キランソウ  金襴草、金瘡小草
[別名] ジゴクノカマノフタ
[中国名] 金疮小草 jin chuang xiao cao
[英名] creeping bugleweed
[学名] Ajuga decumbens Thunb.
シソ科 Lamiaceae (Labiatae)  キランソウ属
三河の植物観察
キランソウ通常花
キランソウ雌しべ
キランソウ紅色をやや帯びた花
シロバナキランソウ
キランソウ萼
キランソウ花冠
キランソウ分果
キランソウ
キランソウ2
キランソウの葉表
キランソウの葉裏
キランソウ果実
 古くからの民間薬であり、鎮咳、去痰、抗菌などの作用が知られている。全草を乾燥したものを煎じたり、生葉が用いられる。
 全体に毛が多い。根生葉が地面に張り付くように這って広がる。葉は長さ4~6㎝、幅1~2㎝の倒披針形、縁に粗い鋸歯があり、紫色を帯びることがある。花は青紫色~紫色で、長さ約1㎝の唇形花。上唇は長さ約1㎜、雄しべより短い。雄しべは4個で、うち下側の2個は短い。雌しべは1個、花柱の先は2裂し、上下に開く。子房は上から1/2まで4裂。果実は4分果、花冠が帽子のように残り、熟すと取れる。分果は長さ1.7~1.9㎜、乾くと表面が網目状になり、腹面に分果の大きさの2/3ほどの着点がある(キランソウ属の特徴)。2n=32
 花冠が淡紅色の品種はモモイロキランソウ。白花品種はシロバナキランソウという。
 タチキランソウは奥三河で見られ、茎が立ち、花の上唇が2裂し、直立する。
 奥三河ではタチキランソウほどではなく、茎が短く立ち、少しだけ花の上唇が立っているものも見られる。キランソウは交配しやすく、雑種の可能性もある。
 ニシキゴロモは葉の鋸歯が細かく、葉脈が鮮やかな紫色になる。花柄が立ち、花が集まってつき、花の上唇が2裂して直立する。
 ツクバキンモンソウはニシキゴロモの変種で、上唇がキランソウに似て短い。
[花期] 3~5月
[草丈] 5~10㎝
[生活型] 多年草
[生育場所] 道端、土手
[分布] 在来種 本州、四国、九州、朝鮮、中国、台湾
[撮影] 蒲郡市形原町  02.5.4

 キランソウ属

  family Lamiaceae - genus Ajuga

 1年草、2年草又は多年草、まれに低木。葉は単葉、葉身は紙質、縁は歯状~欠刻状、まれにほぼ全縁。輪散花序(verticillasters)は花が2個~多数、偽穂状花序になる。花葉(floral leave)は茎葉に似るか又は次第に小さく苞になり、まれに似ていなくて、茎葉より大きい。花はほぼ無柄。咢は卵形~球形、鐘形~漏斗形、10脈があり、ときに不明瞭な付属脈をもつ。咢歯は5個、わずかに不規則。花冠は紫色~青色、まれに、黄色~白色、2唇形、しばしば、果時に宿存する。花冠筒部は真っすぐ~わずかに曲がり、基部はわずかに折れ曲がり、膨れ、のど部はわずかに広がり、環状に絨毛があり、まれに内側が無毛になる。上唇は真っすぐ、全縁~2裂する。下唇は大きく、3裂し、中裂片は倒心形~扇形に近く、側裂片は長円形。雄しべは4本、2強雄しべ、上唇から突き出し、蕾では内巻。前側2本は長く、花糸は真っすぐ~わずかに曲がる。葯は2室、先が合流する。花柱はほぼ等しく2分岐し、枝は錐形。小堅果は倒卵形、3稜形、背に網があり、側腹面は長さの1/2~2/3の着点=光輪(areole)をもち、エライオソームをもつ。
 世界に約40~50種あり、アジア、ヨーロッパに分布し、特に東部付近に多い。


 キランソウ属の主な種と園芸品種

 1  Ajuga boninsimae Maxim.  シマカコソウ 島夏枯草
 日本固有種(小笠原諸島)。日当たりのよい湿った岩場に生える。別名はシマキランソウ。
 高さ15-40cmになり、全体に短毛があり、特に茎や花序などに、やや長い毛が密生する。葉は対生し、葉柄は長さ約0.5~2㎝。葉身は約長さ2~6㎝×幅1~3㎝、縁は波形の鋸歯があり、先は鈍形。枝先に付近の葉腋に花をつける。萼は鐘形、長さ6~7㎜、長い縮毛があり、5裂する。萼片は3角形、長さ約2㎜、先は鋭形。花冠は白色、筒部のある2唇形、長さ約1.5㎝、軟毛が密生する。上唇は長さ約2.5㎜、先が浅く2裂する。下唇は長さ約4㎜、中裂片は倒心形で大きい。雄しべは4本、うち2本が長い。小堅果は4個、長さ約2㎜、淡い茶色、背面に網目がある。花期は11-1月。

 2  Ajuga ciliata Bunge
 中国原産。中国名は筋骨草 jin gu cao
 多年草。茎は直立、高さ25~40㎝、紫赤色又は緑赤色。葉柄は長さ1㎝又はそれ以上、ときに紫赤色になり、抱茎、灰色の長軟毛又は縁だけに毛がある。葉身は卵状楕円形~狭楕円形、長さ4~7.5㎝×幅3.2~4㎝、剛毛又は頂軟毛があり、基部は楔形状で沿下し、縁は不規則な重鋸歯、縁毛があり、先は鈍形~鋭形。花序は頂生、長さ5~10㎝、輪散花序が密につく。花葉はときに紫赤色、卵形、長さ1~1.5㎝、基部は楔形、縁は全縁~わずかに欠刻し、先は鋭形。咢は漏斗状鐘形、長さ7~8㎜、無毛。咢歯は長軟毛があり、縁毛があり、狭三角形、咢の長さの1/2又はそれ以上、先は鋭形、規則的。花冠筒部は咢の長さの2倍又はそれ以上、長軟毛、微軟毛があり、内側に絨毛が環状にある。上唇は真っすぐ、先は円く、凹形。下唇は大きく、長く、中裂片は倒心形、側裂片は線状長円形。小堅果は外側が中間で膨れ、着点(areole) は内側のほとんど全体を被う。花期は4~8月。果期は7~9月。

2-1 Ajuga ciliata Bunge var. villosior A.Gray ex Nakai  カイジンドウ 甲斐竜胆
 日本(北海道、本州、沖縄)に分布。やや乾いた明るい落葉樹林に生える。
 多年草、全体に多細胞の白色の毛がある。茎は直立し、高さは30~40㎝、基部は赤紫色を帯び、4本の縦稜がある。葉は対生し、上部の葉は狭卵形、鈍頭。中部の葉は卵形~広卵形、長さ3~8㎝×幅2~4.5㎝、縁にはまばらに粗い鋸歯がある。茎下部の葉は小さく鱗片状。茎の上部の穂状花序に2唇形の花を密に多数つける。花は青紫色~紅紫色、長さ1~1.2㎝。花期は5~6月。

 3  Ajuga decumbens Thunb.  キランソウ 金襴草
 本州、四国、九州、朝鮮、中国、台湾原産。中国名は金疮小草 jin chuang xiao cao 。英名はcreeping bugleweed
 多年草、高さ5~10㎝。全体に毛が多い。根生葉が地面に張り付くように這って広がる。葉は長さ4~6㎝、幅1~2㎝の倒披針形、縁に粗い鋸歯があり、紫色を帯びることがある。花は青紫色~紫色で、長さ約1㎝の唇形花。上唇は長さ約1㎜、雄しべより短い。雄しべは4個で、うち下側の2個は短い。雌しべは1個、花柱の先は2裂し、上下に開く。子房は上から1/2まで4裂。果実は4分果、花冠が帽子のように残り、熟すと取れる。分果は長さ1.7~1.9㎜、乾くと表面が網目状になり、腹面に分果の大きさの2/3ほどの着点がある(キランソウ属の特徴)。2n=32。花期は3~5月。
3-1 Ajuga decumbens Thunb. f. albiflora Honda  シロバナキランソウ
 白花品種。
3-2 Ajuga decumbens Thunb. f. condensata Makino  ウズキランソウ
3-3 Ajuga decumbens Thunb. f. purpurea Honda  モモイロキランソウ
 花冠が淡紅色の品種
3-4 Ajuga decumbens Thunb. var. glabrata Hatus., nom. nud.  テリハキランソウ

 4  Ajuga dictyocarpa Hayata  オニキランソウ 
   synonum Ajuga elatior Ohwi
 日本(沖縄)、中国、台湾、ベトナム原産。中国名は网果筋骨草 wang guo jin gu cao。湿った草地に生える。
 斜上し、ときに匍匐枝を出す。茎は高さ20~30㎝、軟毛があり、先で分枝する。葉柄は狭い翼があり、長さ1~3㎝。葉身は倒卵形~長円状倒卵形、まれに三角状倒卵形、長さ3~4(~10)㎝×幅 2(~5)㎝、ほぼ無毛、中肋に軟毛があり、基部は楔形~沿下し、縁は粗い歯状~不規則な円鋸歯、まばらに縁毛があり、先は鈍形~類円形。輪散花序はは長さ12個又はそれ以上つき、頂生の穂状花序になり、長さ5~12㎝、先の花葉は苞状、卵形~卵状披針形、縁は歯状~全縁、最も小さい苞は約長さ8㎜×幅4㎜。咢は鐘形、長さ 3.5~4.5㎜×幅3~3.5㎜、咢歯は卵状三角形、咢の長さの1/2以下、縁毛があり、まばらに絨毛がある。花冠は白色、筒形、真っすぐ、わずかに折れ曲がり、長さ6~8㎜、筒部は無毛。拡大部は±絨毛があり、内側に絨毛が環状にある。上唇は半円形、2裂する。下唇は突出し、中裂片は狭い心形、約長さ2㎜×幅1.5㎜、先は凹形。側裂片は長円形、約長さ1.5㎜×幅1㎜。小堅果の着点(areole)は小堅果の内側の長さの2/3以下。花期と果期は3~6月。

 5  Ajuga genevensis L.
 ヨーロッパ原産。英名はupright bugle , blue bugle , Geneva bugleweed , blue bugleweed
品種) 'Alba' , 'Hohentwiel' , 'Pink Beauty' , 'Tottenham'

 6  Ajuga incisa Maxim.  ヒイラギソウ 柊草
 日本固有種(本州の関東地方~中部地方)。山地の半日陰の草地に生える。英名はblue enigma
 多年草、群生し、高さは30~50㎝。 茎は4稜形、直立して走出枝を出さない。葉は対生し、葉柄は長さ3~5㎝。葉身は卵形~広卵形、長さ5~10㎝×幅3~6㎝、鋭い欠刻状の切れ込みがあり、 ヒイラギの葉に似ているのが和名の由来。花は茎上部の葉腋に3~5段につく。萼は5裂。花冠は薄青紫色(白色、紅色)、長さ2~3㎝、2唇形、筒部が長く、花冠の外側には短毛がある。花期は4~6月。2n=32。
品種) 'Bikun' (v) , 'Blue Enigma' , 'Blue Ensign' , 'Frosted Jade'
6-1 Ajuga incisa Maxim. f. albiflora T.Yamaz.  シロバナヒイラギソウ
6-2 Ajuga incisa Maxim. f. rosea Honda  ベニバナヒイラギソウ

 7  Ajuga japonica Miq.  オウギカズラ 扇葛
 日本固有種(本州、四国、九州)。山地のやや湿った林下、林縁に生える。
 茎は高さ8~20㎝、毛は少なく、まばらに縮毛があり、基部の節から長い走出枝を出す。葉は対生し、葉柄は長さ2~5㎝。葉身は5角状心形、長さ2~5㎝×幅1.5~3.5㎝、不揃いの波状の数個の浅い切れ込みがある。走出枝の葉はやや小形。 花は茎上部の葉腋にややまばらに数個つき、長さ約2.5cm。萼は5裂し、裂片は鋭尖形。 花冠は長い筒部がある2唇形、淡青紫色、濃紫色の筋が入る。上唇は浅く2裂し、長さ約4㎜。唇は3裂して開出し、中央裂片は大きく、長さ約7㎜、先が浅く2裂する。小堅果は倒卵形、長さ約2.5㎜、網目がある。花期は4~5月。
  ヒイラギソウ(A. incisa)やカイジンドウ(A. ciliata var. villosior) に葉の形が似るが、これらは走出枝を出さない。
7-1 Ajuga japonica Miq. f. albiflora Honda  シロバナオウギカズラ
 白花品種。

 8  Ajuga linearifolia Pamp.  ホソバルリカコソウ
   synonum Ajuga pachyrrhiza Kitag. 
 中国原産。中国名は线叶筋骨草 xian ye jin gu cao 。

 9  Ajuga makinoi Nakai  タチキランソウ 立金瘡小草
 日本固有種(本州の関東~中部)別名はエンシュウニシキソウ
 多年草。高さ5~20㎝。茎が立ち、全体の様子はキランソウよりニシキゴロモに似ている。株が大きくなって横に広がるとキランソウに似てくる。茎は1~数本、斜上又は倒伏し、普通、紫色を帯びる。全体に白毛が散生する。花期の葉は長さ4~6㎝、幅1~2㎝の倒披針形。夏には葉が大きくなる。葉の鋸歯は少なく、普通、三角状になり、葉先はやや尖る。葉表には毛がほとんどなく、光沢があり、葉裏は紫色を帯びる。花は濃紫色の唇形花。まれに桃色の花も見られる。花冠は筒部が長さ約10㎜。花はキランソウに似ているが、上唇がニシキゴロモに似て、2裂して直立し、長さ2~3㎜。まれに2裂しない1枚の場合もある。萼は先が5裂し、毛が多い。雄しべ4個、うち、下側の2個は短い。雌しべ1個。花柱は先が2裂し、上下に開く。果実は4分果。2n=32  葉色や葉形には変化がある。上の写真のものは葉脈が紅紫色を帯びていない。鳳来町付近のものは葉脈が紅紫色を帯びるものが多く、ニシキゴロモに似て全体に紫色を呈するものもある。 花期は4~5月

 10  Ajuga multiflora Bunge  ルリカコソウ
 朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は多花筋骨草 duo hua jin gu cao

10-1 Ajuga multiflora Bunge f. leucantha (Nakai) T.B.Lee  シロバナルリカコソウ(temp.)
10-2 Ajuga multiflora Bunge f. rosea Y.N.Lee  モモイロルリカコソウ(temp.)
10-3 Ajuga multiflora Bunge var. brevispicata C.Y.Wu et C.Chen  センザンルリカコソウ
10-4 Ajuga multiflora Bunge var. serotina Kitag.  アキノルリカコソウ
 中国原産。中国名は莲座变种 lian zuo bian zhong
 高さ13~23㎝。根生葉はロゼットにつき、卵状長円形。上部の葉は広卵形~類円形、粗い鋸歯がある。花葉は広卵形~類柄円形、粗い歯がある。花冠は長さ1.8㎝以下。

 11  Ajuga nipponensis Makino  ジュウニヒトエ 十二単
   synonum Ajuga labordei Vaniot  シンチクキランソウ
 日本(本州、四国)、朝鮮、中国、台湾原産。中国名は紫背金盘 zi bei jin pan
 全体に白毛が多く、花穂が長く伸び多数の花をつける。花が葉腋につくのではなく、長さ4~6㎝の穂状花序に花が多数つく。
 1年草又は2年草。茎はまれに、平伏又は斜上し、高さ(8~)10~20㎝又はそれ異女王、樹毛又は長軟毛があり、基部は帯紫色。根生葉は無いかまたは少数。葉柄は長さ1~1.5㎝、根生葉では長さ2.5㎝以下、狭い翼があり、ときに紫緑色。葉身は倒卵形、広楕円形~類円形又はへら形、長さ2~4.5㎝×幅1.5~2.5㎝、まばらに剛毛又は長軟毛があり、基部は楔形で沿下し、縁は歯状~波状円鋸歯、縁毛があり、先は鈍形。 輪散花序は多数、花がつき、先の輪散花序は頂部の穂状に密集する。先の花葉は苞状、卵形~広披針形、長さ0.8~1.5㎝、縁は全縁~欠刻状。咢は鐘形、長さ3~5㎜、先や縁には絨毛がある。咢歯は三角形、咢の長さの1/2以下、先は尖鋭形。花冠は帯青色又は青紫色、まれに帯白色、暗色の線をもち、筒形、長さ(6~)8~11㎜、基部はわずかに膨れ、まばらに軟毛があり、内側に絨毛が環状にある。上唇は真っすぐ、2裂する。下唇の中裂片は扇状、先は切形~凹形。側裂片は狭い長円形。小堅果の着点(areole)は小堅果の内側の長さの3/5以下。花期は4~6月(中国東部)、11~3月(中国南西部)。果期は1~5月。
11-1 Ajuga nipponensis Makino f. nivea Hiyama  シロバナジュウニヒトエ
 白花品種。

 12  Ajuga pygmaea A.Gray  ヒメキランソウ 姫金瘡小草
 日本(九州、沖縄)、台湾原産。中国名は台湾筋骨草 tai wan jin gu cao
 平伏し、匍匐枝を出す。匍匐枝の節間は4~6㎝。葉はロゼットになり、葉柄がある。葉身はへら形、長さ2~3㎝×幅 4~6㎜、まばらに剛毛があり、基部は楔形、沿下し、縁は1又は2の波状の歯があり、縁毛があり、先は広い鈍形~円形。花葉は似る。花はスカイブルー色、状の葉腋に単生する。咢は鐘形、長さ 約4㎜、10脈があり、咢歯は長円形、咢の長さの約1/2、鈍形、縁毛があり、長軟毛がある。花冠は長さ8~12㎜、筒形。筒部は真っすぐ、長軟毛があり、内側に絨毛が環状にある。上唇は真っすぐ、2裂し、裂片は角形。下唇は上唇の長さの2~3倍、中裂片は狭い倒卵状三角形、基部は切形、先は凹形。側裂片は四角形、ほとんど中裂片と同長。小堅果は長さ約2㎜、の着点(areole)は小堅果の長さの2/3以下。花期は3~4月。

 13  Ajuga pyramidalis L. アジュガ・ピラミダリス
 ヨーロッパ原産。英名はpyramidal bugle。
 多年草、高さ5~20㎝。根生葉はロゼットになり、葉柄があり、茎葉よりかなり大きい。茎は硬い上向きの毛があり、4稜形で、対生する単葉をつける。茎葉は卵形、両面に毛があり、縁はわずかに波状。花序は葉状の苞をもち、各花の基部を抱く。苞は花序の先に向かって次第に小さくなり、常に花より長く、上部の苞はしばしば紫色を帯びる。花序はピラミッド形の頂生の穂状花序であり、花が腋生して輪生する。咢は5裂する。花冠は青紫色、長い筒部と2唇をもつ。上唇はごく短く、下唇は3裂する。雄しべは4本、2本は長く、2本は短い。雄しべ群は2個の融着した心皮からなり、果実は4室の分離果。花は両性、左右相称、蜜を生じ、マルハナバチや蝶などの花粉媒介者を引き付ける。花期は6~8月。2n = 32。
品種) 'Green Crispa' , 'Metallica Crispa' , 'Metallica Crispa Purpurea' , 'Metallica Crispa Rubra' , 'Purple Crispa'

 14  Ajuga reptans L.  セイヨウジュウニヒトエ 西洋十二単
 北ヨーロッパ原産。英名はcommon bugle ,carpet bugle。別名はツルジュウニヒトエ
 多年草。高さ10~15㎝。地上をはう茎を伸ばして広がる。葉は対生し、倒卵形~楕円形、長さ2~14㎝×幅5~50㎜、表面は無毛又は無毛になり、基部は漸尖形、先は鈍形、縁は全縁~円鋸歯に浅い鋸歯がある。根生葉は長い柄がある。頂部に高さ約30㎝の花茎を出し、対生する葉状の苞の脇に青紫色の唇形花を多数、穂状に付ける。  ツルカコソウとよく似ている。ツルカコソウは茎の毛も多く、葉の鋸歯が少なく、浅い。萼裂片が花冠の裂片近くに達する。花期は4~6月。
品種) 'Green Crispa' , 'Metallica Crispa' , 'Metallica Crispa Purpurea' , 'Metallica Crispa Rubra' , 'Purple Crispa' , 'Alba' , 'Arboretum Giant' , 'Arctic Fox' (v) , 'Argentea' , 'Atropurpurea' , 'Binblasca' (PBR) , 'Binparcol' , 'Binsugplu' (PBR) , Black Scallop = 'Binblasca' (PBR) , 'Blue Skies' , 'Blueberry Muffin' , 'Braunherz' , 'Brean Down' , 'Bronze Beauty' , 'Burgundy Glow' (v) , 'Burgundy Lace' , 'Burgundy Red' , 'Carol' , 'Caroli' , 'Catlin's Giant'カトリンズ・ジャイアント , 'Cavalier' , 'Choc Ice' , 'Chocolate Chip' , 'Compacta' , 'Cristata' , 'Delight' (v) , 'Delightful' , 'Dixie Chip' , 'Ebony' , 'Emerald Chip' , 'Ermine' (v) , 'Evening Glow' , 'Flisteridge' , 'Gaiety' , 'Golden Beauty' , 'Golden Beauty' (v) , 'Golden Glow' (v) , 'Green Splash' (v) , 'Grey Lady' , 'Harlequin' (v) , 'J.S. Black Fox' , 'John Pierpoint' , 'Julia' , 'Jumbo' , 'Jungle Beauty' , 'Jungle Beauty Improved' , 'Jungle Bronze' , 'Kerichen' , 'Klose's White' , 'Kurt's Compact' , 'Lush Blue' , 'Macrophylla' , 'Mahogany' , 'Min Crispa Red' , 'Mini Crisp Red' , 'Mini Crispa Red' , 'Multicolor' (v) , 'Nana Compacta' , 'Palisander' , 'Pallida' , Party Colors = 'Binparcol' (v) , 'Pat's Selection' (v) , 'Pink Beauty' , 'Pink Elf' , 'Pink Fantasy' , 'Pink Lightning' , 'Pink Silver' , 'Pink Splendour' , 'Pink Surprise' , 'Pink Towers' , 'Planet Zork' (v) , 'Purple Brocade' , 'Purple Torch' , 'Purpurea' , 'Rainbow' , 'Rosea' , 'Rowden Amethyst' , 'Rowden Appleblossom' , 'Rowden Blue Mist' , 'Rowden Royal Purple' , 'Royalty' , 'Silver Beauty' , 'Silver Carpet' , 'Silver Queen' , 'Stolzle' , 'Texas Tough' , 'Toffee Chip' (PBR) (v) , 'Tortoiseshell' (v) , 'Tricolor' , 'Valfredda' , 'Vanilla Chip' (v) , 'Variegata' (v) , 'Wild Purple'
14-1 Ajuga reptans f. albiflora
 白花品種。
品種) 'Alba' , 'Sanne' , 'Schneekerze' , 'Silver Shadow'

 15  Ajuga shikotanensis Miyabe et Tatew.  ツルカコソウ 蔓夏枯草
   synonum Ajuga pallescens (Maxim.) Nakai 
 本州、南千島に分布する。日当りのよい草原に生える。
 多年草。茎は直立し、高さ10~30㎝。茎の先に花穂をつける。花は淡青紫色の唇形花。花が終わると茎の下部から長い走出枝を出し、その先に来年の新株をつくる。花期は5~6月。本する。
15-1 Ajuga shikotanensis Miyabe et Tatew. f. hirsuta (Honda) Murata  ケブカツルカコソウ 毛深蔓夏枯草
   synonum Ajuga shikotanensis Miyabe et Tatew. var. hirsuta (Honda) H.Hara
本州(関東、中部地方)千島(色丹島)に分布。
10~30㎝。茎は下部が倒伏し、上部が直立する。葉は長さ2~5㎝の卵形。茎の上部の苞葉の脇に淡紫色の唇形花を付ける。花はウツボグサにあまり似ず、同属のキランソウに似ている。花冠は長さ約1㎝、淡紫色、上唇はほとんどない。花期は5~6月。

 16  Ajuga spectabilis Nakai  コウリョウソウ
 朝鮮原産。

 17  Ajuga taiwanensis Nakai ex Murata  ヤエヤマキランソウ 八重山金瘡小草
   synonum Ajuga macrosperma auct. non Wall.
   synonum Ajuga bracteosa auct. non Wall.
 日本(南西諸島)、台湾、フィリピン原産。別名はヤエヤマジュウニヒトエ。
 多年草。高さ5~15㎝。茎は基部から長さ10~30㎝の枝を1本~数本伸ばし、有花茎を直立~斜上し、灰白色の長軟毛又は綿毛状長軟毛がある。葉は倒卵状楕円形~へら形、長さ5~15㎝×幅1.5~3㎝、最下の葉は小さく、縁には波状の鈍い鋸歯があり、先は鈍形~円形、両面に多細胞の長毛を散生する。花は上部の葉腋に1~6個つく。花冠は2唇形、淡紅色~白色、筒部は長さ4~5㎜。上唇は長さ約1㎜、先が浅く2裂する。下唇は長さ2~3㎜、3裂する。 小堅果は4個、楕円形、長さ1.2~1.5㎜、隆起した網目がある。花期は12~5月。

 18  Ajuga tenorii C.Presl ⇒Ajuga reptans L.(参考6)
 イタリア原産。
品種) ‘Burgundy Glow’, 'Dixie Chip' , 'Piotrek01' , Princess Nadia = 'Piotrek01' (v) , 'Valfredda'= 'Chocolate Chip' 

 19  Ajuga yesoensis Maxim. ex Franch. et Sav.  ニシキゴロモ 錦衣
 日本固有種(北海道、本州の主に日本海側、四国)。別名は
 多年草。高さ5~15㎝。茎は根元から1~数本、直立し、やや縮れた毛が散生する。葉は対生し、葉柄は長さ1~2㎝。葉身は長さ2~6㎝、幅1~3㎝の倒卵形~長倒卵形、縁に浅い鋸歯があり、鋸歯の先や葉先は鈍頭。葉表には光沢はなく、葉脈が鮮やかに紫色になり、これが和名の由来である。葉裏は紫色を帯びる。葉腋に花を2~6個ずつつけ、茎が短く、花が固まってつく。花は淡紫色~淡紅紫色の唇形花。筒部は長さ10~11㎜。上唇弁は長さ2~3㎜、2裂して直立する。下唇弁は3裂して大きい。雄しべは4個。萼は長さ約6㎜、先が5裂し、毛がある。花期は4~5月

19-1 Ajuga yesoensis Maxim. ex Franch. et Sav. f. albiflora Honda  シロバナニシキゴロモ
 白花品種。日本海側に多い。

19-2 Ajuga yesoensis Maxim. ex Franch. et Sav. var. tsukubana Nakai  ツクバキンモンソウ 筑波金紋草
   synonum Ajuga tsukubana (Nakai) Okuyama
 本州(主に太平洋岸)、四国に分布する。
高さ5~15㎝。茎は紫色を帯びて立ち上がる。葉は対生し、葉柄は長さ1~2㎝、紫色を帯びる。葉身は長さ2~6㎝、幅1~3㎝の長楕円形~広卵形。葉表は葉脈が濃紫色、毛が散生し、光沢はない。葉裏は紫色を帯び、毛が散生する。花は葉腋に2~6個ずつつき、淡紅紫色~白色の唇形。花冠の上唇がごく浅く、2裂し、普通、長さ約1㎜と短く、雄しべが花冠の外に出ている。まれに上唇弁が約2㎜の長いものも見られる。下唇は3裂して大きい。 花期は4~5月
19-3 Ajuga yesoensis Maxim. ex Franch. et Sav. var. tsukubana Nakai f. alba Sugim.  ウドキランソウ

 20  ハイブリッド
(1) Ajuga x bastarda Makino  キランニシキゴロモ
 キランソウとニシキゴロモの雑種
(2) Ajuga x mixta Makino  ジュウニキランソウ
 キランソウとジュウニヒトエ の雑種
(3) その他
品種) 'Blueberry Muffin' , 'Brockbankii' , 'Jungle Beaty' , 'Little Court Pink' , 'Monmotaro San' , 'Pink Lightning' (v) , 'Pink Spires' , 'Rose Glow' , 'Sparkler' (v) , Sugar Plum = 'Binsugplu' (PBR) (v) , 'Variegated Glacier' (v)


 参考

1) Flora of Cnina
 Ajuga
 http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=100916
2) GRIN
 Ajuga
 https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=342
3)Flora of Victoria
 Ajuga reptans L.
 https://vicflora.rbg.vic.gov.au/flora/taxon/215d3308-b434-43e0-8ce6-93d5c79599c1
4)Online Virtual Flora of Wisconsin
 Ajuga reptans L.
 http://wisflora.herbarium.wisc.edu/taxa/index.php?taxon=2470
5)Plants of the World Online | Kew Science
 Ajuga
 http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:20646-1
6) Missouri botanical garden - Plant Finder
 Ajuga reptans 'Valfredda' CHOCOLATE CHIP
 https://www.missouribotanicalgarden.org/PlantFinder/PlantFinderDetails.aspx?taxonid
  =254287&isprofile=0&

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