コウリンカ 紅輪花

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Flora of Mikawa

キク科 Asteraceae コウリンカ属

学 名

Tephroseris flammea (Turcz. ex DC.) Holub subsp. glabrifolia (Cufod.) B.Nord.

 synonym Senecio flammeus Turcz. ex DC. subsp. glabrifolius (Cufod.) Kitam.

 synonym Senecio flammeus Turcz. ex DC. var. glabrifolius Cufod.

コウリンカの花横
コウリンカの花
コウリンカの葉
コウリンカ
花 期 7~9月
高 さ 50~60㎝
生活型 多年草
生育場所 山地の草原
分 布 在来種 本州、朝鮮
撮 影 八島ケ原湿原  03.8.7
キオン属としてに分類されたことがあるが、現在はコウリンカ属に分類されている。
 茎は分枝せず、直立する。根生葉はさじ形。茎葉は互生し、長さ10~16㎝、広倒披針形、基部はやや茎を抱く。茎頂に直径3~4㎝の頭花を6~13個、散房状につける。舌状花は10~15個つき、舌部は線形、濃赤橙色、はじめ水平に、しだいに垂れ下がり、反り返る。痩果には冠毛がある。
 タカネコウリンギク subsp. flammea は九州(大分県、熊本県)、中国、ロシア に分布し、茎や葉にクモ毛 (密綿毛)が多い。頭花が直径約3㎝、舌状花は橙赤色~暗橙色、反り返る。中国名は红轮狗舌草(hong lun gou she cao)。

コウリンカ属(オカオグルマ属)

  family Asteraceae - genus  Tephroseris

 多年草、直立、まれに匍匐茎、根茎があり、あるいは、ひげ根をもつ2年草又は1年草。茎は葉があり、ときに類花茎状になり、しばしば、若い時には少なくとも。クモ毛状綿毛(arachnoid-tomentose)がある。葉は単葉、葉柄が有又は無、根生葉と茎葉がある。根生葉はロゼットになり、宿存又は花時までに枯れる。葉柄は翼が有又は無、基部は耳状にならない。葉身は広卵形~デルタ形~線状へら形、羽状脈、基部は心形~漸尖形、縁は粗い曲がりくねる鋸歯又は歯状縁~全縁。頭花は普通、少数~かなり多数、頂生の類散形花序状、単純又は複合の、散房花序、集散花序につき、まれに単生し、異性花で放射状頭花(radiate:中心小花は両性、舌状小花は1列又はそれ以上)、ときに同一で中心小花頭花(discoid:筒状小花だけからなる頭花)、花序柄がある。総苞は半球形、鐘形、円筒状鐘形、副咢(calyculate=咢状総苞=小苞 involucellar bractlet)が無く、花托は平ら。総苞片は18~25個、まれに13個、1列、線状披針形~披針形、草質、縁は普通、狭い薄膜質又は膜質。周辺小花は7~15個、普通13個、まれに18個又は20~25個。舌部は黄色、橙色、又は紫赤色、長円形、まれに線形~楕円状長円形、4脈があり、先には普通、3小歯がある。中心小花は多数、花冠は黄色、橙色、又は橙赤色、ときに紫色を帯びる。拡大部は漏斗形、まれに、鐘形、花冠裂片は5個。葯は線状長円形、まれに長円形、基部は普通、鈍形~円形。葯台(antheropodium)は狭円筒形~円筒形、ときに花糸よりやや幅広になり、細胞は均一、内皮細胞壁は厚くなる。痩果は円筒形、うねがあり、無毛又はまばら~密に軟毛がある。冠毛は細管状、均一、白色又はまれに赤くなり、宿存する。
 世界に約50種があり、ユーラシアの温帯と北極地方に分布し、1種が北アメリカに広がっている。日本には約7種がある(キバナコウリンカ、タカネコウリンギク、コウリンカ、オカオグルマ、ミヤマオグルマ、サワオグルマ、タカネコウリンカ)。

コウリンカ属の主な種

1 Tephroseris flammea (Turcz. ex DC.) Holub タカネコウリンギク 広義
  synonym Tephroseris flammea (DC.) Holub

  synonym Tephroseris flammea subsp. glabrifolia (Cufodontis) B. Nordenstam

  synonym Senecio flammeus DC.
 日本、朝鮮、中国、ロシア原産。红轮狗舌草 hong lun gou she cao。標高1200~2100mの山地の牧草地、森林に生える。
 多年草、根茎があり、葉のつく多数の茎を持つ。 茎は単生、直立し、高さ60㎝以下、白色のくも毛状綿毛と軟毛があり、± 無毛になる。 根生葉は花時までに枯れ、長い葉柄があり、葉身は楕円状長円形、基部はくさび状に狭く、先は鈍形~鋭形。 下部の茎葉は倒披針形~長円形、長さ8~15㎝×幅1.5~3㎝、厚く紙質、両面にはまばらにくも毛状綿毛と軟毛があり、または上面は±無毛になり、ときに下面も無毛になり、葉の基部はくさび状に狭まり、翼があり、ほぼ抱茎、わずかに葉柄に沿下し、縁は不規則に歯先が微突状の歯があり、先は鈍形~ほぼ鋭形、先端が点状。 中部の茎葉は、無柄、楕円形、長円形、または長円状披針形、先が鋭形~鈍形、先端が点状。上部の葉は線状披針形~線形で、小さい。頭花は直径3㎝、2~9個が±散形花序状の頂生の散房花序につく。花序柄は黄褐色の軟毛と通常は白色のくも毛状綿毛があり、基部には苞があり、2~3個の小苞がつく。総苞は鐘形、長さ5~6㎜×6~10㎜、副萼はない(not calyculate)。総苞片は約25個、披針形または線状披針形、幅約1㎜、草質、暗紫色、まばらにくも毛があるかまたはほぼ無毛、先は鋭形。周辺小花は13~15個つき、花冠筒部は長さ3~3.5㎜、小舌は暗橙色、線形、長さ12~16㎜×幅約1.6㎜、4脈があり、3歯がある。中心小花は多数つき、花冠は黄色または紫黄色、長さ6~6.5㎜、長さ約6.5㎜、長さ約3㎜の筒部と漏斗状の拡大部をもち、花冠裂片は帯紫色、卵状披針形、長さ約1㎜、先は鋭形、パピラがある。葯は長さ約2㎜、基部は鈍形、付属体は卵状披針形。痩果は円筒形、長さ2.5~3㎜、軟毛がある。冠毛は帯白色、長さ約5.5mm。花期は7~8月。

1-1 Tephroseris flammea (Turcz. ex DC.) Holub subsp. flammea タカネコウリンギク 高嶺紅輪菊

 日本(阿蘇)、中国、ロシア原産。红轮狗舌草 hong lun gou she cao
 多年草。高さ60㎝以下。根生葉は葉に時に枯れる。総苞片は約25個。周辺小花の小舌は線形、暗橙色。中心小花は黄色又は紫色。花期は7~8月。

1-2 Tephroseris flammea (Turcz. ex DC.) Holub subsp. glabrifolia (Cufod.) B.Nord.  コウリンカ 紅輪花

 日本、朝鮮に分布。Kewscience、Flora of Chinaでは基本種に含める。
 多年草。高さ50~60㎝。茎は分枝せず、直立する。根生葉はさじ形。茎葉は互生し、長さ10~16㎝、広倒披針形、基部はやや茎を抱く。茎頂に直径3~4㎝の頭花を6~13個、散房状につける。総苞は暗紫色、長さ5~8㎜。舌状小花は10~15個つき、舌部は線形、濃赤橙色、はじめ水平に、しだいに垂れ下がり、反り返る。痩果には冠毛がある。花期は7~9月。

2 Tephroseris furusei (Kitam.) B.Nord. キバナコウリンカ 黄花光輪花

 日本固有種(埼玉県、群馬県)。石灰岩地、草地に生える。
 多年草。高さ20~50㎝、草地では高くなる。茎は直立し、分枝せず、クモ毛がある。根生葉は花期に残り、葉柄がある。茎葉はクモ毛があり、倒披針形、長さ約8㎝、縁に粗い鋸歯があり、基部は茎を抱く。頭花は茎頂の花序に約5個つく。頭花は直径2.5~3.5㎝、舌部は黄色、やや反り返る。総苞は長さ5~7㎜。総苞片は1列、花期は6~7月。

3 Tephroseris integrifolia (L.) Holub
 ユーラシアに広く分布。英名はfield fleawort。
 多年草、高さ1m以下。T. helenitis に似ているが、葉の両面はほぼ同じように毛が密にあるか、またはほとんど無毛であり、葉の基部は漸尖し、翼のある葉柄があり、通常は葉身よりも短く、葉柄は通常、柄の幅の2~3倍の長さしかない。花期は6~7月(Flora Helvetica 2018)

3-1 Tephroseris integrifolia (L.) Holub subsp. integrifolia キタオグルマ 北小車

  synonym Tephroseris campestris (Retz.) Rchb.
 分布はアジア、ヨーロッパなどといわれているがはっきりしない。区別できないともいわれる

3-2 Tephroseris integrifolia (L.) Holub subsp. kirilowii (Turcz. ex DC.) B.Nord. オカオグルマ 丘小車

  synonym Tephroseris kirilowii (Turcz. ex DC.) Holub [Flora of China]

  synonym Tephroseris integrifolia (L.) Holub var. spathulata (Miq.) H.Ohba

  synonym Tephroseris campestris (Retz.) Rchb. f. spathulata (Miq.) R.Yin et C.Y.Li

 本州、四国、九州、朝鮮、中国、台湾、ロシア、モンゴル狗舌草 gou she cao。
 多年草。高さ20~60㎝。根茎がある。茎は1本、まれに2~3本直立し、類花茎状、密に白色のクモ毛があり、ときにほぼ無毛。根生葉は数個、花期に残り、ロゼット状になり、短柄。葉身は長楕円形~卵状長楕円形、長さ5~10㎝、幅1.5~2.5㎝、両面に密~まばらに、白色のくも毛状の綿毛がある。葉基部は楔形~次第に漸尖し、狭~広翼のある葉柄と続く。葉縁は不規則な先が点状の歯牙状又はほぼ全縁、葉先は鈍形。茎葉は数個、上部では次第に小さくなり、下部の葉は無柄、倒披針形~倒披針状長楕円形、長さ4~8㎝、幅0.5~1.5㎝、基部はほぼ茎を抱き、先は鈍形~鋭形。上部の葉は小さく、苞のようで、披針形、先は鋭形。頭花は直径1.5~2㎝、3~11個が散形花序の形態に並び、先は散房花序。花序柄は長さ1.5~5㎝、密にくも毛状の綿毛があり、黄褐色の腺毛がある。基部に苞があり、無いこともある。総苞は類円筒形~鐘形、長さ6~8㎜、幅6~9㎜、総苞片は1列、18~20個(実測19個)、披針形~線状披針形、幅1~1.5㎜(長さ5~7㎜)、草質、縁は狭い膜質、密~ときにまばらにクモ毛状、ときにほぼ無毛、先は尖鋭形~鋭形、緑色~帯紫色。周辺小花は13~15個、花冠筒部は長さ3~3.5㎜、小舌は黄色、頂楕円形、長さ6.5~7㎜、幅2.5~3㎜、4脈があり、先は3小歯、鈍形。中心小花は多数、花冠は黄色長さ約8㎜、筒部は長さ約4㎜、漏斗状の部分があり、裂片は卵状披針形長さ約1.2㎜、先は尖り、パピラがある。葯は長さ2.2㎜、基部は鈍形、付属体は卵状披針形。花柱は分岐し、枝は長さ約1㎜。痩果は長さ2.5~3.5㎜、微細剛毛で密に覆われ、冠毛がある。冠毛は白色、長さ約6㎜。花期は3~6月。

3-3 Tephroseris integrifolia subsp. maritima (Syme) B.Nord.

 イギリス諸島(ホーリー島)固有種。英名はspathulate fleawort , South Stack fleawort。草が生い茂る海岸の崖斜面、崖面の出っ張りや裂け目に生える。
 2年草または短命の多年草。茎は単生。葉は全縁~粗い歯状鋸歯縁。下部の葉はほとんどが短く、葉身は基部が明瞭な心形または矛形ではなく、ほとんどに、多少、密なくも毛または羊毛状の綿毛がある。頭花は茎頂の偽散形花序に、典型的には6個以上つき、非常にまれに単生する。花期は4~6月。

4 Tephroseris kawakamii (Makino) Holub ミヤマオグルマ 深山小車
 日本(北海道)、ロシア原産。高山の草地や礫地に生える。
 多年草、高さ15~30㎝。茎や葉に白色のクモ毛状綿毛がある。根生葉は葉柄があり、葉柄に翼がある。葉身は長楕円形、長さ6~10㎝、縁には不揃いな鋸歯がある。茎葉は葉柄が無く、広倒披針形、基部は茎を抱き、縁に粗い鋸歯がある。散房花序に頭花が3~7個つく。頭花は直径2~3㎝。舌状小花は雌性、7~8個、1列につき、舌部は黄色、長さ0.9~1.2㎝。中心小花は両性、黄色~橙色。総苞は緑色。冠毛は白色。

5 Tephroseris palustris (L.) Rchb. ミズオグルマ 水小車
  synonym Senecio arcticus Rupr.
 北半球(グリーンランドとヨーロッパ北西部のほとんどを除く)に広く分布。中国名は湿生狗舌草 shi sheng gou she cao。標高600~1000mの湿った場所に生える。
 2年草または1年草、多数のひげ根がある。茎は単生、直立し、高さ20~60㎝、中空、上部に腺毛があり、葉がつく。根生葉は有柄で、花字までに枯れる。下部の茎葉は有柄。 中部の茎葉は無柄、長円形または楕円状披針形または披針状線形、長さ5~15㎝×幅0.7~1.8㎝、紙質、両面に腺毛があり、まれに無毛、基部はほぼ抱茎、縁は粗い波状鋸歯~縁がわずかに波状の歯があるかまたはまれに全縁、 先は鈍形。 頭花は放射状頭花、少数~多数が密~緩い頂生の散房花序につく。花序柄は密に腺毛がある。総苞は鐘形、長さ5~7㎜×幅5~7㎜、副萼は無い。総苞片は18~20個、緑色、披針形、草質、縁は膜質、まばらに腺があり、先は尖鋭形。周辺小花は20~25個、花冠筒部は長さ3~3.5㎜、小舌は薄黄色、楕円状長円形、約・長さ5.5㎜×幅2.5㎜、先が鈍形、2または3歯があるかまたは全縁。中心小花は多数、花冠は黄色、長さ約5㎜、長さ約2.5㎜の筒部と漏斗状の拡大部をもち、裂片は卵状披針形、先が鋭形、パピラがある。葯は長さ約1.2㎜、基部は鈍形、付属体は卵状披針形。痩果は円筒形、長さ約2.5㎜、無毛。冠毛は多数、白色、花時に長さ3~3.5㎜、果時には長さ12 ~13㎜。花期は6~8月。

6 Tephroseris phaeantha (Nakai) C.Jeffery et Y.L.Chen イワオグルマ 岩小車

  synonym Senecio phaeanthus Nakai
  synonym Senecio birubonensis Kitam.
  synonym Senecio fauriei H.Lév.
  synonym Tephroseris birubonensis (Kitam.) B.Nord.
 朝鮮、中国原産。中国名は长白狗舌草 chang bai gou she cao。標高2000~2500m、岩の多い山の斜面に生える。
 多年草、根茎がある。茎は単生、直立し、亜花茎状、高さ13~45㎝、単純、まばらにくも毛と軟毛があり、花後に±無毛になる。根生葉は花期に存在し、少数~数個あり、ロゼットになる。葉柄は長さ2~6(~8)㎝、密にくも毛と軟毛があり、翼はなく、基部がわずかに広がる。葉身は卵状長円形、長さ6~13㎝×長さ2~4っ㎝、紙質、両面にクモ毛と綿毛状の軟毛があり、やや無毛になり、羽状脈があり、側脈は10~14本、不明瞭、縁は不規則な波状鋸歯または歯があり、歯先は点状、先は円形。 茎葉は少数、上部で次第に小さくなる。下部と中部の茎葉は長円形、披針形、翼のある葉柄があるかまたは無柄、まばらにくも毛があり、腺毛があり、縁の下部は全縁または歯先の点状の鋸歯があり、先は鈍形~鋭形または尖鋭形。頭花は直径1.8~2.5㎝、2~6(~8)個が頂生の散形状の散房花序につく。花序柄は長さ1.5~4(~6)㎝、まばらにくも毛があり、密に腺のある黄褐色の毛があり、基部に苞があり、小苞はない。総苞は鐘形、長さ7~8㎜×幅7~9mm、副萼はない。総苞片は18~20個、披針形、幅約1㎜、草質、紫色、上部の縁に腺のある縁毛があり、まばらにくも毛と綿毛状の微軟毛があり、無毛になり、縁は狭く薄膜質になり、先は鋭形~尖鋭形。周辺小花は約13個、花冠の筒部は長さ2.5~3㎜、小舌は黄色、長円形、約・長さ11㎜×幅2~2.5mm、4脈があり、先に3歯がある。中心小花は多数、花冠は黄色で裂片は紫色を帯びた暗灰色であり、長さ約6.5㎜、筒部は長さ2.5~3㎜、拡大部は漏斗形、裂片は卵状披針形、長さ約1.2mm、先が鋭形、パピラがある。葯は長さ約2㎜、基部は鈍形、付属体は卵状披針形。花柱の枝は長さ約1㎜。痩果は円筒形、長さ3~3.5㎜、まばらに毛があり~ほぼ無毛。冠毛は白色、長さ約6㎜。花期は7月~8月。

7 Tephroseris pierotii (Miq.) Holub サワオグルマ 沢小車

 日本(本州、四国、九州、沖縄)、中国原産。中国名浙江狗舌草 zhe jiang gou she cao 。日当たりのよい湿地に生える。
 多年草。高さ50~80㎝。茎は直立し、中空。全体にまばらにくも毛がある。茎葉は長さ10~20㎝、幅3~5㎝の卵状披針形、基部は茎を抱き、先が尖る。根生葉はへら状披針形、長柄がある。頭花は直径3~5㎝、茎頂に散房状に多数つく。総苞は長さ7~8.5㎜、幅10~14㎜の鐘形。総苞片は20~22個、幅約1㎜。舌状花は20~25個つき、筒状花は多数。痩果は長さ2.5~3㎜、円柱形、無毛。冠毛は長さ7~9㎜、白色。花期は4~6月(6~7月)。

8 Tephroseris subdentata (Bunge) Holub カワラオグルマ 河原小車

  synonym Senecio pierotii Miq. subsp. subdentatus (Bunge) Kitag.
 朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は尖齿狗舌草 jian chi gou she cao
 高さ20~60㎝。葉柄が長さ2~13㎝。葉はへら形~線状へら形~倒披針形、縁は全縁~ほぼ全縁。総苞片は18~20個、無毛。頭花は直径1.5~2㎝、黄色。周辺小花の小舌は長さ6~7㎜。花期6~7月。

9 Tephroseris taitoensis (Hayata) Holub シマコウリンカ
 台湾原産。中国名は台东狗舌草 tai dong gou she cao。湿地に生える。
 多年草、根茎がある。茎は単生、直立し、高さ 30~60㎝、単純、まばらにクモ形から無毛下。 根元の葉はほとんどなく、通常は花期に存在し、ロゼットになる。葉柄は長さ3~6㎝、翼があり、基部が広がる。葉身は卵状長円形または広長円形、長さ9~15㎝×幅4.5~6.5㎝、薄い紙質、無毛、基部はくさび形~漸尖し葉柄があり、縁は不規則な波状歯~ほぼ全縁、先は鈍形~円形、尖頭形。茎葉は少なく、上部で次第に小さくなる。下部の葉は短い葉柄があり、長円形または倒披針状長円形、基部はほぼ抱茎。上部の葉は無柄、卵状披針形または披針形、縁はわずかに歯があるかまたは全縁、先は鈍形~ほぼ鋭形。最上部の葉は小さく、苞状。頭花は直径2.5~3㎝、8~12個が頂生の亜散形状の単純または複合の散房花序につく。花序柄は長さ1.5~4㎝、細く、軟毛があり、基部に苞があり、小苞は無い。苞は線状錐形。総苞は鐘形、長さ6~7㎜×幅6~8㎜、副萼はない。総苞片は20~22個、披針形または線状披針形、幅0.8~1㎜、草質、縁は膜質で、縁は無毛、先は尖鋭形。周辺小花13~15個、花冠筒部は長さ約7㎜、小舌は黄色、約・長さ12㎜×幅2.5㎜、4脈があり、先に 3歯があり、鈍形。中心小花は花冠が黄色、長さ11~12㎜、筒部は8~8.5㎜、漏斗状の拡大部があり、裂片は卵状長円形、長さ約1㎜、先が鋭形、パピラがある。葯は長さ約1.5㎜、基部は鈍形、付属体は卵状披針形。花柱の枝は長さ約0.5㎜。痩果は円筒形、長さ2~2.5㎜、無毛。冠毛は白色、長さ10~11㎜。花期は3~4月。

10 Tephroseris takedana (Kitam.) Holub タカネコウリンカ 高峰紅輪花

  synonym Senecio takedanus Kitam
 日本固有種(中部地方の高山)。礫地や草地に生える。
 多年草、高さ20~40㎝。全体が薄くクモ毛で被われる。根生葉は長い葉柄があり、卵状へら形、長さ2.5~6㎝、先は鈍形、縁には細かい鋸歯がある。茎葉は互生し、長楕円形、縁に細かい鋸歯があり、基部は茎を抱く。茎の上部の散房花序に頭花が4~10個、密につく。頭花は直径2~2.5㎝。舌状小花は雌性、10数個つき、1列、舌部は橙黄色、短く長さ約1㎝、普通、頭花に垂直に近い角度につき、開出しない。中心小花は筒状、両性、橙赤色、外側から中心に向かって咲く。総苞は暗紫色~黒紫色、筒形、長さ0.7~1㎝。総苞の基部に線状の長い小苞が1個ある[小苞とすると属の解説に合わない]。 痩果は円筒形、長さ約4㎜、縦にうねがある。

参考

1) Flora of China
 Tephroseris
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=132452
2) GRIN
 Tephroseris
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=18814
3)Flora of Nort America
 Tephroseris
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=113620
4) Kewscience
 Tephroseris
http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:11255-1
5)植物学研究雑誌 72(2): 125-125(1997)
 キオン属を細分する場合の学名
http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_072_125_125.pdf