地衣体は薄く～厚く、変化が多く、厚さ300µm以下、淡黄褐色～淡灰緑色～灰白色。子器は目立ち、直径約1.5（2）㎜以下、無柄、単一ときに縁が融合し、半球形～つぼ形、近球形。表面は地衣体と同色。盤はときに上から一部が見え、灰色～黒色を帯びる。孔は直径0.19～0.58㎜、円形～不規則、果殻の先が上から見える。果殻は果托と離れ、屋根のような形であり、薄く、内部は無色～淡黄色、縁は黄色～褐色～灰色。子嚢は1～4胞子。胞子は無色、厚壁、長さ40～90µm、幅10～20µm、石垣状多室、縦12～22室、横1～6室。粉子器は見られない。スポットテストは全て(-)。二次代謝物質は検出されない。
　イシガキフジゴケ（仮称）Thelotrema similansは樹皮着生。子器は小さく、直径0.4～0.6㎜。孔は直径0.15～0.32㎜。子嚢は1胞子。胞子は薄壁又は厚壁、石垣状多室、長さ94～150µm、幅14～30µm。
　キンチャクゴケ Thelotrema nipponicum は胞子が薄壁、長さ60～80µm、18～24室。
　ホソチブサゴケ Thelotrema subtile は子器が普通直径0.6㎜以下。果殻が古くなると灰褐色になる。胞子が長さ30～50µm、幅7～10µm、縦に8～16（8～12）室、初期に外壁が薄い。

　カコウゴケ属 Ocellularia もよく似ている。
　アナゴケ　Ocellularia fissa = Thelotrema inalbescens は地衣体が緑灰色～黄灰色～オリーブ色。子器は直径2㎜以下。子嚢は8胞子。胞子は淡褐色～褐色、長さ8～20 (22)µm、幅6～10 (12)µm、縦3～6室、横1～3室。地衣体：K+黄色 , C- , P+黄色。プソロミン酸 (major)、 2’-O-demethylpsoromic acid (mino～ trace)、 subpsoromic acid (trace)を含む。