カラスビシャク 烏柄杓
Flora of Mikawa
サトイモ科 Araceae ハンゲ属
別 名 | ハンゲ 半夏 |
中国名 | 半夏 ban xia |
英 名 | crowdipper , Ban Xia |
学 名 | Pinellia ternata (Thunb.) Makino ex Breitenbach |
花 期 | 5~8月 |
高 さ | 20~40㎝ |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 畑の雑草 |
分 布 | 在来種 日本全土、朝鮮、中国 |
撮 影 | 幸田町 07.6.23 |
花のように見えるものは苞で、仏炎苞と呼ばれ、テンナンショウ属、ハンゲ属の特徴である。和名の由来は仏炎苞がひしゃくに似ていることから。別名のハンゲは漢方薬名でハンゲショウのハンゲと同じ意である。
球茎(corm)は直径1~2㎝の球形。葉は2~5個、根生し、葉柄は長さ15~20㎝、基部は鞘となる。葉柄の基部、中間、葉身の基部の鞘の中に珠芽(むかご bulbil)をつけ、この珠芽と子球(果実)の両方で増える。葉身は3小葉又は5小葉の鳥足状。小葉は葉裏が帯緑色、葉表が緑色、長楕円形~楕円形~披針形、基部は楔形、先は尖鋭形。前方の小葉は長さ3~10㎝、幅1~3㎝。側小葉は長さ(3)4~7.5㎝、幅1.8~2.3㎝、側脈が7~9(10)本あり、葉縁に沿ってcollective veinを形成する。花序は葉柄より長く、花序柄を含めた長さ25~35㎝。花序柄は長さ15~25㎝。仏炎苞は帯緑色~白緑色、まれに紫色を帯び、わずかに狭窄し、長さ6~7㎝。筒部は狭円筒形、長さ1.5~2㎝。拡大部は緑色、縁が普通、紫色、長楕円形、長さ4~5㎝、幅約1.5㎝、先は鈍形~鋭形。肉穂(にくすい)花序は長さ9~10㎝、雌性部は長さ約2㎝、仏炎苞に沿着する。雌花は密につき、雌しべは長さ2.1~2.2㎜。子房は卵形、長さ約1.8㎜、幅1~1.1㎜。花柱は明瞭、細い。柱頭はごく小さく、直径約0.2㎜、幅が花柱より広くない。雌性部と雄性部の無性部は長さ約3㎜。雄性部は長さ5~7㎜。葯室は長さ約1.2㎜、隙間から開く。花序の付属体は直立し、S字状、緑色~紫色、長さ6~7(8)㎝、仏炎苞の外まで高く突き出す。液果は黄緑色~帯白色、卵形、宿存性の花柱と柱頭が残り、1種子を入れる。2n=28,54,72,104,115,116,128
球茎や珠芽などでも繁殖し、除去が困難な畑の雑草として嫌われている。アメリカ北東部でも野生化し、害草とされている。
多年草、普通、休眠期がある。塊根(tuber)は球茎に似て(cormlike)、類球形又は根茎が円筒形、小塊根(tubercle)は普通、主な塊根の周りにつく、葉柄の基部の周りの塊根の上又は根茎の端につく。珠芽(むかご bulbil)は普通、葉柄の下部、中部、上部、ときに葉柄と葉身の基部の両方につく。葉は1~5個、葉柄は緑色。普通、斑点が無く、ときに斑点がある。鞘(sheath)はかなり長く、短く、又はほとんど無い。珠芽(むかご)は有又は無。葉身は心形、卵形、長楕円形、深く3裂又は3全裂又は鳥足状全裂する。小葉は長楕円状楕円形~卵状楕円形。葉身や羽状の小葉の一次の側脈は亜葉縁脈(submarginal collective vein)を形成し、1~2個の葉縁脈が目立ち、高次の網状脈がある。花序は1個、葉があり、花序柄は緑色、葉柄より短いか又はわずかに長い。仏炎苞(spathe)は宿存性、わずか~強く、筒部と葉身の間がくびれ、筒部は巻き込み、狭い楕円形~卵形、横の隔壁によりほとんど内に閉じ、基部が開く。拡大部は弓なりになり、開き、緑色~紫色、長楕円状楕円形、舟形、筒部の長さの約2倍以上。肉穂(にくすい)花序(spadix)は仏炎苞(spathe)よりかなり長く、雌性部は仏炎苞につき、仏炎苞の隔壁(spathe septum)及び、短い離れた肉穂花序軸の裸の部分により雄性部から離れる。雄性部は離れ、円筒形、短い。頂部の不稔の付属体は仏炎苞から長く突き出て、しばしばS字形(sigmoid)、狭い錐形。花は単性、花被は無い。雄花は1又は2~4雄しべをもつ。雄しべはときに先天的に4グループの対に統合され、短く、横が扁平。葯は無柄、葯隔は細い。葯室は楕円形、2室、先の隙間から裂開し、まれに各花粉嚢は孔により開く。花粉は無定形の塊で押し出され、無口型(inaperturate)、球形又は類回転楕円体(subspheroidal)、小型~中型、外膜は小刺状。雌花は子房が卵形~卵状長楕円形、1室。胚珠は1個、直生胚珠、珠柄はごく短い。基底胎座。花柱の部分は漸鋭。柱頭は小さく、半球形~円盤形。液果は緑色、黄緑色又は帯白色、長楕円状卵形。種子は倒かぶら形~楕円形。外種皮は不規則ないぼ状小しわ状又は平滑。胚は軸につき、長く又はごく小さく、類球形、胚乳は豊富。2n=26, 28, 52, 54, 72, 78, 104, 115, 116, 128。
世界に9種あり、アジア東部に分布する。中国には9種あり、2種がオーストラリア、ヨーロッパ、北アメリカなどに帰化している。
中国原産。中国名は滴水珠 di shui zhu。甘い香りが特徴。
塊根(tuber)は扁球形、直径1~1.5㎝。葉は1~3個。葉柄は緑色又は紫色、長さ12~25㎝。葉身は下面が帯緑色又は帯紫色、上面は緑色、長楕円状心形~卵状心形~心形~矢じり形、長さ4~25㎝、幅2~7.5㎝、基部は深い心形、先は長い尖鋭形、一次の側脈は9~10対。珠芽(むかご bulbil)が葉柄の基部と葉身の基部(葉柄の先)にあり、卵形。花序柄を含む花序は葉柄より短く、長さ3.7~18㎝。仏炎苞(spathe)は緑色~紫黄色~紫色、くびれ、長さ4~7㎝、筒部は長さ1~1.3㎝、幅1~1.3㎝。拡大部は直立又はわずかに内曲し、楕円形、長さ3~4.5㎝、幅1.2~3㎝、先は鈍形又は鋭形。肉穂花序(spadix)は長さ9~23㎝、雌性部は長さ(0.8~)1~1.2㎝、仏炎苞につく。雌花は密につく。雌しべは長さ葯2.5㎜。子房は楕円状長楕円形、長さ約2㎜、幅約1㎜。花柱は短く、長さ約0.3㎜、幅約0.5㎜。柱頭は円盤形、直径0.6~0.7㎜。不稔の部分は雌花と雄花の間にあり、長さ7~8㎜。雄性部は長さ5~7㎜。葯室は長く、長さ約1.8㎜、隙間から開く。付属体は紫緑色、曲がりくねり、長さ6.5~20㎝。液果は卵形。花期は3~6月。果期は5~9月。2n=26, 72。
品種) pink-flowered , 'Yamazaki'
2 Pinellia ternata (Thunb.) Breitenb. カラスビシャク 烏柄杓
synonym Pinellia koreana K.H.Tae et J.H.Kim
synonym Pinellia ternata (Thunb.) Breitenb. f. angustata (Schott) Makino シカハンゲ
球茎(corm)は直径1~2㎝の球形。葉は2~5個、根生し、葉柄は長さ15~20㎝、基部は鞘となる。葉柄の基部、中間、葉身の基部の鞘の中に珠芽(むかご bulbil)をつけ、この珠芽と子球(果実)の両方で増える。葉身は3小葉又は5小葉の鳥足状。小葉は葉裏が帯緑色、葉表が緑色、長楕円形~楕円形~披針形、基部は楔形、先は尖鋭形。前方の小葉は長さ3~10㎝、幅1~3㎝。側小葉は長さ(3)4~7.5㎝、幅1.8~2.3㎝、側脈が7~9(10)本あり、葉縁に沿って葉縁脈(marginal collective vein)を形成する。花序は葉柄より長く、花序柄を含めた長さ25~35㎝。花序柄は長さ15~25㎝。仏炎苞は帯緑色~白緑色、まれに紫色を帯び、わずかに狭窄し、長さ6~7㎝。筒部は狭円筒形、長さ1.5~2㎝。拡大部は緑色、縁が普通、紫色、長楕円形、長さ4~5㎝、幅約1.5㎝、先は鈍形~鋭形。肉穂花序は長さ9~10㎝、雌性部は長さ約2㎝、仏炎苞に沿着する。雌花は密につき、雌しべは長さ2.1~2.2㎜。子房は卵形、長さ約1.8㎜、幅1~1.1㎜。花柱は明瞭、細い。柱頭はごく小さく、直径約0.2㎜、幅が花柱より広くない。雌性部と雄性部の無性部は長さ約3㎜。雄性部は長さ5~7㎜。葯室は長さ約1.2㎜、隙間から開く。花序の付属体は直立し、S字状、緑色~紫色、長さ6~7(8)㎝、仏炎苞の外まで高く突き出す。液果は黄緑色~帯白色、卵形、宿存性の花柱と柱頭が残り、1種子を入れる。2n=28,54,72,104,115,116,128。
3 Pinellia tripartita (Blume) Schott オオハンゲ 大半夏
塊根(tuber)は類球形、直径約2.5㎝。高さは普通、20~25㎝。鱗片葉(cataphyl:低出葉ともいい、茎の下部や発芽初期の茎に出る鱗片状の葉)は披針形、長さ10㎝以下。葉は2~5個。葉柄は緑色、長さ20~30(30~35)㎝。葉身は緑色、3深裂する。小葉(裂片)は広卵形~卵状長楕円形。前側の小葉は長さ約15㎝、幅4~7㎝、先は長さ約1.5㎝。側小葉は小さい。小葉の一次側脈は8~12対、明瞭な葉縁脈(marginal collective vein)があり、また、縁に2本の細い葉縁脈がある。珠芽(むかご bulbil)はできない。花序は1個、花序柄は長さ25㎝以下、葉柄より短く、細い。仏炎苞は帯白色~薄緑色、わずかにくびれ、長さ7~9(~10)㎝。筒部はほとんど 横の隔壁により、内に閉じ、基部で開く、長楕円形~類円筒形、長さ約3.5㎝、幅1~1.25㎝。拡大部は開き、舟形、長楕円形、長さ約4㎝、幅約2.5㎝。肉穂花序は長さ20~25㎝、雌性部は長さ約3㎝、仏炎苞につく。雌花は密に並ぶ。雌しべは長さ1~1.2㎜。子房は卵形、長さ0.8~1㎜。花柱は長さ0.2~0.3㎜、漸鋭。柱頭は類半球形。雌性部と雄性部の不稔部分は長さ0.6~0.7㎝。雄性部は長さ1.8~2㎝。葯室は長く、隙間から開く。付属体は仏炎苞から長く突き出て、S字形、長さ15~20㎝、基部は直径約3㎜、平滑。液果は淡緑色~帯白色、卵形、1種子。花期は5~7月。果期は6~9月。2n=26, 52。
ムラサキオオハンゲは仏炎苞の内部が紫色になるもの。
品種) 'Dragon Tails' (v) , 'Purple Face' , 'Silver Dragon'
Pinellia
Liquidambar
Liquidambar L.
Liquidambar orientalis
球茎(corm)は直径1~2㎝の球形。葉は2~5個、根生し、葉柄は長さ15~20㎝、基部は鞘となる。葉柄の基部、中間、葉身の基部の鞘の中に珠芽(むかご bulbil)をつけ、この珠芽と子球(果実)の両方で増える。葉身は3小葉又は5小葉の鳥足状。小葉は葉裏が帯緑色、葉表が緑色、長楕円形~楕円形~披針形、基部は楔形、先は尖鋭形。前方の小葉は長さ3~10㎝、幅1~3㎝。側小葉は長さ(3)4~7.5㎝、幅1.8~2.3㎝、側脈が7~9(10)本あり、葉縁に沿ってcollective veinを形成する。花序は葉柄より長く、花序柄を含めた長さ25~35㎝。花序柄は長さ15~25㎝。仏炎苞は帯緑色~白緑色、まれに紫色を帯び、わずかに狭窄し、長さ6~7㎝。筒部は狭円筒形、長さ1.5~2㎝。拡大部は緑色、縁が普通、紫色、長楕円形、長さ4~5㎝、幅約1.5㎝、先は鈍形~鋭形。肉穂(にくすい)花序は長さ9~10㎝、雌性部は長さ約2㎝、仏炎苞に沿着する。雌花は密につき、雌しべは長さ2.1~2.2㎜。子房は卵形、長さ約1.8㎜、幅1~1.1㎜。花柱は明瞭、細い。柱頭はごく小さく、直径約0.2㎜、幅が花柱より広くない。雌性部と雄性部の無性部は長さ約3㎜。雄性部は長さ5~7㎜。葯室は長さ約1.2㎜、隙間から開く。花序の付属体は直立し、S字状、緑色~紫色、長さ6~7(8)㎝、仏炎苞の外まで高く突き出す。液果は黄緑色~帯白色、卵形、宿存性の花柱と柱頭が残り、1種子を入れる。2n=28,54,72,104,115,116,128
球茎や珠芽などでも繁殖し、除去が困難な畑の雑草として嫌われている。アメリカ北東部でも野生化し、害草とされている。
ハンゲ属
family Araceae - genus Pinellia多年草、普通、休眠期がある。塊根(tuber)は球茎に似て(cormlike)、類球形又は根茎が円筒形、小塊根(tubercle)は普通、主な塊根の周りにつく、葉柄の基部の周りの塊根の上又は根茎の端につく。珠芽(むかご bulbil)は普通、葉柄の下部、中部、上部、ときに葉柄と葉身の基部の両方につく。葉は1~5個、葉柄は緑色。普通、斑点が無く、ときに斑点がある。鞘(sheath)はかなり長く、短く、又はほとんど無い。珠芽(むかご)は有又は無。葉身は心形、卵形、長楕円形、深く3裂又は3全裂又は鳥足状全裂する。小葉は長楕円状楕円形~卵状楕円形。葉身や羽状の小葉の一次の側脈は亜葉縁脈(submarginal collective vein)を形成し、1~2個の葉縁脈が目立ち、高次の網状脈がある。花序は1個、葉があり、花序柄は緑色、葉柄より短いか又はわずかに長い。仏炎苞(spathe)は宿存性、わずか~強く、筒部と葉身の間がくびれ、筒部は巻き込み、狭い楕円形~卵形、横の隔壁によりほとんど内に閉じ、基部が開く。拡大部は弓なりになり、開き、緑色~紫色、長楕円状楕円形、舟形、筒部の長さの約2倍以上。肉穂(にくすい)花序(spadix)は仏炎苞(spathe)よりかなり長く、雌性部は仏炎苞につき、仏炎苞の隔壁(spathe septum)及び、短い離れた肉穂花序軸の裸の部分により雄性部から離れる。雄性部は離れ、円筒形、短い。頂部の不稔の付属体は仏炎苞から長く突き出て、しばしばS字形(sigmoid)、狭い錐形。花は単性、花被は無い。雄花は1又は2~4雄しべをもつ。雄しべはときに先天的に4グループの対に統合され、短く、横が扁平。葯は無柄、葯隔は細い。葯室は楕円形、2室、先の隙間から裂開し、まれに各花粉嚢は孔により開く。花粉は無定形の塊で押し出され、無口型(inaperturate)、球形又は類回転楕円体(subspheroidal)、小型~中型、外膜は小刺状。雌花は子房が卵形~卵状長楕円形、1室。胚珠は1個、直生胚珠、珠柄はごく短い。基底胎座。花柱の部分は漸鋭。柱頭は小さく、半球形~円盤形。液果は緑色、黄緑色又は帯白色、長楕円状卵形。種子は倒かぶら形~楕円形。外種皮は不規則ないぼ状小しわ状又は平滑。胚は軸につき、長く又はごく小さく、類球形、胚乳は豊富。2n=26, 28, 52, 54, 72, 78, 104, 115, 116, 128。
世界に9種あり、アジア東部に分布する。中国には9種あり、2種がオーストラリア、ヨーロッパ、北アメリカなどに帰化している。
ハンゲ属の主な種と園芸品種
1 Pinellia cordata N.E.Br. ニオイハンゲ 匂半夏中国原産。中国名は滴水珠 di shui zhu。甘い香りが特徴。
塊根(tuber)は扁球形、直径1~1.5㎝。葉は1~3個。葉柄は緑色又は紫色、長さ12~25㎝。葉身は下面が帯緑色又は帯紫色、上面は緑色、長楕円状心形~卵状心形~心形~矢じり形、長さ4~25㎝、幅2~7.5㎝、基部は深い心形、先は長い尖鋭形、一次の側脈は9~10対。珠芽(むかご bulbil)が葉柄の基部と葉身の基部(葉柄の先)にあり、卵形。花序柄を含む花序は葉柄より短く、長さ3.7~18㎝。仏炎苞(spathe)は緑色~紫黄色~紫色、くびれ、長さ4~7㎝、筒部は長さ1~1.3㎝、幅1~1.3㎝。拡大部は直立又はわずかに内曲し、楕円形、長さ3~4.5㎝、幅1.2~3㎝、先は鈍形又は鋭形。肉穂花序(spadix)は長さ9~23㎝、雌性部は長さ(0.8~)1~1.2㎝、仏炎苞につく。雌花は密につく。雌しべは長さ葯2.5㎜。子房は楕円状長楕円形、長さ約2㎜、幅約1㎜。花柱は短く、長さ約0.3㎜、幅約0.5㎜。柱頭は円盤形、直径0.6~0.7㎜。不稔の部分は雌花と雄花の間にあり、長さ7~8㎜。雄性部は長さ5~7㎜。葯室は長く、長さ約1.8㎜、隙間から開く。付属体は紫緑色、曲がりくねり、長さ6.5~20㎝。液果は卵形。花期は3~6月。果期は5~9月。2n=26, 72。
品種) pink-flowered , 'Yamazaki'
2 Pinellia ternata (Thunb.) Breitenb. カラスビシャク 烏柄杓
synonym Pinellia koreana K.H.Tae et J.H.Kim
synonym Pinellia ternata (Thunb.) Breitenb. f. angustata (Schott) Makino シカハンゲ
synonym Pinellia ternata (Thunb.) Breitenb. f. atropurpurea (Makino) Ohwi ムラサキハンゲ
synonym Pinellia ternata (Thunb.) Breitenb. f. subcuspidata Honda ヤマハンゲ
日本全土、朝鮮、中国原産。中国名は半夏 ban xia 。英名はCrow-dipper。別名はハンゲ。畑の雑草。球茎(corm)は直径1~2㎝の球形。葉は2~5個、根生し、葉柄は長さ15~20㎝、基部は鞘となる。葉柄の基部、中間、葉身の基部の鞘の中に珠芽(むかご bulbil)をつけ、この珠芽と子球(果実)の両方で増える。葉身は3小葉又は5小葉の鳥足状。小葉は葉裏が帯緑色、葉表が緑色、長楕円形~楕円形~披針形、基部は楔形、先は尖鋭形。前方の小葉は長さ3~10㎝、幅1~3㎝。側小葉は長さ(3)4~7.5㎝、幅1.8~2.3㎝、側脈が7~9(10)本あり、葉縁に沿って葉縁脈(marginal collective vein)を形成する。花序は葉柄より長く、花序柄を含めた長さ25~35㎝。花序柄は長さ15~25㎝。仏炎苞は帯緑色~白緑色、まれに紫色を帯び、わずかに狭窄し、長さ6~7㎝。筒部は狭円筒形、長さ1.5~2㎝。拡大部は緑色、縁が普通、紫色、長楕円形、長さ4~5㎝、幅約1.5㎝、先は鈍形~鋭形。肉穂花序は長さ9~10㎝、雌性部は長さ約2㎝、仏炎苞に沿着する。雌花は密につき、雌しべは長さ2.1~2.2㎜。子房は卵形、長さ約1.8㎜、幅1~1.1㎜。花柱は明瞭、細い。柱頭はごく小さく、直径約0.2㎜、幅が花柱より広くない。雌性部と雄性部の無性部は長さ約3㎜。雄性部は長さ5~7㎜。葯室は長さ約1.2㎜、隙間から開く。花序の付属体は直立し、S字状、緑色~紫色、長さ6~7(8)㎝、仏炎苞の外まで高く突き出す。液果は黄緑色~帯白色、卵形、宿存性の花柱と柱頭が残り、1種子を入れる。2n=28,54,72,104,115,116,128。
3 Pinellia tripartita (Blume) Schott オオハンゲ 大半夏
synonym Pinellia tripartita f. atropurpurea (Makino) Ohwi ムラサキオオハンゲ
日本(本州の中部以南、四国、九州、沖縄)、香港原産。三裂叶半夏 san lie ye ban xia。英名はgreen dragon。畑の雑草。塊根(tuber)は類球形、直径約2.5㎝。高さは普通、20~25㎝。鱗片葉(cataphyl:低出葉ともいい、茎の下部や発芽初期の茎に出る鱗片状の葉)は披針形、長さ10㎝以下。葉は2~5個。葉柄は緑色、長さ20~30(30~35)㎝。葉身は緑色、3深裂する。小葉(裂片)は広卵形~卵状長楕円形。前側の小葉は長さ約15㎝、幅4~7㎝、先は長さ約1.5㎝。側小葉は小さい。小葉の一次側脈は8~12対、明瞭な葉縁脈(marginal collective vein)があり、また、縁に2本の細い葉縁脈がある。珠芽(むかご bulbil)はできない。花序は1個、花序柄は長さ25㎝以下、葉柄より短く、細い。仏炎苞は帯白色~薄緑色、わずかにくびれ、長さ7~9(~10)㎝。筒部はほとんど 横の隔壁により、内に閉じ、基部で開く、長楕円形~類円筒形、長さ約3.5㎝、幅1~1.25㎝。拡大部は開き、舟形、長楕円形、長さ約4㎝、幅約2.5㎝。肉穂花序は長さ20~25㎝、雌性部は長さ約3㎝、仏炎苞につく。雌花は密に並ぶ。雌しべは長さ1~1.2㎜。子房は卵形、長さ0.8~1㎜。花柱は長さ0.2~0.3㎜、漸鋭。柱頭は類半球形。雌性部と雄性部の不稔部分は長さ0.6~0.7㎝。雄性部は長さ1.8~2㎝。葯室は長く、隙間から開く。付属体は仏炎苞から長く突き出て、S字形、長さ15~20㎝、基部は直径約3㎜、平滑。液果は淡緑色~帯白色、卵形、1種子。花期は5~7月。果期は6~9月。2n=26, 52。
ムラサキオオハンゲは仏炎苞の内部が紫色になるもの。
品種) 'Dragon Tails' (v) , 'Purple Face' , 'Silver Dragon'
参考
1) Flora of ChinaPinellia
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=125511
2) Flora of North AmericaLiquidambar
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=118701
3) GRINLiquidambar L.
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=6882
4) Plant Finder - Missouri Botanical GardenLiquidambar orientalis
http://www.missouribotanicalgarden.org/PlantFinder/PlantFinderDetails.aspx?taxonid=291500