Thelotremataceae をフジゴケ科、Thelotremaをフジゴケ属とする見解もあり、モジゴケ科 Graphidaceae に含めることもある。類似の属にカコウゴケ属　Ocellulariaがある。
　痂状地衣。樹皮内生～樹皮上生、直径10㎝以上になることもあり、厚さ200µm以下、淡黄褐色～淡灰色、光沢は無い～やや有り、平滑、疣状～小疣状又は連続、亀裂があることもある。初期の皮層は不連続、厚さ約25µm以下、ときに癒着し、周縁の菌糸からなる皮層となる。藻類層は多少し、連続又は不連続、シュウ酸カルシウムの結晶が多い。無性芽は見られない。子器はよく見られ、直径普通約0.6㎜以下、円形又はやや歪み、子嚢盤様、無柄、単生、縁生、まれに融合し、半球形～つぼ形～球形に近くなる。子器は幅0.4～1.2㎜の疣状突起につく。盤は古い子器の上部では見えるようになり、灰色、明瞭に白色の粉霜がある。孔は幅0.2～0.5㎜、果殻が明瞭に見え、頂部は灰色、下部は褐色になり、ときに縮み、内曲～直立する。子器の唇の果托は地衣体と同色。果殻は果托と離れ、厚く、内部は透明～淡黄色、縁は黄色～灰褐色、先はしばしば暗褐色になる。子嚢層は厚さ約150µm以下。子嚢は4～8胞子。胞子は透明、古くなると褐色になり、長さ30～50µm、幅7～10µm、縦に8～16（8～12）室、初期に外壁は薄く、後に厚くなる。スポットテスト　地衣体：K–, C–, P– 。二次代謝物質は検出されない。