カラマツソウ 唐松草

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Flora of Mikawa

キンポウゲ科 Ranunculaceae カラマツソウ属

学 名 Thalictrum aquilegiifolium L. var. intermedium Nakai
カラマツソウの花
カラマツソウの雌しべと雄しべ
カラマツソウの葉
カラマツソウ
花 期 7~9月
高 さ 70~120㎝
生活型 多年草
生育場所 山地の草原、林縁
分 布 在来種(日本固有種) 北海道、本州、四国、九州
撮 影 八島ケ原湿原  03.8.7
和名の由来は花の様子がカラマツの葉に似ていることから。
 茎は中空。葉は3~4回3出複葉。小葉は長さ2~3㎝の広倒卵形で、先が3~5浅裂する。葉柄の基部には托葉がある。花序は散房状の傘形に広がり、、直径約1㎝の毛玉状の花を多数つける。花色は白~淡紅色。花弁はなく、花被片(萼)は早落性、開花するとすぐに落ちる。雄しべは多数つく。花糸は白色、先が棍棒状に幅広くなる。雌しべは子房と柄が紅紫色。痩果は広い翼があり、長さ3~4㎜の柄があって垂れ下がる。2n=14
 マンセンカラマツ(満鮮唐松)var. sibiricum は中国、ロシアにも分布する。中国名は唐松草 tang song cao。草丈が高く、 果実は10個以下、普通、5~6個つき、先が尖らない。
 ミヤマカラマツ Thalictrum tuberiferum は雄しべの花糸の先の幅がカラマツソウより広く、雌しべの柄が白色であり、雄しべと見分けにくい。葉柄の基部に托葉はない。
 モミジカラマツ Trautvetteria caroliniensis var. japonica は葉が掌状に裂け、モミジに似ている。

カラマツソウ属

  family Ranunculaceae - genus Thalictrum

 多年草、根茎は木質、てい幹又は塊根をもつ。葉は根生葉と茎葉があり、下部の葉は葉柄があり、上部の葉は無柄、茎葉は互生する。葉身は1~4回3出複葉又は羽状複葉、まれに単葉(Thalictrum rotundifolium)。小葉は心状腎形、倒卵形、披針形、又は線形、ときに分裂し、縁は全縁又は円鋸歯。花序は頂生、ときにまた、腋生、単出集散花序又はときに総状花序状の円錐花序、頭が平ら又は散形花序状、花が1~200個つく。総苞は無又は有。総苞片は2又は3個、葉状、しばしば6~9個の単純な苞の輪に見え、密に花を抱かない。花は普通、全て両性、まれに両性と単性(T. smithii)、又は全て単性(中国には無い)、放射相称。咢片は4~10個、帯白色~緑黄色~帯紫色、披針形~腎形~へら形、平ら、長さ1~18㎜、果時に宿存しない。花弁は無い。雄しべは7~70本、花糸は糸状~こん棒形、又は上部が膨れ、仮雄しべは無い。心皮は1~50(~70)個、 1-胚珠。花柱は普通、あり、宿存し、頻繁ではないが、欠く。果実は痩果、普通、集合し、無柄又は有柄、紡錘形~卵形、かま形又は円盤形、側面に明瞭なうねがある。宿存する花柱は(あれば)真っすぐな~渦巻状に巻いた嘴をつくる。x = 7。
 世界に約150種があり、世界に広く分布し、主に、温帯地域に分布する。

カラマツソウ属の主な種と園芸品種

1 Thalictrum actaeifolium Siebold et Zucc.  シギンカラマツ 紫銀唐松
 日本固有種(本州の関東地方南部以西、四国、九州)。山地の林内に生える。
 多年草。高さ30~70㎝。茎は直立~斜上し、茎や枝に稜がある。 茎葉は互生し、2~3回3出複葉。葉柄の基部は膜質の鞘状になる。狭い托葉がある。小葉は小葉柄があり、長さ2~6㎝、斜めの広卵形~円形、基部は歪んだ心形~切形、縁は浅裂して粗い歯状、下面は緑白色、葉脈は下面に明瞭に隆起する。花序は頂生の散房花序、花を多数つける。花は直径約1㎝(半球形に開いた雄しべの幅)、白色。花弁は無く、萼片は4個、広楕円形、長さ3~4㎜、早落性、開花すると落ちる。雄しべは多数つき、花糸も葯も白色、花糸の先が葯より やや太くなり、花弁状に見える。。痩果は2~5個放射状につき、柄がなく、長卵形~楕円形、長さ約3㎜、花柱は宿存し、先が尖り、鈎状に曲がり、縦のうねが10本あり、熟すと濃ピンク色。花期は7~10月。
品種) 'Perfume Star' , 'Twinkling Star'

1-1 Thalictrum actaeifolium Siebold et Zucc. var. brevistylum Nakai  チョウセンシギンカラマツ

2 Thalictrum alpinum L..  ヒメカラマツ 広義
 中国、モンゴル、ロシア、インド、ブータン、ネパール、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、ヨーロッパ、北アメリカ原産。英名はalpine meadow-rue , Arctic meadow-rue , dwarf meadow-rue。中国名は高山唐松草 gao shan tang song cao
 高さ5~40㎝、無毛。根はひげ根。根茎は細い。茎は単純、まれに、分枝し、直立する。葉は4個以上つき、全て根生。葉柄は長さ1.5~3㎝。葉身は羽状、2回3出複葉、長さ1.5~4㎝。小葉はくさび状倒卵形~円状卵形、長さ3~5㎜×幅3~5(~20)㎜、薄い革質、先は3(~5)裂し、裂片は縁が円鋸歯。花序は総状花序、花が少数つく。花序柄は単純又は分枝する。花柄は花時に直立又は反曲し、果時に反曲する。咢片は早落性、紫色を帯び、卵形~楕円形、長さ約2㎜。雄しべは7~10(~15)本。花糸は帯紫色、糸状。葯は黄色、長さ1.2~3㎜、先は微突形。心皮は(2~)3~5(~6)個。柱頭は紫色、狭三角形、子房と同長。痩果は短い柄があるか又は無柄。果体は狭卵形~披針状倒卵形、長さ2~3.5㎜、宿存する花柱は広三角形、脈が約8本、あり、丈夫。花期は6~8月。
2-1 Thalictrum alpinum L. var. alpinum  チシマヒメカラマツ
2-2 Thalictrum alpinum L. var. stipitatum Y.Yabe  ヒメカラマツ

3 Thalictrum aquilegiifolium L.  カラマツソウ 広義
品種) 'Album' , 'Amy Jan' , 'Atropurpureum' , 'Black Stockings' , 'Constable's Clouds' , 'Fluffy' , 'Gold Lace' , 'Hybridum' , Nimbus™ Pink , Nimbus™ White , 'Purple Cloud' , 'Purpureum' , 'Roseum' , 'Small Thundercloud' , 'Sparkler' , 'Thundercloud' , 'White Cloud'

3-1 Thalictrum aquilegiifolium L. var. intermedium Nakai  カラマツソウ
  synonym Thalictrum aquilegiifolium L. var. japonicum Nakai
 日本固有種(北海道、本州、四国、九州)。
 多年草。高さ70~120㎝。茎は中空。葉は3~4回3出複葉。小葉は長さ2~3㎝の広倒卵形で、先が3~5浅裂する。葉柄の基部には托葉がある。花序は散房状の傘形に広がり、、直径約1㎝の毛玉状の花を多数つける。花色は白~淡紅色。花弁はなく、花被片(萼)は早落性、開花するとすぐに落ちる。雄しべは多数つく。花糸は白色、先が棍棒状に幅広くなる。雌しべは子房と柄が紅紫色。痩果は広い翼があり、長さ3~4㎜の柄があって垂れ下がる。2n=14。花期は7~9月。
3-2 Thalictrum aquilegiifolium L. var. daisenense (Nakai) Emura  ダイセンカラマツ
3-3 Thalictrum aquilegiifolium L. var. sibiricum Regel et Tiling  マンセンカラマツ
  synonym Thalictrum contortum L.
 中国、ロシアにも分布する。中国名は唐松草 tang song cao。
 草丈が高く、 果実は10個以下、普通、5~6個つき、先が尖らない。

4 Thalictrum baicalense Turcz. ex Ledeb.  ハルカラマツ 春唐松
 日本(北海道~本州の東北地方南部~関東地方北部)、朝鮮、中国、モンゴル、ロシア原産。中国名は贝加尔唐松草 bei jia er tang song cao 。
 高さ40~80㎝、無毛。茎は単純又は分枝する。茎葉は葉柄がある。托葉は膜質。葉柄は長さ1~2.5㎝。葉身は3回3出複葉、長さ9~16㎝。小葉柄は長さ0.2~3㎜。小葉の葉身は広菱形~広菱状倒卵形、長さ1.8~4.5㎝×幅2~5㎝、草質、基部は円形~広楔形、先は3裂する。裂片は円鋸歯縁、脈は下面に隆起する。花序は円錐花序、長さ2.5~4.5㎝。花柄は長さ4~9㎜。咢片は4個、早落性、緑白色、楕円形、長さ約2㎜。雄しべは (10~)15~20本。花糸は上部が糸状、先は狭倒披針形、幅が葯と同じ。葯は長円形、長さ約0.8㎜。心皮は3~7個。花柱は真っすぐ又は先がわずかに反曲し、長さ0.5~1.2㎜。柱頭は楕円形~線状披針形。痩果は柄が長さ約0.2㎜。果体は卵形~広楕円形、長さ約3㎜。花期は5~6月。
4-1 Thalictrum baicalense Turcz. ex Ledeb. f. levicarpum Tamura  マルミノハルカラマツ

5 Trautvetteria caroliniensis (Walt.) Vail
5-1 Trautvetteria caroliniensis (Walt.) Vail var. caroliniensis
 U.S.A、カナダ原産。
 高さ(30)50~80(150)㎝。根茎はひげ根を束生する。茎は1~数本、直立し、普通、下部では分枝しない。葉は根生し、葉柄の長さ15~45㎝。葉身は幅10~30(~40)㎝、掌状に5~11裂。裂片は先が鋭形。茎葉は上部で小さくなり、茎葉の葉柄の長さ0~15㎝。花序は長さ0.5~1.5m、無毛~ほぼ無毛。花序柄は長さ10~80㎝。花柄は密に軟毛があり、小さな鈎状の毛状突起をもつ。苞は2㎝以下。萼片(2.5)3~5(6)㎜、緑色~白色。雄しべ50~100個。長さ5~9(10)㎜。痩果(胞果 Utriclesともいう)は長さ(2.5)3~4(4)㎜、紙質、角(かど)と内側の2面に明瞭な脈がある。2n=16
5-2 Trautvetteria caroliniensis (Walt.) Vail var. japonica (Sieb. et Zucc.)T.Shimizu モミジカラマツ 紅葉唐松
  synonym Trautvetteria japonica Sieb. et. Zucc.
  synonym Trautvetteria palmata (Michx.) Fisch. & C.A.Mey.
  synonym Trautvetteria palmata var. borealis (H.Hara) Kadota
 北海道、本州、四国、九州、ロシア原産。亜高山の山地に生える。
 多年草。高さ25~60㎝。根生葉は長さ5~12(30)㎝の単葉、掌状に7~9中裂し、縁には欠刻状の鋭い鋸歯があり、長柄がある。茎葉は小さく柄がない。花は直径10~13㎜、花弁のように見えるのは雄しべで、花弁はない。萼片は早落性。雄しべは多数つき、長さ5~8㎜、葯は白色。花糸も白色で、先がやや幅広い。雌しべは多数つき、黄緑色。痩果は長さ2.5~3.5㎜の広卵形、キツネノボタンに似ている。2倍体2n=16。花期は7~8月。
5-2-1 Trautvetteria caroliniensis var. japonica f. breviloba ミョウギモミジカラマツ 妙義紅葉唐松
 葉の裂け方が浅い品種。

6 Thalictrum coreanum H.Lev. ハスノハカラマツ 蓮葉唐松
  synonym Thalictrum coreanum H.Lev. var. minus Nakai 
 朝鮮原産。別名はハスバカラマツ
 多年草。高さ15~30㎝。根は黒褐色を呈するやや太い梶棒状で、1~2本あり、それからひげ根が出る。葉柄は盾状につく。葉は広卵形、縁に不規則な鋸歯が少数あり、基部は切形~浅い心形、多少耳状をなし、極端なものでは両耳の内側の縁が互に重なり合うようになる。花序は比較的密で頂生し、ほとんど伸びない。花は淡紅色。果実は円形~広楕円形。花期は6月。
6-1 Thalictrum coreanum var. minus.Nakai  コハスノハカラマツ 小蓮葉唐松
 済州島に分布する。別名はコハスバカラマツ
 ハスノハカラマツとコハスノハカラマツは両種聞に中間形が見られ、明確な境界がない。成長の艮・不良による個体的変異と思われる。

7 Thalictrum delavayi Franch. オオシキンカラマツ 大紫錦唐松
 中国原産。中国名は偏翅唐松草 pian chi tang song cao。 英名はChinese meadow-rue。別名はタリクトラム・デラバイ、雲南シキンカラマツ。
 高さ0.6~2m、無毛。茎は分枝する。根生葉は花時に枯れる。托葉は半円形、縁は分裂又は全縁。葉柄は長さ1.4~8㎝。葉身は3~4回羽状複葉、長さ約40㎝。小葉の葉身は円状卵形、卵形、~楕円形、長さ0.5~3㎝×幅0.3~2(~2.5)㎝、草質、基部は円形~くさび形、先は鈍形~鋭形、3裂、基部は全縁又は1~3歯があり、若は平ら又は下面に隆起する。花序は円錐花序羽、長さ15~40㎝。花柄は長さ8~25㎜。咢片は4(~ 5)小、紫色を帯び、長円形~長い楕円形~卵形~広卵形、長さ6~14㎜× 幅2.2~7㎜。雄しべは多数、長さ5~7㎜。花糸は糸状、上部で広がる。葯は長円形、長さ0.1~1.8㎜、先は微突形、微突は長さ0.01~1.5㎜。心皮は15~22個。花柱は短い。柱頭は不明瞭。痩果は柄があり、柄は直立し、長さ1~3㎜。果体は斜めの倒卵形、長さ5~8㎜×幅2.5~3.2㎜、脈は約8本。花期は6~9月。
品種) 'Album' , 'Amethystine' , 'Ankum' , 'Gold Laced' , 'Hewitt's Double' (d) , 'Hinkley' , 'Sternhimmel'

8 Thalictrum diffusiflorum C. Marquand & Airy Shaw フジイロカラマツ 藤色唐松
 中国(南東チベット)原産。中国名は堇花唐松草 jin hua tang song cao。
 高さ60~100㎝、腺軟毛がある。茎は分枝する。托葉は膜質。葉柄は長さ1.5~4㎝。葉身は3~4回羽状複葉、長さ8~15㎝。小葉の葉身は円状菱形~広卵形、長さ4~12㎜×幅3.5~10㎜、草質、先は3~5裂し、脈は下面にわずかに隆起し、上面は平ら。花序は円錐花序、花が少数つく。花柄は長さ1~3㎝、腺軟毛がある。咢片は4~5個、紫色を帯び、卵形~狭卵形、長さ10~15㎜×幅 5~7㎜。雄しべは多数、長さ約8㎜。花糸は糸状。葯は黄色、線形、長さ2~2.8㎜、先は微突形。心皮は10~15個。花柱は長さ約3㎜。柱頭は不明瞭。痩果は柄が反曲し、長さ約1.2㎜。果体は半卵形、長さ約4.5㎜。花期は6~8月。

9 Thalictrum filamentosum Maxim.  オオミヤマカラマツ
 中国、ロシア原産。中国名は花唐松草 hua tang song cao

10 Thalictrum flavum L. キバナカラマツソウ  黄花唐松草
 ロシア、コーカサス原産。英名はcommon meadow-rue , yellow meadow-rue
品種) 'Chollerton' , 'Illuminator' , 'Reaseheath Gold' , 'Tukker Princess'

10-1 Thalictrum flavum subsp. glaucum
品種) Brown's strain , 'Ruth Lynden-bell' , 'Silver Sparkler' (v) , 'True Blue'

11 Thalictrum foeniculaceum Bunge  イトバカラマツ
 中国原産。中国名は丝叶唐松草 si ye tang song cao

12 Thalictrum foetidum L.
 日本(北海道、本州)、中国、アジア、ヨーロッパに広く分布。中国名は腺毛唐松草 xian mao tang song cao
 高さ15~100㎝、軟毛があるか又は無毛。茎は分枝するか又は単純。根生葉と下部の茎葉は花時に枯れる。上部の茎葉は短い葉柄がある。托葉は膜質。葉身は3回羽状複葉、長さ5.5~12㎝。小葉の葉身は菱形、広卵形、又は卵形、長さ4~15㎜×幅3.5~15㎜、草質、基部は円状楔形~円形~類心形、先は鈍形又は鋭形、3裂し、裂片は全縁又は少数の歯があり、脈は下面にわずかに隆起し、軟毛又は腺毛がある。花序は円錐花序、花が数個又は多数つく。花柄は細く、長さ5~15㎜。咢片は5個、黄色、緑色を帯び、卵形、長さ 2.5~4㎜×幅約1.5㎜、下面は軟毛がある。花糸は基部が糸状、先は狭い線形。葯は長さ2.5~3.5㎜、先は微突形。心皮は4~8個。柱頭は三角形、翼がある。痩果は無柄。果体は半卵形、側部が扁平、長さ3~5㎜、軟毛がある。花期は5~7月。
12-1 Thalictrum foetidum L. var. foetidum  ニオイカラマツ
  synonym Thalictrum foetidum L. var. iwatense T.Shimizu
 ニオイカラマツはチャボカラマツの異名であると考えられる(Kadota2005)
12-2 Thalictrum foetidum L. var. apoiense T.Shimizu  アポイカラマツ
 北海道(アポイ岳、太平山)に分布。蛇紋岩地や石灰岩地に生える。
 高さ約20㎝。小葉が小さく、裏面に微腺毛が散生する。萼片と花糸は紫褐色。花期は6月。

12-3 Thalictrum foetidum L. var. glabrescens Takeda  チャボカラマツ
  synonym Thalictrum yesoense Nakai
  synonym Thalictrum foetidum L. subsp. glabrescens (Takeda) T.Shimizu 
 日本(北海道と岩手県)、中国に分布。中国名は扁果唐松草 bian guo tang song cao
 全体に無毛。花期は5~7月。
 チャボカラマツは小托葉を欠き、花糸が帯紫褐色で、葉脈が背軸側に強く隆起する

13 Thalictrum honanense W. T. Wang & S. H. Wang
 中国原産。中国名は河南唐松草 he nan tang song cao
品種) Marble Leaf'

14 Thalictrum ichangense Lecoy. ex Oliv.  トウハスノハカラマツ 唐蓮葉唐松
 中国原産。中国名は盾叶唐松草 dun ye tang song cao
品種) 'Evening Star' (v) , 'Purple Marble'
14-1 Thalictrum ichangense var. minus
品種) 'Chinese Chintz'

15 Thalictrum integrilobum Maxim.  ナガバカラマツ 長葉唐松
  synonym Thalictrum filamentosum Maxim. var. integrilobum (Maxim.) Ohwi 
 日本固有種(北海道)。別名はホソバカラマツ、サマニカラマツ
 多年草。高さ20~30㎝。根生葉は1個つき、長い柄があり、3~4回3出複葉。小葉は長さ約2㎝、細長く、線状楕円形、先は鈍く、全縁。花序は散房花序。花は白色、直径約1㎝。花弁はない。咢片は白色、早落性。白色の雄しべが花状に開く。花期は5~6月
品種) 'Yae Yugiri'八重夕霧

16 Thalictrum javanicum Blume var. puberulum W.T.Wang
 中国、台湾、ブータン、インド、インドネシア、ネパール、シッキム、スリランカ原産。中国名は爪哇唐松草 zhao wa tang song cao

17 Thalictrum kiusianum Nakai  ツクシカラマツ 筑紫唐松
  synonym Thalictrum filamentosum var. kiusianum
 ムラサキカラマツとヤクシカカラマツの栽培交雑種。古くから栽培されている。
 高さ約5㎝。花が淡紫色。

18 Thalictrum koikeanum Sera, N.Hamada et Kadota  シロカネカラマツ
 日本固有種(広島県)。林縁又は林内の湿り気のある草地に生える。
 特徴:萼片が宿存性で目立ち、花糸が糸状で、葯隔がわずかに突出する。短柄のある痩果を多数つける。
 シキンカラマツとの相違:①花が小さい。②萼片は白色で先端が鋭形。③小苞は葉状で緑色。④痩果が10–15(稀に18)と少ない。
 多年草、無毛、高さ50~180㎝、太い根茎をもつ。茎は直立、1~2回分枝し、暗紫褐色、条線があり、ストロンを出さない。根生葉は花時に枯れる。茎葉は2~5個つき、4~6回3出複葉。葉身は上面が灰暗緑色、下面は粉白色、長さ10~40㎝×幅6~50㎝、小葉は倒卵形~卵形~長円形、長さ13~35㎜×幅10~30㎜、3尖形(tricuspidate)、中脈と側脈は下面にわずかに隆起し、上面は平ら、先は鈍形、基部は円形~楔形。葉柄は長さ(0~)10~25(~70)㎜。托葉は長さ4~10㎜、膜質、 鞘状、抱茎、小托葉は無い。花序は円錐花序、多数花がつき、長さ8~30㎝×幅3~10㎝。苞は葉状、緑色、単純から3出。小苞は葉状、緑色、単純で長円形~3出、長さ1~6㎜×幅1~10㎜。花柄は長さ0.3~1.7㎝、無毛。花は直径0.5~0.7㎝、垂れ下がる。咢片は4個、卵形~長円形、舟形、先は鋭形、基部は満開時に花柄まで強く後屈し、長さ3~5㎜×幅1.5~2㎜、両面とも白色、宿存する。雄しべは24~35本、長さ2~4㎜。葯は狭楕円形、明るい黄色。花糸は糸状、長さ1.0~2.7㎜、白色、葯隔は黄色、短く突き出る。花柱は長さ約1~2㎜。柱頭は長円形、三角形ではない。痩果は花に10~15(まれに~18)個、長さ3~6㎜、紡錘形、扁平ではなく、無毛。果皮は厚く、両側に約4うねがあり、斜め、柄は長さ約1㎜、嘴は長さ約1㎜、わずかに内側に曲がる。花期は6月。

19 Thalictrum kubotae Kadota  タイシャクカラマツ 帝釈唐松
 日本固有種(広島県帝釈峡)。石灰岩地域に生える。
 .タイシャクカラマツは無柄で直立~斜上する(懸垂しない)痩果をつけ、葯隔の先端が突出することでアキカラマツ節に分類される。.この節において、タイシャクカラマツの特徴は① 咢片(花被片)が宿存性。 ②植物体全体に腺毛が密に分布する。③小托葉をもつ。④ 花期が5~6月と早いことである。.日本産カラマツソウ属において、宿存性の咢片をもつ種はこれまでシキンカラマツT. rochebrunianum Franch. & Sav.ただ一種が知られているのみであった. したがって,宿存性の咢片をもつことがタイシャクカラマツの最も著しい特徴であるということができる
 多年草、高さ30~40㎝、腺毛があり、根茎をもつ。根茎は直径約4㎜、水平、帯褐色の膜質の鱗片で覆われ、根はひげ根、太くならない。茎は傾き、1~2回分枝し、密に腺毛があり、基部は帯褐色の膜質の鱗片で覆われ、ストロンは無い。根生葉は花時に枯れる。茎葉は4~5個つき、2~5回3出複葉、葉身は上面が灰緑色、下面は白粉で覆われ、長さ4~16㎝×幅4~22㎝。小葉は広倒卵形~倒卵形~狭倒卵形、長さ12~33㎜×幅9~22㎜、3尖又はときに浅く3裂し、粗い鋸歯をもち、紙質、中脈と側脈は下面に隆起し、先は微突形、基部は楔形~円形、下面は密に腺毛があり、上面はまばらに腺毛があり、かすかに悪臭がある。葉柄は長さ(3~)15~30㎜、密に腺毛がある。托葉は長さ3~5㎜、暗褐色、膜質、鞘状。小托葉は広卵形、長さ約1㎜、暗褐色、膜質。花序は円錐花序、長さ7~17㎝。苞は葉状、単純~2回3出、小苞は卵形、長さ約2㎜×幅約1㎜、淡紫褐色。花柄は長さ1.5~2㎝、腺毛がある。花期は5~6月。花は直径1~1.5㎝、垂れ下がる。咢片は4個、長円形、長さ4~5㎜×幅約1㎜、淡紫褐色、暗色の脈をもち、宿存する。雄しべは10~12本、長さ7~12㎜。葯は狭楕円形、長さ2~5㎜、鈍い黄色。花糸は糸状、長さ4~8㎜、白色。葯隔は淡紫褐色、先が突き出る。花柱は長さ1~1.5㎜。柱頭は三角形。痩果は花に1~2個、長さ約3㎜、紡錘形、腺毛があり、扁平にならず、両面に4うねがあり、斜め、無柄。嘴は長さ約1㎜、矢じり形。2n=42。

16 Thalictrum microspermum Ohwi  コゴメカラマツ 小米唐松
  synonym Thalictrum filamentosum Maxim. var. sikokianum (Honda) Ohwi 
 日本固有種(四国の徳島県、高知県、九州の宮崎県)。山地の林内や林縁の湿った岩場に生える。
 多年草、高さ15~30㎝。地下にストロンを出す。茎は分枝せず、根生葉とほぼ同じ高さで、全体に無毛。葉は根生葉と茎葉。根生葉は1個つき、長い葉柄がある。葉身は2~3回3出複葉。小葉は薄く、長さ1~5㎝、卵形~倒卵状菱形~菱形、不規則な鋸歯があり、基部はくさび形~円形で、裏面は灰白色。茎葉は2~3個つき、托葉も小托葉もない。花序は頂生の散房花序、葉よりかなり高く、多数花をつける。花は白色、直径5~8㎜。痩果は長い柄があり、嘴は短い。花期は4~5月。
16-1 Thalictrum microspermum var. sikokianum Honda オオコゴメカラマツ
 九州産のコゴメカラマツと果実は異ならないが、全体が大きく、小葉も約2倍の大きさがあり、その基部が著しい楔形をなすのが特徴。花部が違へばThalictrum sikokianum Honda となるべきものであろう。

17 Thalictrum minus L.  
 温帯のアジア、ヨーロッパ原産。中国名は亚欧唐松草 ya ou tang song cao
 多年草、高さ15~150㎝、直立、やや叢生し、根茎をもち、無毛又はやや腺毛がある。葉は根生し、長さ7~30㎝。茎葉は葉柄が長さ約4㎝。葉身は3~4回3出複葉又は羽状複葉、長さ約20㎝。小葉は楔状倒卵形、広倒卵形、円形、又は狭菱形、長さ0.7~4(~5)㎝×幅0.4~4(~5)㎝、紙質又は薄い革質、下面は帯緑色、ときに粉白色、基部は楔形~円形、先は不規則に2~3裂又は上半分の縁に歯があり、表面は無毛又は腺毛があり、脈は下面に隆起し、ときに不明瞭。花序は円錐花序、長い枝をもち、長さ約30㎝、花が多数つく。花柄は長さ3~30㎜、果時に反曲しない。咢片は4個、早落性、帯緑色~黄緑色、卵形~狭楕円形、長さ3~4㎜。雄しべは多数(10~15本)、長さ約6㎜、花糸は糸状。葯は狭長円形、帯黄色、長さ2~3㎜、先は微突形。心皮は3~5個。柱頭は三角形、翼がある。痩果は3~15個、無柄、果体は広卵形~狭長円状卵形~狭楕円形、長さ2.5~4㎜、±弱い脈があり、嘴は長さ0.75~1㎜、。花期は6~7月。
品種) 'Adiantifolium'

17-1 Thalictrum minus L. var.minus
 日本にはなく、アジア、ヨーロッパ、アフリカに分布する。
 葉が長さ0.7~1.5㎝×幅0.4~1.3㎝と小さく、葉の下面は帯緑色、脈は下面に隆起する。花柄は長さ3~8㎜。花期は6~7月。
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17-2 Thalictrum minus L. var. chionophyllum (Nakai ex F.Maek.) Emura  ミョウギカラマツ 妙義唐松
  synonym Thalictrum chionophyllum Nakai ex F.Maek.
 本州(群馬県)に分布する。
 多年草、高さ14~100㎝、長さ60㎝程度で岩壁から垂れ下がって生えていることが多い。全草は霜を置いたように白く、特に葉の下面は著しく粉白色を帯び、ルーペで見ると微突起があり、乳白色。茎中間の葉は三角形~卵状三角形、長さ12~27㎝×幅12~28㎝、2~3回3出羽状複葉。小葉は円形~楕円形、先は3裂又は浅く切れ込む。花序は頂生の散房状の円錐花序、長さ8~17㎝。花柄は長さ5~10㎜。花はアキカラマツに似て、淡黄白色。花糸は白色、糸状。葯は黄色。痩果は1~2個、無柄、長さ約4㎜、傾いた紡錘形、6~8本の溝があり、花柱は長さ約0.5㎜。花期は7~8月。

17-3 Thalictrum minus L. var. hypoleucum (Siebold et Zucc.) Miq.  アキカラマツ 秋唐松
  synonym Thalictrum minus L. var. hypoleucum (Siebold et Zucc.) Miq. f. contractum (Nakai) Tamura 
  synonym Thalictrum minus L. subsp. thunbergii (DC.) Vorosch.
  synonym Thalictrum kemense Fr. var. hypoleucum (Siebold et Zucc.) Kitag. 
  synonym Thalictrum thunbergii DC.
  synonym Thalictrum minus auct. non L.
 日本(北海道、本州、四国、九州)、朝鮮、中国原産。中国名は东亚唐松草 dong ya tang song cao 。別名はタカトオグサ 高遠草。山野に普通に見られる。Flora of Chiinaの解説では花期が夏6~7月になっているが、「百度百科」では花期8~9月、果期9~10月。
 多年草。高さ50~150[20~60]㎝。茎は条線があり、よく分枝する。托葉は葉柄の基部につき、波状歯がある。小托葉は葉の1~2節につく。葉は2~4回3出複葉。小葉は倒卵形~広倒卵形~楕円形、長さ1.5~4(5)㎝×幅1.5~4(5)㎝、下面は粉白色(緑白色)、脈が下面に隆起し、先が不規則に数個、浅裂し、裂片は鋭頭~鈍頭~円頭、基部は円形~浅い心形。茎頂の大きな円錐花序に直径約1㎝の淡黄白色の花を多数つける。花柄は長さ3~8[6~16]㎜。花弁はなく、花弁に見えるのは花被片(萼片)で、3~4個つき長さ2~2.5[3~4.5]㎜、3脈があり、花後にすぐ落ちる。雄しべは多数つき、葯を含めて長さ4.5~6㎜。葯は長さ1.3~2[0.5~1.2]㎜。雌しべは2~4個、花柱が無く、子房に直接、柱頭がつく。柱頭は3角状長楕円形、鈍頭、長さ約1㎜。痩果は雌しべと同数の2~4個ずつつき、種子を1個入れる。痩果は無柄、卵形~楕円形、長さ(2)2.5~3[4~5]㎜、明瞭な数[6~8]本のうねがあり、嘴は短い[1~1.2]。2n=42。花期は7~10[8~9]月([ ]は百度百科 参考9)
17-4 Thalictrum minus L. var. kemense (Fr.) Trelease  オオカラマツ 大唐松
  synonym Thalictrum kemense Fr.
  synonym Thalictrum minus auct. non L.
  synonym Thalictrum minus L. var. stipellatum (C.A.Mey. ex Maxim.) Tamura 
  synonym Thalictrum minus L. subsp. kemense (Fr.) Hulten 
 アジア北部、ヨーロッパ北部。中国名は长梗亚欧唐松草 chang geng ya ou tang song cao 。亜高山から高山に生える。
 葉の下面は帯緑色。花柄が15~30(50)㎜と長く、花つきがまばらに見える。花期は6~7月。 
17-5 Thalictrum minus L. var. yamamotoi (Honda) Sugim. ex Kadota  イシヅチカラマツ 石鎚唐松
 四国(高知県、徳島県)、九州(宮崎県)に分布する。岩場に生える。
 多年草。高さ30~100㎝。葉は互生し、長い葉柄がある。葉身は3出複葉。小葉は全緑、先が2~3浅裂し、基部は円形、短い小葉柄がある。花序は円錐花序、頂生し、花を多数つける。花は黄白色、直径約1.5㎝。咢片は淡紫色、早落性。雄しべは目立ち、咢より長く、葯は黄色。

18 Thalictrum myriophyllum Ohwi  コバカラマツ
 台湾原産。中国名は密叶唐松草 mi ye tang song cao。

19 Thalictrum nakamurae Koidz.  ヒメミヤマカラマツ 姫深山唐松
  synonym Thalictrum filamentosum Maxim. var. nakamurae (Koidz.) Kitam.
 日本固有種(新潟県、群馬県)。山地の岩壁に生える。
 痩果の花柱は長く約1㎜。痩果の柄の長さは果体とほぼ同長。

19 Thalictrum osmorhizoides Nakai  ヒカゲカラマツ
 朝鮮原産。

21 Thalictrum petaloideum L
 朝鮮、中国、モンゴル、ロシア原産。中国名は瓣蕊唐松草 ban rui tang song cao
品種) 'Ghent Ebony'
21-1 Thalictrum petaloideum L. var. supradecompositum (Nakai) Kitag.  ヤチマタカラマツ

22 Thalictrum pubescens Pursh
 北アメリカ原産。英名はking of the meadow , tall meadow-rue。
 茎は直立、粗く、高さ50~300㎝。葉は根生葉と茎葉。根生葉と下部の茎葉は葉柄があり、上部の茎葉は無柄、葉柄と花序軸は頻繁に軟毛がある。葉身は3出と羽状複葉、小葉は薄~暗緑色、心形又はほぼ円形~卵形~倒卵形、先は不分裂~ 2~3(~5)裂又は歯状、長さ11~68㎜×幅5~70㎜、長さは幅の0.8~2.6倍、膜質~硬く、縁はかすかに外巻き、裂片は縁が全縁、下面は軟毛があるか無毛。 花序は総状花序又は円錐花序から散房花序、先は±円形、花が多数つく。花序柄と花柄にはしばしば軟毛がある。花は単性又は両性(ときに両性で雄しべがごく少数)。咢片は4(~6)個、白色~帯紫色、楕円状円形、長さ2~3.5㎜。花糸は斜上し、白色~帯紫色、糸状~明瞭なこん棒形、長さ1.5~7㎜、普通、堅い。葯は長さ0.5~1.5(~2.1)㎜、普通、鈍形又はわずかに微突頭。痩果は多数、無柄~有柄。柄は長さ0.5~1.5(~2.4)㎜。果体は楕円形、長さ3~5㎜、脈が目立ち、普通、軟毛があり、嘴は普通、宿存し、真っすぐ又は上部が巻き、長さ0.6~2.5㎜、痩果の果体の長さの約1/2。2n = 126。花期は6~8月。
品種) 'Purple Haze'

23 Thalictrum reniforme Wallich
 中国、ネパール、ブータン、シッキム原産。中国名は美丽唐松草 mei li tang song cao
品種) 'Grandiflorum'

23 Thalictrum rochebruneanum Franch. et Sav.  シキンカラマツ 紫錦唐松
  synonym Thalictrum rochebruneanum Franch. et Sav. var. grandisepalum (H.Lev.) Nakai 
  synonym Thalictrum grandisepalum H.Lev. 
 日本(長野県・群馬県・福島県)、朝鮮原産。英名はmeadow rue 。山地の林縁や湿った草地などに生える。咢片が帯紅紫色で宿存性。タイシャクカラマツに似るが、容易に区別できる。
 多年草。高さ0.7~1.5m、普通1m以上になる。茎は直立し、上部で多数分枝し、紫色を帯び、無毛。葉は互生し、大型の2回羽状複葉、下部の葉は葉柄があり、基部は短い膨らんだ鞘状になり、上部では次第に無柄になる。小葉は長さ1~3㎝、小葉柄があり、卵形~広楔形、基部は円形~やや心形、縁は全縁又は先が浅く3裂する。托葉はあるが小托葉は無い。大きな円錐花序に紅紫色の花を多数つける。花は直径9~12㎜。咢片はピンク色~紅紫色の花弁状、4~5個つき、長楕円形~倒卵形、舟形、長さ6~7㎜、開花してもしばらく残る。雄しべは多数、輪状につく。花糸は淡黄色、葯より幅が狭く、糸状。葯は黄色、長楕円形。葯隔は先が短く突出する。雌しべは離生心皮、20~35個つく。痩果は柄が細く、長さ約.5㎜、果体は狭倒卵形、長さ約7㎜、稜があって、先に柱頭が宿存する。花期は7~8月。
品種)  'Lavender Mist'

24 Thalictrum rubescens Ohwi  ナンコカラマツ
 台湾原産。
 非常に小型の種類で、葉も小さく繊細。丈5~8cm。その割りに花は大きく、ピンク色が滲んだ花弁は開花後も暫く残る。

25 Thalictrum sachalinense Lecoy.  エゾカラマツ 蝦夷唐松
 日本(北海道)、朝鮮、サハリン原産。やや湿った山地の向陽地や草原に生える
 高さ50~80㎝。茎には条線があり、よく分枝する。葉は2~3回3出複葉、側小葉に短い小葉柄があり、小葉の先は3浅裂する。花は葉の上に出る散房花序につき、白色。托葉は円形膜質で目立たず、小托も小さく目立たない。咢片は白色、早落性。痩果の集合果は金平糖状に固まってつく。痩果は柄が無く、明瞭なうねがあり、宿存する花柱は鈎状に曲がる。花期 6~7月。

26 Thalictrum sekimotoanum Honda  イワカラマツ 岩唐松
  synonym Thalictrum minus L. var. sekimotoanum (Honda) Kitam.
 日本固有種(本州の青森県、秋田県、宮城県、栃木県、長野県、四国の香川県)。別名はナツカラマツ。山地の日当たりのよい岩壁や礫地に生える。
 多年草。高さ(50~)80~100(150)㎝。全体に微腺毛が密生して粘り、独特の臭気がある。茎の上部はよく分枝する。葉は2~4回3出複葉で、茎、葉柄、小葉の両面には微腺毛を密生する。大型の円錐花序に多数の花を直立してつける。萼の外面、雄しべなどにも微腺毛が密生し、粘る。花弁はなく、花糸は黄緑色、糸状。果柄は長さ2~10㎜と短い。花期はアキカラマツより早く、6~7月。

27 Thalictrum sessile Hayata  ニイタカカラマツ
 台湾原産。玉山唐松草 yu shan tang song cao

28 Thalictrum simplex L.  ノカラマツ 広義
 ユーラシアに広く分布。中国名は箭头唐松草 jian tou tang song cao 。英名は small meadow rue。斜面、草原、湿った牧草地、岩棚に生える。
 高さ50~100㎝、無毛又は腺毛がある。茎は単純又は下部で分枝し、平滑。茎葉は直立、下部の茎葉は葉柄を含めて、長さ約20㎝。葉身は2回羽状複葉。小葉の葉身は楔形、狭楔形、円状菱形、広菱状卵形、又は倒卵形、長さ2~4㎝×幅1.4~4㎝、基部は狭楔形~円形、縁は3裂し、裂片は円鋸歯、先は円形、鈍形、又は鋭形、脈は下面に隆起する。上部の茎葉の葉身は小さく、小葉は楔状倒卵形、倒卵形、又は円形、基部は鈍形~楔形、先は鋭形。花序は円錐花序、長さ9~30㎝。花柄は長さ1~7㎜。咢片は4個、早落性、狭楕円形、長さ約2.2㎜。雄しべは約15本。花糸は糸状。葯は狭長円形、長さ約2㎜、先は微突形。心皮は3~6個。柱頭は広三角形。痩果は無柄、果体は狭卵形~狭楕円形、長さ約2㎜、脈は約8本。花期は7月。
28-1 Thalictrum simplex L. var. brevipes H.Hara  ノカラマツ 野唐松
  synonym Thalictrum ussuriense Luferov 
 日本(本州の東北地方南部以南、四国、九州)、朝鮮、中国原産。中国名は短梗箭头唐松草 duan geng jian tou tang song cao 。日当たりのよい草地に生える。
 多年草。無毛。茎は高さ60~120㎝、稜があり分枝しない。茎葉は多く、1~2回3出複葉、小葉は広いくさび形、裂片は狭三角形、先は鋭形、下面は白色を帯びる。ときに、小托葉がある。花序は短い円錐形。花は黄緑色。花柄は長さ1~4(~5)㎜。痩果は2~6個つき、果体は紡錘形で隆起した8~10本の脈があり、柄はない。2n=28 , 56

28-2 Thalictrum simplex L. var. simplex  シベリアノカラマツ
 中央アジア、南西アジア、ヨーロッパに分布。

29 Thalictrum sparsiflorum Turcz. ex Fisch., C.A.Mey. et Ave-Lall.  ツリフネカラマツ
 朝鮮、中国、ロシア、北アメリカ原産。中国名は散花唐松草 san hua tang song cao

30 Thalictrum squarrosum Stephan ex Willd.  エダハリカラマツ
 中国、モンゴル、ロシア原産。中国名は展枝唐松草 zhan zhi tang song cao

31 Thalictrum thalictroides (L.) A. J. Eames & B. Boivin  バイカカラマツ 梅花唐松
  synonym Anemonella thalictroides L.
 北アメリカ東部原産。英名はrue anemone , windflowe。
 根は黒色、塊根がある。茎は花茎、直立、高さ10~30㎝、無毛。葉は根生、葉柄は長さ10~30㎝。葉身は2回3出複葉。小葉は広卵形~倒卵形~ほぼ円形、先は3裂し、幅8~30㎜、表面は無毛。花序は散形花序又は花が単生、花が (1~)3~6個つく。総苞片は普通、3小葉、葉柄があり対生、又は無柄で小葉は6個の葉柄のある葉の輪をもち、他は根生葉と同じ。咢片は5~10(普通5)個、花弁状、早落性でなく、白色~帯ピンク色、華やかで、楕円形~倒卵形、長さ5~8㎜、雄しべより長い。雄しべは多数、緑黄色、花糸は狭いこん棒形、長さ3~4㎜。葯は長さ0.4~0.7㎜。痩果は(4~)8~12(~15)個、短い柄があり、柄は長さ.0.1~0.4㎜、果体は卵形~紡錘形、長さ3~4.5㎜、8~10脈が目立つ。花期は4~5月。
品種) 'Cameo' , 'Double White' , 'Flore Pleno' , 'Green Hurricane' , 'Jade Feather' , 'Kikuzaki Pink' , 'Kikuzaki White' , 'Lloyd's Big Bloomers' , 'Pink Pearl' , 'Rosea Plena' , 'Schoaff's Double Pink' , 'Snowball' , 'Tairin'

31 Thalictrum toyamae Ohwi et Hatus.  ヒレフリカラマツ 領布振唐松
 日本固有種(佐賀県、長崎県)。山地の岩上に生える。佐賀県産の方が大きく、花期が早い。
 多年草10~30㎝。全体が小型。葉は1~3個、根生し、2~3回3出複葉。小葉は長さ2~3㎝、広倒卵状菱形~広卵形、下面は緑白色、先は円形、縁には大きな円鋸歯がある。散房花序に花がまばらにつく。花は白色、直径約1㎝弱。咢片は白色、花時にも落ちずに残る。痩果は5~10個、柄は長さ0.8~1.3㎜、果体は紡錘形、長さ2.3~2.7㎜、扁平で側面に1~3脈がある。宿存する花柱は長さ2~2.3㎜。 花期は4~5(6)月

32 Thalictrum tuberiferum Maxim.  ミヤマカラマツ 深山唐松
  synonym Thalictrum japonicum Matsum. et Nakai 
  synonym Thalictrum tuberiferum Maxim. var. pubescens Honda 
  synonym Thalictrum filamentosum Maxim. var. tenerum (H.Boissieu) Ohwi
  synonym Thalictrum filamentosum Maxim. var. glabrescens (Honda) Tamura
  synonym Thalictrum filamentosum auct. non Maxim.
  synonym Thalictrum filamentosum Maxim. var. tenerum (H.Boissieu) Ohwi f. pubescens Tamura
  synonym Thalictrum punctatum H.Lev.  タンナカラマツ
  synonym Thalictrum fauriei H.Lev. & Vaniot
 日本、朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は深山唐松草 shen shan tang song cao 。 雄しべの花糸の先の幅がカラマツソウより広く、雌しべの柄が白色であり、雄しべと見分けにくい。葉柄の基部に托葉はない。
 高さ50~70㎝、無毛。根は塊茎がある。茎は分枝し、平滑。根生葉は1個、長さ25~30㎝。葉柄は長さ11~19㎝。葉身は3回3出複葉、長さ13~23㎝。小葉は葉身が卵形~菱状楕円形、長さ4~4.5㎝×幅約3.5㎝、草質、基部は円形~類心形、先は3裂し、脈は下面に隆起する。 茎葉は2個、対生し、長さ3.5~6㎝、葉身は3回3出複葉。花序は円錐花序。苞は3出。咢は早落性、楕円形、長さ約2㎜。花糸は基部が糸状、先は倒披針形、幅は葯の約3倍。葯は卵形、長さ約0.5㎜。心皮は3~5個。花柱は無い。柱頭は頭状、小さい。痩果は柄があり、柄は長さ約1.6㎜。果体は斜めの狭楕円形、長さ約3.5㎜。花期は6~7月。
32-1 Thalictrum tuberiferum Maxim. f. lavanduliflorum Kadota  フジイロミヤマカラマツ
32-2 Thalictrum tuberiferum Maxim. var. yakusimense (Koidz.) Emura  ヤクシマカラマツ
  synonym Thalictrum filamentosum Maxim. var. yakusimense (Koidz.) Tamura
  synonym Thalictrum yakusimense Koidz. 

34 Thalictrum tuberosum L.
 フランス、スペイン原産。英名はTuberous-rooted meadow rue。乾いた岩場に生える。
品種)  'Rosie Hardy' , 'Rosy Hardy'

34 Thalictrum uchiyamae Nakai  ムラサキカラマツ
 朝鮮原産。

35 Thalictrum ujiinsulare Hatus.  ウジカラマツソウ 宇治唐松草
 日本固有種(九州、鹿児島県宇治群島)。
 本種は花柱が長くなる グループ、肥前黒髪山のヒレフリカラマツ(Thalictrum toyamae)、台湾のミヤマカラマツThalictrum fauriei Hei=Thalictrum tuberiferum Maxim. 、中国のトウハスノハカラマツT.ichangese Lecoy ex Oliv.などに近縁であるが、草丈が50㎝にもなり、葉は葉柄を含めて50㎝に達し、3~5回3出複葉で下面は粉白色でなく、緑色である点で直に区別できる。ミヤマカラマツとは葉が大きく、小葉は広倒卵状楔形又は円状菱形で基部は楔形、先端は3裂し、下面は灰白色とならず、痩果の花柱は長さ1.2㎜と長い点で区別できる。(参考7)
 痩果は8~11個集合してつき、柄は長さ2~3㎜。果体は紡錘形~長円形、長さ7~8㎜、6うねがあり、宿存する花柱は長さ1.2㎜。

36 Thalictrum urbainii Hayata  タカサゴカラマツ
 台湾原産。
品種)  'Taiwan Baika Pink' , 'Taiwan Baika'
36-1 Thalictrum urbainii Hayata var. majus T.Shimizu  オオタカサゴカラマツ

37 Thalictrum watanabei Yatabe  タマカラマツ 玉唐松
  synonym Thalictrum filamentosum Maxim. var. watanabei (Yatabe) Kitam
 日本固有種(本州の近畿地方、四国、九州)。山地の林内に生える。
多年草。高さ20~30cm。茎は細く円柱形、平滑。托葉はない。葉は長い葉柄があり、無毛、1~2回3出複葉。小葉は小葉柄があり、葉身はほぼ円形、幅1.5㎝、周囲に数個の浅い鋸歯があり、葉裏は淡緑色。花は白色の雄しべが目立ち、直径約8㎜、雌しべは隠れて見えない。雄しべは白色、線状倒披針形、花糸の幅は葯とが同じか少し細い。葯隔は突出しない。痩果は柄が細く長さ約2㎜、果体は披針形、長さ約3㎜、扁平で両面に3本ずつのうねがあり、花柱はごく短く、曲がらない。花期は6~8月

38 ハイブリッド
(1) Thalictrum x karuizawaense Emura  カルイザワカラマツ
 アキカラマツ×ノカラマツ
(2) その他ハイブリッド
品種) 'Amelia' , 'Anne' (PBR) , 'Black Stockings' , 'Blizzard' , 'Braveheart' , Chantilly Lace = 'Mactha002' , 'Charlotte' , 'Elin' , 'Evening Star Strain' , 'Fr21034' (PBR) , 'Heronswood Form' , 'Illusion' , 'Little Pinkie' (Censation Series) , 'Mactha002' , Nimbus Pink = 'Tntnp' (Nimbus Series) , Nimbus White = 'Tntnw' (Nimbus Series) , 'Nishiki' , 'Oscar Schoaff' , 'Pink Mist' , 'Purity' , 'Purplelicious' , 'Roy Elliott' , 'Splendide' , Splendide White = 'Fr21034' (PBR) , 'Tntnp' , 'Tntnw' , 'True Blue' , 'Tukker Princess' , Ucb 91.0215 , Ucb 91.0343 , 'Ulrike' , 'Yubari' , 'Yubari Mountains' , 'Yulia'

参考

1) Flora of China
 Thalictrum  
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=132688
2) Jepson eFlora: Taxon page
 Thalictrum  
http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:30001524-2
3)Flora of North America
 Thalictrum  
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=133299
4)植物研究雑誌Journ.Jap.Bot.Vol.36 No.1 p61(1961)
 北川政夫 . 東亜植物断想録(13) 満鮮産カラマツソウ属植物のニ,三について
http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_036_17_23.pdf
5)植物研究雑誌第80巻第6号 J. Jpn. Bot.80(6):343-348(2005)
 門田裕一:日本産カラマツソウ属(キンポウゲ科)の一新種,タイシャクカラマツ  
http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_080_343_348.pdf
6)植物研究雑誌第86巻第2号J. Jpn. Bot. 86(2): 63–67 (2011)
 広島県産カラマツソウ属(キンポウゲ科)の1新種,シロカネカラマツ  
http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_086_063_067.pdf
7) 植物地理・分類研究第35巻第1号(1987)
 初島住彦 九州産カラマツソウ属の一新種
8) 植物地理・分類研究第41巻第2号(1993)
千々布義朗 ヒレフリカラマツの新産地
9)唐松草属_百度百科
 东亚唐松草  
https://baike.baidu.com/item/%E5%94%90%E6%9D%BE%E8%8D%89%E5%B1%9E/3002374?fromtitle=Thalictrum&fromid=11318558
10)Shokubutsugaku Zasshi 56(661), 14-18, 1942 The Botanical Society of Japan
 日本植物新報知 XLVL  Nuntia ad Floram Japoniae XLVI  
https://ci.nii.ac.jp/naid/130004211897/