ヒルガオ  昼顔
[中国名] 柔毛大碗花 rou mao da wan hua
[英名] Japanese bindweed
[学名] Calystegia pubescens Lindl.
Calystegia sepium (L.) R.Br. var. japonica (Choisy) Makino
Calystegia japonica Choicy.
ヒルガオ科 Convolvulaceae  ヒルガオ属
三河の植物観察
ヒルガオの花
ヒルガオ苞
ヒルガオ萼片
ヒルガオ花柄
ヒルガオ雄しべ
ヒルガオ花糸の腺毛と萼の上部
ヒルガオ
ヒルガオ花粉
ヒルガオ葉2
ヒルガオ葉
ヒルガオ葉4
 名のとおり昼間咲く。地下茎を伸ばして広がる。
 葉は互生し、細長いほこ形~矢じり形、葉先が鈍頭、基部が下側方へ張り出す。花は直径5~6(写真は6)㎝のロート形、蕾のときは螺旋形に巻いている回旋状。花柄は断面が丸く、翼はない。萼片5個を2個の苞が包んでいる。苞は長さ2~2.5(写真は1.8)㎝の卵形、鈍頭。雄しべ5個、基部に腺毛があり、葯は白色。花粉も白色。雌しべ1個、柱頭2個、半円形。結実することは少ない。2n=22
 類似のコヒルガオの花は直径が3~4㎝と小さい。また、葉先が鋭頭、葉の基部が横に張り出し2裂し、花柄に翼がある。ただし、葉の形は中間的なものも多く、雑種はアイノコヒルガオという。
 学名は諸説あり、広義のヒルガオを Calystegia pubescens Lindl. とし、その品種として狭義のヒルガオ Calystegia pubescens Lindl. forma. major (Makino) Yonek.とする説もある。また、ヒロハヒルガオ Calystegia sepium (L.) R.Br. の変種とする説もあり、独立種とする説もある。
[花期] 6~8月
[草丈] つる性
[生活型] 多年草
[生育場所] 日当たりの良い野原、道端
[分布] 在来種  北海道、本州、四国、九州、朝鮮、中国
[撮影] 吉良町    01.7.25

  ヒルガオ属

  family Convolvulaceae - genus Calystegia

 多年草、平伏又は直立~絡み合い、高さ数m以下、根茎がある[基部が木質]。葉はほぼ無柄から有柄、長円形~矛形又は矢じり形[まれに、鳥足状]。花序は腋生、1個の花[又は数個の花]の集散花序。小苞は2個、咢片状、咢のすぐ下につき、卵形、ときに袋状、咢を包み[又は咢から離れ、錐形又は葉状]、宿存する。咢片はほぼ等形。花冠は白色、ピンク色[まれに淡黄色]、漏斗形、5本の目立つ花弁中央の帯をもち、無毛。雄しべは突き出ず、等長。花粉は球形、散孔粒、刺は無い。子房は1室、胚乳は4個。花柱は1個、花冠から突き出ない。柱頭は2個、こん棒形。蒴果は球形、無毛、非裂開。種子は4個、平滑又は微細ないぼがある。
 世界に約25種があり、ほとんどが温帯、わずかに熱帯に分布する。


 ヒルガオ属 の主な種と園芸品種

 1  Calystegia hederacea Wall.  コヒルガオ 小昼顔
 日本(本州、四国、九州)、朝鮮、中国、台湾、モンゴル、ロシア、インド、ネパール、パキスタン、マレーシア、ミャンマー、アフガニスタン、タジキスタン、北アフリカ原産。英名はJapanese false bindweed。中国名は打碗花 da wan hua 。
 多年草。地下茎を広げて、伸びる。葉は互生し、葉先が普通、鋭頭、基部が張り出したほこ形、張り出した耳の部分が2裂する。花は小形のロート形。花冠は直径3~4㎝、五角状になることが多い。蕾は螺旋形に巻いている回旋状。花柄の上部に狭い縮れた翼があるのが特徴である。ただし、ほとんど痕跡が残る程度のものもある。萼片5個は、2個の苞が包んでいる。苞は長さ1~2㎝の3角状卵形、鋭頭。雄しべ5個、葯は先が尖る。雌しべ1個。柱頭2個。結実することは少ない。2n=22,30。花期は6~10月。
1-1 Calystegia hederacea Wall. f. pentapetala (Makino) H.Hara  フギレヒルガオ
1-2 Calystegia hederacea Wall. f. sakuraii Hiyama  シロバナコヒルガオ
品種) 'Flore Pleno' (d)

 2  Calystegia macrostegia (Greene) Brummitt
 北アメリカ原産。英名は island false bindweed , island morning glory
 多年草、木質のてい幹(caudex)があり、亜低木、無毛~密に短毛がある。茎は細く、弱くよじ登り又は強くよじ登り、長さ1~9m。葉は長さ13㎝以下、普通、広三角形、 分裂する。花序は花序柄があり、花を1個~数個つけ、普通、基部に葉がつく。苞は咢に±隠れる。咢は長さ6~37㎜×幅4~30㎜、披針形~±円形、全縁、平ら~袋状。咢片は長さ7~25㎜。花冠は長さ22~68㎜、白色、次第にピンク色に変色する。
品種) 'Anacapa Pink' , 'Candy Cane'

 3  Calystegia pellita (Ledebour) G. Don
 朝鮮、中国、モンゴル、ロシア原産。中国名は藤长苗 teng chang miao 。
3-1 Calystegia pellita (Ledeb.) G.Don subsp. longifolia Brummitt  ケヒルガオ
    synonym Calystegia dahurica auct. non (Herbert) Choisy 
 朝鮮、中国に分布。中国名は长叶藤长苗 chang ye teng chang miao

 4  Calystegia pubescens Lindl.  ヒルガオ 昼顔
 日本(北海道、本州、四国、九州)、朝鮮、中国原産。中国名は柔毛大碗花 rou mao da wan hua 。英名は Japanese bindweed 。
 茎は絡み合い又は普通、よじ登り、高さ数mになり、無毛~まばらに毛がある。葉柄は長さ1~6㎝。葉身は狭三角形~長円形、無毛~まばらに毛があり、横の中間は±平行、弱く~強く、基部で分裂するが、裂片は中脈の長さの1/3以上にならない。花序柄は葉の高さから突き出ず、無毛又は基部に向かって有毛。小苞は長さ1.5~2.1(~2.4)㎝X幅0.8~1.4㎝、普通、無毛、鈍形。花冠はピンク色、まれに白色、長さ4.2~6.7㎝。雄しべは長さ2.4~3.2㎝。葯は長さ4.5~6㎜。花期は6~8月。2n=22。
 Calystegia pubescensはイギリスの栽培種の八重花に与えられた名であり、元は上海の近くで収集されたものである。現在ではヨーロッパ、北アメリカに帰化している。
 一重花のものはLiou and Ling (Fl. Ill. Nord Chine p. 27. 1931) により、C. japonica Choisyとされたが、 C. pubescensの名の方が早い。Calystegia pubescensは普通に導入され、しばしば、C. hederacea (コヒルガオ)と誤認されている。Calystegia pubescens と C. hederaceaとの中間のものが日本から報告され、それらはおそらく同所性であり、Convolvulus japonicus Thunberg ( = Calystegia sepium var. japonica (Thunberg) Makino, non Calystegia japonica Choisy).と名付けられた。これは疑わしい(Flora of China)。現在では交雑種のアイノコヒルガオと呼ばれている。
 Calystegia pubescensを広義に扱い、ヒルガオをl. f. majとする見解もあるが、ヨーロッパや北アメリカのものを栽培種とし、ヒルガオはCalystegia pubescensとするのが一般的である。
4-1 Calystegia pubescens Lindl. f. major (Makino) Yonek.  ヒルガオ  昼顔  [狭義]
    synonym Calystegia sepium (L.) R.Br. var. japonica sensu Makino 
    synonym Calystegia japonica Choisy 
 多年草。地下茎を伸ばして広がる。葉は互生し、細長いほこ形~矢じり形、葉先が鈍頭、基部が下側方へ張り出す。花は直径5~6(写真は6)㎝のロート形、蕾のときは螺旋形に巻いている回旋状。花柄は断面が丸く、翼はない。萼片5個を2個の苞が包んでいる。苞は長さ2~2.5(写真は1.8)㎝の卵形、鈍頭。雄しべ5個、基部に腺毛があり、葯は白色。花粉も白色。雌しべ1個、柱頭2個、半円形。結実することは少ない。2n=22。花期は6~8月。
4-2 Calystegia pubescens Lindl. f. albiflora (Makino) Yonek.  シロバナヒルガオ
    synonym Calystegia sepium (L.) R.Br. var. japonica (Choisy) Makino f. albiflora (Makino) T.Yamaz.
    synonym Calystegia japonica Choisy f. albiflora (Makino) H.Hara 

品種) 'Flore pleno'=C. dahurica f. anestia  テンシボタン

 5  Calystegia sepium (L.) R.Br.  ヒロハヒルガオ  広葉昼顔   [広義]
    synonym Calystegia sepium (L.) R.Br. var. americana auct. non (Sims) Matsuda 
    synonym Calystegia sepium (L.) R.Br. var. communis auct. non (Tryon) H.Hara 
    synonym Calystegia inflata auct. non Sweet 
 日本(北海道、本州)、中国、ロシア、西アジア、コーカサス、ヨーロッパ、北アフリカ、北アメリカ、南アメリカ(アルゼンチン)原産。英名はbearbind , bindweed , granny-pop-out-of-bed , greater bindweed , hedge bindweed , wild morning-glory , hedge bindweed。
 根茎は広がる。茎には初め無毛又は微軟毛がある。葉柄は長さ1.5~8㎝、普通、微軟毛がある。葉身は長さ3~14(~17)㎝×幅2.5~9(~11)㎝、普通、三角状矢じり形又は卵状矢じり形、基部近くは無毛又は微軟毛があり、基部の湾入は深くて円く、分かれた側部をもつ。基部の裂片は普通、円形又は鈍形、まれに鋭形、ときに小さな類付属の小裂片をもち、先は鋭形~短い尖鋭形。花は単生。花序柄は長さ3~12㎝、微軟毛があるか又は無毛、うねか又はごく狭い翼がある。苞は長さ1.25~3㎝×幅1~1.5㎝、 広卵形、覆瓦状でなく、又はほんのわずかに覆瓦状、基部は円形又は心形、先は普通、鈍形で微突形。咢片は長さ12~15㎜、披針状卵形。花冠は長さ(3~)5~6(~7)㎝。拡大部は直径4~6㎝、普通、ピンク色、花弁中央に白色の帯びをもち、まれに全体が白色。雄しべは長さ2~2.5㎝。花糸は下部1/2に毛がある。子房は1室。花柱は雄しべより長い。蒴果は長さ約1㎝、類球形。種子は±三角状卵形、外側の面は丸く、内側の面はほぼ平ら、暗褐色~ほとんど黒色。 [From: Webb et al. (1988) Flora of New Zealand. Volume 4.]
5-1 Calystegia sepium (L.) R.Br. subsp. spectabilis Brummitt  ヒロハヒルガオ
 日本、朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は欧旋花 ou xuan hua 。ヨーロッパに帰化。
 茎はよじ登り、高さ数m以下、無毛又は有毛。葉柄は長さ2~8㎝。葉身は±三角形、基部の裂片は中脈の長さの1/3~1/2、無毛~まばらに毛があり、湾入は分かれた側部をもつ。花序柄は葉から突き出ない。小苞は長さ3㎝X幅2.2㎝以下、竜骨があり、基部はやや, 袋状、わずかに重なり、先は鋭形~±鈍形。花冠はピンク色、長さ(4.5~)5.5~6.5㎝。雄しべは長さ(2.2~)2.5~3㎝。葯は長さ5.5~6.5㎜。花期は1~8月。果期は9月。
 朝鮮や日本ではCalystegia sepium subsp. spectabilisはC. pubescensに移行している。

 6  Calystegia silvatica (Kit. in Schrad.) Griseb.
    synonym Calystegia sepium var. silvatica
    synonym Convolvulus sepium L. var. fraterniflorus Mack. & Bush
 地中海沿岸地域、南西アジア原産。ニュージーランドなどに帰化している。
 多年草、よじ登り又は這い、根茎をのばす。茎は無毛、よじ登り絡み付く。葉は心形、基部に明瞭なノッチがある。茎は長さ8~30㎝。花は単生。花冠はトランペット形、白色、長さ5~8㎝。蒴果は長さ1~1.5㎝、古い宿存する咢片に取り囲まれる。
'品種) Incarnata'
6-1 Calystegia silvatica (Kit.) Griseb. subsp. orientalis Brummitt  トウヒロハヒルガオ 唐浜昼顔
    synonym Calystegia sepium auct. non (L.) R.Br.
 中国原産。中国名は鼓子花 gu zi hua 。
 茎はよじ登り、高さ数mまで。葉柄は長さ2~8㎝。葉身は三角形、基部の裂片は中脈の長さの1/3~1/2、無毛。基部の湾入は横が平行。花序柄はときに葉軸に対になり、葉の高さから突き出ない。小苞は互いに±重なり、袋状になり、先は±鋭形~±鈍形。花冠は白色まれに帯ピンク色、長さ4.3~6(~7.2)㎝。雄しべは長さ2.3~3.3㎝。約は長さ(2.5~)3~5(~5.5)㎜。

 7  Calystegia soldanella (L.) R.Br.  ハマヒルガオ 浜昼顔
 日本全土、朝鮮、中国、ロシア、アフリカ、アジア、ヨーロッパ、南北アメリカ、オーストラリア原産。中国名は肾叶打碗花 shen ye da wan hua 。英名はseashore false bindweed , beach morning glory, sea bindweed。和名は海岸の砂浜に生えることによる。花は朝から咲き、昼間も咲いている。
 多年草、平伏し、白い地下茎を長く伸ばし、地表に広がる。全草無毛。葉は互生し、長さ2~4㎝の円腎形、厚くて、艶があり、長柄がある。花は葉腋につく。花冠は漏斗形、直径4~5㎝、淡紅色。苞は萼に接してつく。雄しべ5個。蒴果は球形。種子は長さ5~9㎜、黒色。2n=22。花期は5~6月。
7-1 Calystegia soldanella (L.) R.Br. f. albiflora H.Hara  シロバナハマヒルガオ
7-2 Calystegia soldanella (L.) R.Br. f. rubriflora Asai  ベニバナハマヒルガオ

 8  Calystegia pellita (Ledeb.) G.Don  タチヒルガオ 広義 
 朝鮮、中国、モンゴル、ロシア原産。中国名は藤长苗 teng chang miao 。
 伏毛~絨毛がある。茎は平伏~弱くよじ登り~±直立、長さ1m以下。葉柄は長さ1~12㎜。葉身は狭三角形~長円形、長さは幅の3~7倍、不分裂~わずかに矛形又は中脈の長さの1/4以下の短い裂片があり、まばらに毛~絨毛がある。花序柄は葉から突き出ず、毛がある。小苞は長さ1.3~2.4㎝X幅1~1.8㎝、先は鋭形~鈍形。花冠はピンク色、長さ4.4~5.5㎝。雄しべは長さ2.5~3.3㎝。葯は長さ 5(~6)㎜。2n = 22。
8-1 Calystegia pellita (Ledeb.) G.Don subsp. stricta Brummitt  タチヒルガオ 立昼顔
    synonym Calystegia dahurica auct. non (Herbert) Choisy 
 朝鮮、中国、ロシアに分布。中国名は直立藤长苗 zhi li teng chang miao
 茎は ±直立、葉が密集してつく。葉は広長円形、幅1.5~2.5㎝、長さは幅の3~4倍。基部は切形、主な側脈は片側に3~4本。花期は6~7月。

 9  ハイブリッド
(1) Calystegia hederacea Wall. x C. pubescens Lindl.  アイノコヒルガオ
 ヒルガオとコヒルガオの雑種。葉や花柄などが両者の中間の形質を示すとされている。
(2) Calystegia pubescens Lindl. x C. soldanella (L.) R.Br.  マルバヒルガオ
(3) Calystegia x subvolubilis (Ledeb.) G.Don  マンシュウヒルガオ

 10  その他

Calystegia 'Angel's Trumpets'


 参考

1) Plants of the World Online | Kew Science
 Carica papaya L.
 http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:30011248-2
2) Flora of China
 Calystegia
 http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=105355
3)Flora of North America
 Carica
 http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=105651
4)Taxon Profile | Calystegia sepium - Flora of New Zealand
 Calystegia
  http://www.nzflora.info/factsheet/Taxon/Calystegia.html
 Calystegia sepium (L.) R.Br.
  http://www.nzflora.info/factsheet/Taxon/Calystegia-sepium.html
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