スズメノヤリ  雀の槍
[学名] Luzula capitata (Miq.) Miq. ex Kom.
イグサ科 Juncaceae スズメノヤリ属
三河の植物観察
スズメノヤリ雌性期
スズメノヤリ雄性期
スズメノヤリ果期の初期
スズメノヤリ果期
スズメノヤリ種子を落とした後の裂開した果実
スズメノヤリ葉縁の毛
スズメノヤリ
スズメノヤリ葉
スズメノヤリ種子と種沈
スズメノヤリ種子
 和名は小さな毛槍のように見えることから。葉は縁に白毛が密生し、根生葉は長さ7~14㎝、幅2~3.5㎜。茎葉は2~3個つき、短い。茎頂に頭状花序が普通、1個つく。苞は長さ1~3(5)㎝、幅1~1.5(3)㎜。花被片は長さ3~3.5㎜、長楕円形、赤褐色、縁が白色膜質。開花の初期(雌性期)には、まず柱頭が3つに分かれた白い雌しべが伸び、その後、雄しべ6個の黄色の葯が大きく熟して花粉を出すようになる(雄性期)。葯は長さ(0.9)1.2~1.8㎜。花糸は長さ0.5~0.7㎜。この頃には雌しべは褐色にしなびてしまう。これを「雌しべ先熟花」といい、風媒花で多くみられる。虫媒花では逆に雄しべ先熟になるものが多い。蒴果は長さ2.4~2.8㎜、種子は3個入り、熟すと3裂開する。種子は長さ1.1~1.2㎜、熟すと頭部の方から黒褐色になり、種沈は長さ0.5~0.6(0.7)㎜、種子の約1/2長。2n=12。
[花期] 4~5月
[草丈] 10~45㎝
[生活型] 1年草
[生育場所] 道端、草地
[分布] 在来種   北海道、本州、四国、九州、朝鮮、ロシア
[撮影] 蒲郡市形原町   02.3.9

 スズメノヤリ属

  family  Juncaceae - genus  Luzula 

 多年草、普通、房状になる(群生する)。根茎は短い。低出葉は無い。茎(culms)は普通、円柱形。葉はほとんど。根生。葉鞘は閉じ、葉耳は無い。葉身は披針形~線形、平ら、普通、樋状になり、縁には長い白色の縁毛があり、先はしばしば厚くなり(callous)、脈は普通、不明瞭。花序は頂生、集散花序~散形花序~散形花序状~円錐花序、ときに凝縮して、団散花序(glomerule)又は頭状花序(head)になる。下部の花序の基部に花序の苞(総苞片)がつく。花はしばしば、単生、基部に薄膜状の苞がつき、基部の2個の短い小苞を包む。小苞は縁が普通、裂け又は歯状になる。花被片は6個、2輪につく。雄しべは6個、普通、花被片より短い。花糸は細い。葯は長円形~線形。子房は1室。胚珠は3個、基部から直立し、胎座はごく短い。花柱は短い。蒴果は3バルブ、普通、球形。種子は3個、長円形、不明瞭な網状、しばしば、基部や先に付属体(種沈)をもつ。x = 6
 世界に約75(108)種あり、主に両半球の 寒冷地にあり、熱帯地域では高地に限られる。英名はwood-rush。


 スズメノヤリ属の主な種と園芸品種

 1  Luzula arcuata (Wahlenb.) Sw.
   synonym Juncus arcuatus Wahlenb.
 ロシア、ヨーロッパ、北アメリカに分布。英名はcurved wood-rush
1-1 Luzula arcuata (Wahlenb.) Sw. subsp. unalaschkensis (Buchenau) Hulten  クモマスズメノヒエ 雲間雀の稗
   synonym Luzula unalaschkensis (Buchenau) Satake
   synonym Luzula kamtschadalorum (Sam.) Gorodkov
   synonym Luzula arcuata (Wahlenb.) Sw. var. unalaschkensis Buchenau 
   synonym Luzula wahlenbergii auct. non Rupr.
 アジア東部、北アメリカに分布。
 匍匐枝は短く、(まれに)長さ15㎝以下。茎は緩く、群生し、普通、わずかに弓状になり、長さ15~30㎝、細い。葉は葉鞘が褐紫色、のど部は円く、密に軟毛がある。根生葉は平ら、長さ8~15㎝x幅3~5㎜、花序に届かず、縁には毛がある。茎葉は1~3個つき、根生葉より小さく、花序に届かない。花序は散房花序、下部の枝が最も長く、団散花序(glomerules)は8~15個(花が各々に3~5個、ときに1~2個に減る。)、花序柄があり、頭状花序又は穂状花序。枝はほとんどが同じ方向へアーチ状に曲がる(しばしば、先で分枝する)。下部の花序の苞は葉身が無い。苞と小苞は褐色、縁毛がある。花被片は淡褐色(縁に±縁毛があり、先は尖鋭形、普通、芒が目立つ)、長さ1.8~3㎜。葯は花糸の長さとほぼ同長。蒴果は褐色、楕円形、花被片より短い(嘴は短い)。種子は褐色(ほとんど毛は無く)、長さ約1㎜、種沈は普通、不明瞭。2n = 36.。花期と果期は夏。

 2  Luzula capitata (Miq.) Miq. ex Kom.  スズメノヤリ 雀の槍
   synonym Luzula capitata (Miq.) Miq. ex Kom. var. lanigera Nakai
   synonym Luzula campestris L. var. capitata Miq.
 日本(北海道、本州、四国、九州)、朝鮮、ロシアに分布。
枝分れせず、花が数個ずつ固まってつく。葯が花糸の2~3倍の長さがある。2n=12。
和名は小さな毛槍のように見えることから。葉は縁に白毛が密生し、根生葉は長さ7~14㎝、幅2~3.5㎜。茎葉は2~3個つき、短い。茎頂に頭状花序が普通、1個つく。苞は長さ1~3(5)㎝、幅1~1.5(3)㎜。花被片は長さ3~3.5㎜、長楕円形、赤褐色、縁が白色膜質。開花の初期(雌性期)には、まず柱頭が3つに分かれた白い雌しべが伸び、その後、雄しべ6個の黄色の葯が大きく熟して花粉を出すようになる(雄性期)。葯は長さ(0.9)1.2~1.8㎜。花糸は長さ0.5~0.7㎜。この頃には雌しべは褐色にしなびてしまう。これを「雌しべ先熟花」といい、風媒花で多くみられる。虫媒花では逆に雄しべ先熟になるものが多い。蒴果は長さ2.4~2.8㎜、種子は3個入り、熟すと3裂開する。種子は長さ1.1~1.2㎜、熟すと頭部の方から黒褐色になり、種沈は長さ0.5~0.6(0.7)㎜、種子の約1/2長。2n=12。
 3  Luzula effusa Buchenau  ニイタカヌカボシ 新高糠星
 中国、台湾、インド、ブータン、ネパール、マレーシア、ミャンマー原産。中国名は散序地杨梅 san xu di yang mei 。
 4  Luzula elata Satake  セイタカヌカボシソウ 背高糠星草
 日本(北海道、本州の中部地方以北)に分布。
 ミヤマヌカボシソウに似るが、短い走出枝があり、蒴果が長さ3.5~4㎜。種子は球形。種枕が長さ1.5~2㎜、種子の2倍には達しない。
4-1 Luzula elata Satake var. nasuensis Satake  ナスヌカボシソウ
   synonym Luzula jimboi Miyabe & Kudo ジンボソウ
 種枕は種子の長さの2倍長。
 5  Luzula formosana Ohwi  シマヌカボシソウ
 台湾に分布。
 6  Luzula jimboi Miyabe et Kudo ジンボソウ 広義
   synonym Luzula rostrata var. jimboi (Miyabe & Kudo) Ebinger
   synonym Luzula elata var. nasuensis Satake ナスヌカボシソウ
 日本(北海道、本州北部)、サハリン、カムチャッカ半島に分布。

6-1 Luzula jimboi Miyabe et Kudo subsp. jimboi  ジンボソウ 神保草(セイタカヌカボシソウ)
   synonym Luzula rostrata auct. non Buchenau 
6-2 Luzula jimboi Miyabe et Kudo subsp. atrotepala Z.Kaplan  ミヤマヌカボシソウ 深山糠星草
   synonym Luzula rostrata auct. non Buchenau 
 日本(本州北部)に分布。花被片は紫色~黒栗色、普通、長さ1.6~2.5㎜、縁は膜質。葯は花糸よりかろうじて短い。種子は種沈より長く、種沈は長さ0.2~0.9㎜。
 多年草、高さ9~30㎝、無毛、走出枝があり、まれに類群生し、走出枝は長さ8㎝以下。茎は基部に多数つき、茎葉が2~3個つき、茎葉は平ら。根生葉は長さ2.5~13.5㎝×幅1.5~4.5㎜。茎葉は長さ5~10㎝×幅(2.0~) 3.5~ 5.0㎜、縁にまばらに有毛~類無毛、硬くなった先の微突形の突起は無い。花序は頂生、複合、まれに小数が単純、2次花柄/1次の花柄の比は (0 .2~ ) 0.3~1.4、1次の花柄は5~12個、直立~わずかに下向き、まれに、後屈する。花は1次の花柄又は2次の花柄に単生する。基部の苞は長さ3㎝以下、花序の長さより短い。小苞は長さ09~2.1㎜。花被片は等長、長さ1.6~2.5 (~2.8)㎜、披針形、尖鋭形、全縁、紫色~黒栗褐色、狭い透明の縁が有又は無。雄しべは6個。葯は長さ0.3~0.9㎜、卵状線形、花糸より短い。葯長/花糸長の比は0.4~0.9。蒴果は卵形、類切形~微突形、花被片より明瞭に突き出て、麦わら色~薄褐色。種子は楕円形長さ1.0~1.4㎜×幅0.9~1.1㎜、先に付属体(種沈)があり、種沈は長さ0.2~0.9 (~1.4)㎜、種子/種沈の比は1.4~6。
 7  Luzula kjellmanniana Miyabe et Kudo   チシマスズメノヒエ 千島雀の稗
   synonym Luzula multiflora (Ehrh.) Lejeune var. kjellmanniana (Miyabe et Kudo) Sam.
   synonym Luzula multiflora (Ehrh.) Lejeune subsp. kjellmanniana (Miyabe et Kudo) Tolm.
 8  Luzula lutescens (Koidz.) Kirschner et Miyam.  アサギスズメノヒエ 浅葱雀の稗
   synonym Luzula multiflora (Ehrh.) Lejeune var. lutescens (Koidz.) Satake
 日本(北海道、本州、四国)に分布。低山~亜高山の山野に生える。蒴果が黄色を帯びるもの。
 高さ20~40㎝。根生葉は多数つき、長さ6~15㎝×幅2~5㎜。茎葉は1~2個つき、長さ5~10㎝、白色の長い縁毛がある。花序に頭状花序が2~3個つき、頭状花序に花が2~3個つく。蒴果は帯黄色。花期は5~7月。
 9  Luzula luzuloides (Lam.) Dandy & Wilmott
   synonym Luzula albida (Hoffm.) DC
   synonym Juncus albidus Hoffm.
   basynonym Juncus luzuloides Lam.
 ヨーロッパ原産。英名はforest wood-rush , white wood-rush
 根茎は細く、幅1~1.5㎜。走出枝は幅1~1.5㎜。茎は群生し、長さ45~70㎝。葉の鞘はのど部に密に縁毛がある。根生葉の葉身は長さ30㎝×幅7㎜以下、密に縁毛がある。茎葉の葉身は長い漸尖形、先が細く、まばらに縁毛がある。花序は散形花序様(anthelate 藺状花序)、下部の花序の苞は葉状、花序の長さとほぼ等長、先は漸尖形。苞は帯褐色~透明、先は裂ける。小苞は縁が全縁~歯状~かすかに縁毛がある。花は2~8個、束生する。花被片は帯白色~帯ピンク色、外花被片は竜骨があり、長さ1.7~2.1㎜。内花被片長さ2.2~3㎜。葯は花糸の長さの約4倍。柱頭は花柱より短い。蒴果は帯赤色、長さ1.5~1.8㎜、嘴は長さ0.4~0.6㎜。種子は暗褐色、光沢があり、楕円形、長さ0.8~1.1㎜。種沈は長さ0.1~0.2㎜。2n = 12 (Europe)。花期と果期は春~夏。
品種) 'Schneehaschen'

 10  Luzula multiflora (Ehrh.) Lejeune ヤマスズメノヒエ 山雀の稗
 日本(北海道、本州、四国、九州)、アジア、ヨーロッパ、北アメリカ、南アメリカ、アフリカに分布。中国名は多花地杨梅 duo hua di yang mei 。英名はcommon woodrush , heath wood-rush 。
 スズメノヤリに似ているが、花序が枝分かれした枝先に頭状花序が数個~多数つく。頭状花序に花が2~8(10)個ずつ固まってつく。雌性期には雌しべだけが花の先から見える。雄性期には黄色の葯が目立つ。葯は花糸とほぼ同長。花被片は6個、長さ2~4㎜、褐色。蒴果は長さ2.5~3㎜、(黄褐色)褐色~赤褐色、花被片より少し長い。種子は長さ約1.3㎜の広倒卵形。種沈は長さ約0.5㎜、種子の約1/2長。
 世界の分布域が広く、2n = 24と2n =36のものがあり、形態には幅がある。
 密に房状になり高さ16~35㎝。走出枝はほとんど無いか又は無い。茎は円柱形。根生葉は数個つく。茎葉は1~3個つき、葉身は線状披針形、長さ4~11㎝×幅2~4㎜、普通、先に硬い部分を除いて軟毛があり、先は鈍形。花序は類散形花序、花が 5~9(~12)個束生する。基部の総苞片は長さ2~5㎝。束生した花は直立した枝先につき、花序柄があり、卵形~狭卵形~類無柄~類球形、花が4~10個つく。花柄は基部に1~2個の苞をもつ。小苞は広卵形、長さ約2㎜。花被片は淡褐色~赤褐色、全て、披針形又は内花被片が卵形~楕円形、長さ2.5~3㎜×幅約0.9㎜、類等長、縁は透明。花糸は長さ0.6~0.8㎜。葯は長さ1~1.5㎜。花柱は長さ0.7~0.9㎜、子房とほぼ等長。柱頭は螺旋状に曲がり、長さ1.4~1.8㎜。蒴果は褐色~赤褐色~黒褐色、倒卵形~広楕円形~卵形、花被の長さより短いか又はほぼ等しく、先は微突形。種子は楕円形、長さ約1.2㎜、種沈は基部につき、種子の長さの1/2以下。花期は5~7月。果期は7~8月。2n = 24, 36。(Flora of China)
 多年草、根茎は短い。茎は高さ10~30㎝。根生葉は長さ5~15㎝×幅2~5㎜、線形、縁に白毛が生える。茎葉は1~2個、長線形、根生葉より小型、縁に白毛が生える。花序は数個~多数の頭花からなる。花被片は卵状披針形、鋭頭、背面は褐色、縁は薄膜質。雄しべは6個、長さは花被片の2/3。.葯は長楕円形、花糸とほぼ同長。蒴果は卵形、黄褐色、花被片よりやや長い。種子は長さ約1.3㎜の広倒卵形。種沈は長さ約0.5㎜、種子の約1/2長。(神奈川県植物誌2001)
 茎は密~疎に群生し、高さ10~40㎝。根生葉は長さ3.5~12㎝×幅2~~6㎜。茎葉は花序の高さとと等しいか又は突き出る。花序は団散花序(glomerule)が3~16個(各々花が8~16個)、1~2個はほぼ無柄、他は明瞭に花序柄があり、ほとんどが円筒形、2次の枝がときにあり、普通、真っすぐ、直立する。下部の花序の苞は花序の高さとほとんど同じ~突き出る。花被片は淡褐色~栗褐色~帯黒色、縁が2~4㎜、透明。外花被片と内花被片はほぼ等長又は外花被片がわずかに長く、(外花被片は尖り、、内花被片は尖るか又は切形で微突形)。葯は花糸の長さの2倍以上では無い。柱頭は長さ0.8~1.5㎜。花柱は果実には残らない。蒴果は淡褐色~褐色~黒色、球形、花被片の長さより短い~等しい。種子は長さ1.1~1.7㎜。種沈は長さ0.2~0.6㎜。. (Flora of North America)
10-1 Luzula multiflora subsp. frigida (Buchenau) V. I. Krecztowicz
 ユーラシア、グリーンランド、北アメリカに分布。
 茎葉は2~3個、重ならない。下部の花序の苞は花序より短い。花被片はすべてが暗褐色~栗色~帯黒色、外花被片は先が尖り、内花被片は切形で、微突形。蒴果は暗栗色~帯黒色、花被片と同長か又はわずかに突き出る。種子は長さ1.1~1.4㎜。種沈は長さ0.2~0.3㎜。2n = 36。花期と果期は夏。
10-2 Luzula multiflora subsp. multiflora
 ユーラシア、北アメリカ分布。
 茎葉は2~3個、重ならないかまれにしか重ならない。下部の花序の苞は花序の長さと等しいか又はめったに超えない。花被片はすべてわら色~褐色、長さ2.8~3.6㎜、先は尖る。蒴果は淡褐色~褐色、花被片より短い。種子は長さ1.1~1.5㎜、種沈は長さ0.3~0.6㎜。2n = 24。花期と果期は春~夏。
10-3 Luzula multiflora subsp. kobayasii (Satake) Hulten,
 アラスカ、アジア東部に分布。
 茎葉はよく、重なる。下部の花序の苞は葉の広さにほぼ等しく、花序よりはきり長い。花被片はすべて栗色、長さ約4㎜、先は尖る。蒴果は栗褐色、花被片より短い。種子は長さ1.5㎜、種沈は長さ0.2~0.3㎜。花期と果期は夏。

 11  Luzula nipponica (Satake) Kirschner et Miyam.  ミヤマスズメノヒエ 深山雀の稗
   synonym Luzula sudetica DC. var. nipponica Satake 
 日本(北海道、本州の中部以北)に分布。亜高山帯に生える。茎は高さ15~20㎝。葉は短く、幅2~3㎜、縁毛はまばら。花序は黒褐色、頭状花序に花が1~5個つく。花被片は長さ約2㎜。蒴果は長さ2.1~2.3㎜、花被と同長以下。種子は長さ1~1.1㎜、種枕は種子の1/3以下。2n=12。花期は4~7月。

 12  Luzula nivea (Nathh.) DC. ルズラ・ニベア
 ヨーロッパ原産。英名は snow-white wood-rush , snowy wood-rush , lesser wood-rush,
 常緑多年草。緩く群生し、高さ45~75㎝、幅30~60㎝になる。根生葉は長さ20~30㎝×幅3~4㎜、白色の長い縁毛がある。花序は高さ50~70㎝、基部の花序の苞は長さ10~12㎝。花は白色、多数、束生する。葯は長さ1.8~2.2㎜、帯褐色。花糸は長さ1.5~1.9㎜。花柱は長さ2.2~2.6㎜。柱頭は長さ1~1.3㎜。花期は(4)5~7月。
品種) 'Lucius' , 'Schattenkind'

 13  Luzula oligantha Sam.  タカネスズメノヒエ 高嶺雀の稗
 日本、朝鮮、中国、インド、ネパール、ロシアに分布。中国名は华北地杨梅 hua bei di yang mei 。
 高山帯に分布し、小型。
 多年草、房状になり、高さ8~20㎝。走出枝は短い。茎は円柱形、直径約1㎜。根生葉は数本つく。歯鞘にはまばらに毛がある。葉身は線状披針形、平ら、長さ4~8㎝×幅2~4㎜、縁には先の硬い部分(callus)を除いてまばらに軟毛があり、葉先は鈍い。茎葉は1又は2個つく。花序は散形花序、基部の総苞片は長さ1.4~3㎝、花序より短い。頭状花序は4~12個つき、花が3~7個ずつつく。頭状花序の花序柄は不等長又は無柄。小苞は広卵形、縁は類全縁。花被片は暗褐色、披針形、長さ1.8~2.1㎜×幅0.8~1㎜、類等長、先は鋭形。花糸は普通、葯より長い。葯は長さ約0.8㎜。花柱は子房より短い。柱頭は長さ1.5~1.8㎜。蒴果は断面が三角形の楕円形、長さ1.8~2㎜、先は微突形。種子は楕円形、長さ約1.2㎜、種枕は不明瞭。2n=36。花期は6~7月。果期は7~8月。

 14  Luzula pallidula Kirschner  オカスズメノヒエ 丘雀の稗
   synonym Luzula campestris DC. var. yakusimensis Masam.
   synonym Luzula pallescens auct. non (Wahlenb.) Sw., nom. illeg.
 日本(北海道、四国、九州)、朝鮮、中国、ロシア、北ヨーロッパに分布。北アメリカに帰化。
 根茎は太い。茎は群生し、長さ9~35㎝。根生葉は長さ6~11.5㎝×幅1.5~4㎜、先は硬くならず(not callous)、控えめに縁毛がある。花序は散形花序状の円錐花序、団散花序は4~30個(各々9~24個の花をもつ)つく。中央の団散花序は無柄又はほぼ無柄、円筒形、長さ6~10㎜×幅4㎜、枝は真っすぐ、直立、長さ3㎝以下。下部の花序の苞は目立ち、葉状、花序の長さと同長~かなり長い。苞は透明、ときに紫色の斑が入る。小苞は縁が歯状~裂ける。花被片は全体に透明~わら色、又は中央が褐色で縁や先が透明、長さ1.5~2.6㎜。外花被片は内花被片より長く、内花被片の先には芒がある。葯は花糸の長さの1.5倍以下。蒴果は薄~濃帯赤色、光沢があり、球形、普通、内花被片と同長。種子は半透明の褐色、楕円形、長さ0.7~1㎜。種沈は長さ0.2~0.3㎜(種沈長/種子長=1/4以下 神奈川県植物誌2001)。2n = 12。花期と果期は初夏~晩夏。(Fllora of North America)

 15  Luzula parviflora (Ehrh.) Desv.  セイタカコゴメヌカボシ 背高小米糠星
 中国、モンゴル、ロシア、北アメリカに分布。中国名は小花地杨梅 xiao hua di yang mei 。英名はsmall-flower wood-rush 。
15-1 Luzula parviflora (Ehrh.) Desv. subsp. fastigiata (E.Mey.) Hamet-Ahti  セイタカコゴメヌカボシ 狭義

 16  Luzula pilosa (L.) Willd. ヘアリー・ウッドラッシュ
   synonym Juncus pilosus L.
 ヨーロッパ北部、アジア西部原産。英名はhairy wood-rush
 高さ15~40㎝。葉は約幅5~10㎜、長毛があり、先が尖らない。花序は疎、多数の花が上向きにつく。花はほぼ全て単生、ときに2~3個、束生し、ほとんどが長い花柄をもつ。花被片は長さ約4㎜、黄褐色~暗褐色、縁が膜質、外側の花被片は先が尖り、内側の花被片は先が鈍い。蒴果は卵形、熟すと、明らかに花被片より長い。種子は種沈をもつ。花期は4~5月。
品種) 'Grunfink' , 'Igel'

 17  Luzula piperi (Coville) M.E.Jones  コゴメヌカボシ 小米糠星
   synonym Luzula parviflora (Ehrh.) Desv. var. jezoensis Satake
 北海道、ロシア、カナダ、USAに分布。英名はPiper's wood rush
 根茎は短く、水平。茎は密に群生し、長さ10~30(~35)㎝。根生葉の葉身は緑色、長さ5~10㎝×幅2~4㎜、硬く、基本的に無毛。茎葉は2~3個つき、長さ3~7㎝×幅3~5㎜。花序は枝が90°以内で開き、疎、下部の花序の苞は葉状、長さ0.8~1.5㎝。苞と小苞は褐色、先が透明、縁に強く、縁毛がある。花は単生又は2~3個、束生する。花被片は暗褐色、長さ1~2.5㎜、ほぼ等長、先は鋭形、反曲しない。葯はほぼ花糸の長さと同長。柱頭は花柱の長さの5倍。蒴果は暗褐色、楕円形、長さ2.5㎜以下、花被片より長く、嘴は無い。種子は薄黄褐色、披針形、端が狭く、長さ1.2㎜。2n = 24。花期と果期は夏。
 18  Luzula plumosa E.Mey.  ヌカボシソウ 広義
 ヌカボシソウL. plumosaとジンボソウL. jimboiはよく似ている。
 葯長/花糸長の比はヌカボシソウが0.6~2.3、ジンボソウは0.4~1.8で重なっている。

 (a) 茎葉は線状長円形、± 縁が平行~倒披針形、上半分で幅が最も広く、急に先が狭まる。最も幅の広い茎葉は幅3.5~7㎜、長さは幅の8~25倍、先は急に尖頭形。花被片は等長、長さ1.6~3.1㎜。走出枝をもち、まれに類群生し、走出枝は長さ15㎝以下 .... .ジンボソウ  L.jimhoi
 (b)茎葉は狭披針形、下半分で最も幅が広く、先で次第に狭まり、普通、幅2~4.5㎜、普通、長さは幅の20~50倍、先は鋭形~ほとんど尖鋭形。花被片は等長~類等長、長さ2.6~4.5㎜。群生又は短い走出枝をもち、走出枝は長さ3㎝以下。  .... ..... ........ ... ......ヌカボシソウ  L. plumosa

18-1 Luzula plumosa E.Mey. subsp. plumosa  ヌカボシソウ 糠星草
   synonym Luzula japonica Buchenau
   synonym Luzula plumosa E.Mey. var. macrocarpa (Buchenau) Ohwi, excl. typo 
   synonym Luzula plumosa E.Mey. var. brevipes (Franch. et Sav.) Ebinger
 北海道、本州、四国、九州、朝鮮、中国、台湾、インド、ブータン、ネパールに分布。中国名は羽毛地杨梅 yu mao di yang mei。
 高さ15~25㎝。根茎は細い。根出葉は長さ8~18㎝、幅1.5~5㎜の広線形、葉の縁にまばらに白い毛が生える。茎葉は根生葉より小さい。茎は細く、直立し、先端の集散花序に単生花をつける。花被片は内花被片3個と外花被片3個の計6個、同長で、長さ3~4㎜の披針形。小苞2個が花被片の外側に接してつく。雄しべ6個。葯は長さ0.6~1.2㎜、葯/花糸の比は0.6~1.2。雌しべ1個。蒴果は長さ3~4㎜、緑褐色、丸みを帯びた三角垂形、種子が3個入る。種子は長さ1~1.6㎜の広楕円形、種沈が上側に伸びてつく。種沈は長さ0.3~1.7㎜、種子の長さの1/0.9~1/2.2。2n=46。花期は4~5月。
18-2 Luzula plumosa E.Mey. subsp. dilatata Z.Kaplan  クロボシソウ 黒星草
   synonym Luzula rufescens auct. non Fisch. ex E.Mey.
 北海道、本州、四国、九州に分布。高山に生える。
 高さ15~25㎝、少し叢生し、短い匐枝がある。根生葉は広線形、幅3~5㎜、白色の長い縁毛がある。花被は普通、濃赤褐色、全縁、長さ3~3.5㎜。葯は線形、花糸の長さと同長~2倍長。蒴果は長さ3~4㎜、花被とほぼ同長。

 19  Luzula sylvatica (Huds.) Gaudin  オオスズメノヤリ 大雀の槍
   synonym Juncus sylvaticus Huds.
 ヨーロッパ、アジア南西部原産。英名は greater wood-rush , great wood-rush。
 スズメノヤリ属の中で最も大きい。ときに走出枝を出す。茎は高さ30~80㎝、やぶ状になる。葉は明るい緑色、光沢があり、平ら、線形、約長さ10~30㎝×幅1㎝、冬にも緑色、少なくとも帯緑色、まばらに白色の縁毛がある。花は開いた円錐花序に3~4個ずつ、密に束生し、小さく、栗褐色。花被片は長さ3~3.5㎜。風媒花であり、虫媒花でもある。蒴果は3バルブ。種子は長円形、不明瞭な網状、しばしば種沈をもつ。2n=12。花期は4~6月。
品種) 'A. Rutherford' , 'Aurea' , 'Aureomarginata' , 'Auslese' ,'Barcode' (v) , 'Bromel' , 'Hohe Tatra' , 'Marginata' (v) , 'Onderbos' , 'Schattenlicht' , 'Schmalhanschen' , 'Select' , 'Solar Flair' , 'Starmaker' , 'Taggart's Cream' (v) , 'Tauernpass' , 'Tatra Gold' , 'Thierry's Cream' (v) , 'Waldler' , 'Waulkmill Bay' , 'Wintergold'

 20  Luzula × borreri Bromf. ex Bab.
 Luzula forsteri x Luzula pilosa
品種) 'Botany Bay' (v)
 21  その他
品種) 'Engel' , 'Mount Dobson' , 'Ruby Stiletto'


 参考

1) Flora of North America
  Luzula
 http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=119122
2) Flora of China
 Luzula
 http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=119122
3) The Jepson Herbarium
  Luzula piperi (Coville) M.E. Jones
 http://ucjeps.berkeley.edu/eflora/eflora_display.php?tid=32166
4)GRIN
 Luzula
 https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=7042
5)植物リスト
 福井県 イグサ科
 http://www.pref.fukui.lg.jp/doc/shizen/rdb/syokubutu_list_d/fil/483_syoku_p533.pdf
6)(Gramineae-Festuc6ae). - J-Stage
 Symbolae ad FIbram''ASiae''Orientalis IV. Luzula formosana Ohwi
 https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunruichiri/1/1/1_KJ00001078746/_pdf
7)Taxonomic and nomenclatural notes on Luzula subg. Pterodes - Preslia
 Preslia, Praha, 73: 59-71, 2001
 Taxonomic and nomenclatural notes on Luzula subg. Pterodes
 http://www.preslia.cz/archive/Preslia_73_2001_59-71.pdf
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