ヤマハハコ  山母子
[中国名]

珠光香青 zhu guang xiang qing

[英名] western pearly everlasting , pearly everlasting
[学名] Anaphalis margaritacea (L.) Benth. et Hook.f. subsp. margaritacea
Anaphalis margaritacea (L.) Benth. et Hook.f. var. margaritacea
キク科 Asteraceae ヤマハハコ属
三河の植物観察
ヤマハハコの花序
ヤマハハコの雄性頭花
ヤマハハコの雄性頭花
ヤマハハコの葉
ヤマハハコ
ヤマハハコの葉
ヤマハハコの葉
ヤマハハコの葉
ヤマハハコの葉
 標高が高いほど草丈は低く、葉幅が広くなる傾向がある。地下茎を延ばして増え、全体に白色の綿毛で被われる。 茎は高さ30~60(100)㎝。下茎を延ばして増え、全体に白色の綿毛で被われる。葉は互生し、線状披針形、長さ3 ~10(15) ㎝×幅3~8㎜、全縁、縁が裏側へ巻き、柄はなく、基部は茎をやや抱く。葉の表面に光沢があることも多く、葉裏は綿毛が密生する。頭花は茎頂に散房状につく。頭花は単性。ときに雄性頭花は周辺にいくつかの雌花をもち、雌性頭花は中央に1~9個の雄花をもつ。雌花は雄しべを欠く。雄花は葯が卵形、花柱の先は切形。総苞は長さ5~7(8)㎜、幅6~8(13)㎜、総苞片が8~12列につき、白い花弁のように見える。外総苞片は卵形、内総苞片はほぼ線形。痩果は長さ0.5~1㎜、2脈があり、長い冠毛がある。2n=28,56
 変種の西日本型のホソバノヤマハハコはやや小型で、中間では枝分かれせず、葉が細い。
 カワラハハコは茎の中部で枝分かれし、葉が線形。
[花期] 8~10月
[草丈] 30~60(100)
[生活型] 多年草
[生育場所] 山野の向陽地
[分布] 在来種 北海道、本州(長野県、石川県以北)、中国、ロシア、インド、ネパール、北アメリカ
[撮影] 長野県  06.8.19

  ヤマハハコ属

  family Asteraceae - genus Anaphalis

 多年草、まれに1年草又は2年草、又は亜低木、やや木質の根茎をもつ。茎は直立又はロゼット形になり、単純又は分枝し、密に白色又は灰色の綿毛がある。葉は単葉、互生、まれに類対生~対生、生えは無又は有又は沿下し、長円形又は披針形、全縁。頭花は小花を多数もち、直径3~15㎜、類球形、鐘形又は類漏斗形、散房花序又は円錐状の散房花序、分枝する合成花序につき、まれに単生又は合成花序に2~3個つく。雌雄異株又は異形配偶、異なった形の小花をもつ。両性の不稔の小花は、縁に多数の列につく雌性の支配的な小花と1~少数の中央の雄小花とともにつき、又は多数列の雄小花と中央に少数の雌小花とともにつく。総苞は鐘形、こま形、又は半球形、基部に綿毛がある。総苞片は多列につき、覆瓦状、直立又は広がり、薄膜質、下部は褐色、1脈があり、上部は普通、薄膜質、白色又は黄白色、まらに、帯ピンク色。花托は類凸面、又は平ら、ハチの巣状、鱗片がある。雄小花の花冠は筒形、5歯がある。雄しべは基部が矢形で、針状の尾をもつ。柱頭は2個の短い裂片をもち、先は切形。雌小花は花冠が糸状、基部はわずかに広がり、2~4歯がある。花柱の枝は長く、先は類円形。痩果は長円形又は類球形、腺毛又はマミラがあるか、まてゃほとんど無毛。支配的な雌頭花では雄小花の痩果は痕跡、支配的な雄頭花では普通、無い。両小花の冠毛は離生の脱落性の白色の毛の1列からなり、花冠の長さとほぼ等しく、ザラつき、.雄小花では先が羽状に肥厚(pinnate-incrassate)する。雌小花では糸状でほとんど平滑又は先がザラつく。
 世界に約110種あり、主に熱帯、亜熱帯のアジアに分布し、少数がアジア、ヨーロッパ、北アメリカの温帯に分布する。


 ヤマハハコ属 の主な種と園芸品種

 1  Anaphalis adnata DC.  タイワンヤマハハコ 
   synoym Pseudognaphalium adnatum (DC.) Y.S.Chen
 中国、台湾、インド、ブータン、ネパール、ミャンマー、タイ、ベトナム、フィリピン原産。中国名は宽叶拟鼠麴草 kuan ye ni shu qu cao
 ハハコグサ属(Pseudognaphalium)に移動されている。

 2  Anaphalis alpicola Makino  タカネヤハズハハコ 高嶺矢筈母子
   synoym Anaphalis lactea auct. non Maxim. 
 日本固有種(北海道、本州の中部以北)
2-1 Anaphalis alpicola Makino f. robusta H.Hara  アポイハハコ

 4  Anaphalis hancockii Maxim.  シナタカネヤハズハハコ
 中国原産。中国名は铃铃香青 ling ling xiang qing


 5  Anaphalis horaimontana Masam.  ホウライヤマハハコ
 台湾原産。中国名は大山香青 da shan xiang qing


 6  Anaphalis margaritacea (L.) Benth. et Hook.f.  ヤマハハコ 山母子
 日本(北海道、本州の長野県・静岡県以北、)、朝鮮、中国、ロシア、インド、ブータン、ネパール、パキスタン、北アメリカ(カナダ、USA、メキシコ)原産。中国名は珠光香青 zhu guang xiang qing 。英名はpearly everlasting
 多年草。根茎は這い、木質、短い褐色の鱗片のある走出枝をもつ。茎は単生又は少数叢生し、直立又は斜上し、長さ30~60(~100)㎝、普通、太く不分枝、まれに折れた茎や通常の茎で分枝し、灰色の綿毛があり、基部は木質。下部の葉は花期までに枯れる。中間の葉は広がり、線形~線状披針形、長さ 5~10㎝×幅3~12㎜、まれに幅広くなり、基部は漸尖形又は鋭く狭まり、やや抱茎、縁は平坦、先は尖鋭形で先端が小さく尖る。上部の葉は次第に小さくなり、長く尖る。全ての葉はわずかに革質、下面は密に灰色~赤褐色の産毛があり、上面は蜘蛛の巣状又は後に無毛になり、1脈、又は3又は5脈がある。頭花は多数、複合の散房状(又は散房状)の合成花序につく。花序柄は長さ4~17㎜。総苞は広鐘形又は半球形、長さ5~8㎜×幅8~13㎜。総苞片は5~7列、やや広がり、上部は白色。外総苞片は総苞の1/3まで、卵形、綿毛がある。中総苞片は卵形~長円形、約長さ5㎜×幅2.5㎜、雄株では幅3㎜以下、先は円形又は尖鋭形。最も内側の総苞片は線状披針形、幅約0.5㎜、前長の3/4以下の爪部がある。花托はハチの巣状。支配的な雌頭花は多数の小花をもち、中央に3~20個の雄小花をもち、縁に多列の小花をもつ。支配的な雄頭花は多くの小花をもち、中央の小花は全て雄小花で縁に少数の列の雌小花をもつ。花冠は長さ3~5㎜。冠毛は花冠からわずかに突き出し、雌小花では糸状、先が肥厚し(incrassate)、雄花では細鋸歯がある。痩果は長円形、長さ約0.7㎜、腺点がある。花期と果期は7~11月。2n = 28, 42, 56。
品種) New Snow
6-1 ~(L.) Benth. et Hook.f. var. margaritacea  ヤマハハコ 山母子
   synoym Anaphalis margaritacea (L.) Benth. et Hook.f. var. angustior (Miq.) Nakai 
   synoym Anaphalis margaritacea (L.) Benth. et Hook.f. subsp. angustior (Miq.) Kitam.
 日本、中国、インド、ネパール、ロシア、北アメリカ原産。英名はwestern pearly everlasting , pearly everlasting
Leaves linear-lanceolate, 5-9 cm × 3-8 mm, abaxially densely gray or light brown lanuginous, adaxially arachnoid or later glabrous, midvein raised, always with 2 veinlets on margin, base attenuate. Involucre 6-8 × 8-13 mm. 2n = 28*, 56*.
 茎は高さ30~60(100)㎝。下茎を延ばして増え、全体に白色の綿毛で被われる。葉は互生し、線状披針形、長さ3 ~10(15) ㎝×幅3~8㎜、全縁、縁が裏側へ巻き、柄はなく、基部は茎をやや抱く。葉の表面に光沢があることも多く、葉裏は綿毛が密生する。頭花は茎頂に散房状につく。頭花は単性。ときに雄性頭花は周辺にいくつかの雌花をもち、雌性頭花は中央に1~9個の雄花をもつ。雌花は雄しべを欠く。雄花は葯が卵形、花柱の先は切形。総苞は長さ5~7(8)㎜、幅6~8(13)㎜、総苞片が8~12列につき、白い花弁のように見える。外総苞片は卵形、内総苞片はほぼ線形。痩果は長さ0.5~1㎜、2脈があり、長い冠毛がある。2n=28,56。花期は8~10月。
6-2 Anaphalis margaritacea (L.) Benth. et Hook.f. var. angustifolia (Franch. et Sav.) Hayata  ホソバノヤマハハコ 細葉の山母子 
   synoym Anaphalis margaritacea (L.) Benth. et Hook.f. subsp. japonica (Miq.) Kitam.
   synoym Anaphalis margaritacea (L.) Benth. et Hook.f. var. japonica (Miq.) Makino 
 日本(本州の福井県・愛知県以西、四国、九州)、朝鮮、中国原産。中国名は线叶珠光香青 xian ye zhu guang xiang qing 。 別名はホソバヤマハハコ。
ヤマハハコの西日本型。ヤマハハコより小型で、茎は高さ30~60㎝、叢生し、中間では枝分かれせず、上部でだけ枝分かれする。茎や葉に白毛が多い。葉は線形、長さ3~10㎝×幅2~6㎜。茎頂に頭花を散房状に上向きに多数つける。頭花は直径7~10㎜。総苞はときに小さく、長さ約5㎜。総苞片は白色、乾膜質。花冠は長さ約3㎜。痩果は長楕円形、冠毛は1列。
6-3 Anaphalis margaritacea var. cinnamomea (Candolle) Herder ex Maximowicz
 中国、インド、ブータン、ネパール、ミャンマー原産。中国名は黄褐珠光香青 huang he zhu guang xiang qing
 茎は高さ50~100㎝。葉は長円形~線状披針形、長さ4~9㎝×幅7~12㎜、ときに幅25㎜まで、下面は密に期褐色又は赤褐色の産毛があり、上面は灰色のクモの巣状の産毛があり、隆起した3又は5脈があり、基部は広耳形、先は尖鋭形。総苞は var. angustifoliaと同じ。 2n = 42。.
6-4 Anaphalis margaritacea (L.) Benth. et Hook.f. var. yedoensis (Franch. et Sav.) Ohwi  カワラハハコ 河原母子
   synoym Anaphalis yedoensis (Franch. et Sav.) Maxim
   synoym Anaphalis margaritacea (L.) Benth. et Hook.f. subsp. yedoensis (Franch. et Sav.) Kitam.
 日本固有亜種(北海道、本州、四国、九州)
 多年草。高さ30~50㎝。茎は下部から多数出て叢生し、中部で多数、分枝して団塊状になる。全体に細かい毛が生え、白く見える。葉は互生し、長さ3 ~6㎝、幅1~2㎜の線形、縁は裏面に巻く。小さな頭花が茎頂に散房状に多数つく。総苞は鐘球形。総苞片は白色、膜質で、光沢がある。痩果は長楕円形、冠毛は1列。花期は8~10月。

 7  Anaphalis morrisonicola (Hayata) Hayata  ニイタカヤマハハコ
   synoym Anaphalis margaritacea (L.) Benth. et Hook.f. subsp. morrisonicola (Hayata) Kitam.
 台湾、フィリピン原産。中国名は玉山香青 yu shan xiang qing

 8  Anaphalis nagasawae Hayata  コダマギク
   synoym Anaphalis nepalensis auct. non (Spreng.) Hand.-Mazz.
 台湾原産。中国名は永健香青 yong jian xiang qing


 9  Anaphalis royleana DC.  ノウコウウスユキソウ
   synoym Anaphalis transnokoensis Sasaki
 中国、台湾、インド、ブータン、カシミール、ネパール、パキスタン、ミャンマー原産。中国名は须弥香青 xu mi xiang qing 。
 
 10  Anaphalis sinica Hance  ヤハズハハコ 矢筈母子 [広義]
   synoym Anaphalis pterocaulon (Franch. et Sav.) Maxim. 
 日本(本州の関東地方~中国地方)、四国、九州)、朝鮮、中国原産。中国名は香青 xiang qing 。別名はヤバネオウコ , ヤバネハハコ。山地や低山の岩場、礫地に生える。
 根茎は細く又は太く、木質、走出枝は長さ約8㎝。茎は緩く又は密に叢生し、直立、高さ20~50㎝、細く又は太く、普通、単純、又は花序がなくなってから分枝又は折れた枝で分枝し、白色~灰色の綿毛があり、葉が密につく。ロゼットの葉は密に羊毛状の毛があり、先は鈍形~円形。下部の茎葉は脱落し、花時までになくなる。中間の葉は長円形、倒披針状長円形、又は線形、長さ2.5~9㎝×幅0.2~1.5㎝、基部は漸尖し、茎に沿下し、狭い又はわずかに広い翼となり、縁は平坦、先は鋭形で短くて小さな尖った先端になる。上部の葉は小さく、披針状線形、全ての葉にはクモの巣状の羊毛状毛又は密に白色~黄白色の羊毛状毛が下面又は両面にあり、腺毛が混じり、1又は3脈があり、側脈は見えない。頭花は多数、密に複合の散房花序又は多環の散房花序につく。花序柄は細い。総苞は鐘形又はほとんど倒円錐形、長さ4~5(~6)㎜×幅4~6㎜。総苞片は6又は7列。外総苞片は薄褐色、楕円形、長さ約2㎜、クモの巣状の綿毛がある。中総苞片は乳白色~汚白色、長さ約3.5㎜×幅1~1.2㎜、先は鈍形~円形。最も内側の総苞片は狭く、狭楕円形、全長の約2/3の爪部がある。雄小花の総苞片は普通、鈍い。中央の支配的な雌頭花は雌小花と1~4個の雄小花をもつ。花冠は長さ2.8~3㎜。冠毛は花冠よりわずかに長く、雄小花の先端が肥厚し、鋸歯がある。痩果は長さ0.7~1㎜、小さな腺がある。花期は7~9月。果期は8~10月。
品種) 'Moon's Silver'
10-1 Anaphalis sinica var. sinica   ヤハズハハコ 矢筈母子
 日本、朝鮮、中国に分布。中国名は香青 xiang qing 。
 茎は緩く叢生し、節間は短く、5~10㎜。葉は長円形~倒披針形状長円形、長さ3~9㎝×幅1~1.5㎝、下面に密に羊毛状の毛があり、上面はクモの巣状の羊毛状毛。合成花序は密又は広がる。総苞片は白色、まれに赤色。
10-1 Anaphalis sinica Hance subsp. intermedia (Pamp.) Kitam.  ニオイヤハズハハコ
10-2 Anaphalis sinica Hance var. morii (Nakai) Ohwi  タンナヤハズハハコ 丹那矢筈母子
   synoym Anaphalis sinica Hance subsp. morii (Nakai) Kitam. 
   synoym Anaphalis pterocaulon (Franch. et Sav.) Maxim. subsp. morii (Nakai) Kitam. 
   synoym Anaphalis morii Nakai 
 屋久島固有変種。茎が叢生し、密に葉をつける。葉は幅3~7㎜、やや厚い。頭花が少ない。
10-3 Anaphalis sinica Hance var. pernivea T.Shimizu  トダイハハコ 戸台母子
   synoym Anaphalis todaiensis Honda 
 長野県、山梨県の石灰岩地に生える。
 雌性両全性同株。高さ20~30㎝。全体に綿毛が多く白緑色、腺毛が混じる。葉は無柄、倒被針形、基部は沿下し、先は鋭形。頭花は散房花序につく。
10-4 Anaphalis sinica Hance var. viscosissima (Honda) Kitam.  クリヤマハハコ 栗山母子
   synoym Anaphalis viscosissima Honda 
 栃木県、群馬県、埼玉県の山地のやや乾燥した岩壁に生える。和名は産地の栃木県栗山村に因む。
 高さ20~35㎝。根生葉は花期には枯れる。茎中部の葉は倒披針形、先は鈍形、腺毛が多く、白緑色。葉をもむと黒糖のような独特の臭気がある。頭花は散房花序につく。花期は8~9月。
10-5 Anaphalis sinica Hance var. yakusimensis (Masam.) Yahara  ヤクシマウスユキソウ 
 日本(鹿児島県の屋久島)、朝鮮(済州島)に分布。.

 11  Anaphalis triplinervis (Sims) C. B. Clarke
 中国、インド、ブータン、ネパール、パキスタン原産。中国名は三脉香青 san mai xiang qing 。英名はpearly everlasting
品種) 'Silberregen' , 'Snow Mound' , Summer Snow


 参考

1) GRIN
 Anaphalis
 http://tn-grin.nat.tn/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=602
2) Flora of China
 Anaphalis
 http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=101580
3) Flora of Pakistan
 Anaphalis adnata Wall. ex DC.
 http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=5&taxon_id=242302855
4)Plants of the World Online | Kew Science
 Anaphalis
http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:7615-1
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