クワイ 慈姑
Flora of Mikawa
オモダカ科 Alismataceae オモダカ属
別 名 | アオクワイ、シロクワイ、スイタクワイ |
中国名 | 华夏慈姑 hua xia ci gu , 慈姑 ci gu |
英 名 | Chinese arrowhead, Japanese arrowhead, swamp-potato,swan-potato |
学 名 | Sagittaria trifolia L. 'Caerulea' synonym Sagittaria sagittifolia L. subsp. leucopetala (Miq.) Hartog synonym Sagittaria trifolia L. var. edulis (Siebold ex Miq.) Ohwi synonym Sagittaria trifolia L. subsp. leucopetala (Miq.) Q.F.Fang synonym Sagittaria trifolia var. sinensis (Sims) Makino. |
花 期 | 8~10月 |
高 さ | 20~80㎝ |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 水田、沼、ため池 |
分 布 | 帰化種 中国原産 |
撮 影 | 新城市 14.7.4 |
クワイはオモダカの栽培品種、亜種や変種に分類されることもある。日本で主に栽培されているのはアオクワイといわれ、塊茎が藍色、直径約5㎝までの球形~の扁球形、粉質で、味が良い。旬は11~12月。日本では芽がついているため、「芽が出る」とかけ、縁起が良いことから、おせち料理の1品として食べる習慣がある。Flora of China ではシナクワイ(var. sinensis)をクワイ Sagittaria sagittifolia subsp. leucopetalaに含めて扱っている。
日本で主に栽培されているのはアオクワイといわれ、塊茎が藍色、直径約5㎝までの球形~の扁球形、粉質で、味が良い。旬は11~12月。日本では芽がついているため、「芽が出る」とかけ、縁起が良いことから、おせち料理の1品として食べる習慣がある。Flora of China ではシナクワイ(var. sinensis)をクワイ Sagittaria sagittifolia subsp. leucopetalaに含めて扱っている。ヤエオモダカは花の観賞用。
品種) 'Caerulea'クワイ(広義)、'Aokuwai'青クワイ(暗青色、藍色)、'Sirokuwai'白クワイ(乳白色)='Sinensis' シナクワイ ,'Suita Kuwai'吹田クワイ(小粒) , 'Plena'ヤエオモダカ
(1) Sagittaria trifolia L. 'Caerulea' クワイ 慈姑
synonym Sagittaria trifolia f. caerulea Makino
synonym Sagittaria trifolia L. var. edulis (Siebold ex Miq.) Ohwi
オモダカの食用の栽培品種。別名はアオクワイ。オモダカの塊茎は小さく、苦くて食べられないが、クワイのいもはサトイモのように食べられる。日本では栽培されてきた歴史が古く、また葉の形が独特なため、地域により様々な呼び名があり、田草、燕尾草、クワエなどが知られている。
多年草、水生、長さ110~125㎝まで。葉は幅が広く、長さ30㎝までの切り欠きが無い矢じり形、内部は海綿質。匍匐茎は茎の各節から発生し、長さ60~80㎝まで、節から2次の匍匐茎が2~3本生じ、匍匐茎の先端には塊茎(球茎)がつき、塊茎は直径約(1.5)3~4(5)㎝(Mサイズ:2.7~3.3㎝)、塊茎の底が平らな系統を[新田クワイ]、やや腰高で円球系統のものを[京クワイ]と呼び区別し、青味を帯びて水平に節輪が見られ、薄い鱗片に包まれて、先端部に長さ5~6㎝の頂芽がつく。雌雄異花同株、円錐花序に白色の花がつく。花後はほとんど結実しない。
【e-Flora of Thailandの解説】
無毛またはまばらに毛のある草本で、高さは100㎝まで。球茎は長さ2.5㎝×幅3cm。匍匐茎は長さ18㎝×幅0.3㎝で、しばしば先端に塊茎があり、塊茎は細長く、長さ約5~7㎝。葉は水中、浮遊、または地上に出る。水中葉は葉状体で無柄、長さ15㎝×幅0.7㎝まで。浮遊葉には葉柄があり、葉柄は円錐形で長さ28㎝まで、基部には鞘があり鞘は長さ7㎝まで。葉身は緑褐色で大部分は矢じり形、長さ3~5.5㎝×幅0.9~1.5cm、3~5本の葉脈があり、先は鈍形~鋭形、基部の裂片は長さ0.7~1.4㎝、1~2本の葉脈があり、先端は0.4~0.9㎝離れる。水上葉は葉柄があり、葉柄は三角形、長さ80㎝まで、幅1.5~3㎜、基部には長さ20㎝までの鞘があり、葉身は緑褐色で、矢じり形で、幅3.5~16cm×幅1.2~8㎝、葉脈は5~9本、先は鋭形、基部の裂片は長さ4.5~15㎝で1~4本の葉脈があり、先端は1.5~23㎝m離れる。花序は単純またはまれに円錐花序、2~10の輪生があり、水面上に出て(emergent)、幅4~35㎝×幅0.7~15㎝、輪生して3花がつく。花序柄は三角形、長さ5~30㎝×幅1.1~3㎜。雄花の苞は離れ、披針形~線形、繊細で、長さ2~4㎜、先は鋭形。心皮のある花(雌花)の苞は離れ、広披針形、繊細、長さ約 5㎜、先は丸い鋭形。雄花の小花柄は開出~直立し、円筒形、無毛、長さ5~10㎜×幅約0.2㎜。心皮のある花(雌花)の小花柄は直立~開出し、花時と果時に円筒形で無毛、長さ0.5~1㎝×幅約0.3㎜。花は不完全(放射相称ではない)。雄花は中央に不稔の心皮がなく、萼片は直立~後屈し、約・長さ3㎜×幅2㎜。花弁は爪部があり、長さ0.8~1.3㎝×幅0.7~0.9㎝。雄しべは多数。花糸は無毛、円筒形。葯は線形、先は丸い鋭形。心皮のある花(雌花)は不稔雄しべの輪がなく、花時と果時に萼片が直立し、約・長さ3㎜×幅2㎜。花弁は爪部があり、長さ0.8~1㎝×幅0.5~0.9㎝m、爪部は紫色~赤色、長さ約1.5㎜。集合果は直径約0.9㎝。痩果は倒披針形、嘴があり、竜骨があり、約・長さ2.5㎜×幅約1.5㎜、面には疣状突起はなく、0~3個の腺があり、側翼はなく、縁は全縁、嘴は側方にあり、直立し、長さ0.3~0.4㎜[e-Flora of Thailand:Sagittaria trifolia L. subsp. leucopetala (Miq.) Hartog]。
(2) Sagittaria trifolia L.'Sinensis' シナクワイ 志那慈姑
synonym Sagittaria trifolia L. var. sinensis (Sims) Makino
synonym Sagittaria trifolia L. var. sinensis Sims
中国南部に分布し、湿地や池に生え、水田でもよく栽培されている。中国名は慈姑 ci gu。草丈も大きく、葉も大型で葉色はやや淡い。別名はシナグワイ、ハクグワイ。中国では広く栽培されているが、日本では栽培は少なく、シロクワイの系統。塊茎は灰白色で多少食味が淡白で苦味が弱く、肉質も優れている。
多年草、直立性、水生または湿原に生える。根茎は横に走り、比較的太く、先端が肥大し、塊茎(球根状)ができる。球根は楕円形または球形で、長さ5~8㎝×幅4~6㎝・以下。葉は幅広で厚く、矢じり形、葉の長さと幅は様々で、上部の葉の先は鈍形で卵形~広卵形、通常は頂裂片が側裂片よりも短く、比は約1:1.2~1:1.5、ときに、側裂片が長くなる。頂裂片と側裂片の間は狭まり、葉柄の基部は徐々に広がり、鞘状になり、縁は膜質、横脈があるか、目立たない。花茎は直立し、高さ(15~)20~70㎝、またはそれ以上、通常は高くて丈夫。花序は総状花序形または円錐花序、長さ5~20㎝、ときに長くなり(長さ20~60㎝、ときに80㎝を超え)、1~2(3)枝があり、多数の花の輪があり、輪ごとに2~3個の花がつき、苞は3個あり、基部で合着し、先が尖る。花は単性、花被片は後屈する。外花被片は楕円形または広卵形、長さ3~5㎜×幅2.5~3.5mm、内花被片は白色~薄黄色、内側に紫色の斑点があり、長さ6~10㎜×幅5~7㎜、基部は狭まる。雌花は通常1~3個が輪生し、小花柄は短く太い。心皮は多数、側面は平ら。花柱は腹側から斜めに斜上する。雄花は複数輪生し、小花柄は斜上し、長さ約1.5㎝、雄しべが多数あり、葯は黄色、長さ1~1.5(~2)㎜、花糸は長さが異なり、長さ約0.5~3㎜、通常外側の輪の花糸は短く、内側に行くほど長くなる。痩果は両側が平らで、長さ約4㎜×幅約3㎜、倒卵形で翼があり、背側の翼はやや不規則で、果実の嘴は短く、腹側から斜めに斜上する。種子は褐色。花果期は5~10月(通常花は8~10月)。
var. sinensisは、植物が高くて丈夫であること、葉が幅広で厚いこと、上部の葉の先は鈍形で卵形~広卵形であること、匍匐茎の端が球根状に拡大していること、という点で基本変種とは異なる。球根は楕円形または球形で、長さ5~8㎝×幅4~6㎝・以下。円錐花序は高く、長さ20~60㎝、ときに80㎝を超え、基部に(1~2)(3)本の枝を出し、下部に雌花が1~2輪生し、主軸に雌花が3~4輪生し、側枝に位置し、雄花は複数の輪生で上部につき、大きな円錐花序を形成する。果期には水中にあることが多く、果期の花托は扁円形、直径4~5㎜、高さ約3㎜。種子は褐色、小突起がある。
(3) Sagittaria trifolia L. 'Suita Kuwai' スイタクワイ 吹田慈姑
吹田くわいは栽培の歴史が古く、全体にやや小型、高さ87㎝以下。水生で水がなくなるとすぐに葉が枯れるので、常に大量の水を必要とする。葉は矢じり形、白クワイや青クワイよりやや小さく葉柄も短く、長さ57㎝以下。葉鞘は長さ約20㎝まで。白クワイや青クワイに比べよく開花・結実し、自家受粉で種子を作り、多量の種子ができる。地下茎は基部から十数本が根のように地下に伸び、秋に先端部にほぼ球形の塊茎(イモ)をつけ、白クワイや青クワイより塊茎の数が多く、1株につき10~20(35)個つける。塊茎は小粒で、青クワイの半分程度の大きさであり、幅約1~3㎝、帯灰色、青色、赤紫色、その中間色、白色と色は様々であり、青クワイと区別が困難な場合もある。
(4) Sagittaria trifolia L. 'Plena' ヤエオモダカ
観賞用の栽培種。花が八重の白色、花弁が多数つき、ほぼ球形になる。葉などは普通のオモダカとあまり変わらない。
【クワイの名がつくカヤツリグサ科】
イヌクログワイ(オオクログワイ、シログワイ) Eleocharis dulcis カヤツリグサ科の植物。根茎には、レンコンに似た食感と味があり、シャリシャリした食感で美味。
クログワイ(烏芋、田唐芋)イEleocharis kuroguwai カヤツリグサ科ハリイ属の植物。根茎は直径6~10㎜、表面が黒色。
オモダカの栽培品種
日本で主に栽培されているのはアオクワイといわれ、塊茎が藍色、直径約5㎝までの球形~の扁球形、粉質で、味が良い。旬は11~12月。日本では芽がついているため、「芽が出る」とかけ、縁起が良いことから、おせち料理の1品として食べる習慣がある。Flora of China ではシナクワイ(var. sinensis)をクワイ Sagittaria sagittifolia subsp. leucopetalaに含めて扱っている。ヤエオモダカは花の観賞用。
品種) 'Caerulea'クワイ(広義)、'Aokuwai'青クワイ(暗青色、藍色)、'Sirokuwai'白クワイ(乳白色)='Sinensis' シナクワイ ,'Suita Kuwai'吹田クワイ(小粒) , 'Plena'ヤエオモダカ
(1) Sagittaria trifolia L. 'Caerulea' クワイ 慈姑
synonym Sagittaria trifolia f. caerulea Makino
synonym Sagittaria trifolia L. var. edulis (Siebold ex Miq.) Ohwi
synonym Sagittaria trifolia L. subsp. leucopetala (Miq.) Q.F.Fang [Flora of China]
synonym Sagittaria sagittifolia L. subsp. leucopetala (Miq.) Hartogオモダカの食用の栽培品種。別名はアオクワイ。オモダカの塊茎は小さく、苦くて食べられないが、クワイのいもはサトイモのように食べられる。日本では栽培されてきた歴史が古く、また葉の形が独特なため、地域により様々な呼び名があり、田草、燕尾草、クワエなどが知られている。
多年草、水生、長さ110~125㎝まで。葉は幅が広く、長さ30㎝までの切り欠きが無い矢じり形、内部は海綿質。匍匐茎は茎の各節から発生し、長さ60~80㎝まで、節から2次の匍匐茎が2~3本生じ、匍匐茎の先端には塊茎(球茎)がつき、塊茎は直径約(1.5)3~4(5)㎝(Mサイズ:2.7~3.3㎝)、塊茎の底が平らな系統を[新田クワイ]、やや腰高で円球系統のものを[京クワイ]と呼び区別し、青味を帯びて水平に節輪が見られ、薄い鱗片に包まれて、先端部に長さ5~6㎝の頂芽がつく。雌雄異花同株、円錐花序に白色の花がつく。花後はほとんど結実しない。
【e-Flora of Thailandの解説】
無毛またはまばらに毛のある草本で、高さは100㎝まで。球茎は長さ2.5㎝×幅3cm。匍匐茎は長さ18㎝×幅0.3㎝で、しばしば先端に塊茎があり、塊茎は細長く、長さ約5~7㎝。葉は水中、浮遊、または地上に出る。水中葉は葉状体で無柄、長さ15㎝×幅0.7㎝まで。浮遊葉には葉柄があり、葉柄は円錐形で長さ28㎝まで、基部には鞘があり鞘は長さ7㎝まで。葉身は緑褐色で大部分は矢じり形、長さ3~5.5㎝×幅0.9~1.5cm、3~5本の葉脈があり、先は鈍形~鋭形、基部の裂片は長さ0.7~1.4㎝、1~2本の葉脈があり、先端は0.4~0.9㎝離れる。水上葉は葉柄があり、葉柄は三角形、長さ80㎝まで、幅1.5~3㎜、基部には長さ20㎝までの鞘があり、葉身は緑褐色で、矢じり形で、幅3.5~16cm×幅1.2~8㎝、葉脈は5~9本、先は鋭形、基部の裂片は長さ4.5~15㎝で1~4本の葉脈があり、先端は1.5~23㎝m離れる。花序は単純またはまれに円錐花序、2~10の輪生があり、水面上に出て(emergent)、幅4~35㎝×幅0.7~15㎝、輪生して3花がつく。花序柄は三角形、長さ5~30㎝×幅1.1~3㎜。雄花の苞は離れ、披針形~線形、繊細で、長さ2~4㎜、先は鋭形。心皮のある花(雌花)の苞は離れ、広披針形、繊細、長さ約 5㎜、先は丸い鋭形。雄花の小花柄は開出~直立し、円筒形、無毛、長さ5~10㎜×幅約0.2㎜。心皮のある花(雌花)の小花柄は直立~開出し、花時と果時に円筒形で無毛、長さ0.5~1㎝×幅約0.3㎜。花は不完全(放射相称ではない)。雄花は中央に不稔の心皮がなく、萼片は直立~後屈し、約・長さ3㎜×幅2㎜。花弁は爪部があり、長さ0.8~1.3㎝×幅0.7~0.9㎝。雄しべは多数。花糸は無毛、円筒形。葯は線形、先は丸い鋭形。心皮のある花(雌花)は不稔雄しべの輪がなく、花時と果時に萼片が直立し、約・長さ3㎜×幅2㎜。花弁は爪部があり、長さ0.8~1㎝×幅0.5~0.9㎝m、爪部は紫色~赤色、長さ約1.5㎜。集合果は直径約0.9㎝。痩果は倒披針形、嘴があり、竜骨があり、約・長さ2.5㎜×幅約1.5㎜、面には疣状突起はなく、0~3個の腺があり、側翼はなく、縁は全縁、嘴は側方にあり、直立し、長さ0.3~0.4㎜[e-Flora of Thailand:Sagittaria trifolia L. subsp. leucopetala (Miq.) Hartog]。
(2) Sagittaria trifolia L.'Sinensis' シナクワイ 志那慈姑
synonym Sagittaria trifolia L. var. sinensis (Sims) Makino
synonym Sagittaria trifolia L. var. sinensis Sims
中国南部に分布し、湿地や池に生え、水田でもよく栽培されている。中国名は慈姑 ci gu。草丈も大きく、葉も大型で葉色はやや淡い。別名はシナグワイ、ハクグワイ。中国では広く栽培されているが、日本では栽培は少なく、シロクワイの系統。塊茎は灰白色で多少食味が淡白で苦味が弱く、肉質も優れている。
多年草、直立性、水生または湿原に生える。根茎は横に走り、比較的太く、先端が肥大し、塊茎(球根状)ができる。球根は楕円形または球形で、長さ5~8㎝×幅4~6㎝・以下。葉は幅広で厚く、矢じり形、葉の長さと幅は様々で、上部の葉の先は鈍形で卵形~広卵形、通常は頂裂片が側裂片よりも短く、比は約1:1.2~1:1.5、ときに、側裂片が長くなる。頂裂片と側裂片の間は狭まり、葉柄の基部は徐々に広がり、鞘状になり、縁は膜質、横脈があるか、目立たない。花茎は直立し、高さ(15~)20~70㎝、またはそれ以上、通常は高くて丈夫。花序は総状花序形または円錐花序、長さ5~20㎝、ときに長くなり(長さ20~60㎝、ときに80㎝を超え)、1~2(3)枝があり、多数の花の輪があり、輪ごとに2~3個の花がつき、苞は3個あり、基部で合着し、先が尖る。花は単性、花被片は後屈する。外花被片は楕円形または広卵形、長さ3~5㎜×幅2.5~3.5mm、内花被片は白色~薄黄色、内側に紫色の斑点があり、長さ6~10㎜×幅5~7㎜、基部は狭まる。雌花は通常1~3個が輪生し、小花柄は短く太い。心皮は多数、側面は平ら。花柱は腹側から斜めに斜上する。雄花は複数輪生し、小花柄は斜上し、長さ約1.5㎝、雄しべが多数あり、葯は黄色、長さ1~1.5(~2)㎜、花糸は長さが異なり、長さ約0.5~3㎜、通常外側の輪の花糸は短く、内側に行くほど長くなる。痩果は両側が平らで、長さ約4㎜×幅約3㎜、倒卵形で翼があり、背側の翼はやや不規則で、果実の嘴は短く、腹側から斜めに斜上する。種子は褐色。花果期は5~10月(通常花は8~10月)。
var. sinensisは、植物が高くて丈夫であること、葉が幅広で厚いこと、上部の葉の先は鈍形で卵形~広卵形であること、匍匐茎の端が球根状に拡大していること、という点で基本変種とは異なる。球根は楕円形または球形で、長さ5~8㎝×幅4~6㎝・以下。円錐花序は高く、長さ20~60㎝、ときに80㎝を超え、基部に(1~2)(3)本の枝を出し、下部に雌花が1~2輪生し、主軸に雌花が3~4輪生し、側枝に位置し、雄花は複数の輪生で上部につき、大きな円錐花序を形成する。果期には水中にあることが多く、果期の花托は扁円形、直径4~5㎜、高さ約3㎜。種子は褐色、小突起がある。
(3) Sagittaria trifolia L. 'Suita Kuwai' スイタクワイ 吹田慈姑
synonym Sagittaria trifolia f. suitensis Makino
synonym Sagittaria trifolia var. sinensis (Sims) Makino
大阪府吹田市の名産、伝統野菜。オモダカに最も近いクワイでありイモは一般的な青クワイより小粒で、味がほっくりとして濃く、独特のほろ苦さの中にうまみがあるのが特徴。吹田くわいは栽培の歴史が古く、全体にやや小型、高さ87㎝以下。水生で水がなくなるとすぐに葉が枯れるので、常に大量の水を必要とする。葉は矢じり形、白クワイや青クワイよりやや小さく葉柄も短く、長さ57㎝以下。葉鞘は長さ約20㎝まで。白クワイや青クワイに比べよく開花・結実し、自家受粉で種子を作り、多量の種子ができる。地下茎は基部から十数本が根のように地下に伸び、秋に先端部にほぼ球形の塊茎(イモ)をつけ、白クワイや青クワイより塊茎の数が多く、1株につき10~20(35)個つける。塊茎は小粒で、青クワイの半分程度の大きさであり、幅約1~3㎝、帯灰色、青色、赤紫色、その中間色、白色と色は様々であり、青クワイと区別が困難な場合もある。
(4) Sagittaria trifolia L. 'Plena' ヤエオモダカ
観賞用の栽培種。花が八重の白色、花弁が多数つき、ほぼ球形になる。葉などは普通のオモダカとあまり変わらない。
【クワイの名がつくカヤツリグサ科】
イヌクログワイ(オオクログワイ、シログワイ) Eleocharis dulcis カヤツリグサ科の植物。根茎には、レンコンに似た食感と味があり、シャリシャリした食感で美味。
クログワイ(烏芋、田唐芋)イEleocharis kuroguwai カヤツリグサ科ハリイ属の植物。根茎は直径6~10㎜、表面が黒色。