コナラ 小楢

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Flora of Mikawa

ブナ科 Fagaceae コナラ属

別 名 ナラ
英 名 jolcham oak
中国名 枹栎 bao li
学 名 Quercus serrata Thunb.
コナラ花序
コナラ蕾
コナラ花
コナラ未熟実
コナラ完熟実
コナラ幹
コナラ
コナラ葉
コナラ葉裏
コナラ紅葉
花 期 4~5月
果 期 翌年10~11月
高 さ 10~20m
生活型 落葉高木
生育場所 山野の向陽地
分 布 在来種  北海道、本州、四国、九州、朝鮮、中国、ロシア、インド
撮 影 新城市  07.11.9
里山を代表する落葉樹の一つ。葉は互生し、長さ約5~15㎝、幅約5㎝の倒卵形。葉の縁に鋭くとがった鋸歯があり、長さ約1㎝の柄がつく。葉表は初め絹毛が生え、次第に取れてなくなる。葉裏は灰緑色、伏した軟毛と小さな星状毛がある。雌雄同株。葉の展開と同時に開花。花はひも状の花序が垂れ下がってつく。堅果は長さ1.7~2㎝の長楕円形。殻斗は長さ0.5~0.8㎜の浅い杯状。紅葉は黄色~赤褐色、褐色になってきれいに紅葉しないものも多い。2n=24
 里山の他の落葉樹の代表であるアベマキクヌギは葉が大きく、縁に刺がある。

コナラ属

  family Fagaceae - genus Quercus

 高木またはときに低木、常緑または落葉。幹の樹皮は縦に深く裂けまたは剥がれる。冬芽は、卵状球径、卵状円錐形、またはまれに卵状楕円体。芽鱗は少数~多数、覆瓦状につく。葉は螺旋状につく。托葉は葉柄外托葉(extrapetiolar:托葉が葉柄に向かってではなく、外側に向かってつく)。雄花序は垂れ下がり、小枝の基部の葉腋に単生するか、側生または亜頂生のシュートの上に円錐花序状に束生する。花は単生で、花序軸に散生する。花被は萼状(calyciform)、4~7裂またはそれ以上分裂する。雄しべは4~7本以下、花糸は細い。仮雄しべは小さい。雌花序は小枝の先の葉腋につき、少数~多数の殻斗(cupule)をつけ、花は単生。花被は5または6裂、仮雄しべはときにあり、小さい。子房は(2~)3(~4)室。柱頭は広がりまたは舌状になり、花柱の内面につく。殻斗は単生。苞(殻斗を覆う)は覆瓦状につく、鱗状、線形、または円錐形、密着(adherent)、平伏(prostrate)、または下屈(reflexed)する。堅果は殻斗ごとに1個。発芽は地下性(hypogeal)。
 世界に約300種あり、北アフリカ、アジア、ヨーロッパ、北アメリカ、南アメリカ(コロンビア)に分布する。

コナラ属の主な種と園芸品種

1 Quercus acuta Thunb. アカガシ 赤樫
  synonym Quercus acuta Thunb. var. megaphylla (Hayashi)
  synonym Quercus acuta Thunb. var. yanagitae Makino
 本州(宮城県、新潟県以南)、四国、九州、沖縄、朝鮮、済州島に分布する。英名はJapanese evergreen oak。別名はオオガシ。材は緻密で硬く、淡紅褐色であることからアカガシと名づけられている。山地に生える。
 常緑高木。高さ10~20m。幹は大きいもので直径80㎝のもなり、樹皮は灰黒色、老木では割れ目が入る。葉は互生し、長さ7~15㎝の惰円形、やや硬い革質、普通、全縁、まれに葉先だけにごく浅い波状の鋸歯がある。はじめは葉の両面に褐色の軟毛が密生するが、後に無毛となる。葉表はやや光沢があり、中脈は凹入でなく、最も低く、葉裏は淡緑色、ほぼ平行な側脈が目だつ。葉柄が2~4㎝と長い。雌雄同株。雄花序は長さ6~12㎝で垂れ下がり、白毛が密生する。雄花は花披が膜質、5~6裂し、雄しべは5~6個つく。雌花序は上部の枝先に直立し、花が5~6個つき、褐色の毛が密生する。花柱は3個、さじ形。堅果は長さ1~2㎝の長卵円形。殻斗には約10本前後の横縞があり、褐色の軟毛がある。花期は5~6月。果期は翌年10~11月。
1-1 Quercus acuta Thunb. f. acutiformis (Nakai) H.Ohashi ヒロハアカガシ 広葉赤樫
  synonym Quercus acuta Thunb. var. acutiformis Nakai
 別名はアツバアカガシ、 ノコバアカガシ。
 ヒロハアカガシは葉によく特徴あり、小形、厚質、有鈍鋸歯、葉身の基部が鈍形~円形であること。アカガシの分布域に散見される(Journal of Japanese Botany Vol. 81 No. 4 250-252 2006)。
1-2 Quercus acuta Thunb. f. lanceolata Hatus. ヤナギアカガシ 柳赤樫
 葉の幅が狭いもの。

2 Quercus acutissima Carruth. クヌギ 橡、椚
 本州(山形県以南)、四国、九州、朝鮮、中国、インド、ブータン、ネパール、カンボジア、ミャンマー、タイ、ベトナム原産。中国名は麻栎 ma li。英名はSawtooth Oak 。英名はsawtooth oak。山野の向陽地に生える。
 落葉高木。高さ10~15(30)m。幹は灰褐色、不規則に割れ目が入る。葉は互生し、長さ8~19 、幅2~6㎝の長楕円状披針形、葉先が鋭く尖り、基部は楔形~円形。葉脈が目立ち、側脈は13~18対。葉表は初め軟毛があり、後に無毛。葉裏は淡緑色、黄褐色の毛があるが、脱落しやすい。葉縁にやや深い波状の鋸歯があり、鋸歯の先端に長さ2~3㎜の針状の長い刺がある。葉柄は長さ1~3(5)㎝。葉の展開と同時に開花。雌雄同株。雄花序は長さ約10㎝のひも状、垂れ下がってつく。雄花は花被片が直径約2.5㎜、雄しべ3~6個。雌花は葉腋につき、花柱3個。堅果を包む殻斗(がくと)は線形の鱗片が密生する。鱗片が委縮することもある。堅果は長さ1.5~2㎝、幅1.7~2.2㎝、球形に近い楕円形、翌年の秋に熟す。2n=24。花期は4~5月。
品種) 'Gobbler'

3 Quercus alba L. ホワイトオーク 
 カナダ、USA原産。英名はWhite oak , eastern white oak。
 落葉高木。高さ25m以下。樹皮は薄灰色、鱗片状。小枝は緑色または帯赤色、灰色になり、直径2~3(~4)㎜、初めかがあり、すぐに無毛になる。芽は暗赤褐色、卵形、長さ約3㎜、先は鈍形、無毛。葉柄は長さ(4~)10~25(~30)㎜。葉身は倒卵形~狭楕円形~狭倒卵形、長さ(79~)120~180(~230)㎜×幅(40~)70~110(~165)㎜、基部は狭いくさび形~鋭形、縁は中裂~深裂し、裂片はしばしば狭くなり、上部は円く、切れ込みは中肋までの距離の1/3~7/8の深さ、二次脈はアーチ状、散開し、​各側に(3~)5~7本、先は広円形または卵形、下面は薄緑色で、帯白色または帯赤色の直立毛が多数あり、葉が広がるにつれてこれらはすぐに脱落し、上面は薄灰緑色、鈍くまたは光沢がある。どんぐり(acorns)は1~3個つき、花序柄はほぼ無くまたは有り、長さ25(~50)mm。殻斗(cup)は半球形、件かの1/4を包み、鱗は密に圧着し、細かい帯灰色の綿毛がある。堅果は薄褐色、卵状楕円形または長円形、長さ(12~)15~21(~25)㎜×幅9~18㎜、無毛。子葉は明瞭。2n=24。花期は春。
品種) 'Brush Creek' , 'Clara' , 'Elongata' , 'Gatton Grave' , 'Laura' , 'Lincoln'

4 Quercus aliena Blume ナラガシワ 楢柏
  synonym Quercus aliena Blume var. acutiserrata Maxim. ex Wenz.
  synonym Quercus aliena Blume var. acutidentata Maxim. ex Shirai
 日本(本州の岩手県・秋田県以南、四国、九州)、朝鮮、中国原産。中国名は槲栎 hu li。英名はgalcham oak , oriental white oak。
  落葉高木。高さ30m以下。小枝は灰褐色、無毛になり、皮目がある。皮目は帯褐色、円形。葉柄は長さ1~1.3㎝、無毛。葉身は狭楕円状倒卵形~倒卵形、長さ(5~)10~20(~30)㎝×幅5~14(~16)㎝、基部はくさび形~円形、先はわずかに鈍形~短い尖鋭形、中脈の各側にある二次脈は10~15本。 雌花序は若いシュートの上に腋生する。殻斗は単生または2~3個、束生し、堅果の約1/2を包む。苞は卵状披針形、長さ約2㎜、密集し、帯灰色の毛がある。堅果は楕円形~卵形、長さ1.7~2.5㎝×幅1.3~1.8㎝、瘢痕(はんこん:scar)はわずかに隆起し、柱下体(stylopodium:果実に残る花柱の下部)は直径約1㎜。花期は3~5月。果期は9~11月。
4-1 Quercus aliena Blume f. pellucida (Blume) Sugim. アオナラガシワ 
  synonym Quercus aliena Blume var. pellucida Blume
  synonym Quercus aliena Blume var. pekingensis Schottky
 葉裏がほぼ無毛で緑色のもの。

5 Quercus bicolor Willd. スワンプホワイトオーク
 カナダ、USA原産。英名はswamp white oak。低湿地の林内、湿った斜面、水はけの悪い高地に生える。
 落葉高木、高さ30mまで。樹皮は暗灰色、鱗片状または平らなうねがある。小枝は淡褐色~黄褐色、直径2~3(~4)㎜、無毛。芽は淡褐色~暗褐色、球形~卵形、長さ2~3㎜、無毛。葉柄は長さ(4~)10~25(~30)㎜。葉身は倒卵形~狭楕円形又は狭倒卵形、長さ(79~)120~180(~215)㎜×幅(40-)70~110(~160)㎜、基部は狭くさび形~鋭形、縁は規則的な鋸歯があるか又は全縁で上部の1/2だけに鋸歯があるか、または中程度から深く分裂し、またはときに下部に裂片があって上部に歯があり、二次脈はアーチ状で、散開し、各側に(3~)5~7本あり、葉先は広円形~卵形、下面は薄緑色または帯白色、微細で平らな、伏した星状毛と、直立した1~4本の放射状の毛があり、手触りはビロード状。葉の上面は暗緑色で、光沢があり、無毛。ドングリは長さ1~3(~5)㎜、細い腋生の花序柄は長さ(20~)40~70㎜。殻斗は半球形またはこま形、深さ10~15㎜×幅15~25㎜、堅果の1/2~3/4を囲み、鱗片は密につき圧着し、細かい帯灰色の綿毛があり、殻斗の縁近くのものはしばしば短く、頑丈で、不規則に反り返り、ときに、いぼ状突起から出る枝分かれした刺状の芒がある。堅果は薄褐色、卵状楕円形または長円形、長さ(12~)15~21(~25)㎜×幅9~18㎜、無毛。子葉が明瞭。2n=24。花期は春。

6 Quercus buckleyi Nixon & Dorr テキサスレッドオーク
 USA(オクラホマ州、テキサス州)原産。英名はTexas red oak , Buckley's oak。石灰岩の山地の尾根と斜面、河底、ときに大きな川沿いに生える。
 落葉高木、高さ15mまで。樹皮は灰色で滑らか、または黒色でうねがある。小枝は灰褐色~赤褐色、まれにやや黄色または灰色、直径1.5~3㎜、無毛。頂芽は灰褐色~赤褐色、卵形~ほぼ紡錘形、長さ(2.5~)3~7㎜、上部の1/2の鱗片は明瞭な縁毛を持つ。葉柄は長さ20~45mm、無毛。葉身は円形または広楕円形~倒卵形、長さ55~100㎜×幅51~112㎜、基部は楔形~切形、しばしば不等辺、縁には 7~9 個の裂片と 12~35 個の芒があり、裂片は長円形~上部が広がり、先は鋭形~尖鋭形、下面は薄緑色または銅緑色で、無毛または脈腋に綿毛の房があり、上面は光沢または艶があり、無毛で、両面に脈が隆起する。堅果は隔年。殻斗は盃形~杯形、まれに受け皿形、高さ5~ 11.5㎜×幅10~18㎜、堅果の1/3 ~ 1/2個を覆い、外面は無毛からまばらに微軟毛があり、内面は瘢痕の周囲の少数の毛を除いて無毛、鱗片は鋭形、長さ4㎜ 未満、特にカップの底にいぼ状突起があり、先はつぶれている。堅果は広卵形~広楕円形、まれに長円形、長さ12~18.5㎜×幅8~14㎜、ときに頂部にかすかな穴の輪があり、無毛またはまばらに微軟毛があり、瘢痕は直径3.5~8㎜。花期は春。
品種) 'Dazzling Red'

7 Quercus canariensis Willd.  アルジェリアオーク
 ポルトガル、スペイン、アルジェリア、モロッコ、チュニジア原産。英名はMirbeck's oak , zean oak , Tash't oak。
品種) 'Latifolia'

8 Quercus castaneifolia C.A.Mey.  コーカサスクヌギ
 イラン、トランスコーカサス原産。英名はchestnut-leaved oak。
品種) 'Green Spire'

9 Quercus cerris L.  トルコカシ
 ヨーロッパ、トルコ、レバノン・シリア原産。英名はTurkey oak , austrian oak tree。
 落葉高木、高さ40mになり、よく発達した根を持ち、幹は直径1.5~2m。樹齢120~150年。樹皮は藤色がかった灰色、深いしわがあり、樹皮の裂け目は赤褐色またはオレンジ色。無柄のオーク (Quercus petraea) や有茎のオーク (Quercus robur)と比べ、木材は劣り、型枠や燃料などだけに使われる。葉の上面は濃緑色下面はフェルト状、大きさや形は様々だが、普通、長さ9~12㎝×幅3~5㎝、7~9対の三角形の裂片がある。葉は晩秋に黄色~黄金色に変わり、落葉するか、または次の春まで樹冠を宿存する。とくに、若い木で残る。小枝は長く、毛があり、灰色またはオリーブグリーン、皮目がある。芽は小枝の先端に固まってつき、卵形で毛があり、普通、それらは長くねじれた毛に囲まれる。花期は4~5月、雌雄異株で、風によって受粉する。果実は大きなどんぐり(acorn)で無柄、長さ2~3.5(5)㎝×幅約2㎝。殻斗は密に剛毛で覆われる。どんぐりは2年かけて成熟するが、収穫量は豊富で、発芽しやすく、繁殖も容易である。
品種) 'Afyon Lace' , 'Ambrozyana' , 'Argenteovariegata' (v) , 'Athena' , 'Bolte's Obelisk' , 'Curly Head'PBR , Laciniata Group , 'Marmor Star' , 'Marmorata' , Marvellous ('Mve 281968'PBR) , 'Mve 281968'PBR , 'Summer Veil'PBR , 'Variegata' , 'Wodan'

10 Quercus championii Benth. ツリガネガシ 
  synonym Cyclobalanopsis championii (Benth.) Oerst. [Flora of China]
 中国、台湾原産。中国名は岭南青冈 ling nan qing gang。

11 Quercus coccinea Muenchh. スカーレットオーク
 USA東部~中部原産。英名はscarlet oak。
 落葉高木、高さ30m以下。幹の下部に枯れた枝の残り(stubs)がない。樹皮は暗灰色~暗褐色、不規則に裂け、鱗状の隆起をもち、内側の樹皮はオレンジ色がかったピンク色。小枝は赤褐色、直径(1~)2~3.5㎜、無毛。頂芽は暗赤褐色、円錐形~卵形、長さ4~7㎜、断面が明瞭な5角形で、普通、中央から上部に銀色または黄褐色の毛がある。葉柄は長さ25~60㎜、無毛。葉身は楕円形~卵形~倒卵形、長さ70~160㎜×幅80~130㎜、基部は鈍形~切形、縁は5~9個の深い裂片と18~50本の芒があり、裂片は先で広がり、切れ込みは普通、中肋までの1/2以上の深さになり、先は鋭形、下面は綿毛の小さな腋毛を除いて無毛、上面は光沢があり、薄緑色、無毛、二次脈は両面に隆起する。どんぐり(acorns)は2年生。殻斗(cup)はこま形~半球形、高さ7-13mm×幅16.5~31.5mm、堅果の1/3~1/2を覆い、外面は薄~暗赤褐色、光沢があり、無毛~微軟毛があり、内面は薄褐色、無毛、たまに痕の周りに毛の輪があり、鱗はしばしば疣状突起になり、基部は広く、光沢があり、縁は強く凹み、先端はしっかりつぶれ、鋭形~漸尖形。堅果は長円形~ほぼ球形、長さ12~22㎜×幅10~21㎜、無毛、先に細かい穴の輪が1つ以上のあり、瘢痕(はんこん:scar)は直径6.5~13.5mm。2n=24。花期は春。
品種) 'Campanile' , 'Knaphill Scarlet' , 'Splendens'

12 Quercus crassifolia Bonpl. レザーリーフ・メキシカンオーク
 メキシコ、グアテマラ原産。英名はLeather Leaf Mexican Oak。山岳地帯に広く生育し、典型的には標高 600~3,000mの石の多い場所の松や樫の森に豊富に生える。この木は、食物、薬、および木材として地元で使用するために、野生のものが収穫される。
 不規則な習性を持ち、高さ2~3mの落葉性から半落葉性の低木、または高さ30mまで成長する常緑高木。幹は直径50~100㎝までになる。樹皮は灰色~褐色、垂直に裂ける。葉は光沢のある濃緑色、長円形~楕円形、長さ16㎝×幅10㎝・以下、浅い裂片が5対以下ある。雄花は黄緑色の尾状花序、長さ約10㎝。どんぐりは約・長さ2㎝×幅1㎝、卵形。殻斗は半円形。
品種) 'Flamingo'

13 Quercus crispula Blume  ミズナラ 水楢
 北海道、本州、四国、九州、サハリンに分布。別名はオオナラ。和名の由来は木に水分が多いことから。ブナと混生することが多く、落葉広葉樹林の主要構成樹の一つである。
 落葉高木。高さ20~30m。樹皮は鱗状にはがれ、遠目からはマツの樹皮のようにも見えることがある。老木になると縦に深い割れ目が入る。葉は互生し、葉は倒卵形、長さ9~23cm×幅5~16cm、基部は漸尖し、先は短い尖鋭形、縁は粗く、鋭い鋸歯があり、鋸歯の先は前向きにやや傾き、上面は無毛で、裏面は細かい毛が生える。雌雄同株。果実は長楕円形の堅果で、殻斗の鱗片は瓦状に重なる。堅果は楕円形、長さ2~3cm×直径1.2~1.5cm。殻斗は椀形、覆瓦状に鱗片が密につく。果実はその年の秋、茶色に熟す。花期は5~6月。
13-1 Quercus crispula Blume var. crispula ミズナラ 水楢

  synonym Quercus mongolica Fisch. ex Ledeb. var. grosseserrata (Blume) Rehder et E.H.Wilson

  synonym Quercus mongolica Fisch. ex Ledeb. var. crispula (Blume) H.Ohashi

  synonym Quercus mongolica Fisch. ex Ledeb. subsp. grosseserrata (Blume) Sugim.

  synonym Quercus mongolica Fisch. ex Ledeb. subsp. crispula (Blume) Menitsky

  synonym Quercus mongolica Fisch. ex Ledeb. f. macrocarpa (Nakai) Kitam. et T.Horik.

  synonym Quercus mongolica Fisch. ex Ledeb. f. lomgifolia (Nakai) Kitam. et T.Horik.

  synonym Quercus grosseserrata Blume

  synonym Quercus crispula Blume f. longifolia (Nakai) M.Kikuchi

13-2 Quercus crispula Blume var. horikawae H.Ohba ミヤマナラ 深山楢

  synonym Quercus mongolica Fisch. ex Ledeb. var. undulatifolia Kitam. et T.Horik., excl. basion.

 ミズナラの高山型、這うようにして広がり、低いもの。葉は長さ6~9㎝の長楕円形~倒卵形。堅果は直径約1㎝と小さい。

14 Quercus dentata Thunb. カシワ 柏
  synonym Quercus dentata Thunb. f. grandifolia (Koidz.) Kitag.
  synonym Quercus dentata Thunb. f. erectisquamosa (Nakai) Hayashi
  synonym Quercus dentata Thunb. f. angustifolia (T.Ito) Hayashi
 北海道、本州、四国、九州、朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は柞栎 hu shu。英名はdaimyo oak , Japanese emperor oak。別名はホソバガシワ、タチガシワ、オオガシワカシワギ、モチガシ。葉が柏餅に使われ、庭によく植えられている。枯れた葉が残るので縁起が良いとされ、神社に植えられていることも多い。山野の礫地、海岸に生える。
 落葉高木。高さ10~15m。樹幹は直立し、よく分枝する。幹は灰褐色~黒褐色、樹皮に不規則な深い割れ目ができる。枝は灰褐色の短毛と星状毛が密生し、円い皮目が散生し、縦に溝がある。葉は互生し、長さ12~32㎝、幅6~18㎝の倒卵状長楕円形、浅い波状の大きな鋸歯があり、先は鈍頭、基部は次第に狭くなり、末端は急に終わり、やや耳状に張り出す。葉柄は長さ2~5㎜、密に灰褐色の毛がある。葉表は初め短毛、星状毛があるが後に無毛、葉裏は灰褐色の短毛と星状毛が密生する。側脈は4~10対。秋に葉が枯れても、新芽が出るまで、落葉しない。托葉は長さ1.4~1.8㎝の線形、早落性。雌雄同株。葉の展開と同時に開花する。雄花序は新枝の下部につき、長さ10~15㎝、雄花は花被が膜質、直径約2㎜、深裂する。雌花は新枝の葉腋に5~6個、固まってつき、花柱は3個。堅果は長さ1.5~2.3㎝幅1.2~1.5㎝の卵球形。殻斗は鱗片が線形。花期は5~6月。
品種) 'Adelaide' , 'C.F. Miller' , 'Carl Ferris Miller' , 'Kogane Fuji' , 'Pinnatifida' , 'Pinnatifida' , 'Sir Harold Hillier'

14-1 Quercus dentata Thunb. f. laciniata (Makino) Kitam. et T.Horik. クジャクガシワ 孔雀柏  カシワの園芸品種。葉が羽状深裂し、裂片が羽状浅裂する。

14-2 Quercus dentata Thunb. f. pinnatifida (Franch. et Sav.) Rehder ハゴロモガシワ 羽衣柏

 カシワの園芸品種。葉が羽状深裂する。

14-3 Quercus dentata Thunb. f. pinnatiloba (Makino) Kitam. et T.Horik. ホウオウガシワ 鳳凰柏

 カシワの園芸品種。葉が羽状中裂する。

15 Quercus ellipsoidalis E.J.Hill  カナダピンオーク
 北アメリカ原産。英名はnorthern pin oak , hill's oak , jack oak。乾燥した砂地、まれに、中等度の中湿性の斜面や高地に生える。
 落葉高木、高さ20mまで。幹の下部にはしばしば枯れ枝の残りがある。樹皮は暗灰褐色、浅い裂け目があり、内側の樹皮はオレンジ色。小枝は暗赤褐色、直径(1~)1.5~3㎜、無毛。頂芽は暗赤褐色、卵形、長さ3~5mm、断面がしばしば明瞭な5角形で、普通、先に銀色または黄褐色の軟毛がある。葉柄は長さ20~50㎜、無毛。葉身は楕円形、長さ70~130㎜×幅50~100㎜、基部は鈍形~切形、縁には5~7個の深い裂片と15~55個の芒があり、裂片は上部で広がり、湾入は普通、中肋までの1/2の距離以上に伸び、先は鋭形、下面は、脈腋に微細な綿毛の房以外は無毛、上面は光沢のある薄緑色、無毛、両面に隆起した二次脈がある。どんぐりは隔年。殻斗は狭いこま形~深い椀形、高さ6~11㎜×幅10~19㎜、堅果の1/3~1/2を覆い、外面は赤褐色、微軟毛があり、内面は淡褐色、無毛、まれに瘢痕の周りに輪状に軟毛があり、鱗片は縁がまっすぐまたはわずかに凹み、先はしっかりつぶれ、鈍形または鋭形。堅果は楕円形~卵形、まれにほぼ球形、長さ10~20㎜×幅9~15㎜、ときに条線があり、無毛、ときに先に1つ以上のかすかな輪状の細かい穴があり、瘢痕は直径4~8㎜。花期は春。
品種) First Editions® Majestic Skies™ , 'Hemelrijk'

16 Quercus fabrei Hance カラカシワナラ 唐柏楢
  synonym Quercus fabri Hance
 朝鮮、中国原産。中国名は白栎 bai li。

17 Quercus frainetto Ten. ハンガリアンオーク
 アルバニア、ブルガリア、東エーゲ海諸島、ギリシャ、ハンガリー、イタリア、ルーマニア、トルコ、ユーゴスラビア原産。英名はItalian Oak。別名はイタリアンオーク。
 落葉高木、広葉樹の、高さ18~24m。樹冠は最初は卵形で、その後丸みを帯び、若芽は最初は毛があり、その後無毛になる。葉は互生し、単葉、形は様々で、卵形~長円状楕円形、長さ10~18㎝、基部は漸尖し、普通、両側に約7個の裂片があり、狭い湾入がときに中肋にほとんど達することがあり、上面は濃緑色、下面は灰緑色、短毛がある。葉柄は短く、長さ5~10㎜。 どんぐりは2~5個集まってつき、長さ2~2.5㎝、殻斗の3分の1以上が覆われる。
品種) 'Düzce' , 'Forest Green' , 'Hungarian Crown' , 'Meteora' , 'Tortworth' , 'Trump' , 'Ville de Nancy'

18 Quercus gilva Blume イチイガシ 一位樫
  synonym Cyclobalanopsis gilva (Blume) Oerst.
 本州(関東地方以西)、四国、九州、沖縄、済州島、中国、台湾中国名は赤皮青冈 chi pi qing gang。神社に植栽されることが多く、天然記念物に指定されている木も多い。果実は渋味がなく、あく抜きせずに食べることができる。山地に生える。
 常緑高木。高さ10~20m。幹は灰褐色~灰黒色。葉は互生し、革質、長さ6~14㎝、幅2~4㎝の倒披針形、葉先は鋭く尖り、基部は楔形。葉先の上半分に鋭い鋸歯がある。葉表は濃緑色、葉裏は黄褐色の星状毛が密生する。葉柄は長さ1~1.5㎝。雌雄同株。雄花序は新枝の下部に数個、集まって垂れ下がってつき、長さ5~16㎝。雄花序には長さ約3㎜の苞が多数つき、苞に1個ずつ雄花がつく。雄しべは7~10個。雌花序は新枝の上部の葉腋に直立し、数個の雌花がつく。花柱は3個。堅果は長さ1.5~2㎝、幅1.1~1.3㎝の卵形、頭部に星状毛があり、1年目の秋に熟す。殻斗は円錐形で浅く、星状毛がある。花期は4~5月。

19 Quercus glauca Thunb. アラカシ 粗樫
  synonym Quercus glauca Thunb. f. latifolia (Nakai) Hiyama
  synonym Quercus glauca Thunb. var. nudata Blume
  synonym Quercus glauca Thunb. var. kuyuensis J.C.Liao
  synonym Quercus glauca Thunb. f. stenocarpa Honda

  synonym Quercus glauca Thunb. f. elongata (Honda) Sugim. ex Ohwi et Kitag., comb. nud.

  synonym Quercus globosa (Lin et T.S.Liu) J.C.Liao  マルミアラカシ

 本州(宮城県、石川県以西)、四国、九州、沖縄、朝鮮、中国、台湾、インド、ブータン、ネパール、パキスタン、ラオス、ミャンマー、ベトナム、アフガニスタン原産。中国名は青冈 qing gang。英名はring-cup oak, glaucous-leaf oak, Japanese blue oak。シラカシとならび常緑広葉樹のカシの代表であり、カシと呼ばれるとこのアラカシを指すことが多い。山野に生える。
 常緑高木。高さ10~20m。幹は太くなると60㎝ほどになる。樹皮は暗灰色。葉は互生し、長さ7~12㎝、質は硬い革質で、葉の先半分にはっきりした鋸歯があり、表面には光沢がある。葉裏は絹毛が密生し、灰白色。葉柄は長さ1.5~2.5㎝。雌雄同株。雄花序は長さ5~10㎝で垂れ下がる。雌花序は上部の枝先に直立してつく。堅果は長さ1.5~2㎝、卵球形。殻斗には約6本の横縞がある。花期は4~5月。果期は10~11月。
品種) 'Fasciata' ヨコメガシ , 'Lacera' ヒリュウガシ(f. lacera (Blume) Kitam.)

19-1 Quercus glauca Thunb. var. amamiana (Hatus.) Hatus. ex H.Ohba  アマミアラカシ 奄美粗樫


20 Quercus greggii (A.DC.) Trel. メキシカンオーク
 メキシコ原産。英名はMexican oak。
 半常緑低木~小高木、高さ約1.8mまたは6~7.5m、幅3~4.5mに成長する。樹皮は鱗片状、薄灰色、小さな皮目がある。小枝は太い羊毛状の毛で覆われる。葉は円状卵形、長さ3~6㎝x幅2~4㎝、ワックス状になり、普通、毛状突起の密な層で覆われる。雌雄同株。雄の尾状花序は花が約18個つき、長さ3~4.5㎝。雌花序は一般に花が2~4個つき、葉と同様に毛状突起で覆われる。ドングリ(acorn nuts)は、単生、または主枝から伸びる小さな花序柄に束生する。花期は4月頃。
品種) 'La Siberia'

21 Quercus hondae Makino ハナガガシ 葉長樫
 日本固有種。四国(愛媛県、高知県)、九州(宮崎県、鹿児島県、大分県)に分布する。別名はサツマガシ。
 高木、高さ20m以下。雌雄同株。幹はほぼ真直ぐに伸びる。樹皮は暗灰色、規則的なくの字に曲がる浅いひび割れがある。葉は互生し、葉柄は長さ約1cm。葉身は濃緑色、質が硬く、やや厚い革質、長さ7~15㎝×幅1.5~3㎝、基部は漸尖し、縁は葉の上半分にやや鋭い鋸歯があり、先は尖鋭形。新枝の下部から雄花序が垂れ下がる。ドングリは細長い卵形。殻斗は深い杯形。花は風媒花。花期は4~5月、果期は翌年の10~11月。

22 Quercus hypophaea Hayata モンパガシ 
 台湾原産。中国名は绒毛青冈 rong mao qing gang。

23 Quercus ilex L.  セイヨウヒイラギガシ 
 地中海沿岸地域原産。英名は evergreen oak , holly oak , holm oak。別名はホーリーオーク。
 常緑高木(栽培では高さ約25m)。樹皮は荒く、亀裂が入る。シュートと芽は灰色の綿毛があり、取り囲む托葉は無い、葉柄は長さ5~15㎜、灰色の綿毛がある。托葉は錐形。葉身は長さ3~8㎝×幅1.5~3.5㎝普通、卵状長円形または卵状披針形、まれに広楕円形、革質、全縁またはときに小刺状の葉があり(若葉および栄養葉のシュートはしばしば小刺状の葉がある)、上面は輝く濃緑色で無毛、下面は普通、灰色または帯白色の細かい綿毛があり、基部は広くさび形または円形。雄性の尾状花序は長さ1.5~2.5㎝、束生する。花序軸は絨毛がある。苞は密に絹毛がある。花は花序軸に沿って密につく。花被は長さ1~1.5㎜、外側に絨毛がある。雄しべは4~8本。果実は綿毛のある短い花序柄の上に1~3個の稔性の果実がつき、初めの1年で成熟する。殻斗は直径1.3~2㎝、鱗片は圧着し、卵形、細かい綿毛がある。どんぐりはほとんどが長さ1.5~2㎝、卵形、殻斗で1/3~2/3が包まれる。
品種) 'Bicton' , 'Fordii' , 'Maria'PBR

24 Quercus ithaburensis Decne. タルボガシ
 ヨーロッパ南東部、南西アジア原産。英名はMount Tabor oak
 小型~中型の半常緑から遅い落葉性、高さ約15m以下、樹冠は丸みを帯び、しばしば節くれだった幹と枝がある。葉は長さ4~9㎝×幅2~5㎝、楕円形、縁に7~10対の歯 (最も一般的)があるか、またはまれに浅い裂片があり、外巻きし、上面は光沢のある濃緑色、下面は灰色で綿毛がある。雄花は長さ約5㎝の薄緑色の尾状花序につく。雌花は風で受粉し、小さく、長さ0.4㎜以下、短い花序柄に3個つく。花期は自生地ではとんど、3~4月である。どんぐりは普通、長さ5㎝×幅3㎝の楕円形で、どんぐりの約3分の1を殻斗で覆われ、18か月で成熟し、受粉後の2回目の秋に木から落ちます。殻斗は特に殻斗の端に沿って、後向きまたは内向きに巻いた長く硬くて鱗片に緩く覆われる。
24-1 Quercus ithaburensis subsp. macrolepis (Kotschy) Hedge & Yalt.
  synonym Quercus macrolepis Kotschy
 アルバニア、ブルガリア、東エーゲ海諸島、ギリシャ、イタリア、クレタ島、レバノン-シリア、トルコ、ユーゴスラビア原産。英名はValonia oak。
品種) 'Hemelrijk' , 'Hemelrijk Silver'

25 Quercus longinux Hayata ホソバシラカシ 
  synonym Cyclobalanopsis longinux (Hayata) Schottky
 中国、台湾原産。中国名は长果青冈 chang guo qing gang。

26 Quercus lusitanica Lam. ゴールオーク
 ポルトガル、スペイン、モロッコ原産。英名はgall oak , Lusitanian oak , dyer's oak。
品種) 'Serratifolia'

27 Quercus lyrata Walter オーバーカップオーク
 USA原産。英名はovercup oak。底地、低地、湿った森、川沿いの森、湿地の森、定期的に浸水する地域に生える。
 落葉高木、高さ20mまで。樹皮は赤みを帯びた薄灰色で、鱗片の下に厚い板がある。小枝は帯灰色または帯赤色、直径(2~)3(~4)mm、絨毛があり、すぐに無毛になる。芽は長さ3㎜、灰色の微軟毛がある。葉柄は長さ8~20(~25)mm。葉身は倒卵形または広倒卵形、長さ100~160(~200)mm×幅50~100(~120)mm、基部は狭い楔形~鋭形、縁は中裂~深裂し、裂片はやや~鋭角またはへら形、しばしば2~3個の歯があり、ほぼ中肋まで湾入し、二次脈は弓なりで、散開し、両側に(3~)5~7本、先は広円形または卵形、下面は薄緑色またはやや粉白色、綿毛があり、綿毛は宿存または早落性、上面は暗緑色またはくすんだ灰色で、まばらに微軟毛がある~ほぼ無毛。どんぐりは長さ40㎜以下の腋生の花序柄に1~2個つく。殻斗は盃形、いが状、または楕円形、深さ15~20㎜×幅20~30㎜、通常は完全に堅果を包み、頂点だけが見え、まれに堅果の1/2だけを包み、開口部は堅果の直径よりも小さく、しばしば成熟時に不規則に裂ける、鱗片は密に圧着し、特に縁につき、横方向に合着し、広三角形、竜骨にいぼ状突起があり、細かい帯灰色の綿毛がある。堅果は薄褐色または帯灰色、卵状楕円形または長円形、長さ(15~)25~50㎜×幅(10~)20~40mm、細かい微軟毛または羽毛がある。子葉は分離。花期は春。
品種) 'Arnold'

28 Quercus miyagii Koidz. オキナワウラジロガシ 沖縄裏白樫
  synonym Quercus yaeyamensis Koidz.
 日本固有種。南西諸島(奄美大島、徳之島、沖縄島、久米島、石垣島、西表島)に分布する。沢筋など暖かく湿った原生林に生える。別名はヤエヤマガシ、カシギ。
 常緑高木、高さ20m以下、幹の直径は約1mになり、板根がが高さ1m以上に発達する。葉は互生し、葉身は披針形、長さ8~15㎝、縁は目稜に波打ち、先半部に低い鋸歯があり、先端は長い尖鋭形、上面は濃緑色、光沢があり、下面は顕著に白色。雌雄同株。果実は同属中、日本で最大、直径2.5~4㎝、重さ15~20gになる。花は風媒花で花期は1~3月。果期は翌年の10~11月。

29 Quercus mongolica Fisch. ex Ledeb. モンゴリナラ 
 日本、朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は蒙栎 meng gu li 。別名はモウコガシワ。
 落葉高木。高さ30m。小枝は紫褐色、角張った、無毛、レンチセル状。葉柄は長さ2~8㎜、無毛。葉身は倒卵形~狭倒卵形、長さ(5~)7~19(~23)㎝×幅(2~)3~11㎝、脈に毛があり、無毛になり、基部は細い円形~耳があり、縁は両側に (5~)7~10個の波打つ~粗い鋸歯があり、先は切形、短い微突形、または尖頭形、中脈の各側の二次脈は(5~)10~18本、三次脈は下面で細く、明瞭。雌花序は若いシュートの先部で腋生し、長さ0.5~2㎝。殻斗(cupules)は4~5個つくが、普通、1~2個のみ稔性。花被は6裂する。殻斗は円蓋状、長さ0.8~1.5㎝×幅1.2~1.8(~2.8)㎝、堅果の1/3~1/2を包む。殻斗の縁~基部につく苞は三角状卵形、外側は半球形のいぼ状突起があり、まばら~密に灰色の毛がある。殻斗の縁の苞は開出する。堅果は狭卵形、卵形、または卵状楕円体、長さ(1.5~)2~2.4㎝ ×幅(1~)1.3~1.8(~2.3)㎝、先を除いて無毛。瘢痕(scar)は直径5~8(~13)㎜、わずかに隆起する。柱下体(stylopodium)は直径約1㎜。花期は5~6月。果期は9~10月。

29-1 Quercus mongolica Fisch. ex Ledeb. var. liaotungensis (Koidz.) Nakai ハゴロモナラ 

29-2 Quercus mongolica Fisch. ex Ledeb. var. grosseserrata (Blume) Rehder et E.H.Wilson f. laciniata Hayashi ハゴロモミズナラ 異分類


30 Quercus mongolicoides (H.Ohba) Hiroki  フモトミズナラ 麓水楢
  synonym Quercus serrata Murray subsp. mongolicoides H.Ohba
  synonym Quercus crispula Blume var. mongolicoides (H.Ohba) Seriz.
 本州(岩手県、宮城県、福島県、栃木県、山梨県、福井県、愛知県、岐阜県、島根県など)に分布する。モンゴリナラと長い間呼ばれていた木が2006年にフモトミズナラと命名された。東大の大場秀章教授はコナラの亜種として、学名をQuercus serrata Murray subsp. mongolicoides H.Ohba とした。これに異論を出し、愛知教育大の芹沢俊介教授はフモトミズナラをミズナラの変種として命名し、 学名はQuercus crispula Blume var. mongolicoides (H.Ohba) Seriz. としている。
 落葉高木。高さ10~15m。幹はコナラとよく似ている。昭和の森のものはコブが多い。葉は互生し、葉の形はミズナラやカシワに似ているが、葉裏は無毛。果実は楕円形の堅果で、ミズナラよりずんぐりしており、頭が凹んでいる。殻斗はミズナラと似ている。三河に分布するモンゴリナラはモンゴル等の大陸産のものと同じではなく、ミズナラから分化したものとか、コナラとカシワの交雑種であるとか、諸説ある。葉の側脈、鋸歯の形、葉の大きさなどがミズナラよりも大陸系のモンゴリナラに近く、堅果の形もミズナラと明瞭に違う。これらからモンゴリナラに近いとの見解もあり、モンゴリナラと呼ばれてきたものである。花期は4~5月。

31 Quercus morii Hayata  タイワンアカガシ 

  synonym Cyclobalanopsis morii (Hayata) Schottky [Flora of China] Flora of China

 台湾原産。中国名は台湾青冈 tai wan qing gang。英名はMori oak. Red oak

32 Quercus muehlenbergii Engelm. チンカピンオーク
 カナダ、USA、メキシコ原産。英名はchinkapin oak , chinquapin oak , yellow chestnut oak。混交落葉樹林、森林地帯、雑木林、ときに、斜面や河岸の生息地に限られ、石灰岩と石灰質の土壌、まれに他の基質上に生える。
 落葉高木、中型~大型、高さ30mまで、乾燥した場所では時折大きな低木(高さ約3m)になる。樹皮は灰色、薄く、薄片状~紙状。小枝は帯褐色、直径1.5~3(~4)㎜、まばらに細い毛があり、すぐに無毛になり、2年で灰色になる。つぼみは褐色~赤褐色、ほぼ円形~広卵形、長さ20~40㎜×幅(10~)15~25㎜、先は丸みを帯び、まばらに毛がある。葉柄は長さ(7~)10~30(~37)㎜。葉身は普通、倒卵形、ときに披針形~倒披針形、長さ(32~)50~150(~210)㎜×幅(10~)40~80(~106)㎜、革質、基部は切形~楔形、縁は規則的に波打ち、鋸歯があるか浅い裂片があり、歯または裂片は円形または鋭形~尖鋭形、しばしば強く前傾しており、二次脈は通常、両側に (9~)10~14(~16)本、ほぼ平行、先は短い鋭形~尖鋭形または尖頭形、下面は粉白色または薄緑色、ほぼ無毛に見えるが、散在または密に微細な伏した、左右対称の6~10本の放射状の星状毛があり、上面は光沢のある暗緑色で、無毛。ドングリは1~2個、ほぼ無柄または腋生の花序柄上につき、長さ8㎜以下。殻斗は半球形または浅い杯形、深さ4~12㎜×幅8~22㎜、堅果の1/4~1/2個を包み、基部は丸みを帯び、縁は通常薄く、鱗片は密に圧着し、中程度~目立ついぼ状突起があり、一様に短い灰色の毛がある。堅果は薄褐色、長円形~卵形、長さ(13~)15~20(~28)㎜×幅10~13(~16)㎜。子葉は明瞭。2n=24。花期は晩冬~春。
品種) 'Dallas'

33 Quercus myrsinifolia Blume シラカシ 白樫
  synonym Cyclobalanopsis myrsinifolia (Blume) Oerst.
  synonym Quercus myrsinaefolia Blume
  synonym Cyclobalanopsis myrsinaefolia (Blume) Oerst.
 本州(新潟県、福島県以南)、四国、九州、朝鮮、中国、台湾、ラオス、タイ、ベトナム原産。中国名は小叶青冈 xiao ye qing gang。英名bamboo-leaf oak, Chinese evergreen oak, Japanese whiteoak。和名は、材がアカガシに比べて淡色であることから。庭木や生垣によく使われている。山地、公園、庭に生える。
 常緑高木。高さ10~20m。幹は灰黒色で、皮目が縦に並び、割れ目はない。葉は互生し、やや革質、長さ7~14㎝の狭長楕円形、葉先は尖り、基部は楔形。葉の先から2/3以上に浅い鋸歯がある。葉表は光沢があり、裏は灰緑色。葉柄は長さ1~2㎝。雌雄同株。雌花序は新芽の葉脇につき、短く立ち上がり、雌花を3~4個つける。雄花序は長さ5~12㎝、垂れ下がる。雄花は褐色の苞の脇に1~3個ずつつく。果実は長さ1.5~1.8㎝の卵形の堅果で、その年の秋に熟す。殻斗は長さ約10㎜と深く、横縞の輪が6~8個、灰白色の細毛が密生する。2n=24。花期は5月。

34 Quercus nigra L. ウォーターオーク
 USA原産。英名はwater oak , possum oak , black oak。中湿性の漂砂地や低地、荒野、砂丘、段丘、低い尾根から急な斜面に生える。
 落葉樹または遅い落葉樹、高さ30mまで。樹皮は灰黒色、割れ目は不規則、浅く、内側の樹皮はピンク色。小枝は暗赤褐色、直径1.5~2.5mm、無毛。頂芽は赤褐色、卵形、長さ3~6.5㎜、全体に軟毛があり、ときに頂端の2/3に密に軟毛がある。葉:葉柄2~9mm、無毛。葉身ははっきりと鈍形、まれに楕円形または単に倒卵形、頂部付近が最も広く、長さ30~120(~160)mm×幅15~60(~70)mm、基部は先細りまたは楔形、まれに丸みを帯び、縁は完全で、頂端に1本の芒または2- 3個の浅い裂片と 2~5本の芒があり(若葉または2番目に出た成長葉は、芒が多く、深く分裂することがある)、葉先は鈍形または円形、下面は、わずかなまたは目立つ脈腋の綿毛の房を除いて、無毛で、まれに脈が隆起し、上面は無毛、2次脈はやや凹む。どんぐりは隔年。殻斗は受け皿形、高さ2.5~5.5mm×幅10~18mm、堅果の1/4以下を覆い、外面は微軟毛があり、内面はまばらから一様に軟があり毛、鱗片の先端はきつく圧着し、鋭形。堅果は広卵形、長さ9.5~14mm×幅9.5~14.5mm、しばしばかすかに条線があり、無毛になり、瘢痕は直径6~11.5mm。花期は春。
品種) 'Beethoven' , 'Nyewoodii' , 'Thierry'

35 Quercus pachyloma Seemen ナガエガシ 
  synonym Cyclobalanopsis pachyloma (Seemen) Schottky
 中国、台湾原産。中国名は毛果青冈 mao guo qing gang。

36 Quercus palustris Münchh. アメリカガシワ
 北アメリカ原産。英名はpin oak , swamp Spanish oak。中国名は沼生栎 zhao sheng li。
 落葉高木、高さ25m以下。小枝は褐色で、無毛。葉柄は長さ2.5~5㎝、無毛になる。葉身は卵形~楕円形、長さ10~20㎝×幅7~10㎝、下面は帯緑色、無毛または綿毛状(floccose)、上面は暗緑色、基部はくさび形、縁は各側に5~7裂片があり、10~30芒があり、先は尖鋭形。雌花序は長さ約1cm。殻斗は単生または2~3個。殻斗は円蓋状、長さ1~1.2㎝×幅1.5~1.8㎝、堅果の1/4~1/3をつつむ。苞は三角形、密につき、無毛。堅果は帯褐色、狭い楕円形、長さ2~2.5㎝×幅約1.5㎝、毛があり、無毛になり、先は丸い。瘢痕(はんこん:scar)は平らまたはわずかに凹む。柱下体(stylopodium)がある。花期は4~5月。果期は翌年の9月。
品種) 'Compacta' , 'Flaming Suzy' , 'Green Dwarf' , Green Pillar ('Pringreen') , 'Isabel' , Pacific Brilliance , 'Pendula' , 'Pringreen' , 'Pwjr08' , 'Silhouette' , 'Springreen' , 'Swamp Pygmy' , 'Windischleuba' , 'Woodside Splendor'PBR

37 Quercus petraea (Matt.) Liebl. フユナラ 冬楢
 ヨーロッパ、南西アジア原産。英名はSessile Oak。別名はセシルオーク
 落葉高木、高さ約30m以下、幹の直径3m以下、上部が狭い。 若いシュートは無毛で、普通は赤褐色。芽は長さ7㎜以下、無毛または縁がある。托葉は脱落性、頂芽の周りにつくか、またはやや宿存する。葉はシュートにつき、楕円形、倒卵形~長円形、長さ6-17㎝×幅3-9㎝、くさび形または斜めの円形、普通、無毛で、5~9の浅いまたは深い裂片があり、±規則的で、二次裂片は有または無、一次脈は5~11本、±平行、挿入脈(intercalary veins)は無いか、またはまれに葉の基部近くに1~2本あり、下面は毛が無いかまたは伏した星状綿毛があり、脈上に長い単純毛があり、淡緑色または粉白を帯び、上面は光沢があり明るい緑色。葉柄は長さ1~3.5㎝。花序柄は無いか、またはほとんど無い。殻斗果(Cupule)は直径10~20㎜、半球形または 杯形(cyathiform)、灰褐色~褐色。鱗は卵状披針形基部は強くいぼ状または平坦、密着または緩く密着、先端は帯褐色、綿毛があり、どんぐりは1/2~2/3が突き出る。果期は9~10月。
品種) 'Acutiloba' , 'Appenina' , 'Columna' , 'Green Joy' , 'Insecata' , 'Laciniata' , 'Laciniata Crispa' , 'Mespilifolia' , Mespilifolia Group , 'Muscaviensis' , 'Pendula' , 'Purpurea' , 'Rubicunda' , 'Salicifolia' , 'Westcolumn'

38 Quercus phellos L. ウィローオーク
 USA原産。英名はwillow oak。底地の氾濫原、川岸、砂丘、段丘、ときに水はけの悪い高地に生える。
 落葉高木、高さ30mまで。樹皮は暗灰色で平滑、年とともに暗色になり、不規則に裂け、内側の樹皮は明るいオレンジ色になる。小枝は赤褐色、直径1~2㎜、無毛。 頂芽は栗色、卵形、長さ2~4㎜、先は鋭形、無毛。葉柄は長さ2~4(~6)㎜、無毛、まれにまばらに毛がある。 葉身は線形~狭楕円形、通常は中央付近が最も広く、長さ50~120㎜×幅10~25㎜、基部は鋭形、縁は全縁、先端に1本の芒があり、先は鋭形、下面は淡緑色、無毛、まれに軟毛があり、上面は薄緑色、無毛。 どんぐりは隔年。殻斗は浅い受け皿形、高さ3~6.5㎜×幅7.5~11㎜、堅果の1/4~1/3を覆い、外面は微軟毛があり、内面は薄褐色、軟毛があり、鱗片の先端はしっかりと圧着し、鋭形。 堅果は卵形~半球形、長さ8~12㎜×幅6.5~10㎜、しばしば条線があり、鋸歯があり、瘢痕は直径は4.5~6㎜。花期は春。
品種) Hightower ('Qpsta') , 'Qpsta' , 'Qpstj'

39 Quercus phillyreoides A.Gray ウバメガシ 姥目樫
 本州(神奈川県以西)、四国、九州、朝鮮、中国原産。中国名は乌冈栎 wu gang li。別名はイマメガシ、ウマメガシ。海岸近くの山地に生える。一説では芽が茶褐色になることから姥芽樫(ウバメカシ)といわれる。 材が硬く、備長炭の材料として有名である。春は葉に光沢があり、美しい。海岸近くには多く、渥美半島には特に多い。
 常緑低木または高木。高さは5~15m。幹は黒褐色、老木は縦に浅く裂ける。小枝は細く、灰褐色の毛があり、次第に無毛になる。葉は互生し、葉柄は長さ3~5㎜、有毛。葉身は長さ2~6(~8)㎝×幅1.5~3㎝の倒卵形~狭楕円形~狭卵形、葉は革質で、表面にはやや光沢があり、緑色~濃緑色、経年により無毛または中脈の下側に有毛が残り、基部はほぼ心形~円形、縁は先部の約半分に腺のある低い鋸歯があり、葉先は微突形~短い尖鋭形、中脈の両側に8~13本の二次脈があり、3次脈は、下面で不明瞭~目明瞭で、非常に細い。若葉には星状毛がある。雌雄同株。葉の展開と同時に開花する。雄花序は長さ約2㎝、垂れ下がる。雌花序は上部の葉腋につき、長さ1~4㎝、雌花が2~3個つく。殻斗は杯形、高さ6~8㎜×幅10~12㎜、堅果の1/3~1/2を囲む。苞は三角形、長さ約1㎜、密につき、先を除いて帯灰色の毛がある。堅果は楕円形、長さ1~2㎝×幅0.5~1㎝、渋みがなく食べられる。瘢痕は直径3~4mm、平坦またはわずかに盛り上がる。柱下体(stylopodium:果実に残る花柱の下部)は直径1㎜で折れやすい。花期は3~4(5)月。果期は翌年の9~10(11)月。
品種) 'Crispa' , 'Emerald Sentinel'

39-1 Quercus phillyreoides A.Gray f. crispa (Matsum.) Kitam. et T.Horik. チリメンガシ 縮緬樫

 葉は幅が狭く、厚い革質で光沢があり、先が鋭形、縁が外巻きし。葉脈が上面で窪み、葉に縮みがあるように見える。別名はビワバガシ。

39-2 Quercus phillyreoides A.Gray f. subcrispa (Matsum.) Kitam. et T.Horik. フクレウバメ 膨れ姥目

 葉の中央が膨らむ。

39-3 Quercus phillyreoides A.Gray f. wrightii (Nakai) Makino ケウバメガシ 毛姥目樫

  synonym Quercus phillyreoides A.Gray var. wrightii (Nakai) Masam.
  synonym Quercus phillyreoides A.Gray subsp. wrightii (Nakai) Menitsky
 葉は下面に毛が密生し、クリーム色に見える。

40 Quercus pyrenaica Willd. ピレネーオーク
  synonym Quercus toza Bosc
 フランス、イタリア、ポルトガル、スペインモロッコ原産。英名はPyrenean oak。
 落葉樹で葉が冬に残る(mercescent tree)。高さ20m以下、まれに25mを超える。幹は真っすぐで細く、樹皮は灰褐色、厚く割れ目が入る。樹冠は広く、不規則で、多数、分枝する。主要な枝は屈曲し、高く発達する。根は強く、多数つき、浅く、広がり、匍匐性の二次根があり、深さ50cmに達する。また、深い直根をもち、水分を含む深い土壌に達する。葉は単葉、互生し、深く、明瞭な不規則な裂片(4~8対)を持ち、ビロードのような星状毛の綿毛で灰色になり、定期的な干ばつへの抵抗力を高めている。葉は大きさが様々で、長さ7~20㎝×幅4~10㎝、上面は光沢のある緑色で、下面は淡色、寄生虫によって発生する虫えいがある。葉柄は緑色またはクリームグリーン色、密に毛があり、長さ22㎜以下。芽は長さ4~9㎜、卵状円錐形、小枝の先に傾いて束生する。雌雄異株。雌花は固まってまたは少数、束生し、春に開花する。雄花序は金色の垂れ下がった尾状花序、初夏に出現し、風によって受粉する。どんぐりは長さ約4㎝×幅1~2.5㎝、長円形、秋に熟し、主に鳥類や微小哺乳類によって散布される。平均寿命は約300年と長い。
品種) 'Argenteomarginata' (v) , 'Pendula'

41 Quercus robur L. オウシュウナラ 欧州楢
 ヨーロッパ、ロシア、トルコ、イラン原産。英名はEnglish Oak , common oak , Pedunculate oak。中国名は夏栎 xia li。
 落葉高木、高さ40~50m、落葉樹。 若い小枝は毛があり、すぐに無毛になる。小枝は赤褐色、無毛、皮目がある。皮目は帯褐色、円い。 葉柄は長さ2~5㎜、無毛。葉身は倒卵形~狭倒卵形、長さ5~17㎝×幅2~10㎝、下面は帯緑色で脈に毛があるか、無毛になり、上面は緑色、基部は狭い円形~耳があり、縁は両側に5~7個の円形または小凹形の裂片があり、先は切形~短い尖鋭形、中脈の各側に二次脈が5~7(~10)本ある。 雌花序は若いシュートの先に腋生し、長さ0.5~2cm。花被は普通、6裂する。殻斗は浅い円蓋状、長さ約8㎜×幅1.2~1.5㎝、堅果の約1/3を包む。苞は三角形の苞葉、長さ約1.5㎜、平らまたは外側がわずかに突き出し、まばらに毛がある。堅果は卵形~卵状楕円体、長さ1.5~1.8㎝×幅1~1.3㎝、先に毛がある。瘢痕(scar)は直径5㎜、わずかに隆起する。花期は5~6月。果期は9~10月
品種) (Fastigiata Group) 'Dila' , (Fastigiata Group) 'Fastigiata Purpurea' , (Fastigiata Group) 'Koster' , (Fastigiata Group) 'Salfast' , (Fastigiata Group) 'Totem' , (Fastigiata Group) 'Zeeland' , (Pendula Group) 'Alnarp' , (Variegata Group) 'Fürst Schwarzenburg' (v) , 'Albomarmorata' , 'Argenteomarginata' (v) , 'Asplenifolia' , 'Atropurpurea' , 'Aureobicolor' (v) , 'Blue Gnome' , 'Butterbee' , 'Compacta' , 'Concordia' , 'Contorta' , 'Crispa' , 'Cristata' , Cristata Group , 'Cucullata' , 'Dissecta' , f. fastigiata 'Koster' , f. fastigiata 'Zeeland' , f. variegata 'Fürst Schwarzenburg' , 'Facrist' , Fastigiata Group , 'Fastigiata Koster' , 'Fastigiata Purpurea' , 'Fastigiata Totem' , 'Fennessii' , 'Fennessyi' , 'Filicifolia' , 'Filicifolia' hort. ex Loud. , 'Gnom' , 'Heterophylla' , Heterophylla Group , 'Heterophylla Hentzei' , 'Holophylla' , 'Hungaria' , 'Irtha' , 'Irtha' , 'Kassel' , 'Kasseler Rakete' , 'Kosteri Fastigiata' , 'Kosteri Fastigiata' , 'Menhir' , 'Mutabilis' , 'Pectinata' , 'Pendula' , 'Pulverulenta' , 'Purpurascens' , 'Purpurea' , 'Pyramidalis Punctata' , 'Raba' , 'Rita's Gold' , 'Rose Hill' , 'Salfast' , 'Salicifolia' , 'Salicifolia Fastigiata' , 'Scolopendriifolia' , 'Strypemonde' , subsp. robur 'Fastigiata' , 'Timuki' , 'Tromp Dwarf' , var. haas 'Cankiri' , Variegata Group (v)

42 Quercus rubra L. アカガシワ 赤柏
  synonym Quercus borealis F.Michx.
 北アメリカ(カナダ、USA)原産。英名はred oak , northern red oak。
 落葉高木、高さ30m以下。樹皮は灰色または暗灰色、うねは広く、光沢があり、浅い裂け目で区切られ、内側の樹皮は帯ピンク色。小枝は赤褐色、直径2~3.5(~4.5)㎜、無毛。頂芽は暗赤褐色、卵形~楕円形、長さ4~7㎜、無毛または先端に帯赤色の毛の房がある。葉柄は長さ25~50㎜、無毛、しばしば赤色を帯びる。葉身は卵形~楕円形~倒卵形、長さ120~200㎜×幅60~120㎜、基部は広くさび形~ほぼ切形、縁は7~11裂片と12~50本の芒をもち、裂片は長円形、たまに上部が広がり、浅い切れ込みで分かれ、切れ込みは普通、中肋までの距離の1/2未満で、先は鋭形。下面は淡緑色で、しばしば粉白を帯び、脈腋の綿毛の房を除いて無毛、上面は鈍い緑色、2次脈は両面に隆起する。どんぐり(acorns)は2年生。殻斗は受け皿形~杯形、高さ5~12㎜×幅18~30㎜、堅果の1/4~1/3を覆い、外面は微軟毛があり、内面は薄褐色~赤褐色、無毛、または痕周りに毛の輪があり、鱗片は長さ4㎜未満、しばしば縁が暗色になり、先端はしっかりと圧迫され、鈍形。堅果は卵形~長円形、長さ15~30㎜×幅10~21㎜、無毛、痕直径は6.5~12.5mm。2n=24。花期は春。
品種) 'Aurea' , 'Bolte's Gold' , 'Cyrille' , 'Evenley Gold' , 'Haaren' , 'Limelight' , 'Magic Fire' , 'Red Queen' , 'Schrefeldii' , 'Sunshine'

43 Quercus rysophylla Weath. ロクアットリーフオーク
 メキシコ原産。英名はloquat leaf oak , loquat oak , Monterrey oak。
樹高は 15 m で、栽培ではそれ以上になる可能性があります。 樹皮は暗くて粗く、最初は表面が薄く、上は滑らかな分厚いブロックを形成します。 小枝は最初は緑がかった、うねがあり、褐色の星状の綿毛と絹毛があり、後に灰褐色になり、無毛で、小さな淡色の皮目がある。葉は常緑、長さ14~20㎝×幅4~7㎝、披針形~卵形、基部に耳があり、上面は光沢があり、しわがあり、明瞭にくぼんだ脈があり、下面はほとんど無毛だが、中肋に沿っていくらかの軟毛があり、未熟な葉はピンク赤色、葉脈が目立ち、中肋の両側に15~20本の二次脈があり、縁は波打ち、外巻きし、全縁または先端に剛毛のある浅い歯が先部にあり、葉先は鋭形。 葉柄は長さ0.5㎝、無毛。殻斗は長さ約1㎝、鱗片は鈍く、金色で、圧着する。どんぐりは長さの半分が殻斗に包まれ、長さ約1.5㎝、柱下体(stylopodium)は短い。
品種) 'Maya'

44 Quercus sadleriana R.Br.ter サドラーズオーク
 USA原産。英名はSadler's oak , deer oak。針葉樹林の開けた斜面に生える。
 常緑低木、高さ1~3m、根茎がある。樹皮は灰色、平滑。小枝は帯赤色または褐色、枝毛があり、直径3~4㎜、無毛、ときに芽の周りにまばらに微軟毛がある。芽は黄色または黄褐色、広卵形または球形、長さ8~10㎜。芽鱗はゆるく、鋭形状卵形、絹毛がある。葉は2~3年の枝に宿存する。托葉はしばしば宿存し、長さ15mm以下、金色の絹毛がある。葉柄は長さ15~25mm。葉身は倒卵形または楕円形、長さ70~140㎜×幅35~80㎜、基部は円形または丸みを帯びた尖鋭形、稀にほぼ心形、縁は鋸歯があり、深い切れ込みはなく、歯は前向きの尖鋭形、鋭く微倒形、二次脈は明瞭、平行で、真っすぐ、各側に(8~)10~15本あり、先は尖鋭形または鋭形、下面は薄緑色、ワックス状、微細な非対称の伏した4~8本の放射状の星状毛がまばらまたは散在し、星状毛は直径0.1~0.2㎜、明瞭に隆起した気孔が表面に微細な顆粒状の外観を与え、内側は暗緑色、無毛。どんぐりは、単生または対につき、ほぼ無柄。殻斗は半球形または漏斗形、深さ7~9㎜×幅10~18㎜、鱗片は灰色、中程度にいぼ状突起があり、先端は赤褐色。堅果は薄褐色、卵形またはほぼ球形、長さ15~20㎜×幅10~15㎜。子葉が明瞭。花期は春。
品種) 'E.W. George'

45 Quercus salicina Blume ウラジロガシ 裏白樫
  synonym Cyclobalanopsis salicina (Blume) Oerst.
  synonym Quercus salicina Blume var. stenophylla (Blume) Hatus.
  synonym Quercus glauca Thunb. var. salicina (Blume) Menitsky
 本州、四国、九州、沖縄、朝鮮に分布する。山地に生える。
 常緑高木。高さ10~20m。幹は灰黒色で、円形の皮目がある。葉は互生し、薄い革質、長さ9~15㎝、幅2.5~4㎝の長楕円状披針形、葉先は尖り、基部は広い楔形。葉の先から2/3以上に鋭い鋸歯がある。葉の表は光沢があり、裏は粉白色。葉柄は長さ1~2㎝。雌雄同株。雌花序は新芽の葉脇につき、短く立ち上がる。雄花序は長さ5~7㎝、垂れ下がる。果実は長さ1.5~2㎝の広卵形の堅果で、2年目の秋に熟す。殻斗は円錐形で浅い。花期は4~5月。

45-1 Quercus salicina Blume f. angustata (Nakai) H.Ohba ウラジロガシ 狭義

45-2 Quercus salicina Blume f. latifolia (Nakai) H.Ohba  ヒロハウラジロガシ 

45-3 Quercus salicina Blume f. salicina  ヤナギウラジロガシ 狭義

46 Quercus serrata Murray コナラ 小楢
  synonym Quercus glandulifera Blume
  synonym Quercus serrata Thunb.
  synonym Quercus serrata Murray f. suberosa Hayashi
  synonym Quercus neoglandulifera Nakai ナガバコナラ 
  synonym Quercus serrata Murray f. concolor (Sugim.) H.Ohba
  synonym Quercus serrata Murray var. concolor Sugim.
  synonym Quercus neostuxbergii Koidz.

  synonym Quercus serrata Murray var. brevipetiolata (A.DC.) Nakai  タイワンコナラ

  synonym Quercus glandulifera Blume var. brevipetiolata (A.DC.) Nakai

  synonym Quercus serrata Murray var. pseudovariabilis Nakai  マルバコナラ 

 北海道、本州、四国、九州、朝鮮、中国、ロシア、インド原産。中国名は枹栎 bao li。英名はjolcham oak。別名はナラ。山野の向陽地に生える。
 落葉高木。高さ10~20m。里山を代表する落葉樹の一つ。葉は互生し、長さ約5~15㎝、幅約5㎝の倒卵形。葉の縁に鋭くとがった鋸歯があり、長さ約1㎝の柄がつく。葉表は初め絹毛が生え、次第に取れてなくなる。葉裏は灰緑色、伏した軟毛と小さな星状毛がある。雌雄同株。葉の展開と同時に開花。花はひも状の花序が垂れ下がってつく。堅果は長さ1.7~2㎝の長楕円形。殻斗は長さ0.5~0.8㎜の浅い杯状。紅葉は黄色~赤褐色、褐色になってきれいに紅葉しないものも多い。2n=24。花期は4~5月。果期は翌年10~11月。
品種) 'Herkenrode' , 'Léon' , 'Theofaan'
46-1 Quercus serrata Murray f. dependens Nakai シダレコナラ 枝垂れ小楢
 枝が枝垂れる。

46-2 Quercus serrata Murray f. donarium (Nakai) Kitam. テリハコナラ 照葉小楢

  synonym Quercus serrata Murray var. donarium (Nakai) Kitam. et T.Horik.
 葉は基本種より小形で幅が狭く、質が厚くて光沢があり、鋸歯が鋭い。紅葉が赤っぽくなる。

46-3 Quercus serrata Murray f. longicarpa (Uyeki) Kitam. et T.Horik. ナガミコナラ 

46-4 Quercus serrata Murray f. pinnata (Koidz.) Kitam. et T.Horik. ハゴロモアオナラ 羽衣青楢

 コナラの突然変異個体と思われるもので、葉が羽状に深く切れ込む。

46-5 Quercus serrata Murray f. pinnatifida (Koidz.) Kitam. et T.Horik. タレハハゴロモアオナラ 


47 Quercus sessilifolia Blume ツクバネガシ 衝羽根樫
  synonym Quercus paucidentata Franch. ex Nakai
 日本(本州の宮城県・富山県以西、四国、九州)、中国、台湾に分布する。中国名は云山青冈 yun shan qing gang。
 高木、高さ25m以下。小枝はワックス状になり、光沢があり、皮目がある。皮目は灰褐色、円く、毛があり、無毛になる。葉柄は長さ5~10㎜、無毛。葉身は長円状楕円形~披針状楕円形、長さ7~15㎝×幅1.5~4㎝、革質、両面がほぼ同色、無毛、基部はくさび形、縁は全縁または先部に2~4個の鋸歯があり、先は鋭形~短い尖鋭形、中脈の各側にある二次脈は10~14本、目立たず、 三次脈は下面で不明瞭。雌花序は長さ約1.5㎝。 殻斗は円蓋状、直径1~1.5㎝、堅果の約1/3を覆い、外側は灰褐色の綿毛があり、内側は灰褐色のフェルト状の綿毛が厚さ約1㎜につく。苞は 5~7輪につき、基部の縁に2~3小歯があり、その他はほぼ全縁。堅果は倒卵形~楕円状倒卵形、長さ1.7~2.4㎝×幅0.8~1.5㎝、基部に少数の輪がある。 瘢痕は直径5~7㎜、わずかに凸状。柱下体(stylopodium:果実に残る花柱の下部)は宿存し、隆起する。花期は4~5月。果期は 10~11月。
品種) 'Mespilifolia'

48 Quercus setllata Wangenh. ポストオーク
 USA原産。英名はpost oak , iron oak。乾燥した場所、乾燥した砂利と砂の尾根や高地、乾燥した粘土、草原や石灰岩の丘、林や落葉樹林に生える。
 落葉高木、高さ20(~30)m。樹皮は薄灰色、鱗片状。小枝は帯黄色または帯灰色、直径(2~)3~5㎜、密に星状毛がある。芽は赤褐色、卵形、長さ4㎜以下、先は鈍形又は鋭形、まばらに毛がある。葉柄は長さ3~15(~30)㎜。葉身は倒卵形~狭倒卵形~楕円形または倒三角形、長さ40~150(~200)㎜×幅20~100(~120)㎜、やや堅くて硬く、基部は丸みを帯びた漸尖形~心形、ときにくさび形、縁には浅く~深い裂片があり、裂片は円形またはヘラ形、通常、上部の2個の裂片は中肋に直角に散開し、十字形になり、各側に3~5本の二次脈があり、先は広い円形、下面は黄緑色で、密に帯黄色の腺毛と散在する微細な 6~8 本の線状の伏したまたは半伏した星状毛があり、触れるとビロード状ではなく、上面は暗緑色または黄緑色、鈍くまたは光沢があり、まばらに星状毛があり、しばしばややサンドペーパー状で粗い毛がある。ドングリは1~3個、ほぼ無柄または花序柄の上につき。長さ6(~40)㎜以下。殻斗は深い受け皿形、下部が丸いか、くびれ、深さ7~12(~18)㎜×幅(7~)10~15(~25)㎜、堅果の1/4~2/3を囲み、鱗片はきつく密着し、細かい帯灰色の毛がある。堅果は薄褐色、卵形または球形、長さ10~20㎜×幅8~12(~20)㎜、無毛または細かい微軟毛がある。子葉は明瞭。花期は春。
品種) 'Artois'

49 Quercus shumardii Buckley シュマードオーク
 カナダ、USA原産。英名はShumard oak , spotted oak , Schneck oak , Shumard red oak , swamp red oak。中湿性の斜面や底、川岸、水はけの悪い高地に生える。
 落葉高木、高さ35mまで。樹皮は灰褐色~暗褐色、浅い裂け目があり鱗片状または明るい色の平らなうねがあり内側の樹皮は帯ピンク色。小枝は灰色~薄褐色、直径(1.5~)2~3.5(~4.5)㎜、無毛。頂芽は灰色~灰褐色、卵形または広楕円形、長さ4~8㎜、断面がしばしば著しく5角形になり、無毛。葉柄は長さ20~60 mm、無毛。葉身は広楕円形~倒卵形、長さ100~200㎜×60~150㎜、基部は鈍形~切形、たまに鋭形、縁には5~9個の裂片と15~50本の芒があり、裂片は長円形または上部が広がり、先は鋭形、下面は、明瞭な脈腋の綿毛の房を除いて無毛で、上面は光沢があり、無毛で、両面に二次脈が隆起する。どんぐりは隔年。殻斗は皿形~杯形、高さ7~12㎜×幅15~30㎜、堅果の1/4~1/3を覆い、外面は無毛または微軟毛があり、内面は薄褐色~赤褐色、無毛または瘢痕の周りに毛の輪をもち、しばしば鱗片は縁が淡縁色になり、先はしっかりと圧着し、鈍形または鋭形。堅果は卵形~長円形、ときにほぼ球形、長さ14~30㎜×幅10~20㎜、無毛、瘢痕は直径6.5~12㎜。花期は春。
品種) 'Del Rio'

50 Quercus spinosa David ex Franch. ヒイラギガシ 柊樫
  synonym Quercus spinosa David ex Franch. var. miyabei Hayata
 中国、台湾、ミャンマー原産。中国名は刺叶栎 ci ye gao shan li。リンボクもヒイラギガシと呼ばれる。山地の林内に生える。
 常緑高木、高さ6~10(~20)m。 若い小枝には黄褐色の星状毛があり、無毛になる。葉柄は長さ1~3㎜。 葉身は倒卵形~楕円形、長さ2.5~7(~16)㎝×幅1.5~4㎝、しわがあるかまたは平滑、若いときは単腺毛および束状の腺毛があり、下面は無毛になるが、しばしば中脈の基部に毛が残り、上面は無毛になり、葉の基部は円形~心形、縁には棘状の歯がありまたは全縁、葉先は円形~鈍形(台湾ではときに鋭形~尖鋭形になる)、中脈および二次脈は上面で凹み、中脈は曲がりくねり、中脈の両側に4~8本の二次脈があり、三次脈は下面で明瞭。雌花序は長さ1~3㎝。殻斗は杯形、長さ4~9㎜×幅7~15㎜、堅果の1/4~1/2を包む。苞は三角形~三角状卵形、長さ1~1.5㎜、密につき、先を除いて灰色の軟毛がある。堅果は卵形~楕円形、長さ1.2~2㎝×幅0.7~1.3㎝。瘢痕は直径5㎜。柱下体は直径1mm。花期は5~8月。果期は翌年の9~12月。

51 Quercus stenophylloides Hayata アリサンアラカシ 
  synonym Quercus salicina Blume var. stenophylloides (Hayata) S.S.Ying
 台湾原産。台湾窄叶青冈 tai wan zhai ye qing gang。

52 Quercus suber L. コルクガシ 
 フランス、イタリア、シチリア島、コルシカ島、サルデーニャ島、ポルトガル、スペイン、アルジェリア、モロッコ、チュニジア原産。英名はcork oak。
 常樹高木。高さ約10mまで。樹皮は厚く(5cm以上)、深くうねがあり、コルク質。葉はきめが粗く、卵形、主に長さ4~7㎝×幅2~3.5㎝、縁は普通、4~6対の短く鋭歯があり、まれに全縁、側脈は短く突き出し、短い剛毛または長さ約3㎜以下尖り、上面は暗緑色、やがて無毛になり、下面は灰緑色、密に毛がある。葉柄は長さ1~1.5㎝。どんぐり(acorns)は狭卵形、長さ1.5~2.5㎝、長さ5~10mmの花序柄の上に1個または対につき、殻斗はどんぐりの半分の長さ以下、初めは鱗の先から出て毛深いが、最終的には鱗はほとんど隆起しない。尾状花序は春に現れる。どんぐりは主に3~5月にできる(Flora of Victoria)。 品種) 'Cambridge' , 'Sopron'

53 Quercus tarokoensis Hayata タロコガシ 
 台湾原産。中国名は太鲁阁栎 tai lu ge li。

54 Quercus tatakensis Tomiya タータカガシ 

  synonym Quercus spinosa David ex Franch. var. miyabei Hayata f. rugosa (Masam.) J.C.Liao

  synonym Quercus spinosa David ex Franch. var. miyabei Hayata f. tatakensis (Tomiya) J.C.Liao

 台湾原産。中国名は塔塔加龍膽。
高さ15m × dbh 30㎝になる。若い芽は暗褐色の軟毛があり、無毛になる。葉は常緑、革質、中肋の両側に最大13本の側脈があり、下面に隆起し、長さ16㎝×幅6㎝。以下の楕円形~長円形または披針形、葉先は先細り、基部は円形~漸尖し、基部を除いて両側に7~8個の歯があるかまたは全縁、または成熟した植物の先に少数の歯がある。葉は若いときは両面に薄く毛があり、無毛になる。葉柄は長さ2㎝以下、少なくとも若いときは綿毛がある。殻斗は半球形、長さ8㎜×幅10㎜・以下、圧着した綿毛のある鱗片がある。どんぐりは楕円形、長さ2.2㎝、殻斗の中に半分ほど入り、2年目に熟す。(Huang 1996)。

55 Quercus texana Buckley  テキサスレッドオーク
 USA(アラバマ州、アーカンソー州、イリノイ州、ケンタッキー州、ルイジアナ州、ミシシッピ州、ミズーリ州、テネシー州、テキサス州)原産。英名はNuttall oak , Nuttall's oak , Spanish oak , Texas Red Oak。氾濫原、底地に生える。
 落葉高木、高さ25mまで。樹皮は暗褐色で、浅い裂け目で分かれた平らな尾根がある。小枝は赤褐色~灰色、直径1.5~3(~3.5)㎜、無毛。頂芽は灰色~灰褐色、卵形、長さ3~7㎜、無毛または頂部に幾分鱗がある。葉: 葉柄は 20~50㎜、無毛。葉身は卵形~楕円形~倒卵形、75~200㎜×幅55~130㎜、基部は楔形~ほぼ切形、しばしば不等辺、6~11の裂片と9~24の芒を伴う縁、裂片は長楕円形~上部で広がり、まれに鎌形、先は鋭形。表面は、目立ったトメンタムの腋窩の房を除いて下面が無毛で、静脈が隆起し、中心が平らで、無毛です。どんぐり隔年。カップは薄い(内面にうろこ状の基部が見える)、基部に顕著なくびれがある深い盃形、高さ10~16㎜×幅15~22㎜、堅果の1/3~1/2を覆い、外面は無毛~まばらに微軟毛があり、内面はまばらから一様に軟毛があり、鱗片の先端は圧着し、鋭形。堅果は広卵形~広楕円形、長さ15~26×幅13~18㎜、無毛又はまばらに微軟毛があり、瘢痕は直径8~13mm、瘢痕はしばしばオレンジ色になる。花期は春。
品種) 'New Madrid' , New Madrid Group

56 Quercus trojana Webb マケドニアオーク
 アルバニア、ギリシャ、イタリア、トルコ、ユーゴスラビア原産。英名はMacedonian oak , Trojan Oak。
品種) 'Hemelrijk'

57 Quercus variabilis Blume アベマキ 阿部槇
  synonym Quercus serrata auct. non Thunb.
  synonym Quercus serrata Thunb. var. variabilis (Blume) Matsum. 
 本州(山形県以南)、四国、九州、朝鮮、中国、台湾原産。中国名は栓皮栎 shuan pi li。別名はコルククヌギ。  落葉高木。高さ10~30m。樹幹は直立する。幹は灰黒色、樹皮に厚いコルク層が生じ、割れ目がやや赤味を帯びて見える。葉は互生し、長さ8~15(20) ㎝、幅2~6(8)㎝の長楕円形、浅い波状の鋸歯があり、鋸歯の先端に長さ2~3㎜の針状の刺がある。側脈は13~18対。葉表は初め軟毛があり、後に無毛。葉裏は灰白色、白色の細かい星状毛が密生し、脈にも毛がある。葉柄は長さ1~3(5)㎝。雌雄同株。葉の展開と同時に開花する。雄花序は長さ約10㎝垂れ下がる。雄花は花被が直径約2.5㎜、雄しべは3~4個。雌花は葉腋に普通1個ずつつき、花柱3個、短い花柄がある。堅果は直径1.5~1.8㎝、球形に近く、実を包む殻斗(がくと)は線形の鱗片が密生する。堅果は熟すのに翼年の秋までかかり、熟して茶色になると落ちる。2n=24。花期は4~5月。

58 Quercus velutina Lam. ブラックオーク
 北アメリカ東部原産。英名はblack oak , eastern black oak。一般的に乾燥した斜面や高地に生え、ときに、砂地の低地(特に北部)や水はけの悪い高地や段丘に生える。
 落葉樹、高さ25mまで。樹皮は暗褐色~黒色で、深い溝があり、尾根はしばしば不規則なブロックに分かれており、内側の樹皮は黄色またはオレンジ色です。小枝は暗赤褐色、直径(1.5~)2.5~4.5(~5)㎜、無毛またはまばらに毛がある。頂芽は卵形または楕円形~ほぼ円錐形、長さ6~12㎜、断面が顕著に5角形になり、黄褐色または灰色の軟毛がある。葉柄は長さ25~70㎜、無毛からまばらに毛がある。葉身は卵形~倒卵形、長さ(80~)100~300㎜×幅80~150㎜、基部は鈍形~切形、不等辺、縁には5~9個の裂片と15~50個の芒があり、裂片は長円形または上部で広がり、深い湾入で区切られ、先は鋭形~鈍形、下面は淡緑色で、脈腋の綿毛の小さな房を除いて無毛であるか、または特に脈に沿って散在する軟毛があり、上面は光沢があり、暗緑色で無毛、両面に二次脈が隆起する。どんぐりは隔年。殻斗は杯形またはこま形、高さ7~14㎜×幅12~22㎜、堅果の1/2を覆い。殻斗の縁は内巻きではなく、外面は微軟毛があり、内面は軟毛があり、鱗片の先端は緩い、特に殻斗の縁で緩く、先は鋭形~尖鋭形。堅果はほぼ球形~卵形、長さ10~20㎜×幅10~18㎜、球形。瘢痕は直径5.5~12㎜。n=12±1; 2n=24。花期は春。
品種) 'Albertsii' , 'Golden Dragon' , 'Habiflax' , 'Oakridge Walker' , 'Rubrifolia'

59 Quercus virginiana Mill. サザンライブオーク
 USA南東部原産。英名はsouthern live oak , coastal live oak , Virginia live oak , live Oak。 沿岸の平原、開けた常緑の森林地帯、低木地帯、ローム層の段丘、粘土、まれに海岸のすぐ近くの砂地上に生える。
 高木ときに低木、亜常緑樹、高さ35m以下の高木、ときに根茎のある低木。樹皮は暗褐色~黒色、鱗片状。小枝は黄灰色~淡灰色、直径1~3㎜、微細な毛又は星状毛があり、2年で無毛になる。芽は赤褐色または暗褐色、ほぼ球形または卵形、長さ1~2㎜。芽鱗は縁が無毛または微軟毛がある。葉柄は長さ1~10(~20)㎜。葉身は倒卵形~倒披針形、ときに円形または披針状卵形、±平面、長さ(10~)35~90(~150)㎜×幅(15~)20~40(~85)㎜、基部は楔形~円形、まれに切形または心形、縁は微細に外巻きまたは平坦、縁は全縁または不規則に両側に1~3個の歯があり、歯は微突頭、二次脈は不明瞭で、両側に6~9(~12)本あり、葉先は鈍状円形または鋭形、下面は帯白色または粉白色、密に微細な伏した融合した星状毛で覆われ、日陰の葉は薄緑色でほぼ無毛であり、葉の上面は暗緑色または薄緑色で、光沢があり、無毛または微細な星状毛が散在する。どんぐりは花序柄に1~3個つき、花序柄は長さ (3~)10~20㎜。殻斗は半球形または深い盃形、深さ8~15㎜×幅8~15㎜、底部はしばしばくびれる。鱗片は帯白色または帯灰色、下部が肥厚し、竜骨があり、綿毛があり、先端は帯赤色、先は鋭形~尖鋭形、無毛または微軟毛がある。堅果は暗褐色、樽形~卵形~倒円筒形、長さ15~20(~25)㎜×幅8~15㎜、先は丸いかまたは鈍く、無毛。子葉は合着する。花期は晩冬~初春。
品種) 'Fbqv1' , 'Fbqv22' , 'K-1'

60 ハイブリッド
(1) Quercus x alienocrispula H.Ohba ナラミズガシワ 楢水柏

  synonym Quercus x paucilepis Uyeki nothovar. naramizugashiwa Kitam. et T.Horik.

 ナラガシワ×ミズナラ
(2) Quercus x angustilepidota Nakai カシワコナラ 柏小楢
 ミズナラ×カシワ。別名はカシワモドキ
(3) Quercus x bebbiana Schneider ベブズオーク
 Quercus alba(white oak) × Quercus macrocarpa(burr oak)。別名は Bebb's oak。
品種) 'Taco'
(4) Quercus × bimundorum E. J. Palmer トゥ-ワールドオーク
 Quercus alba(ホワイトオーク) × Quercus robur(オウシュウナラ)。英名はtwo worlds oak , Bimundors oak。
品種) 'Crimschmidt' , Crimson Spire™ , Prairie Stature®
(5) Quercus × bushii Sarg ブッシュオーク
 英名はbush oak。 Quercus marilandica(blackjack oak) × Quercus coccinea(scarlet oak) 品種) 'Seattle Trident' , 'Silhouette'
(6) Quercus × crenata Lam.  スパニッシュオーク
  synonym Quercus × hispanica Lam.
  synonym Quercus × lucombeana (Loudon) de Vos [Lucombe oak]
 フランス、イタリア、シチリア、ユーゴスラビア原産。Quercus cerris(turkey oak)とQuercus suber(cork oak)の自然交雑種。英名はSpanish oak , Lucombe oak。
 高さ30m、基部で直径2mにもなる大木。樹皮は非常に多様で、濃灰褐色で Q. cerris のように縦方向にうねがあるものから、わずか~非常にコルク状のものまである。若芽は灰色の綿毛があり、側芽を囲む托葉は Q. cerris のものより短く、より早落性。葉は半常緑で、通常は冬の終わりまで、または新しい成長が現れるまで宿存し、特に寒い冬には落葉し、卵形~楕円形、長さ12㎝×幅5㎝・以下、葉先は鈍く尖り、丸みを帯び~先細りになり、ときに、基部が斜めになり、葉縁は、先端が尖った三角形の歯があり、分裂は様々で、しばしば、浅くて規則的だが、ときに深くて不規則に分裂することもある。葉は上面が光沢のある暗緑色、下面は若いうちは白色の綿毛があり、年とともに灰緑色になる。殻斗はこま形、単生または対につき、長さ2㎝×幅3㎝以下、細い綿毛状の鱗片で覆われ、鱗片は基部で後屈し、縁では直立する。どんぐりは卵形、先が鈍く尖り、1/2以上が殻斗に包まれ、2年目で熟す。
品種) 'Ambrozyana' , 'Bloemendaal' , 'Crispa' , 'Diversifolia' , 'Fulhamensis' , 'Hemelrijk' , 'Heterophylla' , 'Heterophylla' , 'Lucombeana' , 'Pseudoturneri' , 'Suberosa' , 'Waasland' , 'Waasland Select' , 'Wageningen' , 'William Lucombe'
(7) Quercus x crispuloserrata (Sugim.) M.Kikuchi ミズコナラ 水小楢
  synonym Quercus x serratoides Uyeki nothovar. crispuloserrata Sugim.
 コナラとミズナラとの分布域が重なる地域に見られ、自然交雑種と推定されている。
 山形県大蔵村に高さ15m、幹周6.5mの巨木がある。 村指定天然記念物。
(8) Quercus × fernowii Trel. フェルナウオーク
 USA原産。Quercus alba(ホワイトオーク) と Q. stellata(post oak)の自然交雑種。英名はFernow Oak , Fernow's Oak。
品種) 'Bethel Park'
(9) Quercus × hickelii A.Camus
 栽培種。Quercus pontica K. Koch(Armenian oak) と Quercus robur L.(オウシュウナラ)の交雑種。
品種) 'Giesselhorst' , 'Mme Aimée Camus'
(10) Quercus x hopeiensis Liou   
 中国原産。Quercus dentata(カシワ) × Quercus wutaishanica(遼寧オーク)
(11) Quercus × humidicola E.J.Palmer
 USA(イリノイ州、ミズーリ州)原産。Q. bicolor(スワンプホワイトオーク)と Q. lyrata(オーバーカップオーク)の自然交雑種。
品種) 'Flat Branch'
(12) Quercus × jackiana C.K.Schneid. ジャックスオーク
 カナダ、USA原産。英名はJack's Oak , Chêne De Jack , Jack Oak , hybrid oak。Q. alba(ホワイトオーク)と Q. bicolor(スワンプホワイトオーク)の自然交雑種。
品種) 'Guy' , 'Jefmir'
(13) Quercus × joorii Trel. ジョリーズオーク
 USA(テキサス州)原産。 英名はJorr's oak。Q. falcata(southern red oak)とQ. shumardii(Shumard oak)の自然交雑種。
品種) 'Qxmtf'
(14) Quercus x kiusiana (Nakai) H.Ohba チンゼイガシ 鎮西樫
 アラカシとハナガガシの交雑種。
(15) Quercus × libanerris Boom
 トルコ原産。英名はLebanon Oak。Q. cerris(トルコカシ) × Q. libani(レバノンオーク)の自然交雑種。
品種) 'Rotterdam' , 'Trompenburg'
(16) Quercus x major Nakai オオバコナラ 大葉小楢
  synonym Quercus urticifolia auct. non Blume
 日本、朝鮮の暖温帯に分布する。ナラガシワ(Quercus aliena)又はアオナラガシワ)とコナラ(Quercus serrata)の自然交雑種。
(17) Quercus × maccormickoserrata T.B.Lee チョウセンコナラ 朝鮮小楢
 ナラガシワ(Q. aliena) × カシワ(Q. dentata) × コナラ(Q. serrata)
(18) Quercus x nipponica Koidz. ホソバガシワ 細葉柏
 3説がある。ナラガシワとカシワの雑種(Makino & Nemoto 1931)。ミズナラとカシワの雑種(Hara 1934 , T.Shimizu 1958)。カシワとコナラの雑種(Ohwi 1953)。ホソバガシワはカシワの別名でもある。
(19) Quercus × richteri Baen.
 USA(イリノイ州)原産。アメリカガシワ(Q. palustri)とアカガシワ(Q. rubra)の自然交雑種。
品種) 'Mauri'
(20) Quercus × rosacea Bechst. ロージーオーク
 ヨーロッパ原産。フユナラ(Q. petraea)とオウシュウナラ(Q. robur)の自然交雑種。英名はrosy oak。
品種) 'Columna' , 'Filicifolia' , 'Ryan' , 'Westcolumn'
(21) Quercus × sargentii Rehder
 栽培種。チェストナットオーク(Q. montana) とオウシュウナラ(Q. robur)の交配種。英名はSargent oak。
品種)  'Little Thomas' . 'Thomas'
(22) Quercus x saulii C.K.Schneid.
 USA東部原産。ホワイトオーク(Q. alba) とチェストナットオーク(Q. montana)の自然交雑種。英名はSaul's oak。
品種) 'Atlas'
(23) Quercus × schochiana Dieck
 USA原産。アメリカガシワ(Q. palustri)とウィローオーク(Q. phellos)の自然交雑種。
品種) BNHO
(24) Quercus x serratoides Uyeki モンゴリコナラ 
 モンゴリナラ×コナラ
(25) Quercus x takaoyamensis Makino オオツクバネガシ 大衝羽根樫
  ツクバネガシとアカガシの自然交雑種。高尾山で発見され、1920年に牧野富太郎博士によって命名された。
(26) Quercus x takatorensis Makino コガシワ 小柏
 カシワとコナラの自然交雑種。別名はコナラガシワ、コナラモドキ。
(27) Quercus × turneri Willd. ターナーズオーク
 スペイン原産。Quercus ilex(holly oak) × Quercus robur(オウシュウナラ)の自然交雑種。英名はTurner’s oak。
品種) 'Pseudoturneri' , 'Spencer Turner'
(28) Quercus × warei T.L.Green & W.J.Hess ウェアズオーク
 栽培種。英名はWare's oak。Q. bicolor(swamp white oak ) × Quercus robur(オウシュウナラ) 'Fastigiata。
品種) 'Chimney Fire' , Kindred Spirit , 'Long' , 'Nadler' , Regal Prince , 'Riverbank' , 'Riverbank Lodge' , 'Windcandle'
(29) Quercus x yokohamensis (Makino) Makino ex H.Ohba イズアカガシ 伊豆赤樫
  synonym Quercus x idzuensis Makino, nom. nud.
  synonym Quercus acuta Thunb. var. yokohamensis (Makino) Nakai
 アカガシ×アラカシ。別名はヒメアカガシ。
(30) Quercus robur × sadleriana 'E.W. George'
(31) その他ハイブリッド
品種) (Pondaim Group) 'Pondaim Giant' , 'Atlantica' , 'Bear Creek Ranch' , 'Bill George' , 'Chimney Fire' , 'Columna' , Crimson Spire™ , 'Doring's Zweizack' , 'Fabrii' , 'Fire Water' , Forest Knight® , 'Garden Brillant' , Heritage® , 'Kewensis' , Kindred Spirit® , 'Langtry' , 'Macon' , 'Mauri' , 'Maya' , 'Monument' , 'Piers Trehane' , 'Pondaim' , 'Qnstg' , 'Qssth' , Skinny Genes™ , 'Tromp Deerpon' , 'Vilmoriana'

参考

1) Flora of China
 Quercus
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=127839
2) Plants of the World Online| Kewscience
 Quercus
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:325819-2
3) World Flora Online
 Quercus
http://worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000032377;jsessionid=B9C02624807A6F6F8866A556FEF03AF4
4) Flora of North America
 Quercus
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=127839
5) Flora of New Zealand
 Quercus ilex L.
https://www.nzflora.info/factsheet/taxon/Quercus-ilex.html
6) Flora Iberica
 Quercus
http://www.floraiberica.es/floraiberica/texto/pdfs/02_041_03_Quercus.pdf
7) World Checklist of Selected Plant Families (WCSP)
 Quercus
https://wcsp.science.kew.org/qsearch.do?plantName=Fagaceae&page=quickSearch
7) ibuflora - Bolu Abant İzzet Baysal University (Turkey)
 Quercus petraea (Matt.) Liebl.
http://ibuflora.ibu.edu.tr/en/species/quercus-petraea