マイヅルソウ 舞鶴草

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Flora of Mikawa

キジカクシ科 Asparagaceae マイヅルソウ属

英 名 false lily of the valley, false lily-of-the-valley
学 名 Maianthemum dilatatum (A.W.Wood) A.Nelson et J.F.Macbr.
Maianthemum kamtschaticum (J.F.Gmel. ex Cham.) Nakai
Maianthemum bifolium (L.) F.W. Schmidt ssp. kamtschaticum (J.F. Gmel. ex Cham.) A.E. Murray
マイヅルソウの花序
マイヅルソウの花
マイヅルソウの果実
マイヅルソウの葉
マイヅルソウ
花 期 5~7月
高 さ 8~20(35)㎝
生活型 多年草
生育場所 深山の林内
分 布 在来種  北海道、本州、四国、九州、朝鮮、カムチャッカ半島、北アメリカ
撮 影 天狗棚展望台付近 05.5.21  
  果実(志賀高原) 05.8.1
キジカクシ科は旧分類のユリ科から分割された。
 多年草。高さ8~20(35)㎝。根茎は分かれ、横に広がり、群生する。葉は2~3個つき、生育のよいものは長さ6~10㎝、幅5~8㎝の卵形、基部は深い心形。葉質は柔らかく、無毛。葉柄は長さ4~7(10)㎝。花は茎頂の長さ2~8㎝の総状花序に10~40個つく。花被片は4個、白色、長さ2~3.2㎜、幅約1.5㎜の卵形~披針形。雄しべは4個、花被片より短い。子房は2室。液果は直径4~6㎜の球形、種子を1~2個入れ、赤く熟す。種子は長さ2~3㎜、褐色。2n=36。花期は5~7月。
 ヒメマイヅルソウ Maianthemum bifolium は中国名が舞鶴草(wu he cao )。マイヅルソウと非常によく似ているが、茎、葉柄、花序軸にパピラ状の軟毛(柱状突起)があり、葉縁にルーペを使わないと見えない微細な鋸歯がある。

マイヅルソウ属

  family Asparagaceae - genus  Maianthemum

 多年草、根茎をもつ。茎は直立、単純。葉は互生、葉柄は無又は又は有、普通、楕円形~卵形、ときに根生葉は単生し、早く枯れる、花序は頂生の総状花序あるいは円錐花序。花は両性、ときに単性(雌雄異株のとき)、小さい。花被片は4又は6個、2輪につき、分離又は下部で±合着し、まれに長い筒ぶを作る。雄しべは4又は6本、花被片の基部又は花被の筒部につく。花糸は糸状。葯は背着。子房は2~3室、胚珠は各室に1~2個。花柱は円柱形、比較的短い。柱頭は2又は3裂。果実は液果、球形~ほぼ球形。種子は1~3個、球形~卵形。
 世界に約35種あり、主に東アジア、北アメリカに分布し、北アジア、中央アメリカとヨーロッパ北ぶにも分布する。

マイヅルソウ属の主な種と園芸品種

1 Maianthemum bicolor (Nakai) Cubey  エビチャザサ
 朝鮮原産。

2 Maianthemum bifolium (L.) F.W.Schmidt  ヒメマイヅルソウ 姫舞鶴草
 日本(北海道、本州北部以北)、朝鮮、中国、モンゴル、ロシア、ヨーロッパ、北アメリカ原産。中国名は舞鹤草 wu he cao 。英名はMay lily , false lily of the valley
 マイヅルソウと非常によく似ているが、茎、葉柄、花序軸にパピラ状の軟毛(柱状突起)があり、葉縁にルーペを使わないと見えない微細な鋸歯がある。
 高さ8~20(~25)㎝。根茎はときに2又分枝し、長さ20㎝以下×幅1~2㎜。 茎はパピラ状の軟毛(柱状突起)が散生する。根生葉は花時に枯れ、葉柄が長さ10㎝以下。茎葉は普通2枚、茎の上部~先端につき、葉柄は長さ1~2㎝、しばしばパピラ状の軟毛がある。葉身はデルタ状卵形、長さ3~8(~10)㎝×幅1~5(~9)㎝、下面は脈上に微軟毛があり、基部は心形、縁は微細な小歯状、パピラ又は微軟毛がある。総状花序は直立、長さ3~5㎝、花が10~25個つき、花序軸にパピラ状の軟毛がある。苞は小さい。花は単生又は双生、花柄は長さ約5㎜、細く、先に関節がある。花被は白色。花被片は長円形、長さ2~2.5㎜×幅1.5~1.8㎜。雄しべは長さ1.6~2.1㎜。花柱は長さ約1㎜。液果は熟すと赤色、直径3~6㎜。種子は種子が黄色。花期は5~7月。果期は8~9月。2n = 28, 30, 36, 42, 54, 88.。

3 Maianthemum canadense Desf.  カナダマイヅルソウ
 カナダ、USA原産。英名はfalse lily-of-the-valley , two-leaved Solomon's-seal , Canadian may-lily
品種)  'Mullerthal'

4 Maianthemum dahuricum (Fisch. et C.A.Mey.) LaFrankie  カラフトユキザサ
 朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は兴安鹿药 xing an lu yao

5 Maianthemum dilatatum (Alph.Wood) A.Nelson et J.F.Macbr.  マイヅルソウ 舞鶴草
  synonym  Maianthemum kamtschaticum (J.F.Gmel. ex Cham.) Nakai
  synonym Maianthemum bifolium (L.) F.W.Schmidt subsp. kamtschaticum (J.F.Gmel. ex Cham.) A.E.Murray
  synonym Maianthemum bifolium (L.) F.W. Schmidt var. kamtschaticum (J.F. Gmel. ex Cham.) Trautv. et C.A. Mey.
 北海道、本州、四国、九州、朝鮮、カムチャッカ半島、北アメリカ原産。英名はfalse lily of the valley, false lily-of-the-valley , False Solomon's Seal。
 多年草。高さ8~20(35)㎝。根茎は分かれ、横に広がり、群生する。葉は2~3個つき、生育のよいものは長さ6~10㎝、幅5~8㎝の卵形、基部は深い心形。葉質は柔らかく、無毛。葉柄は長さ4~7(10)㎝。花は茎頂の長さ2~8㎝の総状花序に10~40個つく。花被片は4個、白色、長さ2~3.2㎜、幅約1.5㎜の卵形~披針形。雄しべは4個、花被片より短い。子房は2室。液果は直径4~6㎜の球形、種子を1~2個入れ、赤く熟す。種子は長さ2~3㎜、褐色。2n=36。花期は5~7月。
品種) 'Baby Moon' (v) , 'Yakushima' , 'Variegatum' (v)

6 Maianthemum formosanum (Hayata) LaFrankie  タイワンユキザサ
 台湾原産。中国名は台湾鹿药 tai wan lu yao

7 Maianthemum fuscum (Wallich) LaFrankie
 中国、インド、ネパール、ブータン、シッキム、ミャンマー原産。中国名は西南鹿药 xi nan lu yao 。英名はHimalayan false Solomon's seal。別名は黒花ユキザサ。
品種) 'Shirui Giant' , 'Tangkhul Giant'

8 Maianthemum harae Y.H.Tseng et C.T.Chao  アリサンユキザサ
 台湾原産。2012年に報告された新種。

9 Maianthemum japonicum (A.Gray) LaFrankie  ユキザサ 雪笹
  synonym Smilacina japonica A. Gray.
 日本、朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は鹿药 lu yao 。英名はJapanese false Solomon's seal
 和名の由来は葉が笹の葉に似て、花が雪のように白く、細かいことから。
 多年草。高さ20~70㎝。根茎は這い、円柱状~数珠状、幅7~10㎜。葉は長さ6~15㎝、幅3~7㎝の卵状長楕円形、基部は円く、先が尖る。円錐花序は長さ3~6㎝、花が10~25個ほどつく。花軸は有毛。花被片は白色、狭長楕円形、長さ3~4㎜、幅約1.5㎜。雄しべは花被片より短い。花柱は長さ0.5~1㎜。柱頭は丸くなるか、3浅裂する。果実は直径5~6㎜の球形、熟すと赤色になり、種子が1~2個入る。2n=36。花期は5~7月。
品種) 'Dragons Treasure' , 'Golden Dragon' , 'Ki-shiro-fukurin-fu' (v) , 'Snow Dragon' , 'White Stripes'

10 Maianthemum racemosum (L.) Link
 北アメリカ(カナダ、USA、メキシコ)原産。英名はtreacleberry , feathery false lily of the valley , false Solomon's seal , Solomon's plume , false spikenard
品種) 'Major' , 'Wisley Spangles'
10-1 Maianthemum racemosum subsp. amplexicaule (Nutt.) LaFrankie
  synonym Maianthemum amplexicaule (Nutt.) W.A.Weber
  synonym Smilacina amplexicaulis Nutt.
 北アメリカ(カナダ、USA、メキシコ)原産。
品種) 'Emily Moody'

11 Maianthemum robustum (Makino et Honda) LaFrankie  ハルナユキザサ 榛名雪笹
  synonym Smilacina robusta Makino & Honda
 日本固有種(本州の栃木県、群馬県、長野県)。山地の林内に生える。和名は榛名山に因む。
 ユキザサに似るが全体に大型、高さ1~1.5m。根茎は太く短く頑丈、節間がつまり、数珠状になる。葉は長さ約20㎝。花期は6~7月。

12 Maianthemum stellatum (L.) Link
 北アメリカ(カナダ、USA、メキシコ)原産。英名はstar-flowered false Solomon's seal , starry false Solomon's seal , little false Solomon's seal , simply false Solomon's seal , star-flowered lily-of-the-valley , starry false lily of the valley
品種) 'Crassum'

13 Maianthemum trifolium (L.) Sloboda  トナカイソウ
 朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は三叶鹿药 san ye lu yao 。英名はthree-leaf Solomon's-seal , false mayflower 。
 高さ約10㎝。葉柄のないササのような葉を2~4枚つけるので、ユキザサを極小型にしたように見える。

14 Maianthemum viridiflorum (Nakai) H.Li  ヤマトユキザサ 大和雪笹
  synonym Maianthemum hondoense (Ohwi) LaFrankie 
  synonym Smilacina hondoensis Ohwi
 日本固有種(本州)。別名はオオパユキザサ。
 茎は円柱形、普通は紫褐色を帯び、稜は全く無い。茎の上部や花序の軸には全面に短毛が生えているが、稜がない。花柄にも全面に短毛があるが稜はない。つまり、茎から花序軸、花柄に稜は全くなく、毛があれば全面に生える。葉縁は上下に5~7 箇所ゆるく波状にうねるものが多い。花粉粒の彫紋は小網状。花柱は極めて短かく、柱頭は深く3裂し、裂片は長く、強く反曲する。

15 Maianthemum yesoense (Franch. et Sav.) LaFrankie  ヒロハユキザサ 広葉雪笹
  synonym Smilacina yesoensis Franch. et Savat.
 日本固有種(本州の中部地方以北)。別名はヒロハノユキザサ、ミドリユキザサ。高山~高山の林縁、林床、草地に生える。
 多年草。高さ50~100㎝。茎は緑色、面はほとんど無毛、ジグザグに曲がり、明瞭な稜がある。この稜は葉柄の基部が半ば茎を抱き、その縁部が茎に沿下してできたもので、従って2 本あり下部の節に達し、稜の上に毛がある。葉は互生し、長さ10~20㎝、楕円形、先が尖る。葉面は無毛、葉裏には毛が生える。葉縁が波状にうねることは稀である。雌雄異株。円錐花序の枝の毛は少ないが花序軸や花柄に茎と同じような稜があり、稜の上に毛がある。花は直径約5㎜。雄花は花披が淡緑色。雌花は花被が紫褐色~淡緑色、柱頭はごく短く、3深裂して強く反曲する。短い雄しべが6個つく。花粉粒の彫紋は疣状。果実は直径約7㎜の球形、橙赤色に熟す。花期は7~8月。

13 ハイブリッド
(1) Maianthemum x intermedium Vorosch.  アイノコマイヅルソウ
 ヒメマイヅルソウ ×マイヅルソウ

参考

1)Flora o China
 Maianthemum
 http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=119474
2) Plants of the World Online | Kew Science
 Maianthemum
 http://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:331272-2
3)GRIN
 Maianthemum
 https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxon/taxonomysimple
4)Flora of North America
 Maianthemum
 http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=119474
5)植物研究雑誌 32(12): 373-374(1957)
 佐竹義輔,伊藤栄子 : ヤマトユキザサとミドリユキザサとの相違