テンダイウヤク 天台烏薬

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Flora of Mikawa

クスノキ科 Lauraceae クロモジ属

別 名 ウヤク
中国名 乌药 wu yao
英 名 spice bush
学 名 Lindera aggregata (Sims) Kosterm.
テンダイウヤクの花序
テンダイウヤクの花序2
テンダイウヤクの花
テンダイウヤクの枝
テンダイウヤクの幹
テンダイウヤク
テンダイウヤクの葉表
テンダイウヤクの葉裏
花 期 3~4月
高 さ 2~5m
生活型 常緑低木又は小高木
生育場所 栽培種
分 布 帰化種 中国、台湾、フィリピン、ベトナム原産
撮 影 浜松市  19.4.1
テンダイウヤクはクスノキ科クロモジ属の薬用、観賞用の栽培種。日本には江戸時代に薬用として渡来した[享和3年(1803年)『本草綱目啓蒙 巻30』に天台鳥薬(うやく)が享保年中に渡来したと記載されている]。
 常緑の低木又は小高木、高さ5m以下、胸高直径(d.b.h)は約4㎝。根は紡錘形に膨れ又は節状に膨れ、長さ3.5~8㎝×幅0.7~2.5㎝、褐黄色又は褐黒色 、表面にしわがあり、芳香がある。樹皮は灰褐色。若い小枝は青緑色、縦に条線があり、密に金色の絹毛又は緩い毛があり、後に次第に脱落し、無毛になり、乾くと褐色になる。頂芽は狭楕円形。葉は互生し、葉柄は長さ0.5~1㎝、褐色の毛があり、後に次第に脱落する。葉身は下面は淡色、上面は緑色、光沢があり、狭卵形~広楕円形~類円形~披針形、長さ 2.7~6㎝×幅1.3~4㎝、ときに長さ7㎝以下になり、革質~類革質、下面に密に褐色の毛があり、 後に次第に脱落し、ときにわずかに黒色の毛があり、3脈があり、中脈と側脈は下面が明瞭に凸面になり、上面は凹面、まれに凸面、基部は円形、先は尖鋭形又は尾状尖鋭形。散房花序は6~8個、短小枝につき、腋生、垂れ下がらず、各々1個の苞と7個の花をもつ。短小枝は長さ1~2㎜。花柄は長さ約0.4㎜、毛がある。花被片は6個、黄色~黄緑色、ときに乳白色でわずかに紫赤色を帯び、外側に白色の毛があり、内側は無毛。雄花は花被片が約長さ4㎜×幅2㎜。雄しべは長さ3~4㎜。花糸は緩い毛があり、3番目の輪の基部に2個の腺があり、腺は腎形、柄があり、ときに2番目の輪の花糸の基部に1又は2個つく。縮小した雌しべはつぼ形。雌花は花被片が約長さ2.5㎜×幅2㎜。雄しべは縮小し、扁平、長さ約1.5㎜、緩い毛があり、3番目の輪の花糸の基部に2個の腺があり、腺は柄がある。子房は楕円形、長さ約1.5㎜、褐色の毛がある。柱頭は頭状。果実は卵形、ときに類球形、長さ0.6~1㎝×幅4~7㎜。花期は3~4月。果期は5~11月。

クロモジ属

  family Lauraceae - genus Lindera

 高木又は低木、常緑又は落葉、芳香があり、雌雄異株。葉は互生、全縁又は3裂、羽状脈~3脈~三行脈。散形花序は単生で腋生又は短く腋生の枝に2~多数、束生し、花序柄が有又は無。総苞片は4個、X字形につく。花は単性、黄色又は緑黄色。花被片は6個、ときに7~9個、大きさは同じか又は外側の輪がわずかにお菊、普通、脱落性。雄花は9個、ときに12個の稔性の雄しべをもち、普通、3輪につく。葯は2室、内向き、花糸の基部に2個の柄のある腺がある。雌しべは縮小し、小さい。ときに花柱と柱頭は結合し、小さな微突起になる。雌花は仮雄しべが普通、9個、ときに12個又は15個、扁平、仮雄しべの両面に2個の平らな無柄の腎形の腺をもつ。子房は球形又は楕円形。液果又は核果、球形又は楕円形、若い時には緑色、熟すと赤色又は紫色、1種子をもつ。花被の筒は膨れ、果実の基部の果托になり、又は杯形で果実の基部から中間までを包む。
 世界に約100種があり、アジアと北アメリカの温帯~熱帯に分布する。

クロモジ属の主な種と園芸品種

1 Lindera aggregata (Sims) Kosterm.  テンダイウヤク 天台烏薬
  synonym Lindera strychnifolia (Siebold et Zucc. ex Blume) Fern.-Vill. 
  synonym Lindera aggregata (Sims) Kosterm. f. playfairii (Hemsl.) J.C.Liao 
 中国、台湾、フィリピン、ベトナム原産。中国名は乌药 wu yao 。英名はspice bush 。
 常緑の低木又は小高木、高さ5m以下、胸高直径(d.b.h)は約4㎝。根は紡錘形に膨れ又は節状に膨れ、長さ3.5~8㎝×幅0.7~2.5㎝、褐黄色又は褐黒色 、表面にしわがあり、芳香がある。樹皮は灰褐色。若い小枝は青緑色、縦に条線があり、密に金色の絹毛又は緩い毛があり、後に次第に脱落し、無毛になり、乾くと褐色になる。頂芽は狭楕円形。葉は互生し、葉柄は長さ0.5~1㎝、褐色の毛があり、後に次第に脱落する。葉身は下面は淡色、上面は緑色、光沢があり、狭卵形~広楕円形~類円形~披針形、長さ 2.7~6㎝×幅1.3~4㎝、ときに長さ7㎝以下になり、革質~類革質、下面に密に褐色の毛があり、 後に次第に脱落し、ときにわずかに黒色の毛があり、3脈があり、中脈と側脈は下面が明瞭に凸面になり、上面は凹面、まれに凸面、基部は円形、先は尖鋭形又は尾状尖鋭形。散房花序は6~8個、短小枝につき、腋生、垂れ下がらず、各々1個の苞と7個の花をもつ。短小枝は長さ1~2㎜。花柄は長さ約0.4㎜、毛がある。花被片は6個、黄色~黄緑色、ときに乳白色でわずかに紫赤色を帯び、外側に白色の毛があり、内側は無毛。雄花は花被片が約長さ4㎜×幅2㎜。雄しべは長さ3~4㎜。花糸は緩い毛があり、3番目の輪の基部に2個の腺があり、腺は腎形、柄があり、ときに2番目の輪の花糸の基部に1又は2個つく。縮小した雌しべはつぼ形。雌花は花被片が約長さ2.5㎜×幅2㎜。雄しべは縮小し、扁平、長さ約1.5㎜、緩い毛があり、3番目の輪の花糸の基部に2個の腺があり、腺は柄がある。子房は楕円形、長さ約1.5㎜、褐色の毛がある。柱頭は頭状。果実は卵形、ときに類球形、長さ0.6~1㎝×幅4~7㎜。花期は3~4月。果期は5~11月。

2 Lindera akoensis Hayata  ナンバンクロモジ 南蛮黒文字
 台湾原産。中国名は台湾香叶树 tai wan xiang ye shu
3 Lindera angustifolia W.C.Cheng  ホソバヤマコウバシ 細葉山香ばし
  synonym Lindera glauca (Siebold et Zucc.) Blume var. salicifolia (Nakai) T.B.Lee 
 朝鮮、中国原産。中国名は狭叶山胡椒 xia ye shan hu jiao 。英名はOriental spicebush

4 Lindera communis Hemsl.  タイワンコウバシ 台湾香ばし
 中国、台湾、インド、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム原産。中国名は香叶树 xiang ye shu
4-1 Lindera communis Hemsl. var. okinawensis Hatus.  オキナワコウバシ 沖縄香ばし
 沖縄島、石垣島に分布。

5 Lindera erythrocarpa Makino  カナクギノキ
  synonym Lindera thunbergii Makino
 日本(本州の神奈川県以西、四国、九州)、朝鮮、中国、台湾原産。中国名は红果山胡椒 hong guo shan hu jiao 。

6 Lindera glauca (Siebold et Zucc.) Blume  ヤマコウバシ 山香ばし
 日本、朝鮮、中国、台湾、ミャンマー、ベトナム原産。中国名は山胡椒 shan hu jiao

7 Lindera lancea (Momiy.) H.Koyama  ヒメクロモジ 姫黒文字
  synonym Lindera umbellata Thunb. var. lancea Momiy. 
  synonym Lindera sericea Blume var. lancea (Momiy.) H.Ohba 
 日本(本州の関東地方以西の太平洋側~瀬戸内海側、四国東部、九州)固有種。
 高さ3m以下。葉は互生、長さ5~10㎝、倒卵形~長円形、先は尖鋭形、新葉には長い絹毛が多い。雌雄別株。花序に花が3~5 個つく。花柄に赤褐色の毛がある。花は小さく黄色。果実は液果。.花期は(2~)4~5月。果期は9~10月。 ..

8 Lindera megaphylla Hemsl.  オオバコウバシ 大葉香ばし
 中国原産。中国名は黑壳楠 hei ke nan

9 Lindera obtusiloba Blume  ダンコウバイ 檀香梅
  synonym Lindera obtusiloba Blume f. quinqueloba (Uyeki) T.B.Lee
  synonym Lindera obtusiloba Blume f. villosa (Blume) T.B.Lee
 日本(本州の関東地方以西、四国、九州)、朝鮮、中国原産。中国名は三桠乌药 san ya wu yao 。英名はJapanese spicebush。
品種) 'Spring Purple'
9-1 Lindera obtusiloba Blume f. ovata (Nakai) T.B.Lee  マルバダンコウバイ

10 Lindera praecox (Siebold et Zucc.) Blume  アブラチャン 油瀝青
 日本(本州、四国、九州)、中国原産。中国名は大果山胡椒 da guo shan hu jiao
10-1 Lindera praecox (Siebold et Zucc.) Blume var. pubescens (Honda) Kitam.  ケアブラチャン
  synonym Lindera praecox (Siebold et Zucc.) Blume f. pubescens (Honda) H.Ohba

11 Lindera sericea (Siebold et Zucc.) Blume  ケクロモジ 毛黒文字
 日本(本州の兵庫県、和歌山県以西、四国、九州)、朝鮮原産。
 低木又は小高木、高さ4m以下。小枝は初め、黄緑色、絹毛があり、後に、赤褐色~黒色、無毛になる。葉は落葉性、互生、長さ 6~20㎝×幅 3~7㎝、狭倒卵形、両面に短毛が宿存し、側脈は6~12対、全縁、先は尖鋭形~鋭形。葉柄は長さ0.5~1.5㎝。 雌雄異株。花序は類無柄、腋生、散形花序に花が4~7個、束生する。花は葉の展開と同時に開く。花柄は金色の短毛がある。果実は球形、黒色、直径約0.7㎝。
11-1 Lindera sericea (Siebold et Zucc.) Blume var. glabrata Blume  ウスゲクロモジ 薄毛黒文字
  synonym Lindera glabrata (Blume) H.Koyama
 日本固有種。別名はミヤマクロモジ。

12 Lindera triloba (Siebold et Zucc.) Blume  シロモジ 白文字
 日本固有種(本州の長野県、静岡県以西、四国、九州)
12-1 Lindera triloba (Siebold et Zucc.) Blume f. integra (Sakata)  マルバシロモジ 丸葉白文字

13 Lindera umbellata Thunb.  クロモジ 黒文字
 日本固有種(本州の東北地方南部以西、四国、九州北部)
13-1 Lindera umbellata Thunb. var. membranacea (Maxim.) Momiy. ex H.Hara et M.Mizush.  オオバクロモジ 大葉黒文字
  synonym Lindera umbellata Thunb. var. aurantiaca (Murai) M.Mizush. f. membranacea (Maxim.) Hiyama 
  synonym Lindera umbellata Thunb. subsp. membranacea (Maxim.) Kitam.
 北海道(渡島半島)、本州(東北地方以南の日本海側)に分布。
 葉はクロモジより大形、長さ約13㎝。葉の下面の脈に淡黄色の軟毛がある。
13-1-2 Lindera umbellata Thunb. var. membranacea (Maxim.) Momiy. ex H.Hara et M.Mizush. f. aurantiaca (Murai) Okuyama  キミノオオバクロモジ

14 Lindera x paratriloba Okuhara, nom. nud.  アブラシロモジ 油白文字
 アブラチャンとシロモジとの交雑種。

15 Litsea cubeba (Lour.) Pers.  アオモジ 青文字 (タイワンクロモジ)  【ハマビワ属】
  synonym Lindera citriodora (Siebold et Zucc.) Hemsl.
 日本、中国、台湾、インド、ブータン、ネパール、バングラディシュ、カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア原産。中国名は山鸡椒 shan ji jiao。
15-1 Litsea cubeba var. cubeba
 小枝、芽、葉の両面、散形花序は無毛。
15-2 Litsea cubeba var. formosana (Nakai) Yen C. Yang & P. H. Huang
  synonym Aperula formosana Nakai
 中国名は毛山鸡椒 mao shan ji jiao。
小枝、芽、葉の両面、散形花序に絹毛がある。

参考

1) Flora of China
 Lindera
 http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=118626
2)GRIN
  Caragana
 https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=2061