ナガバジャノヒゲ 長葉蛇の髭

mark

Flora of Mikawa

キジカクシ科 Asparagaceae ジャノヒゲ属

学 名

Ophiopogon japonicus (Thunb.) Ker Gawl. var. umbrosus Maxim.

 synonym Ophiopogon ohwii Okuyama
 synonym Ophiopogon japonicus (Thunb.) Ker Gawl. 広義
ナガバジャノヒゲ花序
ナガバジャノヒゲ花
ナガバジャノヒゲ花
ナガバジャノヒゲ花横
ナガバジャノヒゲ種子
ナガバジャノヒゲ
ナガバジャノヒゲ2
ナガバジャノヒゲ種子
ナガバジャノヒゲ種子の胚乳
花 期 6~7月
高 さ 10~30㎝
生活型 多年草
生育場所 林内、林縁
分 布 在来種  北海道、本州、四国、九州、朝鮮
撮 影 蒲郡市  09.6.29
ナガバジャノヒゲはジャノヒゲの変種。YListでは2変種を認めているが、POWO(Kew)ではジャノヒゲの下位分類を認めていない。ジャノヒゲと違い、匐枝を長く出さず、あっても短く、株立ちとなる。小花柄が湾曲して細長く、長さ5~10(~12)㎜ある点で容易に区別できる。カブダチジャノヒゲは小花柄が長さ3~4㎜。
1 Ophiopogon japonicus (Thunb.) Ker Gawl. ジャノヒゲ 蛇の髭

  synonym Ophiopogon japonicus (Thunb.) Ker Gawl. var. caespitosus Okuyama カブダチジャノヒゲ

  synonym Ophiopogon japonicus (Thunb.) Ker Gawl. var. umbrosus Maxim. ナガバジャノヒゲ

 日本(北海道、本州、四国、九州)、朝鮮、中国、台湾、ベトナム、フィリピン原産。中国名は麦冬 mai dong。英名はmondo grass , dowarf lily-turf。和名は細い葉を竜の髭にたとえたもの。別名はリュウノヒゲ。
 多年草、高さ10~20㎝。匐枝を地中で横に長く伸ばす。根は中間や先端で管状に太くなる。葉は房状に基部につき、無柄、長さ10~20㎝、幅2~4㎜とオオバジャノヒゲより細く、硬く、縁がざらつく。葉脈は3~7本。花茎は長さ6~15(27)㎝、葉よりかなり短い。花序は長さ2~5㎝、不完全な小さな円錐花序、数個~10個以上の花をつけ、曲がり気味になる。苞は披針形、基部のものは長さ7~8㎜。花は単生~双生し、普通、下向きになる。小花柄は長さ3~4㎜、中間で明瞭。花被片は白色~帯紫色、披針形、長さ約5㎜、幅約2㎜。花糸がごく短い。葯は長さ2.5~3㎜、先が尖る。花柱はいくぶん狭円錐形、長さ約4㎜、基部の幅が広くなる。果実のように見えるの種子であり、果皮は破れ、種子が露出して大きくなり、コバルト色(コバルトブルー)に熟す。種子であるため、花柱の跡がない。種子は直径7~8㎜の球形。中の種子に見えるのは胚乳。2n=34,36,67,68,72,108、2n=70。花期は6~7月。
品種) 'Albus' , 'Aritaki' , 'Comet' (v) , 'Compactus' , 'Curly Lady' , 'Fuiri Gyoku Ryu' , 'Gyoku-Ryu' , 'Gyoku-ryu' , 'Hakuryu' , 'Kigimafukiduma' , 'Kyoto Dwarf' , 'Minor' , 'Mondo Grass' , 'Mop Top' , 'Nana' , 'Nanus' , 'Nanus Variegatus' (v) , 'Nippon' , 'Pamela Harper' , 'Pygmaeus' , 'Shiro Tama Hime' , 'Silver Dragon' , 'Silver Mist' , 'Tama-ryu' , 'Tama-ryu Number Two' , 'Torafu' (v) , 'Variegata' , 'Variegatus' (v)
 YListでは下記の変種を認めているが、POWO(Kew)では下位分類を認めていない。

1-1 Ophiopogon japonicus (Thunb.) Ker Gawl. var. caespitosus Okuyama カブダチジャノヒゲ 株立蛇の髭

 本州(千葉県)に分布。清澄山(妙見山)で採取された。
 根茎は束生し、匍匐枝はかすかにある。ジャノヒグに似ているが匍匐枝を出さず株立ちとなる。小花柄は長さ3~4㎜あり、これに近いナガバジャノヒゲは小花柄が湾曲して細長く、長さ5~10(Flora of Japan:8~12)㎜ある点で容易に区別できる。[J. J. B. 26: 318 (1951)]

1-2 Ophiopogon japonicus (Thunb.) Ker Gawl. var. umbrosus Maxim. ナガバジャノヒゲ 長葉蛇の髭

  synonym Ophiopogon ohwii Okuyama
 日本(本州、四国、九州)に分布。
 多年草、高さ10~30㎝。根茎は短く、密に束生する。ジャノヒゲと違い、匍匐枝は無く、株立する。ジャノヒゲと同様に根には肥大する部分がある。葉はほぼ直立、長さ30~40㎝×幅1.5~2.5㎜とジャノヒゲより細長く、3~5脈があり、上面はザラつき、先は鈍形。花茎は長さ15~20㎝、長さが葉の約半分平ら、角(かど) が鋭く、幅約1.5㎜。総状花序はは長さ(5)6~8(10)㎝、やや密に花がつく。花は単生~双生し、白色、うなずく。小花柄は2~4個集合してつき、長さ8~12㎜、中間近くに関節がある。苞は卵形。花は白色~淡紫色。花被片は6個、長さ4~5(~7)㎜。葯は長さ約2.5㎜。種子はコバルト色に熟す。種子であるため、花柱の跡がない。中の種子に見えるのは胚乳。2n=72。花期は(6~)8月[Flora of Japan]。

 白花品はシロバナナガバジャノヒゲという。
 オオバジャノヒゲは全体に大型で、葉幅が2~8㎜、匐枝を伸ばす。
 ノシランはオオバジャノヒゲよりさらに大型で、葉幅10~15㎜。匐枝を出さない。花茎が扁平。