カセンソウ 歌仙草
Flora of Mikawa
キク科 Asteraceae ペンタネマ属
中国名 | 柳叶旋覆花 liu ye xuan fu hua |
学 名 |
Pentanema salicinum (L.) D.Gut.Larr., Santos-Vicente, Anderb., E.Rico & M.M.Mart.Ort. synonym Inula salicina L. synonym Pentanema salicinum (L.) D.Gut.Larr., Santos-Vicente, Anderb., E.Rico & M.M.Mart.Ort. synonym Inula salicina L. var. asiatica Kitam.synonym Inula salicina L. subsp. asiatica (Kitam.) Kitag. |
花 期 | 6~9月 |
高 さ | 20~80㎝ |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 日当たりのよい水路の土手などの草地 |
分 布 | 在来種 日本(北海道、本州、四国、九州)、ユーラシアの温帯地域に広く分布 |
撮 影 | 豊橋市 14.6.24(花) 14.7.18(果実の初期) |
地下茎で横に広がる。茎は細くて硬く、やや密に毛が生え、葉が密につき、間隔は1~2.5㎝、直立し、上部で枝分かれする。根生葉は長さ2~6㎝、幅5~15(30)㎜の被針形、花期には無い。茎葉は互生し、無柄、長さ(3)5~8㎝、幅1~2㎝の広楕円形~披針形、先は尖り、基部は茎を抱く。葉は洋紙質、やや硬く、縁には小歯牙がある。葉裏は葉脈がはっきり隆起し、無毛~有毛。頭花は枝先に1個ずつ上向きにつき、直径3.5~4㎝。総苞より下部に葉状の苞が多数、取り囲んでつく。総苞は直径10~15(20)㎜の半球形。総苞片は4~5列、ほぼ同長。外総苞片は長さ5~7㎜、幅1.5~2.5㎜、披針形~へら状楕円形、先が鋭頭~鈍頭。内総苞片は紫褐色を帯びる。周辺花(舌状花)は35~70個。小舌は長さ10~15㎜。痩果は長さ1.5~2㎜、無毛、褐色~暗褐色。冠毛は長さ7~8㎜、褐色を帯びる。2n=16。
オグルマは湿った草地に生え、葉の質が薄く、総苞片が細く、先が尖る。小舌が長さ16~19㎜と長い。痩果が長さ約1㎜、有毛。冠毛は長さ約5㎜。
オグルマとホソバオグルマの自然交雑種と考えられているサクラオグルマは、葉の幅がやや狭く、基部はわずかに茎を抱く程度。総苞片が細く、先が尖る。
ペンタネマ属
family Asteraceae - genus Pentanema矮性低木、多年草または1年草、まれに2年草、一般に根茎がある。毛は様々、無毛~無毛になり~綿毛がある。茎は直立し、翼はなく、樹脂道(resin canals)が無い。葉は互生し、±線形~卵形~楕円形、全縁~鋸歯状円鋸歯があり、有葉柄~抱茎~沿下する。頭花はまれに単生し、普通、頂生の散房花序に多数つき、普通、異性花(heterogamous)、放射状頭花(radiate)~微細な放射状頭花(minutely radiate)、または、少数の種では異性花の円盤型頭花(disciform)または同性花の中心小花頭花(homogamous discoid)である。 総苞片は覆瓦状、普通、不等長で、多列あり、線状~卵状披針形。花托は平ら~±凸形、ハチの巣状、普通、無毛、パレアは無い。周辺小花は雌性、放射状、花冠に3歯があり、明らかに総苞よりも長く、ときに、総苞と同長。中心小花は両性、花冠には5歯があり、鮮やかな黄色で、まれに紫色を帯びる。葯は距が無く(ecalcarate)、枝分かれした尾を持つ。 内皮組織(endothecial tissue)は放射状。花柱は端が太くならず、枝は幅が広く、分岐点に達しない広範囲に広がった鋭い毛(sweeping-hairs)をもつ。痩果は同形、楕円形または円筒形、うねがあり、無毛または毛があり、表面全体または先端のみに対の毛(twin hairs )がある。表皮細胞(epidermis cells)はそれぞれ1つの細長い結晶を持つ。冠毛は剛毛で覆われ、毛細管状の剛毛が(5)8~35(45)本、最も内側の遊離した剛毛以外は1列につき、またはまれに基部でわずかに合着する。世界に約40種があり、南西、南、中央アジア、アフリカ、ヨーロッパに分布する。(参考7)
世界に約34種あり、ユーラシア、アフリカ、エチオピアに分布する。[Kewscience](Flora of Chinaでは18種)
【Flora of Chinaの解説】
亜低木又は1年草。茎は翼が無く、樹脂道が無い。葉は互生、長円形~披針形、全縁~鋸歯縁、しばしば絨毛がある。頭花は普通、異形配偶の(heterogamous)放射状頭花(radiate)、ときに円盤型頭花(disciform)、中心小花頭花(discoid)。低木性の種ではしばしば若い頭花が冬眠する。花托はパレアが無く、平滑、鋭い弧状の毛をもち、分岐に届かない。痩果は長い結晶をもつ。剛毛状の冠毛は毛管状の剛毛が1列につく。x=9(Flora of China)。
ペンタネマ属の主な種
1 Pentanema alanyense H.Duman & Anderb. ペンタネマ・アラニエンセトルコ原産。黒松の森の開拓地にある石灰質の岩の上で成長しているのが発見された。
小さく繊細な多年草、根元には長い絹のような毛で覆われた球根のような休息芽がいくつかある。根は多数あるが優勢な主根はない。茎は円柱形、高さ約15㎝以下、幅約1㎜、上部はほぼ糸状の枝に分枝し、下部は控えめに枝分かれし、赤褐色、腺毛があり、剛毛が散在する。葉は線形から披針形で、長さ8㎝×幅7㎜・以下、基部に向かって次第に漸尖し、葉身には微細な腺毛があり、辺縁はほぼ全縁か、または微細で不明瞭な歯がある。上部の葉は線形、無柄。休眠する芽を巻く葉は長さ3~12mm、粉白色~紫色、幅が広い。頭花は幅約5㎜、異性花(heterogamous)、枝先に単生する。総苞片は長さ2~4 mm、腺毛があり、数列に並び、覆瓦状。外側の総苞片は緑色、鈍形。内側の総苞片は薄膜質、鋭形、縁は繊維状。花托は円錐形、パレアは無く、無毛。周辺小花は1列、雌性、放射状、黄色、腺毛が散在する。小舌は長さ約5㎜、表皮細胞が細長く、先端に3歯があり、痩果は中心小花の痩果と同じだが、冠毛は3(~4)本の毛細管状。中心小花は黄色、放射相称、5裂し、長さ約3㎜、花冠裂片は短く、腺毛がある。葯は距が無く(ecalcarate)、わずかに枝分かれした短い尾をもち、内皮組織は放射状、すなわち垂直細胞壁に限定された肥厚を伴う。花糸の色は正方形の細胞をもつ。花柱は2分岐し、基部がわずかに拡大する。花柱の枝はわずかに平らになり、鈍形、背側に鋭い広範囲に広がる毛があり、分岐点に達しない。柱頭の表面は2本の頂端で合流する帯を形成する。痩果は長さ約1㎜、楕円形、まばらに毛があり、8~10本の硬膜状の肋があり、表皮には細長い結晶を持つ。冠毛は4(~5)本の剛毛があり、長さ約2㎜の毛細管状。果柄(carpopodium)は斜め、白色、細胞は壁が厚く、数列に並ぶ。
2 Pentanema aschersonianum (Janka) D.Gut.Larr., Santos-Vicente, Anderb., E.Rico & M.M.Mart.Ort. ペンタネマ・アシェルソニアヌム
synonym Inula aschersoniana Jankasynonym Helenium aschersonianum (Janka) Kuntze
ブルガリア、ギリシャ、トルコ、ユーゴスラビア原産。
多年草、高さ15~40㎝、伏した粗毛がある。葉は長円形、先は鈍形、葉柄があり、縁は円鋸歯があり、下面には網状脈がある。頭花は腋生、離れ、ほぼ球形、緩い総状花序につく。花は黄色。花期は5~8(9)月。
3 Pentanema asperum (Poir.) G.V.Boiko & Korniy. ペンタネマ・アスペルム
synonym Inula aspera Poir.synonym Inula salicina subsp. aspera (Poir.) Hayek
モンゴル、ロシア、コーカサス、カザフスタン、トルクメニスタン、トルコ、ヨーロッパ原産。英名はelecampane rough , willowleaf yellowhead。
窒素固定植物(アクチノリザル植物:actinorhizal plants)の新種であることが確認された(2022)。葉の下面の腺毛の数はm㎡あたり16本あり、Inula germanica L.) では1本である。
多年草、高さ20~30㎝。茎は粗く、真っすぐ、ときに、赤色を帯びる。葉は螺旋状につき、硬く、粗く、長円状披針形、縁に細かい歯があり、網状が突き出る。下部の葉は基部が狭まり、茎葉は無柄。 頭花は大きく、黄色、単生または総状花序につく。総苞片は粗く、狭披針形。周辺小花は舌状で、サイズは総苞の約2倍。中心小花は筒状。雄しべは5本、雌しべは柱頭が2分岐し、下部に子房がある。 果実はむき出しの痩果。花期は6~7月。
4 Pentanema auriculatum (Boiss. & Balansa) D.Gut.Larr., Santos-Vicente, Anderb., E.Rico & M.M.Mart.Ort. ペンタネマ・アウリクラトゥム
synonym Helenium auriculatum (Boiss. & Balansa) Kuntzesynonym Inula auriculata Boiss. & Balansa
synonym oculus-christi L. subsup. auriculatum (Boiss. & Balansa) Yildirim & Senol comb. & stat.nov.
コーカサス、トルコ原産。
多年草、根茎がある。茎は高さ30~62㎝、密に絨毛または羊毛状毛がある。葉は密に絨毛がある。根生葉は倒披針形~卵形、長さ20~28㎝×幅3~5㎝、先は鋭形、縁は微細な小歯があり、基部は漸尖し、葉柄は長さ4~11㎝。下部の茎葉は無柄、長さ3~5㎝の沿下する部分があり、長さ14~20㎝×幅3~4㎝、卵形。中部~上部の茎葉は無柄、半抱茎、心形で基部に強く耳があり、卵形~披針形、長さ6~12㎝×幅1~3㎝、ときに、短く沿下する。頭花は放射状頭花、茎に3~7(~10)個つく。総苞は幅12~22(?1.2~2.2)㎝、総苞片は5~7列、開出する。外側の総苞片は線状披針形、長さ12~15㎜×幅1~1.3㎜、ほぼ全体が草質で帯緑色、密に絨毛がある。内側の総苞片は狭披針形、下部は厚くなって長さ3~5㎜×幅0.8~1㎜、まばらに絨毛がり、黄緑色、上部は線形、草質、帯緑色、長さ5~10mm×幅0.4~0.5mm、密に絨毛がある。周辺小花は約60個、小舌は長さ10~12㎜、背側の基部~中間まで、密~疎に絨毛がある。中心小花は多数つき、長さ5~7㎜、無毛。葯は帯黄色。花粉は黄橙色。痩果は線形~わずかに楕円状線形、10うねがあり、長さ2~3mm、まばらに軟毛があるか無毛になる。冠毛は帯白色、毛は18~21本、ザラつく。花期は6~7月。果期は7~8月。
5 Pentanema bifrons (L.) D.Gut.Larr., Santos-Vicente, Anderb., E.Rico & M.M.Mart.Ort. ペンタネマ・ビフロンズ
synonym Aster bifrons (L.) All.synonym Helenium bifrons (L.) Kuntze
synonym Inula bifrons (L.) L
synonym Conyza bifrons var. flosculosa L.
アルバニア、ブルガリア、フランス、ギリシャ、イタリア、ルーマニア、ユーゴスラビア原産。斜面に生える。
2年草、腺があり、ぬるぬるする。茎は高さ30~90㎝、直立し、頂部で分枝し、無毛またはわずかに軟毛がある。葉は卵状長円形、先は鈍形、縁に歯があり、無毛、両面に腺があり粘り、下面は粗い、無柄で抱茎、翼があり、沿下する。総苞は総苞片に腺があり、先が外側に曲がる。痩果はわずかに剛毛または微軟毛がある。頭花は卵形、コンパクトな散房花序につき、花は筒状、黄色。花期は7~9月。
6 Pentanema britannica (L.) D.Gut.Larr., Santos-Vicente, Anderb., E.Rico & M.M.Mart.Ort. カラフトオグルマ 樺太小車
synonym Inula britannica L.synonym Aster britannicus (L.) All.
ユーラシアの温帯に広く分布。
(日本、)中国、ロシア、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン、ヨーロッパなどユーラシアの温帯に広く分布。中国名は欧亚旋覆花 ou ya xuan fu hua 。英名はBritish elecampane , meadow-fleabane 。道端、荒地、野原、砂地に生える。Kewscienceでは日本を分布域に入れている。
多年草、高さ10~40(~75)㎝。茎は直立、絨毛がある。葉は無柄。根生葉の葉身は長さ (3~)6~7 ㎝×幅8~20(~30)㎜。茎葉の葉身は披針状楕円形~披針状線形、長さ2~5+㎝×幅5~12(~20)㎜、下面は普通、密に絨毛と腺があり、上面はまばらに小剛毛があるか、ほぼ無毛、基部は心形又は耳状、苞茎、縁は全縁又は小鋸歯縁。頭花は1~8個つき、直径2.2~5㎝。花序柄は長さ1~4㎝、密に絨毛がある。総苞は直径(7~)15~22㎜。総苞片は4~5列につく。外総苞片は披針状線形、長さ4~6㎜×幅0.5~0.8㎜、基部に絹毛がある。内総苞片も似ているがより薄膜質。周辺小花は40~70+個つく。小舌は長さ10~15(~20)㎜。中心小花の花冠は長さ4~6㎜、5裂する。痩果は円筒形、長さ1~1.2㎜、微軟毛がある。冠毛は白色、分離又は基部が合着した20~25本の剛毛であり、長さ4~6㎜。花期は6~9月。2n=16, 32。
7 Pentanema caspicum (F.K.Blum ex Ledeb.) G.V.Boiko, Korniy. & Mosyakin ペンタネマ・カスピクム
synonym Helenium caspium (F.K.Blum ex Ledeb.) Kuntzesynonym Inula caspica F.K.Blum ex Ledeb.
アジア西部、ヨーロッパ東部原産。中国名は里海旋覆花 li hai xuan fu hua。
2年草、茎の基部は太く、木質、単生または数本束生する。茎は直立または斜めに斜上し、高さ18~70㎝、丈夫または細く、基部の直径2~4㎜、細い溝があり、若い茎は白色の長い綿毛で覆われ、後に基部と基部の葉を除いて長い毛のある基部が疣状の短粗毛に覆われ、またはほとんど無毛、多数、分枝または上部のみに花序の枝があり、節間は長さ1.5~4㎝。下部の葉は花期にしばしば枯れ、長円状線形または狭披針形、漸尖し、長柄があつ。中部より上の葉は線状披針形、長さ4~12㎝×幅0.5~2㎝、基部は広がり、心形があり、半抱茎の小さな耳があり、無柄、先は尖鋭形または鋭形、全縁、質が厚く、上面はほとんど無毛、下面は全体または縁近くが疣状の粗毛で覆われ、しばしば腺点があり、中脈と側脈がわずかに下面に隆起する。上部の葉は小さく、線形。頭花は直径2~3㎝、まれに4㎝以下、単生または2~5個が枝先の散房花序または複合散房花序につく。花序柄は細く、長毛に覆われる。総苞は半球形、直径1~1.5㎝。総苞片は3~4列。外総苞片は線状披針形、長さ3~7㎜×幅1~1.3mm、下部は革質、先は尖鋭形、外面には粗い毛がある。内総苞片は外総苞片の長さの2倍またはわずかに長く、長さ7~10㎜、線状披針形、中脈を除いて乾いた膜質で、しばしば縁が赤紫色になり、短いいぼ状の毛がある。周辺小花は黄色、舌状、長円状線形、長さ10㎜×幅1㎜・以下、上部に3歯があり、外面の下部に腺がる。筒状小花は花冠が長さ5~6㎜、花冠裂片は三角形。冠毛は白色、20~25本の細い毛があり、筒状花の花冠とほぼ同長。 痩果はほぼ円筒形、長さ1.2~1.5㎜m、細い溝があり、長毛で覆われる。花期は8~9月(中国植物志)。
8 Pentanema confertiflorum (A.Rich.) D.Gut.Larr., Santos-Vicente, Anderb., E.Rico & M.M.Mart.Ort. ペンタネマ・コンフェルティフロルム
synonym Helenium confertiflorum (A.Rich.) Kuntzesynonym Inula confertiflora A.Rich
エチオピア原産。
下部は低木状、上は枝分かれし、枝は円柱形、条線があり、白色の綿毛があり、先端に葉がつく。葉は細長い披針形、先は鋭形、基部は狭くなり、短い葉柄があり、縁は小歯があり、下面は白色の綿毛があり、上面はほとんど無毛、網状脈があり、ほぼ膜質、長さ3.8~12.5㎝×幅0.8~3.3㎝、 小歯の先端に腺がある。頭花はほぼ半球形、直径1.3~1.6㎝、多数の花が、不等長の苞がある長さ2.5㎝以下の花序柄の上につき、密な散房花序または丸みを帯びた頂生の集散花序が幅7.5~17.5㎝になる。苞は葉状。総苞片は多列、不等長、覆瓦状、縁毛がある。内総苞片は線形、鋭形。外総苞片は連続的に短く、より鈍形の披針形、背に毛がある。花托は平ら、裸出、直径3mm、花の外に小舌が出る。痩果は長円形、円柱状、約10本の肋があり、長さ約1.7㎜、頂部近くに直立~開出する短い剛毛がある。冠毛は一列につき、淡色の綿毛があり、細かくザラつく。
9 Pentanema divaricatum Cass. ペンタネマ・ディバリカタム
synonym Inula divaricata (Cass.) Boiss.
synonym Vicoa divaricata (Cass.) O.Fedtsch. & B.Fedtsch.
synonym Pentanema vestitum (Wallich ex Candolle) Y. Ling [Flora of china]
synonym Inula vestita Wallich ex Candolle
サウジアラビア、アラブ湾岸諸国、オマーン、イラン、イラク、レバノン・シリア、インド、東ヒマラヤ、西ヒマラヤ、ネパール、チベット、ミャンマー、パキスタン、アフガニスタン、ウズベキスタン、タジキスタン、トルクメニスタン原産。中国名は毛苇谷草 mao wei gu cao。川床、石の多い場所に生える。
1年草または2年草、高さ10~50㎝。 茎は単生または上部で分枝し、直軟毛がある。葉は合成花序内では長円形または卵形、長さ1~3㎝×幅0.5~1㎝、両面に直軟毛があり、基部は心形、半抱茎または下部の葉は漸尖し、縁には部分的に普通、浅い鋸歯があり、先は鋭形または鈍形。総苞は総苞片が4~5列。外側の総苞片は草質、線形、長さ4.5~6㎜。内側の総苞片は線形~披針形、長さ6~7.2㎜、縁はザラつき、先は尖鋭形。周辺小花の花冠筒部は長さ約2.7㎜、舌部は約・長さ4.5㎜×幅0.6㎜、基部に直軟毛がある。中心小花の集まり(disk)は直径0.6~1㎝、花冠は長さ3.3~4.5㎜、先に腺がある。痩果は長円形、褐色、長さ約0.8㎜、まばらに伏毛がある。冠毛は離生の剛毛、細く、普通、(5)10本、黄白色、長さ2.5~3.5㎜。花期は4~7月。
10 Pentanema ensifolium (L.) D.Gut.Larr., Santos-Vicente, Anderb., E.Rico & M.M.Mart.Ort. ペンタネマ・エンシフォリウム
synonym Aster ensifolius (L.) Scop.synonym Helenium ensifolium (L.) Kuntze
synonym Inula ensifolia L. i ヨーロッパ東部、スウェーデン、コーカサス、トルコ原産。
多年草。 根茎は細く、水平に這い、枝分かれし、鱗片に覆われる。茎は根茎の上部に1本または数本、高さ15~25(45)㎝、円筒形、縦にうねがあり、普通、ほとんど上部まで葉があり、中実、緑色または灰緑色、繊維状~ほぼ無毛、頻度は低いものの頂部に少数の枝がある。葉は線形または披針形、まれに下部では狭楕円形、 長さ(2)3~6(9)㎝×幅 0.3~0.7(1)㎝、基部が狭まり、無柄、茎を覆わず、まれにかろうじて茎を覆い、3~7(13)本の凸形の平行または弓状の脈があり、ときに下部の脈と凸形の側脈があり、皮状、全縁、裸で、短い縁毛の繊維状または縁に縁毛がある。花序は半球形、直径2.5~4(4.5)㎝、多数の花をもち、茎の頂部に1個、まれに2~6(7)個の花が緩い密錐花序状の複合花序につく。総苞片(tegumental leaflets)は3~4(5)列、果実が熟すと直立し、周辺の総苞片(peripheral)は線状披針形~三角状披針形、革質~草質、長さ8~10㎜×幅1.3~3.5㎜、縁に縁毛があり、しばしば先が後方に巻く。中部および内側の総苞片は線形~線状披針形、長さ8~10(13)㎜×幅1~1.5㎜、膜質、先に縁毛がある。花は黄色。舌状小花は35~40個、小舌は長さ7.5~12㎜、筒部の長さの1.5~2倍。筒状小花は多数、長さ5~7㎜。痩果は円筒状の角柱形、上部と基部が切形、長さ2~2.5㎜、薄褐色、細かい縦のうねがあり、無毛。 冠毛は30~45本の毛、白色、全体に細かい鋸歯があり、基部が融合し、長さ5~6㎜。
11 Pentanema flexuosum (Boiss. & Hausskn.) Rech.f.
synonym Inula flexuosa Boiss. & Hausskn.
synonym Jacobaea flexuosa (Boiss. & Hausskn.) Kuntze
イラン原産。
12 Pentanema germanicum (L.) D.Gut.Larr., Santos-Vicente, Anderb., E.Rico & M.M.Mart.Ort.
synonym Helenium germanicum (L.) Kuntzesynonym Inula germanica L.
synonym Ulina germanica (L.) Opiz
ヨーロッパ東部、コーカサス、トルコ、イラン、カザフスタン原産。
多年草、高さ30~60㎝。葉は落葉性、互生し、単葉、濃緑色、楕円形、縁は全縁、基部は茎を抱く。頭花は鮮やかな緑黄色、円錐花序につく。果実は痩果。花は7~8月。
13 Pentanema gracile (Gilli) Rech.f.
synonym Inula gracilis Gilli
アフガニスタン原産。
14 Pentanema helenioides (DC.) D.Gut.Larr., Santos-Vicente, Anderb., E.Rico & M.M.Mart.Ort. ペンタネマ・ヘレニオイデス
synonym Helenium heleniodes (DC.) Kuntzesynonym Inula helenioides DC.
フランス、スペイン原産。
多年草、多少、細い根茎があり、絹毛または綿毛があり、毛は長さ(0.2)1~5(6)㎜、ほぼ無柄の腺がある。茎は長さ15~65㎝、直径 1.5~5㎜、直立し、非常にまれに短く斜上し、普通、上部で分枝し、多少、密に毛があり、ときに綿毛または絹毛があり、下半部にはより密に毛がある。葉は茎の全長に沿ってつき、基部から先に向かって次第に小さくなり、革質ではなく、全縁またはわずかに歯状があり、あまり目立たない網状脈があり、縁毛はなく、先は鋭形またはほぼ鋭形で、ときに尖鋭形、上面は灰緑色~帯灰白色で散在~密に毛があり、下面は灰白色または白色で、多少、密な毛または絹毛があり、両面に毛と腺がある。根生葉は長さ(4.3)5~17(23)㎝x幅(0.5)1~5㎝ で、普通、花期に存在し、緑色または乾き、披針形~長円状卵形、漸尖して、長さ0.5~6㎝の葉柄がある。茎葉は長さ(1)2~8(18)㎝×幅0.4~2(4)㎝、平均的なものは幅の2~7(8)倍の長さで、披針形~広長円状披針形、無柄、基部は円形~心形、少なくとも上部の葉は半抱茎、たまに、短く沿下する。頭花は(1)2~9(12)個、緩く頂生の散房花序につく。頭花は直径20~50㎜、花序柄があり、花序柄は長さ(5)15~40(60)㎜。総苞は長さ(7)10~15㎜、直径10~20㎜、半球形。外側の総苞片は長さ(3.5)5~14(23)㎜x幅(0.8)1~2(2.4)㎜、直立~開出し、線状披針形~狭披針形、全縁、鋭形、密に毛または綿毛があり、毛と多数の腺がある。内側の総苞片は 長さ7~12㎜x幅0.5~1.2㎜、直立し、線形または剣形(ensiform)、全縁、鋭形または短く尖り、縁には通常、多数の剛毛があり、多少、前側にあり、腺があるか無く、背側はほぼ無毛~まばらに毛があり、いくらかの毛(tector hairs)と普通、多数の腺がある。周辺小花は60~120個、花冠は長さ(8)10~18(22)㎜で、明らかに総苞を(4)5~10(15)㎜超えており、多数の腺があり、普通、少なくともいくつかは舌部の基部にあり、たまに、頭花のすべての小舌が欠ける。小花は花冠が長さ6~9㎜。痩果は長さ(1.1)1.8~2.2㎜、多少、円筒形、先で狭くならず、前向きの毛があり、多少、伏せ、表面全体に毛があるか、またはときに、上半分だけにあり、例外的に無毛。冠毛は長さ6~8.5㎜、基部がわずかに結合した(18)20~28(35)本の毛をもつ。花期は5~11月。
15 Pentanema helveticum (Weber) D.Gut.Larr., Santos-Vicente, Anderb., E.Rico & M.M.Mart.Ort. ペンタネマ・ヘルベチクム
synonym Inula helvetica Webersynonym Inula cinerea Lam.
synonym Inula vaillantii (All.) Vill.
フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、スイス原産。湿気の多い場所、川のほとり、山岳地帯の茂みに生える。
多年草、高さ40~60㎝、直立し、有毛、しばしば上部で多数分枝する。葉は楕円状披針形、先は尖鋭形、全縁または不明瞭な小歯があり、下面は綿毛で帯灰色、上面は緑色で少し軟毛があり、無柄または狭まり非常に短い葉柄がある。総苞は外側の総苞片が草質、軟毛またはほとんど全体に毛があり、先は外側に弓なりになる。痩果は無毛。冠毛は帯白色。頭花は不規則な散房花序につく。黄色い花は小舌が総苞よりもはるかに長い。花期は7~9月。
16 Pentanema hirtum (L.) D.Gut.Larr., Santos-Vicente, Anderb., E.Rico & M.M.Mart.Ort. ペンタネマ・ヒルツム
synonym Aster hirtus (L.) Scop.synonym Helenium hirtum (L.) Kuntze
synonym Inula hirta L.
ヨーロッパ東部、コーカサス、カザフスタン原産。森の端、丘の中腹に生える。
- 多年草、茎は高さ20~40㎝、真っすぐ、単純、有毛。葉は革質、全縁または細かい歯があり、短い毛があり、両側が粗く、縁に縁毛があり、葉脈の下面に毛があり、長円状披針形、先は鈍形、下部の葉は基部で少し狭まり、上部の葉は茎を抱く。頭花は大きく、単生し、茎に頂生する。花は黄色、長い小舌をもち、毛も腺もない。総苞は総苞片が等長、直立し、堅く、披針状線形、長く堅い縁毛で覆われる。痩果は円筒形、無毛。冠毛は汚白色、約30本の剛毛、わずかに合着する。花期は6~7月。
17 Pentanema inuloides (Fisch. & C.A.Mey.) D.Gut.Larr., Santos-Vicente, Anderb., E.Rico & M.M.Mart.Ort.
synonym Amblyocarpum inuloides Fisch. & C.A.Mey.synonym Codonocephalum inuloides Fenzl
イラン、コーカサス原産。
花托にパレアは無い。頭花は放射状頭花。痩果は扁平、上部は膨れ、切形、腺がある。冠毛は無い。
18 Pentanema kurdistanicum Maroofi & Ghaderi
イラン原産。2016に発表された新種。類似種はP. flexuosum と P. prasinurum.。
19 Pentanema langeanum (Beck) D.Gut.Larr., Santos-Vicente, Anderb., E.Rico & M.M.Mart.Ort. ペンタネマ・ランゲアヌム
synonym Inula langeana Beckスペイン原産。
多年草、やや太い根茎があり、軟毛~綿毛または羊毛があり、長さ0.5~7㎜の毛(tector hairs)と無柄またはほぼ無柄の腺がある。茎は高さ(25)35~70㎝×直径(1.7)2~5㎜、直立し、上部で枝分かれし、毛~綿毛~羊毛状毛があり、ときに特に基部で密になる。 葉は茎の全長に沿って配置され、基部から先に向かって次第にサイズが小さくなり、革質ではなく、全縁~わずかに鋸歯があり、狭披針形~卵状披針形、不明瞭な網状脈があり、縁毛は無く、先は鋭形ときに短い尖鋭形、上面は緑色~灰緑色で軟毛~綿毛があり、下面は灰緑色~ときに帯灰白色で、羽毛~綿毛~羊毛状毛があり、両面に毛と腺がある。根生葉は長さ(3)4.4~18㎝×幅0.8~3.2㎝、基部は残尖し、長い葉柄は長さ6㎝以下、まれに無柄。茎葉は長さ(0.8)1.2~9.3(11)㎝x幅0.2~3㎝、無柄、基部は切形またはわずかに茎を抱き、沿下しない。頭花は直径13~23㎜、普通、花序柄があり、ときに無柄、花序柄は長さ2~40(50)㎜。総苞は長さ10~15㎜×直径10~15㎜、広円筒形またはほぼ半球形。外総苞片は長さ2.8~8(9.3)㎜×幅0.9~2(2.7)㎜、開出~直立し、先は開出または反り返り、線状披針形~卵状披針形、全縁、鋭形、密に毛または綿毛があり、ときに下部の1/3がほぼ無毛~軟毛があり、毛と腺がある。内総苞片は、長さ8~13㎜x幅0.7~1.2㎜、直立、線形または剣形、全縁、鋭形、ときに先端が短く尖り、縁には堅い毛が豊富にあり、多少、前向きになり、背には多少、毛があり、多少、豊富な毛と腺がある。周辺小花は頭花に30~60個あり、花冠は長さ(8)9~12(15)㎜、総苞片をわずかに(最大3(5)㎜)超え、十分に発達した小舌を持ち、少なくとも花期の柱頭よりも2㎜長く、容易に小花から識別でき、いくつかの小さな腺がある。中心小花は花冠が長さ7~10mm。痩果は長さ2.2~3mm、多少、円柱形~ほぼ円柱形、先は狭くならないか、ほとんど狭くならず、多少、前向きの伏毛が表面全体にあり、先端部分により多くまたは上半分のみにある。冠毛は長さ7~9㎜、25~35 本の毛が基部でわずかに融着する。花期は6~12月。
20 Pentanema maletii (Maire) D.Gut.Larr., Santos-Vicente, Anderb., E.Rico & M.M.Mart.Ort. ペンタネマ・マレティ
synonym Inula maletii Maireモロッコ原産。
高さ20~50(80)㎝。葉は互生、卵状披針形、長さ20~60㎜×幅12~20㎜、先はほぼ鈍形、基部はほぼ無柄またはほぼ抱茎で沿下し、長い毛は無く、上面はザラつき、腺がある。合成花序は集散花序またはゆるい偽総状花序であり、頭花は3~10個つく。総苞片は4~6列。周辺小花は長さ(9)12~15㎜。中心小花は長さ7~8.1㎜、花冠は5裂。痩果は長さ1.8~2.2㎜。冠毛は長さ5~6㎜。
21 Pentanema mariae (Bordz.) D.Gut.Larr., Santos-Vicente, Anderb., E.Rico & M.M.Mart.Ort. ペンタネマ・マリアエ
synonym Inula mariae Bordz.トルコ、コーカサス原産。 標高2100~300mの高山の草原に生える。
多年草、根茎がある。茎は長さ19~35㎝、± 直立、葉がつき、先を除いて枝分かれせず、帯紫色、開出する帯白色の毛と微細な腺がある。葉は倒披針形または長円状へら形、先は鋭形または鈍形。根生葉は長さ10~16㎝×幅2~2.8㎝、漸尖し、基部に短い葉柄がある。上部の葉は小さく、無柄、基部は心形で短く沿下し、縁には小歯状があり、両面に軟毛があり、微細な腺がある。頭花は放射状頭花、散房花序に2~6個つき、まれに単生する。総苞は幅2~3㎝。総苞片はほぼ等長、4列つく。外側の総苞片は楕円形~卵状披針形、先は尖鋭形、長さ13~15㎜×幅5~7㎜、基部が肥厚し、草質、± 長い白色または帯黄色の絨毛で密に覆われる。内側の総苞片はより狭く、最も内側の総苞片は線形、幅約0.75㎜。周辺小花は約30個つき、小舌は長さ13~18㎜、基部には絨毛がある。中心小花は長さ8~9㎜。痩果は長さ2.5~3.5㎜、不明瞭なうねがあり、±密に毛がある。冠毛は帯褐色、長さ7~8㎜、毛は30~35本あり、ザラつき、基部は離生。花期は7~8月。
22 Pentanema montanum (L.) D.Gut.Larr., Santos-Vicente, Anderb., E.Rico & M.M.Mart.Ort. ペンタネマ・モンタナ
synonym Aster montanus (L.) All.synonym Helenium montanum (L.) Kuntze
synonym Inula montana L.
フランス、イタリア、ポルトガル、シチリア、スペイン、スイス、アルジェリア、モロッコ、チュニジア原産。石灰岩土壌の乾燥した丘の中腹に生える。
多年草、根茎がある。茎は高さ15~35㎝、密に白色の羊毛状毛があり、長いしなやかな毛と短い毛が混ざる。 葉は間隔が開き、長さ10~170㎜x幅1.2~13㎜、長円状披針形、先は鈍形、全縁または非常に不明瞭な歯があり、下面は白色の絹毛があり、上面は軟毛がある。下部の葉柄が短く、小さく、続く上部では無柄、幅が狭く、基部がわずかに狭くなる。頭花は放射状頭花(radiate)、茎頂に、単生、大きい、まれに2~3分岐する。総苞は長さ13~18㎜。総苞片は非常に不均等で直立する。外側の総苞片は草質、披針形、羊毛状毛がある。内側の総苞片は薄膜質、縁毛がある。周辺小花は舌状、長さ11~17㎜、4~6㎜ だけ総苞を超え、筒部は長さ4.5~5.5㎜、拡大部は長さ10~11.5㎜。中心小花は長さ6~8㎜。痩果は長円形、長さ2~2.2㎜x幅0.3~0.6㎜、伏毛がある。冠毛は約30本のわずかに合着下剛毛、周辺小花の冠毛は長さ(6.5~)7~8.5㎜。2n=16。花期は6~7(8)月。
23 Pentanema nematolepis Rech.f. ペンタネマ・ネマトレプシス
アフガニスタン、パキスタン原産。イラン・トゥラニア地域の西側にほとんど分布し、東側に達しない。
24 Pentanema oculus-christi (L.) D.Gut.Larr., Santos-Vicente, Anderb., E.Rico & M.M.Mart.Ort. ペンタネマ・オクルスクリスティ
synonym Helenium oculus-christi (L.) Kuntzesynonym Inula oculus Schrank
synonym Inula oculus-christi L.
ヨーロッパ、トルコ、イラン、イラク、コーカサス、カザフスタン、トルクメニスタン原産。英名はhairy fleabane。 半乾燥の草原、乾燥した暖地の林縁に生える。
多年草、高さ20~50(60)㎝。茎は白色の毛がある。葉は互生し、葉柄があり、単葉、緑色、倒披針形、縁に歯があり、両面は密に絹毛状の羊毛状毛に覆われフェルト状になり、下面には葉脈が強く突き出る。頭花は鮮やかな緑黄色、散房花序に2~5個つき、直径2.5~4㎝。総苞片は不規則に覆瓦状、密に絹毛がある。周辺小花は黄色~橙黄色。果実は痩果。花期は6~8月。
25 Pentanema orientale (Lam.) D.Gut.Larr., Santos-Vicente, Anderb., E.Rico & M.M.Mart.Ort. ペンタネマ・オリエンターレ
synonym Inula orientalis Lam.synonym Helenium orientale Kuntze
synonym Inula glandulosa Puschk. ex Willd.
トルコ、コーカサス、ネパール、西ヒマラヤ原産。温帯のヒマラヤ、標高2000m以下に生える。
多年草、直立し、腺があり、軟毛があり、茎は高さ75㎝以下、まれに、分枝し、下部は剛毛があり、上部には毛があり、全体に葉がある。葉は楕円状卵形、基部はくさび形、抱茎、先は鋭形、縁にのある腺鋸歯があり、長さ5~12㎝x幅1~3㎝、毛があり、無柄。頭花は黄色、単生、頂生し、幅3~8㎝。総苞片は黒緑色、多列つき、線状披針形、約・長さ11㎜x幅2㎜、縁に厚く毛があり、中肋は腺のある先端で終わる。周辺小花は黄色、長さ約18㎜、2~3裂し、小舌は線形~長円形、3~5うねがあり、筒部は長さ4~5㎜。中心小花は黄色、多数つき、長さ約7㎜、5裂し、花冠の筒部は長さ約5㎜、拡大部は長さ約2㎜。花柱は2分岐し、先は切形。痩果は褐色、長円形、長さ約1㎜、かすかにうねがある。冠毛は長約6.5~7㎜。花期および果期は7~9月。
26 Pentanema persicum (DC.) D.Gut.Larr., Santos-Vicente, Anderb., E.Rico & M.M.Mart.Ort.
synonym Varthemia persica DC.synonym Inula rupestris Aitch. & Hemsl.
synonym Iphiona persica Benth. & Hook.f.
イラン、パキスタン、アフガニスタン、タジキスタン、トルクメニスタン原産。
高さ20~60㎝、根茎は無く、直立し、茎は基部が木質、いぼ状突起で覆われ、ザラつく。
27 Pentanema prasinurum Rech.f.
アフガニスタン原産(Fl. Iranica 145: 100 (1980))。
28 Pentanema pulicariiforme (DC.) Jaub. & Spach
synonym Inula pulicariiformis DC.
synonym Jacobaea pulicariiformis (DC.) Kuntze
イラン原産。標高1500~3500mに分布する。
29 Pentanema pygmaeum (Gilli) Rech.f.
synonym Inula pygmaea Gilli
アフガニスタン原産 。
30 Pentanema sabuletorum (Czern. ex Lavrenko) G.V.Boiko & Korniy. ペンタネマ・サブレトルム
synonym Inula sabuletorum Czern. ex Lavrenkosynonym Inula salicina subsp. sabuletorum (Czern. ex Lavrenko) Soják
synonym Pentanema salicinum subsp. sabuletorum (Czern. ex Lavrenko) Mosyakin
ブルガリア、チェコスロバキア、ハンガリー、ルーマニア、ウクライナ、ロシア、カザフスタン、北コーカサス原産。茎は無毛。葉は広線形~細長く、基部から2/3~3/4が±等幅、先端に向かって次第に細くなり、幅4~11㎜、長さ幅比は4.9~8.7:1、無毛、明瞭な歯があり。 節間は1㎝を超ない。外総苞片は披針形~狭卵形、上部は草質、草質部の長さ幅比は3.0~5.9:1。
31 Pentanema salicinum (L.) D.Gut.Larr., Santos-Vicente, Anderb., E.Rico & M.M.Mart.Ort. カセンソウ 歌仙草
synonym Inula salicina L.日本、朝鮮、中国、ウズベキスタン、アゼルバイジャン、ジョージア、レバノン、シリア、トルコ、ヨーロッパ原産。道端、荒れ地に生える。
多年草。茎は高さ20~80㎝、葉が密集し、節間は1~2.5㎝。 根生葉は披針形、長さ2~6㎝×幅5~15(~30)㎜。 茎葉は広楕円形~披針形、長さ(3~)5~8㎝×幅1~2㎝、両面とも普通、無毛、上面は脈が隆起し、網状脈が目立ち、基部は心形で茎を抱き、先は鋭形。頭花は茎や枝の上に単生し、葉状の苞葉に密に取り囲まれる。総苞は半球形、直径10~15(~20)㎜。総苞片は4~5列。外側の総苞片は披針形~へら状長円形、長さ5~7㎜×幅1.5~2.5㎜、外面には密に毛があり、先は鈍形または鋭形。内側の総苞片は線状披針形、外面には密に毛があり、先は尖鋭形。周辺小花は35~70個つき、舌部は長さ10~15㎜。中心小花の花冠は長さ5~9㎜。痩果は長さ1.5~2㎜、無毛。冠毛は白色で、30~40本の離生または基部が合着した長さ7~8㎜の髭の剛毛がある。花期は6~9月。果期は9~10月。2n=16。
32 Pentanema spiraeifolium (L.) D.Gut.Larr., Santos-Vicente, Anderb., E.Rico & M.M.Mart.Ort. ペンタネマ・スピラエイフォリウム
synonym Inula spiraeifolia L.synonym Inula squarrosa subsp. spiraeifolia (L.) Nyman
フランス、イタリア、コルシカ島、スイス、ハンガリー、アルバニア、ブルガリア、ユーゴスラビア、イラン、トルコ原産。石の多い石灰岩の丘に生える。
多年草。茎は高さ30~60㎝、直立し、堅く、単純で、角張る。 葉は革質、無柄で、直立し、互いに非常に接近してまるで重なり合っているかのように見え、卵状披針形または長円状披針形、縁は小歯があり、無毛、普通、両面が粗く、強い脈があり、縁毛がある。総苞は総苞片が非常に不均等で、軟骨質。外側の総苞片は上部で湾曲し、鈍形、微突形。内側の総苞片は線形で、先が鋭形。痩果は無毛。冠毛は汚白色。頭花は短くて非常にコンパクトな散房花序につき、花序柄は短い。花は放射状、舌状小花は黄色。花期は7~8月。
33 Pentanema squarrosum (L.) D.Gut.Larr., Santos-Vicente, Anderb., E.Rico & M.M.Mart.Ort. ペンタネマ・スクアロスム
synonym Pentanema conyzae (Griess.) D.Gut.Larr.synonym Inula conyza DC.
synonym Inula conyzae (Griess.) Meikle
synonym Inula foetida Dulac
synonym Aster conyzae Griess.
イラン、トルコ、シリア、コーカサス、ヨーロッパ、アルジェリア原産。英名はploughman's spikenard。乾燥した岩の多い断崖や石の多い石灰質の土壌(イングランドのドーバー断崖で豊富に生育)の地域の斜面でよく見られ、開けた森、草原、土手などの乾燥した適度に不毛の石灰質の場所に生える。
2年草または多年草、短毛があり、根茎があり、ロゼットを形成する。普通、高さ50~100(~150)cm、幅30~45㎝になる。開花前の根生葉のロゼットはジギタリスのロゼットに似ている。葉は卵形~披針形、短い歯があるか全縁、しわがあり、下面は薄くフェルト状になり、上面は+/-無毛。下部の葉は幅が狭くなり柄があり、上部の葉は無柄。頭花は全体では散形花序状の円錐花序につき、頭花は直径8~12㎜。周辺小花はほとんどが赤色を帯び、中心小花より短い。中心小花は多数つき、帯黄色、筒状小花。痩果は長さ約2㎜。冠毛は長さ約7mm。花期は7~9月(Info Flora)。
34 Pentanema verbascifolium (Willd.) D.Gut.Larr., Santos-Vicente, Anderb., E.Rico & M.M.Mart.Ort. ペンタネマ・ベルバシフォリウム
synonym Conyza verbascifolia Willd.synonym Inula verbascifolia (Willd.) Hausskn.
synonym Helenium heterolepis (Boiss.) Kuntze
東エーゲ諸島、ギリシャ、クレタ島、イタリア、アルバニア、ブルガリア、ユーゴスラビア、レバノン・シリア、トルコ原産。沿岸地域の日当たりの良いまたは半日陰の場所の岩、石、または古い壁の隙間に生える。
多年草。 茎は垂れ下がるか曲がり、基部で分枝し、高さ20~50㎝。茎と葉の両方に羊毛状綿毛があり、顕著な灰色になる。葉は卵状披針形、下部の葉は長い葉柄があり、茎の上部の葉は小さく、ほぼ無柄、葉の下面は脈が明瞭、縁は円鋸歯~鋸歯がある。頭花は直径約1cm、茎上部の葉腋につき、外側の鮮やかな黄色の舌状花と内側のオレンジ色の管状花からなる。それらは上部の葉の腋窩の茎にあります。痩果には冠毛がある。花期は6~8月。2n=16。
35 ハイブリッド
(1) Pentanema × doellianum Rottenst.
synonym Inula × rigida Döll
P. hirtum × P. salicinumの自然交雑種。
ドイツ、イタリア、チェコスロバキア、ロシア、ユーゴスラビア原産。
(2) Pentanema × medium (M.Bieb.) G.V.Boiko & Korniy. ペンタネマ×メディウム
synonym Inula × media M.Bieb.チェコスロバキア、トランスコーカサス、ユーゴスラビア原産。
P. germanicum × P. salicinumの自然交雑種。
ビコア属
family Asteraceae - genus Vicoa1年草または2年草。葉は互生し、普通、全縁、羽状脈、基部はほとんど茎を抱く。頭花は単生、腋生または葉に対生し、花序柄があり、普通、放射状頭花(radiate)、まれに中心小花頭花(discoid)。総苞片は多列、狭い尖鋭形。花托はときに隆起し、無毛。周辺小花は少数、雌性、花冠は舌状、2歯がある。外側の舌部は広く、2~3歯があり、内側は円柱形で錐形。葯は下部が矢じり形(sagittate)。痩果は角(かど)があり、うねは無く、無毛または毛がある。冠毛は1列、平滑、乏しいかまたは無い。
世界に14種あり、アジア、アフリカに分布する。[Kewscience]
ビコア属の種
Vicoa albertoregelia C.Winkl.Vicoa cernua Dalzell
synonym Pentanema cernuum (Dalzell) Y. Ling [Flora of China]
Vicoa chodzhakasiani (Kinzik.) Nabiev
Vicoa discoidea (Nabiev) Kamelin
Vicoa glanduligera Krasch.
Vicoa indica (L.) DC.
synonym Pentanema indicum (L.) Y.Ling [Flora of China]
Vicoa krascheninnikovii Kamelin
Vicoa lignea (Mesfin) D.Gut.Larr., Santos-Vicente, Anderb., E.Rico & M.M.Mart.Ort.
Vicoa multicaulis (Boiss.) Benth. & Hook.f.
Vicoa parietarioides Nevski
Vicoa propinqua Nevski
Vicoa rupicola Krasch.
Vicoa sahyadrica Nandikar & Sardesai
Vicoa varzobica (Kamelin & Kinzik.) Nabiev
ビコア属の主な種
1 Vicoa cernua Dalzellsynonym Pentanema cernuum (Dalzell) Y. Ling [Flora of China]
中国(雲南省)、ブータン、インド、ネパール原産。中国名は垂头苇谷草 chui tou wei gu cao。草が茂った斜面に生える。
1年草。茎は高さ25~50㎝、毛があります。 葉柄は非常に短い。葉身は長円状披針形、長さ5~7.5㎝×幅2~2.5㎝、両面に短毛があり、基部は狭くなり、縁は浅く小鋸歯または歯があり、まれに全縁、先は鋭形または尖鋭形。頭花は直径5~7㎜、垂れ下がり、まばらに散房花序につく。花序柄は細く、普通、小苞が1枚ある。総苞片は線形、尖頭形、軟毛がある。外側の総苞片は鱗片状。周辺小花は20~40個、小舌は黄色、線形、総苞形より長く、先には3歯がある。痩果は楕円形、約。 0.6㎜、まばらに毛がある。中心小花の冠毛は少数、褐色、長さ3~4㎜。
2 Vicoa indica (L.) DC.
synonym Pentanema indicum (L.) Y.Ling [Flora of China]
中国(広西省、貴州省、四川省、雲南省)、インド、ミャンマー、ネパール、パキスタン、スリランカ、タイ、ベトナム、熱帯アフリカ原産。中国名は苇谷草 wei gu cao。荒れ地、草が茂った斜面に生える。
1年草または多年草、高さ1m以下。 茎は直立し、分枝し、直径1~4㎜、条線があり、軟毛があり、またはまれに無毛。葉は無柄、長円状披針形または線状披針形、下面は黄緑色で、小剛毛または密に集したまたは濃い白色の綿毛があり、上面は濃緑色、小伏剛毛(strigillose)があり、基部は切形または耳がありほぼ茎を抱くか、または矛形、縁は全縁または浅い小鋸歯があり、先は尖鋭形。頭花は単生で頂生、花序柄は長さ3~5㎝。総苞は広鐘形、長さ約6㎜。総苞片は多列、外側の総苞片は錐形、草質、毛と腺がある。内側の総苞片は狭線形、腺があり、最も内側のものは外側のものの長さ4~5倍ある。花托は半球形、無毛。小花は黄色、外面に腺がある。周辺小花は1列。小舌は狭く、長さ6~10㎜×幅1~1.2㎜、中心小花は多数、花冠は長さ約4㎜。痩果は円柱形、長さ0.6~0.7㎜、密に毛があり、先は切形。冠毛は白色、または後に帯黄色になり、約15本の剛毛からなり、中心小花の冠毛は長さ約4mm、周辺小花には存在しない。花期は9月~4月。
参考
1) Flora of ChinaPentanema
Pentanema
Pentanema
Vicoa indica
Vicoa indica (L.) DC.
Vicoa indica (L.) DC. - Herbarium JCB
Inula helenioides DC.
Inula
Pentanema
Pentanema alanyense H. Duman & Anderb. sp. nov
Inula maletii
Inula