリア、 コルシカ島、キプロス、チェコスロバキア、デンマーク、東エーゲ海諸島、フィンランド、フランス、フェロー諸島、ドイツ、イギリス、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、クレタ島、クリミヤ半島、マデイラ諸島、オランダ、北コーカサス、ノルウェー、バルカン半島北西部、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、サルデーニャ、シチリア、スペイン、スウェーデン、スイス、トランスコーカサス、ウクライナ、)、アフリカ(アルジェリア、エジプト、エリトリア、エチオピア、ケニア、リビア、モロッコ、スーダン・南スーダン、タンザニア、チュニジア、)原産。日本、韓国、中国、オーストラリア、太平洋諸島(ニュージーランド)、南北アメリカ、中央アメリカなどに帰化している。英名はBird’s-foot trefoil。中国名は百脉根 bai mai gen。標高400~3400mのマツ類植林地、雑木林、低木林、湿地、高山草原、乾燥した丘陵牧草地、草地、岩場斜面、渓谷、河川流域、土手、路傍、耕作放棄地、耕作地に生える。
多年草、高さ15~80cm、直根があり、まばらに白色の微軟毛があるかまたは無毛になる。茎は円筒形~角張り、中実、傾伏または斜上する。小葉は5枚、先端の3枚は倒卵形~倒披針状倒卵形(側小葉2枚は斜め)、長さ5~20mm×幅4~10mm、紙質、基部の2枚は托葉状、中肋は不明瞭。散形花序は稀に7個以上花がつく。花序柄は長さ3~10cm、不稔の苞は小葉が1~3枚あり、萼と±同長、長さ5~7mm。花は長さ(9~)10~18mm。萼歯は筒部とほぼ同長、狭三角形で±等形、筒部より長いかまたは短い。花冠は黄色または一部または全体が橙赤色で、乾くと青黒色になることが多い。子房は無毛。胚珠は35~40個。花柱は4~6mm。豆果は褐色、線状円筒形、長さ20~25mm×幅2~4mm。種子は淡褐色~濃褐色、単色または紫黒色の斑点が入り、小さく、卵形、長さ1~1.7mm。花期は(1~)2~10月。果期は(3~)4~10月。
5亜種がある。
5-1 Lotus corniculatus subsp. afghanicus Chrtková
アフガニスタン、パキスタン原産。5-2 Lotus corniculatus subsp. corniculatus セイヨウミヤコグサ 西洋都草
アジア(インド、パキスタン、ミャンマー、ネパール、ブータン、アフガニスタン、カザフスタン、湾岸諸国、パレスチナ、レバノン、シリア、イラン、イラク、イエメン、トルコ)、ロシア、ヨーロッパ(アルバニア、オーストリア、アゾレス諸島、バレアレス諸島、バルト諸国、ベラルーシ、ベルギー、ブルガリア、 コルシカ島、チェコスロバキア、デンマーク、フィンランド、フランス、フェロー諸島、ドイツ、イギリス、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、クレタ島、クリミヤ半島、マデイラ諸島、オランダ、北コーカサス、ノルウェー、バルカン半島北西部、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、サルデーニャ、シチリア、スペイン、スウェーデン、スイス、トランスコーカサス、ウクライナ、)、アフリカ(アルジェリア、エジプト、エリトリア、エチオピア、ケニア、リビア、モロッコ、スーダン・南スーダン、タンザニア、チュニジア、)原産。中国名は百脉根 bai mai gen。英名はbirdsfoot trefoil, bird's-foot trefoil。多年草、茎は、長さ15~35㎝、中実、やや倒れて這い、斜上する。全体に毛があるか又は無毛。葉は5小葉の複葉、葉柄の基部の小葉は托葉状につき、托葉は無いか微小。小葉は長さ5~20㎜の卵形~倒卵形。葉腋から出る花茎の先に(2)3~7(8)個の花を散形状につける。花は長さ(8)11~14(18)㎜の黄色の蝶形花、竜骨弁の先が嘴状に伸びる。雄しべ2個。萼は長さ2~3.5㎜、先が5裂し、萼歯が細く尖り、萼筒より短い又は同長。萼の上部の2歯の狭い部分(針状の部分)はその萼歯の半長より長い。果実(豆果)は長さ1.5~3.5㎝、熟すと裂開する。2n=24。花期は4~8月。
品種) 'Cruz del Sur' (PBR) , 'Giallas' (PBR) , 'Emlyn' , 'Plenus' (d) , 'Stephen Jackson'
5-3 Lotus corniculatus subsp. delortii (Timb.-Lagr.) Nyman
synonym Lotus delortii Timb.-Lagr.フランス、イタリア、スペイン、モロッコ原産。
5-4 Lotus corniculatus subsp. fruticosus Chrtková
アフガニスタン原産。
5-5 Lotus corniculatus subsp. preslii (Ten.) P.Fourn.
synonym Lotus preslii Ten.synonym Lotus tenuifolius C.Presl
synonym Lotus corniculatus subvar. glaber Rouy
synonym Lotus corniculatus var. subtenuis Maire
ヨーロッパ(アルバニア、バレアレス諸島、キプロス、東エーゲ海諸島、フランス、ギリシャ、バルカン半島北西部、シチリア、スペイン、トルコ)、アフリカ(アルジェリア、モロッコ、チュニジア)原産。オーストラリア(ニューサウスウェールズ州、南オーストラリア州、ビクトリア州)に帰化している。presliiは植物学者Presliに因む。標高0~600mの塩性沿岸生息地、乾燥した低木植生の季節的に湿地、泉や小川のそばの湿地に生える。
多年草、ほぼ無毛~軟毛がある。茎は長さ20~40(~75)cm、平伏~ほぼ直立する。葉は複葉。小葉は長さ6~15mm×幅3~8mm、狭倒卵形、長さは幅の3倍以下。頭花は長い花序柄があり、花が(1~)2~5個つく。小花柄は約1.5mm。萼は±放射相称、ほぼ等間隔の萼歯があり、長さは萼筒の長さの約1.5倍。花冠は長さ10~15mm、黄色で、萼の約2倍の長さ。豆果は長さ15~30mm×幅約2mm、直立し、円筒形、無毛。種子は約1.5mm、平滑。花期は4月~6月
6 Lotus germanicus (Gremli) Peruzzi ロータス・ジェルマニクス
synonym Dorycnium germanicum (Gremli) Riklisynonym Dorycnium pentaphyllum subsp. germanicum (Gremli) Gams
ヨーロッパ(アルバニア、オーストリア、ブルガリア、チェコ・スロバキア、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、イタリア、バルカン半島北西部、ポーランド、ルーマニア、スイス、トルコ)原産。別名はドリクニウム・ジャーマニカム。栽培されている。石灰質土壌上の乾燥した茂みのある場所に生える。亜低木、高さ15~40cm。茎の基部はわずかに木質化する。葉は無柄で5裂し、小葉は5枚、長さ1~2cm、披針形、伏した絹毛で覆われている。頭状の散形花序に花が8~15個の花が付き、花序は半球形で、長い花序柄がある。花冠は白色、長さ5~7mm。旗弁はバイオリン形(fiddle-shaped)。竜骨弁の先端のみが暗色で、長さ5~7mm。翼弁は縦に折り畳まれ、先端で融合する。萼片は長さ2.5~3.5mmで、裂片は筒部とほぼ同じ長さ。果実は萼片と同長か、わずかに短い。花期は初夏~秋。[Flora Helvetica]
7 Lotus hirsutus L. ロータス・ヒルスタス
synonym Dorycnium hirsutum (L.) Ser.
synonym Lotus affinis Besser ex DC.
synonym Lotus candidus Mill.
synonym Lotus hemorroidalis Lam.
synonym Lotus hirsutus var. affinis Besser
synonym Lotus hirsutus var. incanus Loisel.
synonym Lotus hirsutus var. intermedius Loisel.
synonym Lotus tomentosus Desr.
ヨーロッパ(アルバニア、バレアレス諸島、コルシカ島、東エーゲ海諸島、フランス、ギリシャ、イタリア、クレタ島、北西バルカン半島、ポルトガル、サルデーニャ島、シチリア島、スペイン)、西アジア(レバノン・シリア、パレスチナ、トルコ)、北アフリカ(アルジェリア、リビア)原産。地中海沿岸に生える。英名はcanary-clover , hairy bird's-foot trefoil , hairy canary-clover。
亜低木、高さ20~50cm、稀に150cmに達し、少なくとも基部は木質化する。茎は直立~斜上または匍匐し、毛がある。葉は短い羽状複葉またはほぼ掌状複葉、5小葉から成り、基部の2枚の小葉はより小さく、両面に毛があり、葉軸はないかまたは非常に短い。下部の葉の小葉は長さ3.5~6.5mm×幅1.5~4.5mm、上部の葉の小葉は長さ8~25mm×幅2.5~6mm。花序は頂生の散形花序、花は4~11個つく。苞は葉状、3小葉からなる。花序柄は長さ1~3(~8)cm。小花柄は1~3.5mmで、密に毛がある。萼は長さ8~10mm、毛があり、ピンク色または紫色を帯びる。萼歯は錐形~線状披針形、不等長、長さ2~5mm。花冠は長さ10~20mm、旗弁と翼弁は白色またはピンク色。豆果は長さ6~10mm、円筒形~長円形、無毛、赤褐色~紫色、2~4個の種子を持つ。花期は5~7月。
品種) 'Brimstone'(v)ブリムストーン(葉がライムグリーン。新芽が黄色) , 'Frejorgues' , 'Lisbob' (PBR) , Little Boy Blue = 'Lisbob' (PBR) , 'Lois' , 'Silver Mist'
8 Lotus jacobaeus L. ロータス・ヤコバエウス
synonym Lotus lugubris Salisb.
synonym Lotus anthylloides Vent.
synonym Lotus atropurpureus DC.
synonym Lotus tristis Moench
カーボベルデ諸島固有種。島の半乾燥地帯および亜湿潤地帯に生える。園芸品種の濃い褐色の花ブラックムーニーがよく栽培されている。
小亜低木、草本性で、基部は木質、茎は灰緑色または帯緑色、通常は絹毛がある。葉はedentolotus亜属型、葉柄は長さ2~4mm。小葉は倒披針形、長さ0.5~2cm、長さは幅の約5~8倍。花序柄は長さ約2cm。散形花序は1~3枚の葉状の苞が基部につき、苞中央の(または単葉の)小葉は萼と同長またはそれ以上の長さがある。花は2~6個つき、長さ13~15mm。萼は長さ約8mm、ほぼ伏した絨毛があり、萼筒は倒円錐状筒型、萼歯は萼筒とほぼ同長またはそれ未満。花冠は黄色、またはときに帯紫色、または古くなると暗色になる。旗弁は先端に短突起があり、蕾のときには鉤状になる。竜骨弁は三日月形で先細って伸びる。柱頭は二股に分かれる。豆果は線形、真っ直ぐ、円柱形、約・長さ3~4cm×幅1.5~2mm、成熟したバルブには斜めのうねがあり、無毛。
品種) 'Black Mooney'(Black Lotus)
9 Lotus japonicus (Regel) K.Larsen ミヤコグサ 都草
synonym LLotus corniculatus L. var. japonicus Regelsynonym Lotus corniculatus L. subsp. japonicus (Regel) H.Ohashi
synonym Lotus corniculatus f. hirtellus Nakai
synonym Lotus corniculatus f. semibarbatus Nakai
日本(北海道、本州、四国、九州、沖縄)、朝鮮、台湾原産。中国名は光叶百脉根 guang ye bai mai gen。POWOでは中国を分布域から除外している。
多年草、地を這い、長さ15~35㎝。茎は中実、やや倒れて這い、斜上する。全体に普通、ほぼ無毛。葉は5小葉の複葉。葉柄の基部の小葉は托葉状につき、托葉は無いか微小。小葉は長さ5~15㎜の卵形~倒卵形。葉腋から出る花茎の先に1~3(4)個の花を散形状につける。花は長さ10~12.5(14)㎜の黄色の蝶形花、竜骨弁の先が嘴状に伸びる。雄しべ2個。萼は長さ2~3.5㎜、先が5裂し、萼歯が細く尖り、萼筒より長い又は同長。萼の上部の2歯の狭い部分(針状の部分)はその萼歯の半長より短い。萼に毛があるものも稀にある。果実(豆果)は長さ2~3㎝、熟すと裂開する。2n=12。花期は5~6(10)月。
(1) Lotus corniculatus L. var. japonicus Regel f. versicolor Makino ニシキミヤコグサ 錦都草
開花後に花が次第に朱赤色に変わるもの。10 Lotus macranthus Lowe ロータス・マクランサス
synonym Pedrosia macrantha (Lowe) Lowe
マデイラ諸島原産。低海抜に生える。
主に1年草である。毛はまばらで、大部分が真っすぐ。葉は葉軸が発達し、小葉の左右半分は等しいかほぼ等しいが、下側の小葉の左右半分は明らかに不等である。萼歯は筒部よりわずかに長く、幅2~2.5mm。花冠は長さ20~25mm。旗弁は竜骨より短い。子房は無毛。果実は湾曲し、完全に無毛、縫合線にも毛はない。
品種) 'Gold Flash'
11 Lotus pedunculatus Cav ネビキミヤコグサ 根引都草
synonym Lotus uliginosus Schkuhr [Flora of North America]
synonym Lotus pedunculatus auct. mult.
synonym Lotus pedunculatus var. villosus (Lamotte) O. Bolos & Vigo
synonym Lotus uliginosus var. villosus Lamotteヨーロッパ、北アフリカ、マカロネシア原産。英名はgreater bird's foot trefoil , big trefoil, marsh bird's-foot trefoil。中国、ニュージーランドなどに帰化している。日本では道路や河川敷の法面保護のために使用され、各地に帰化している。
多年草、地下に走出枝を出す。茎は基部が木質、直立又は斜上し、長さ30~100㎝、よく分枝し、類無毛~絨毛があり、中空。小葉は倒卵形、長さ8~25㎜×幅3~15㎜、先は鈍形~鋭形、基部は楔形、下面がしばしば粉白色、中脈が目立つ。花序に花が(1~)6~12(~18)個つく。花序柄は葉より長く、長さ12~(16)㎝。萼歯は萼筒とほぼ同長、蕾で広がり、±無毛~軟毛がある。花冠は黄色、長さ10~18㎜。豆果は長さ15~35㎜×幅1.8~2.5㎜。種子はオリーブ色、又は帯黄色~薄褐色、普通、斑点は無く、小さな卵形、長さ1~1.2㎜。
12 Lotus subbiflorus Lag. ケミヤコグサ 毛都草
synonym Lotus divaricatus Sol. ex Buch
synonym Lotus suaveolens Pers.
synonym Lotus hispidus Desf. ex DC.
ヨーロッパ、アジア(イスラエル、トルコ)、北アフリカ、マカロネシア原産。英名はhairy bird's-foot trefoil。別名はセイヨウヒメミヤコグサ、ヒュウガミヤコグサ。標高0~800mの湿地や乾燥した開けた低木植生の窪地、畑地の縁、牧草地や草地に生える。日本では輸入木材の貯木場付近で侵入が確認されている。
1年草。茎は最大35cm。少なくとも先端は絨毛状、またはほぼ毛がある。小葉は長さ5~20mm×幅1~8mm、長円形、披針形、または倒卵状長円形。頭花は花が(1~)2~4個つき、花序柄は葉より長い。萼歯は萼筒の長さの1.5~3倍の長さ。花冠は長さ5~10mm、黄色萼の長さの1.5倍以下。竜骨弁は下部の縁が鈍形、嘴は長い。豆果は長さ(4~)6~16mm×幅1.5~2mm、直線状、萼の長さの3倍以下。バルブは裂開すると曲がる。花期は4~6月上旬。
【ニューサウスウェールズの解説】
平伏または斜上する1年草または多年草、高さ60cmまで伸び、よく分枝し、茎には毛がある。葉は5枚の小葉を持ち、小葉は狭倒卵形~披針形、長さ5~20mm×幅3~10mm、下部の2枚の小葉は通常、より小さく、±心形で、毛がある。散形花序には主に花が2~4個つき、花序柄は長さ25mmまでで、果時に伸長し、葉をはるかに超える。萼は長さ約5mmで、毛がある。花冠は長さ6~8mmで黄色、旗弁は倒卵形、竜骨弁は狭く、基部近くから上向きに曲がり、先端には長くまっすぐな嘴を持つ。豆果(莢)は円柱形、長さ6~15mm×直径1.5~2mm。種子は通常6~12個、黄色~褐色。
13 Lotus taitungensis S.S.Ying シロバナミヤコグサ 白花都草
synonym Lotus australis auct. non Andrewssynonym Lotus pacificus Kramina et D.D.Sokoloff
日本(沖縄)、台湾原産。中国名は兰屿百脉根 lan yu bai mai gen。海岸の砂地に生育する。
多年草、高さ50~80cm、軟毛がある。根茎は木質。茎は円柱形、強く、肉質、傾伏し、先は斜上する。葉は無柄。托葉はないか、または目立たない暗色の腺体として存在する。葉軸は4~12mm。小葉は5~7枚、いずれも形が似ており、倒披針形~狭倒卵形、長さ1~2(~4)cm、基部は楔形、先は鋭形~ほぼ円形で尖頭を持つ。頭花は1個または2~6(8)個つく。花柄は長さ(0.6~)2~3cm。不稔性の苞は1~3枚の小葉を持つ。基部に花の苞があり、全体が腺であるか、稀に微細な葉身および1対の腺体を持つ。小花柄は短く、軟毛がある。花は長さ(8.5~)10~14.5(~20)mm。萼は長さ7~11mm。萼歯は錐形、萼筒と同長かそれ以上。花冠は白色、たまに淡ピンク色または紫色を帯びる。竜骨弁は暗色の斑点があり、先端は帯赤色またはピンク色。竜骨弁は鋭角に内側に湾曲し、短い嘴がある。子房は線形、無毛。花柱は長さ(3~)4.5~6.5mm。豆果は円筒形、長さ3~5cm×幅2.7~4.4mm、真っすぐで、バルブは捻じれる。種子は多数、球形で平滑。花期は9~3月。
14 Lotus tenuis Waldst. et Kit. ex Willd. ワタリミヤコグサ
synonym Lotus glaber Mill., nom. rejic.synonym Lotus corniculatus var. tenuifolius L.
synonym Lotus decumbens T. F. Forst.
synonym Lotus glaber Mill.
アジア(中国、モンゴル、ロシア、アフガニスタン、カザフスタン、トルクメニスタン、イラン、イラク、レバノン・シリア、パレスチナ、トルコ)、ヨーロッパ(アルバニア、オーストリア、バレアレス諸島、バルト三国、ベルギー、ブルガリア、コルシカ、キプロス、チェコ・スロバキア、デンマーク、東エーゲ海諸島、フランス、ドイツ、イギリス、ギリシャ、ハンガリー、イタリア、クレタ島、クリミア半島、オランダ、北コーカサス、バルカン半島北西部、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、サルデーニャ、シチリア、スペイン、スウェーデン、スイス、トランスコーカサス、ウクライナ)、北アフリカ(アルジェリア、エジプト、チュニジア、リビア、モロッコ)原産。英名はnarrow-leaf bird's-foot trefoil , narrow-leaf trefoil , slender trefoil 。中国名は细叶百脉根 xi ye bai mai gen。湖岸または湿地沿岸の塩分を多く含み、水はけの悪い草地に生える。日本に帰化している。ミヤコグサやセイミウミヤコグサに比べて大型で、小葉ははるかに細長い。道路沿いなどに生える。
多年草、長さ20~100cm、直根があり、無毛になるかまたはまばらに伏した短い微軟毛がある。茎は細く、直立または斜上する。小葉は5枚で、倒卵状倒披針形または倒披針形~線形、長さ4~18mm×幅1~4mm、基部の小葉2枚は短い。葉の頂小葉は葉軸の長さの1.5~3倍の長さがある。散形花序には(1または)2~5個の花がつく。花序柄は長さ3~12cm、細い。苞は1~3枚つき、萼の長さの1.5~2倍の長さ。花は長さ8~10.5(~11)mm。萼は長さ4~6mm、萼歯は萼筒より短く、2個の上部の萼歯の狭い部分は長さの半分以下である。花冠は黄色。子房は線形、胚珠は多数、花柱は長さ4~5.5mm。豆果は真っすぐ、円筒形で、長さ9~25mm×幅1.2~2.5mm。種子は薄褐色、球形、長さ1.4~1.6mm、平滑。花期は5~8月。果期は7~9月。
15 その他ハイブリッド Lotus hybrid
(1) Lotus berthelotii × maculatus
(2) その他
品種) 'Fire Vine' , 'Flashbulb' , 'Gold Flash' , 'Red Flash'
Dorycnium(=Lotus pentaphyllum subsp. germanicum
参考
1) Flora of ChinaLotus
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=118989
2) World Flora OnlineLotus berthelotii Lowe ex Masf.
http://sweetgum.nybg.org/science/world-flora/details.php?irn=24570
3) Plant Finder - Missouri Botanical GardenLotus berthelotii
http://www.missouribotanicalgarden.org/PlantFinder/PlantFinderDetails.aspx?taxonid=280389&isprofile=0&
4) GRINLotus
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=6984
5)Flora of New Zealand | Taxon Profile | Lotus pedunculatuskLotus pedunculatus Cav
http://www.nzflora.info/factsheet/Taxon/Lotus-pedunculatus.html
6) 日本帰化植物友の会 No15 2016年9月30日輸入物資に随伴する帰化植物
http://www.zennokyo.co.jp/kktmo/kk_pdf/15.pdf
7) International Seed Morphology AssociationLotus corniculatus L.
https://seedidguide.idseed.org/fact_sheets/34618/
8) Cretan FloraLotus preslii
https://www.cretanflora.com/Lotus%20preslii.html#:~:text=SPECIES%20DESCRIPTION,a%20glossary%20of%20terms%20used.
Lotus subbiflorus
https://www.cretanflora.com/Lotus%20subbiflorus.html
9) Trees and Shrubs OnlineLotus hirsutus L.
https://www.treesandshrubsonline.org/articles/lotus/lotus-hirsutus/
10) Flora IbericaLOTEAE DC.
http://www.floraiberica.es/floraiberica/texto/pdfs/07_42%20Lotus.pdf
11) ADANSONIA, sér.3•2004•26(2):171-197
A taxonomic study of Lotus australis complex (Leguminosae), with special emphasis on plants from Pacific Ocean islands
https://www.researchgate.net/publication/268428679_A_taxonomic_study_of_Lotus_australis_complex_Leguminosae_with_special_emphasis_on_plants_from_Pacific_Ocean_islands