カキツバタ  杜若、燕子花
[中国名] 燕子花 yan zi hua
[英名] rabbitear iris, Japanese iris, shallow-flower
[学名] Iris laevigata Fisch.
Iris laevigata Fisch. ex Fisch. et C.A. Mey.
アヤメ科 Iridaceae  アヤメ属
三河の植物観察
カキツバタの花
カキツバタの苞
カキツバタの花2
カキツバタの葉
カキツバタ
 アヤメ属の中では、最も好水性であり、和名は衣服を染めるのに使われ、「カキツケバナ(掻付花)」に由来する。中国などにも自生するが、雲南省のものは野生化したものではないかともいわれる。現在では多数の園芸品種がある。
 刈谷市内にある小堤西池のカキツバタ群落は国の天然記念物に指定されている。京都市内の大田の沢、鳥取県岩美町の唐川と並び日本三大カキツバタ自生地の1つである。5月中旬が花の見ごろ。カキツバタは刈谷市の花にもなっている。また、知立市内にある無量寿寺の八橋かきつばた園はカキツバタが約3万本といわれている。
 浅い池や湿地の水の中に生え、根茎は這い、太く、直径約1㎝。葉は灰緑色、長さ30~70(100㎝、幅(0.8~1.5)2~3㎝、主脈がはっきりしない。基部は栗褐色の繊維で被われる。有花茎は長さ22~60㎝、中実。苞(spathe:仏炎苞)は3~5個、不等長、長さ6~8㎝、幅1~1.5㎝、2~4個の花をつけ、下部のものが最も短く、先は普通、鋭形、上部のものは長く、先が普通、鈍形。花は暗青色~紫色、直径9~10(12)㎝。花柄は長さ1.5~3.5㎝。花被の筒部は長さ約2㎝。外花被片は倒卵形~楕円形、基部の中央部に白班があり、舌部は長さ7.5~9㎝、幅4~4.5㎝。内花被片は直立し、倒披針形、長さ5~6.5㎝、幅0.8~1.5㎝。雄しべは長さ約3㎝。葯は白色。子房は長さ約2㎝、幅5~7㎜。花柱は3分岐し、長さ5~6㎝、幅約1.2㎝、柱頭は2裂。蒴果は円筒状楕円形、長さ6.5~7㎝、幅2~2.5㎝、先は嘴状でない。種子は褐色、半円形、扁平、長さ約6.5㎜、幅約5㎜。2n=32,36。
 ノハナショウブは草地にも生え、葉の主脈がはっきりして、外花被片の中央部の斑紋が黄色。
 ハナショウブはノハナショウブを原種とする栽培種。
 アヤメは外花被片に黄色の網状の模様がある。
[花期] 5月
[草丈] 40~70㎝
[生活型] 多年草
[生育場所] 浅水池、湿地
[分布] 在来種 北海道、本州、四国、九州、朝鮮、中国、ロシア
[撮影] 刈谷市 小堤西池 03.5.18
【園芸品種】
 古くから栽培され、奈良時代には染料用に栽培されていた。江戸時代には観賞用に栽培され、江戸時代前期の『花壇地錦抄」(1695年)』には、鷲の尾(わしのお)、羅生門、村雲、橋姫、濡れ鷺(ぬれさぎ)、薄雲、四季咲き、ごまほし、つねのしろ、ぬけ白、六葉、八葉、八橋、13品種が掲載されている。最盛期には50品種を超えたが、江戸末期にはハナショウブの栽培が盛んになり、衰退してしまう。昭和以降に新品種が多数、育成され、現在は70~80品種がある。農林水産省の品種登録審査基準では花菖蒲、アヤメ品種( Iris L.)に含まれる。
(1)用途による分類
   庭園用、切り花用、鉢植え用
(2)花形
   垂れ咲、中間型、受け咲
   折鶴型:受け咲きであって、卵形の花弁の先端が閉じ気味となるもの
(3)花弁数による花形
   三英花:大きな花被片が3個
   六英花(舞孔雀):大きな花被片が6個
(4)花弁の班
   吹掛絞り=星班(唐衣):純白地に紫色の小斑点が入る
   吹掛覆輪(鶴舞、鷲の尾):斑点が重なり、縁の色が異なるもの
(5)品種の例
 青車、秋の夜、朝の袖、天雲、天の釣舟、天の羽衣、淡雲、海の蛍、雲上の月、折鶴、かえる波、からころも、からくれない、狩衣(かりごろも)、孔雀の尾、孔雀の羽、雲の里、煙風、小里、御所紅、桜花(さくらばな)、四季咲き、白鷺(しらさぎ)、白玉、すり衣、世界の海、袖の香、袖しずく、染川、鷹の尾、多摩川、玉の緒、鶴の羽、 鶴の舞、ドクトル大森、ナース江上、波間八重(なみまやえ)、濡れ鷺、濡燕、浜松、春の心、裕美、ふ笠、紅扇(べにおおぎ)、紅の冠、紅丸、星影、蛍雲、舞孔雀(まいくじゃく)、三河の海、都鳥、村雨、叢雲(むらくも)、もろこし舟、矢車、山里、山の風 、夢路、夢の泉、宵の蛍、鷲の尾(わしのお)、鷲の爪、鷲の羽、渡り舟
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