キキョウソウ 桔梗草

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Flora of Mikawa

キキョウ科 Campanulaceae キキョウソウ属

別 名 ダンダンギキョウ
中国名 穿叶异檐花 chuan ye yi yan hua
英 名 common venus' looking-glass
学 名 Triodanis perfoliata Nieuwl.
キキョウソウの蕾
キキョウソウの雄性期の花
キキョウソウの雌性期の花
キキョウソウの果実
キキョウソウの果実
キキョウソ茎下部の葉裏
キキョウソ茎下部の閉鎖花の果実
キキョウソウ
キキョウソウ萼片
キキョウソウ茎中部につく葉
キキョウソウの種子
花 期 4~7月
高 さ 15~60(80)㎝
生活型 1年草
生育場所 乾いた向陽地、道端
分 布 帰化種   北アメリカ原産
撮 影 幡豆町 02.6.2
1940年代に東京で最初に確認され、現在では東北以南に広く帰化し、道端でよく見かけられる。
 茎はやや硬く、直立、高さ15~60㎝、1本又は基部で分枝し、明瞭な稜があり、ときに、稜に下向きの長さが均等でない剛毛状の毛がある。茎、葉、萼など全体に白毛がある。葉は互生し、縁に粗い鋸歯がある。茎の中部以上につく葉は広卵形~類円形、長さ1~2㎝、縁や脈に短剛毛があり、基部は抱茎の心形、無柄で、縁は浅い円鋸歯状又はときに全縁、先は類鋭形~円形。茎の下部の葉は、取れやすく見られないことが多く、広披針形~円形、短い葉柄があり、基部が茎を抱かない。花は葉腋に1~3個つき、無柄、茎の中部以下では閉鎖花となる。萼片は3~5個、上部の花は5個、まれに4個、硬く、三角状披針形、先は尖鋭形。下部の閉鎖花の萼片は3~4個と少なく、咢片も短い。花冠は紫色又は白色、5深裂し、車状、直径8~20㎜、外面の脈上に粗毛がある。初期の花の花冠は未発達。雄しべ5個、花糸は短く、長さ約1㎜、葯は線形、長さ約2㎜。雄しべ先熟で、雄性期には花柱は棍棒形、有毛、花粉がつく。花粉が出終わった雌性期に柱頭は3裂する。子房下位。蒴果は円筒形、長さ4~6㎜、熟すと中央部に孔が開き、種子が落ちる。花時に子房の側面に孔となる部分の薄い壁が見える。種子は長さ約0.5㎜、褐色、レンズ形、扁平な惰円形。2n=56。花期と果期は4~7月。
 ヒナキキョウソウ Triodanis biflora も北アメリカ原産。全体に小形。葉は長さが幅より長く、卵形、鋸歯が浅く、基部は茎を抱かない。花は上部にだけ、1(2)個つき、花冠が直径1~1.3㎝。蒴果の孔はやや上側につく。
 ヒナギキョウ Wahlenbergia marginata は在来種。早く咲き始めて花期が長く、草丈が低く、茎頂の長い花茎の先に花が1個ずつつく。蒴果は熟すと、上部が3裂する。

キキョウソウ属

 family Campanulaceae - genus Triodanis

 1年草。根はひげ根。茎は直立又は斜上、単純又は下部で分枝し、うねがある。葉は互生、無柄、卵形~楕円形~緋陰茎~線形、縁は全縁又は歯状。花は腋生の集散花序に1~3(~8)個つく、花柄は無又はほぼ無。閉鎖花は下部の葉腋につく。普通の花は中部~上部の葉腋につく。咢は3~4(~6)裂片、閉鎖花の咢片は短く、普通花の咢片は5(~ 6)個。花冠は青紫色又は淡紫色、まれに白色、車状、基部まで 5(~ 6)裂する。花冠裂片は披針形、先は鋭形又は尖鋭形。雄しべは5(~6)本、離生。花糸は基部で広がる。葯は長く、花糸より長い。子房は下位、(2 ~)3室、胚珠は多数。花柱は上向きだが、閉鎖花では小さくなる。柱頭は(2~)3裂、密に微軟毛がある。蒴果は類円筒形又はこん棒形、低い位置で (2 ~)3孔開する。種子は多数、球形~広楕円形、、わずかに扁平。
 世界に6種があり、アメリカに分布する。

キキョウソウ属の主な種

1 Triodanis biflora (Ruiz et Pav.) Greene ヒナキキョウソウ 雛桔梗草
  synonym Triodanis perfoliata (L.) Nieuwl. subsp. biflora (Ruiz et Pav.) Lammers [Flora of China]
 北アメリカ(USA、カナダ、メキシコ)原産。英名はsmall venus looking-glass, clasping Venus's-looking-glass 。中国名は异檐花 yi yan hua 。別名はヒメダンダンギキョウ。
 関東地方以西に帰化し、最近はどこでも見られるようになり、近年特に増加している。乾いた向陽地、道端に生える。
 1年草、高さ5~40㎝ 。茎はほとんど分枝せず、直立する。葉は互生し、無柄。葉身は長さ6~20㎜の卵形~卵状被針形~倒卵状被針形、縁に低い鋸歯があり、上部の葉は先が尖る。花は茎頂及び葉腋につき、花冠は直径1~1.3㎝。頂部の花以外はほとんど閉鎖花になる。萼裂片は通常5個であるが、閉鎖花では3、4個も多い。蒴果は長さ6~10㎜、長楕円状の円筒形、内部は3室に分かれ、熟すと上端近くの側面に孔が開き、種子が出る。種子は光沢のある褐色で、長さ約0.5㎜の扁平な楕円形。2n= 28 ,56。花期は4~7月。

2 Triodanis perfoliata (L.) Nieuwl.  キキョウソウ 桔梗草
 北アメリカ(USA、カナダ)原産。英名はcommon venus' looking-glass , clasping Venus's-looking-glass 。中国名は穿叶异檐花 chuan ye yi yan hua。乾いた向陽地、道端に生える。
 茎はやや硬く、直立、高さ15~60㎝、1本又は基部で分枝し、明瞭な稜があり、ときに、稜に下向きの長さが均等でない剛毛状の毛がある。茎、葉、萼など全体に白毛がある。葉は互生し、縁に粗い鋸歯がある。茎の中部以上につく葉は広卵形~類円形、長さ1~2㎝、縁や脈に短剛毛があり、基部は抱茎の心形、無柄で、縁は浅い円鋸歯状又はときに全縁、先は類鋭形~円形。茎の下部の葉は、取れやすく見られないことが多く、広披針形~円形、短い葉柄があり、基部が茎を抱かない。花は葉腋に1~3個つき、無柄、茎の中部以下では閉鎖花となる。萼片は3~5個、上部の花は5個、まれに4個、硬く、三角状披針形、先は尖鋭形。下部の閉鎖花の萼片は3~4個と少なく、咢片も短い。花冠は紫色又は白色、5深裂し、車状、直径8~20㎜、外面の脈上に粗毛がある。初期の花の花冠は未発達。雄しべ5個、花糸は短く、長さ約1㎜、葯は線形、長さ約2㎜。雄しべ先熟で、雄性期には花柱は棍棒形、有毛、花粉がつく。花粉が出終わった雌性期に柱頭は3裂する。子房下位。蒴果は円筒形、長さ4~6㎜、熟すと中央部に孔が開き、種子が落ちる。花時に子房の側面に孔となる部分の薄い壁が見える。種子は長さ約0.5㎜、褐色、レンズ形、扁平な惰円形。2n=56。花期と果期は4~7月。
2-1 Triodanis perfoliata (L.) Nieuwl. f. alba J.W.Voigt  シロバナキキョウソウ

参考

1) Flora of China
 Triodanis
 http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=242353002
2) Plants of the World Online | Kew Science
 Triodanis
 http://powo.science.kew.org/taxon/5791-1
3) The Jepson Herbarium
 Triodanis perfoliata
 https://ucjeps.berkeley.edu/eflora/eflora_display.php?tid=47266
4)GRIN
 Triodanis
 https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=12389