ダイコン(野生化) 大根
Flora of Mikawa
アブラナ科 Brassicaceae ダイコン属
[別 名] | ノダイコン 野大根 |
中国名 | 萝卜 luo bo |
[英 名] | Japanese radish , Chinese radish , Oriental radish , cultivated radish |
[学 名] | Raphanus sativus L. Raphanus sativus L. var. longipinnatus L.H.Bailey Raphanus sativus L. var. hortensis Backer |
花 期 | 3~6月 栽培時期による |
高 さ | 10~130 ㎝ |
生活型 | 1~2年草 |
生育場所 | 畑、土手、草地、道端 |
分 布 | 栽培種 世界で広く栽培されている |
撮 影 | 西尾市 17.4.5 |
矢作古川の土手に群生している箇所があり、花がほとんどが白色で、少し、ピンク色の花が混じる。根が大根になっているものや、細いものもあり、ダイコンの野生化したものと思われる。
栽培されている日本の食用ダイコンは中国から渡来したものといわれ、古くからの栽培種であり、元はハツカダイコンvar. sativus に近いものと考えられ、ハツカダイコンを基準変種とし、その変種 var. longipinnatus 又はvar. hortensis として分類されている。現在では世界で広く栽培されている多くの変種や品種の栽培種があり、栽培種を広義に Raphanus sativus とすることが普通になっている。放置されたり、捨てられたダイコンから花が咲くこともあるが、花は野生のハマダイコンとよく似ているが、品種により白色や白色に近いものが多い。。
矢作古川の土手のように内陸部で野生化しているものはハマダイコンでなく、ダイコンであり、渥美半島でもたくさん見られる内陸部の白花はダイコンかハマダイコンとの交雑種と考えた方がよいと思われる。
栽培種のダイコンが野生化したものをノダイコンといい、福島県会津盆地や山形県米沢盆地などに内陸性の自生種が古くからある。アザキ大根は福島県大沼郡金山町内(太郎布高原)に群生する古くからある自生の大根で、辛みが非常に強く、5月中旬~下旬にかけて美しい花を咲かせる。米沢に自生する弘法大根は米沢市南山の水田脇に自生し、野良(のら)大根は庄内町添川の河川敷に自生するものである。
ダイコンは全体に無毛~ざらざら~剛毛があるなど多形。根は肉質、白色~ピンク~赤色~黒色、線形~紡錘形~長楕円形~球形、長さ1~100㎝、幅0.5~45㎝、ときに細く、肉質でない。茎は単一~分枝する。根生葉は長さ1~30㎝の柄があり、葉身は長楕円形~倒卵形~倒披針形~へら形、長さ 2~60㎝、幅1~20㎝、 頭大羽状分裂 ~羽状分裂、ときに分裂せず、鋸歯縁、先は鈍形~鋭形、側裂片は1~12対、ときに無く、長楕円形~卵形、長さ10㎝、幅5㎝以下。最上部の茎葉はほぼ無柄、しばしば分裂せず、鋸歯縁。果実の柄は開出~斜上し、直線状、長さ05~4㎝。萼片は狭長楕円形、長さ5.5~10㎜、幅1~2㎜、無毛~わずかに有毛。花弁は4弁、紫色~ピンク~ときに白色、しばしば脈が濃くなり、広倒卵形、長さ1.2~2.2㎝、幅3~8㎜、先は鈍頭~凹形、花弁の基部の細い爪状部分は長さ1.4㎝以下。花糸は細く、長さ5~12㎜。葯は長さ1.5~2㎜。果実は紡錘形~披針形~ときに卵形~円筒形。種子のない弁状の部分は長さ1~3.5㎜、離れた部分に種子があり、長さ(1)3~15(25)㎝、幅(0.5)0.7~1.3(1.5)㎝、コルク質、基部は丸く、先は円錐状、平滑、又はまれに種子の間が狭くなり、肋は無く、熟しても裂開しない。花柱は長さ1~4㎝、柱頭は全縁。種子は球形~卵形、直径2.5~4㎜。2n=18
ハマダイコンは海岸に生える野生種であり、根が太くならない。ハツカダイコンの変種 var. raphanistroides と考えられていたが、食用ダイコンの品種 form. raphanistroides という見解もあり、ハマダイコンも広義に Raphanus sativus とし、栽培種のダイコンやハツカダイコンを含めて同一種とする見解もある。花もよく似て、見分けがつかない。しかし、最近の遺伝子的な研究により、栽培種とは離れた系統であり、古い時代に野生化した自生種に近い種と考えられている。2n=18
セイヨウノダイコンも日本で野生化しているという報告がある。花が黄色~クリーム白色、脈が暗褐色~紫色。果実に強いうねがあり、種子の間が強くくびれ、熟すと切断する特徴がある。葉の側裂片が1~4対と少ない。
栽培されている日本の食用ダイコンは中国から渡来したものといわれ、古くからの栽培種であり、元はハツカダイコンvar. sativus に近いものと考えられ、ハツカダイコンを基準変種とし、その変種 var. longipinnatus 又はvar. hortensis として分類されている。現在では世界で広く栽培されている多くの変種や品種の栽培種があり、栽培種を広義に Raphanus sativus とすることが普通になっている。放置されたり、捨てられたダイコンから花が咲くこともあるが、花は野生のハマダイコンとよく似ているが、品種により白色や白色に近いものが多い。。
矢作古川の土手のように内陸部で野生化しているものはハマダイコンでなく、ダイコンであり、渥美半島でもたくさん見られる内陸部の白花はダイコンかハマダイコンとの交雑種と考えた方がよいと思われる。
栽培種のダイコンが野生化したものをノダイコンといい、福島県会津盆地や山形県米沢盆地などに内陸性の自生種が古くからある。アザキ大根は福島県大沼郡金山町内(太郎布高原)に群生する古くからある自生の大根で、辛みが非常に強く、5月中旬~下旬にかけて美しい花を咲かせる。米沢に自生する弘法大根は米沢市南山の水田脇に自生し、野良(のら)大根は庄内町添川の河川敷に自生するものである。
ダイコンは全体に無毛~ざらざら~剛毛があるなど多形。根は肉質、白色~ピンク~赤色~黒色、線形~紡錘形~長楕円形~球形、長さ1~100㎝、幅0.5~45㎝、ときに細く、肉質でない。茎は単一~分枝する。根生葉は長さ1~30㎝の柄があり、葉身は長楕円形~倒卵形~倒披針形~へら形、長さ 2~60㎝、幅1~20㎝、 頭大羽状分裂 ~羽状分裂、ときに分裂せず、鋸歯縁、先は鈍形~鋭形、側裂片は1~12対、ときに無く、長楕円形~卵形、長さ10㎝、幅5㎝以下。最上部の茎葉はほぼ無柄、しばしば分裂せず、鋸歯縁。果実の柄は開出~斜上し、直線状、長さ05~4㎝。萼片は狭長楕円形、長さ5.5~10㎜、幅1~2㎜、無毛~わずかに有毛。花弁は4弁、紫色~ピンク~ときに白色、しばしば脈が濃くなり、広倒卵形、長さ1.2~2.2㎝、幅3~8㎜、先は鈍頭~凹形、花弁の基部の細い爪状部分は長さ1.4㎝以下。花糸は細く、長さ5~12㎜。葯は長さ1.5~2㎜。果実は紡錘形~披針形~ときに卵形~円筒形。種子のない弁状の部分は長さ1~3.5㎜、離れた部分に種子があり、長さ(1)3~15(25)㎝、幅(0.5)0.7~1.3(1.5)㎝、コルク質、基部は丸く、先は円錐状、平滑、又はまれに種子の間が狭くなり、肋は無く、熟しても裂開しない。花柱は長さ1~4㎝、柱頭は全縁。種子は球形~卵形、直径2.5~4㎜。2n=18
ハマダイコンは海岸に生える野生種であり、根が太くならない。ハツカダイコンの変種 var. raphanistroides と考えられていたが、食用ダイコンの品種 form. raphanistroides という見解もあり、ハマダイコンも広義に Raphanus sativus とし、栽培種のダイコンやハツカダイコンを含めて同一種とする見解もある。花もよく似て、見分けがつかない。しかし、最近の遺伝子的な研究により、栽培種とは離れた系統であり、古い時代に野生化した自生種に近い種と考えられている。2n=18
セイヨウノダイコンも日本で野生化しているという報告がある。花が黄色~クリーム白色、脈が暗褐色~紫色。果実に強いうねがあり、種子の間が強くくびれ、熟すと切断する特徴がある。葉の側裂片が1~4対と少ない。